Artist: Doechii
Album: Oh The Places You’ll Go
Song Title: What’s Your Name?
概要
『Oh The Places You’ll Go』収録の本作は、ハウスミュージックやボールルーム(Vogue)カルチャーの熱気をヒップホップに昇華させた、自己エンパワーメントの強烈なダンス・アンセムである。Aretha Franklinのクラシックへのオマージュを捧げつつ、ドラァグクイーンやLGBTQ+コミュニティのスラング(「gag」「break this wrist」など)をふんだんに取り入れ、フロアを支配する圧倒的なカリスマ性を誇示する。「お前の名前は?(お前は何者だ?)」というアグレッシブな問いかけは、インディペンデント・アーティストとして自らの居場所を力ずくで切り拓いてきたDoechii自身のアイデンティティの確立と、シーンに対する堂々たる宣戦布告として機能している。
和訳
[Chorus]
What's your name? What's your name?
アンタの名前は? 何者なの?
What's your claim? What's your fame?
アンタの主張は? 何で有名になったわけ?
※「claim(権利の主張、縄張り)」と「fame(名声)」のライム。ボールルーム・カルチャーにおいて、自分がどの「ハウス」に属し、何者であるかを名乗る(レペゼンする)カルチャーを背景にした強烈な問いかけ。
What's your name? What's your name?
アンタの名前は? 何者なの?
What's your claim? What's your fame?
アンタの主張は? 何で有名になったわけ?
[Verse 1]
D-O-E, came out in the womb with the do-re-mi
ウチはD-O-E(ドーチ)、ドレミ(音楽)と一緒に子宮から飛び出してきたのさ
※生まれながらのアーティスト(天才)であるというフレックス。「D-O-E」と「do-re-mi」の軽快な言葉遊び。
I rock the brands in a Versace
ヴェルサーチェでビシッとキメる
Know who I am but I stay lowkey
自分が何者かは分かってるけど、あえて目立たないようにしてるわ
R-E-S-P-E-C-T
R-E-S-P-E-C-T(リスペクト)
※「クイーン・オブ・ソウル」ことAretha Franklinの1967年の歴史的名曲「Respect」からのサンプリング。女性の自立と尊厳を歌ったこのクラシックを引用することで、自身が次世代のクイーンであることを宣言している。
Who the fuck is that? Bitch, it's me
「あれ誰だよ?」って? ビッチ、アタシに決まってるでしょ
I spit the pitch and I make the face
ピッチ(音程)を刻んで、最高のフェイス(表情)を作る
※「make the face」はヴォーギング(Voguing)において、顔の周りで手を動かし自身の美しさを強調するパフォーマンス(Face)や、モデルのような表情を作る技術を指すボールルーム用語。
I am the huntress, I am the queen
ウチは狩る側の女(ハントレス)、ウチがクイーンなのよ
I give a little kiss, kiss, kiss
チュッ、チュッ、チュって軽くキスを投げて
Then I hit 'em with a twist, twist, twist
それからツイスト、ツイスト、ツイストで圧倒してやる
Then I give a little lip, lip, lip
リップ、リップ、リップで魅了して
And I hit 'em with the hip, hip, hip
ヒップ、ヒップ、ヒップで仕留めるのさ
※ヴォーギングやランウェイでのリズミカルで官能的な身のこなし(ポージング)の連続を表現。女性特有の武器(唇、腰、キス)を使ってフロアの視線を完全に支配している。
[Pre-Chorus]
Cause I walk in the room and they know my name
だってウチが部屋に入れば、みんなアタシの名前を知ってる
I move to the groove and they know my frame
グルーヴに乗って動けば、みんなアタシの骨格(スタイル)に見惚れるの
I post on the gram and thеy know my fame
インスタにアップすれば、みんなアタシのフェイム(名声)を思い知る
I walk in the club and they know my
クラブに足を踏み入れれば、みんなアタシの…
Thеy know my name
アタシの名前を知ってるんだわ
[Chorus]
What's your name? What's your name?
アンタの名前は? 何者なの?
What's your claim? What's your fame?
アンタの主張は? 何で有名になったわけ?
What's your name? What's your name?
アンタの名前は? 何者なの?
What's your claim? What's your fame?
アンタの主張は? 何で有名になったわけ?
[Refrain]
Welcome to your love
アンタの愛(情熱)へようこそ
Step into your destiny
自分の運命へと足を踏み入れな
※単なる自己顕示欲を超え、リスナー自身にも「自分の名前(アイデンティティ)を誇り、運命を切り拓け」とエンパワーメントするゴスペル的・説教的なメッセージ。
Welcome to your love
アンタの愛(情熱)へようこそ
Step into your destiny
自分の運命へと足を踏み入れな
[Verse 2]
When—When—When I walk in the club all them boys get sick
ウチがクラブに入れば、男どもはみんな狂ったように熱狂する(シックになる)
※「sick」は「病気」ではなく、スラングで「ヤバい、最高、狂おしいほど夢中になる」という意味。
I drop the floor and I break this wrist
フロアにディップして、この手首を折って(ポーズをキメて)やるわ
※「drop the floor」はヴォーギングにおける「Dip(背中から床に倒れ込む大技)」のこと。「break this wrist」はLGBTQ+カルチャーにおける「limp wrist(手首をだらんと下げるゲイのステレオタイプなジェスチャー)」を力強く誇示し、ダンスのポージングへと昇華させた表現。
I walk to a boy and I twist this twist
男のところに歩み寄って、このツイストを見せつける
Me nah don't care, I blow 'dem kiss
ウチは気にしない、あいつらに投げキッスを食らわすだけ
※パトワ(ジャマイカ・クレオール語)的な表現「Me nah don't care」を取り入れ、フロリダのカリブ海ルーツやダンスホールのバイブスをミックスしている。
I'm walking around and them things gon' drop, pop
アタシが歩き回れば、色んなモノが落ちて、弾けるのさ
Shake it all the way to the top, ot
頂点(トップ)までとことん揺らしてやる
30 inch weave to the floor like a mop
30インチのウィーブ(付け毛)がモップみたいに床に届く
※「weave」は黒人女性がよく使うヘアエクステンション。30インチ(約76cm)という極端に長いウィーブを振り回して踊る、ゴージャスなブラック・フェミニズムとドラァグ・カルチャーの視覚的アピール。
And I bet you them girls gon drop, pop
きっと女の子たちもディップして(落ちて)、ポップするはずよ
Rock it to the beat, mi rock it to the beat
ビートに乗せて揺らす、ビートに乗せてロックする
And breaking all the knees, we drippin' in designer
膝をガクガクにさせて、ウチらはデザイナーズブランドで着飾(ドリップ)してる
Work it for the week, yeah we can get it freakin'
1週間ずっと働き詰めて(踊り狂って)、ヤバいことになるのさ
Bottle full of liquor, litter than a lighter
ボトルいっぱいの酒、ライターよりも「リット(最高にキマって)」してるわ
※「lit(火がつく、最高に楽しい・酔っ払っている)」の比較級「litter」と、火をつける「lighter」を掛けた秀逸なライム。
[Pre-Chorus]
I walk in the room and they know my name
ウチが部屋に入れば、みんなアタシの名前を知ってる
I move to the groove and they know my frame
グルーヴに乗って動けば、みんなアタシの骨格(スタイル)に見惚れるの
I post on the gram and they know my fame
インスタにアップすれば、みんなアタシのフェイム(名声)を思い知る
They know my name, they know my fucking name!
アタシの名前を知ってる、アタシのクソヤバい名前をね!
[Bridge]
I bet them jaws gon' drop, I bet them bra's gon' pop
きっとあいつらのアゴは外れて、ブラのホックは弾け飛ぶわ
(They know my name)
(みんなアタシの名前を知ってる)
I bet them girls gon' rock, I bet them girls gon' drop
きっと女の子たちはロックして、ディップする(落ちる)はず
(They know my name)
(みんなアタシの名前を知ってる)
I bet them boys will gag, I bet them boys will drag
きっと男どもは言葉を失って(ギャグして)、ドラァグクイーンみたいに狂喜する
※「gag」はLGBTQ+ / ドラァグカルチャーのスラングで「(あまりの素晴らしさに)息を呑む、言葉を失う」こと。「drag」はそのままドラァグ(女装)を指し、ストレートの男たちをもドラァグカルチャーの熱狂の渦へと巻き込んでいく圧倒的なエネルギーを示している。
(They know my name)
(みんなアタシの名前を知ってる)
I bet the world go stop, I bet them girls will flop
きっと世界は立ち止まり、他のビッチ共は失敗(フロップ)するわ
(They know my name)
(みんなアタシの名前を知ってる)
[Refrain]
Welcome to your love (They know my name)
アンタの愛(情熱)へようこそ(みんなアタシの名前を知ってる)
Step into your destiny (They know my name)
自分の運命へと足を踏み入れな(みんなアタシの名前を知ってる)
Welcome to your love (They know my name)
アンタの愛(情熱)へようこそ(みんなアタシの名前を知ってる)
Step into your destiny (They know my name)
自分の運命へと足を踏み入れな(みんなアタシの名前を知ってる)
