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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Look At Me! - XXXTENTACION 【和訳・解説】

Artist: XXXTENTACION

Album: Revenge

Song Title: Look At Me!

概要

本作は、2015年末にSoundCloud上で公開され、2017年にXXXTENTACIONが投獄されている最中に爆発的ヒットを記録した、所謂「サウンドクラウドラップ」の象徴的アンセムである。プロデューサーのRojasとJimmy Duvalが手がけたトラックは、Malaの「Changes」を不穏にサンプリングしており、意図的な音割れ(ディストーション)を伴う過剰なベースが最大の特徴だ。これは当初のミックスミスだったと言われているが、Xはその荒々しさを気に入り採用した。本作の独特な三連符フロウは後にDrakeの「KMT」で模倣されたという疑惑を生み、ヒップホップシーンにおける世代間の分断や巨大なビーフを引き起こす発火点ともなった、音楽史において極めて重要な一曲である。

和訳

[Intro]

Ayy, I'm like, "Bitch, who is your mans?" ayy
おい、「ビッチ、お前の男は誰だよ?」って感じだぜ
※「who is your mans」は相手の恋人や仲間を小馬鹿にするフレーズ。自身の性的魅力と優位性を誇示し、相手のパートナーの存在を完全に軽視している。

Can't keep my dick in my pants, ayy
股間のモノをパンツの中にしまっとけねえんだよ
※Xの抑えきれない性衝動や無軌道なライフスタイルを象徴するライン。この過激で直情的なリリックが、当時の10代の若者たちが抱える鬱屈したエネルギーと強烈に共鳴した。

My bitch don't love me no mo', ayy
俺の女はもう俺を愛してねえんだ
※後の「Jocelyn Flores」や「SAD!」にも通じる、彼の音楽の核となる「見捨てられることへの恐怖」とエモ・ラップ的要素が垣間見える。狂騒的なトラックの中で突如として虚無感が提示される点がX特有の魅力である。

She kick me out, I'm like, "Vro"
追い出されちまって、「ブラザー、マジかよ」って感じさ
※「Vro」は「Bro」のBをVに変えたフロリダ・ブロワード郡特有のスラング(XやSki Mask the Slump Godらのクルー「Members Only」が多用)。恋人に追い出された理不尽さを地元の仲間に愚痴るストリートの日常が描かれている。

[Interlude]

Damn, son, where'd you find this?
クソッ、お前これどこで見つけてきたんだよ?
※トラップミュージックにおいて歴史的に多用されてきた有名なプロデューサータグ。元々はDJのミックステープ文化(Trap-A-Holics等)で使われていた音声素材であり、ここでは粗削りなアンダーグラウンドのバイブスを意図的に演出するために挿入されている。

Yeah, ayy
イェー、エイ

Yeah, ayy, yeah, ayy, haha
イェー、エイ、イェー、エイ、ハハ

Yeah, yeah, yeah, ayy
イェー、イェー、イェー、エイ

Ayy, ayy, ayy
エイ、エイ、エイ

[Verse 1]

I'm like, "Bitch, who is your mans?" ayy
おい、「ビッチ、お前の男は誰だよ?」って感じだぜ

Can't keep my dick in my pants, ayy
股間のモノをパンツの中にしまっとけねえんだよ

My bitch don't love me no mo', ayy
俺の女はもう俺を愛してねえんだ

She kick me out, I'm like, "Vro," ayy
追い出されちまって、「ブラザー、マジかよ」って感じさ

That bitch don't wanna be friends, ayy
あのビッチは友達でいる気なんてねえんだよ

I gave her dick, she amen, ayy
俺がヤってやったら「アーメン」って感謝しやがる
※性行為を宗教的な救済や祝福(Amen)に喩える強烈なメタファー。Xが相手に対して神のような絶対的な支配力・優位性を持っているというエゴの誇示である。

She put her tongue on my dick, ayy
あいつは俺のモノに舌を這わす

Look at my wrist, about ten, ayy
俺の手首を見な、1万ドルくらいかかってるぜ
※「ten」は10,000ドルのこと。高価な時計やジュエリー(Ice)を自慢する典型的なヒップホップ・フレックス。当時はまだ完全なアンダーグラウンドだったXが、将来の成功を先取りして見せびらかしている。

Just got a pound of the boof, ayy
1ポンドの最高級なウィードを手に入れたばっかだ
※「Boof」はフロリダ南部のスラングで高品質なマリファナを指す(他地域では粗悪品や密輸手法を意味することもあるがここでは前者)。1ポンド(約450グラム)という大量の麻薬を所持することでストリートでのハッスルをアピールしている。

Brought that shit straight to the booth, ayy
そいつをそのままレコーディングブースに持ち込んだぜ

Tommy my Hilfiger voots, ayy
俺の足元はTommy Hilfigerのブーツさ
※「voots」はbootsの頭文字を前述の「Vro」と同様にVに変えた彼らのクルー特有の言語表現。90年代ヒップホップで愛されたTommy Hilfigerを着用し、クラシックな不良のスタイルを踏襲している。

She said, "Wan' fuck?" bitch, I do, ayy
女が「ヤりたい?」って聞いてきたから「当たり前だろ」って答えてやった

You put a gun on my mans, ayy
お前が俺のダチに銃を向けるなら

I put a hole in your parents, ayy
俺はお前の親の頭に風穴を開けてやるよ
※目には目を、ではなく「仲間を狙うならその親族を殺す」という、ストリートの報復の残酷さとエスカレーションを表現した狂気的なライン。Xの暴力的な一面と、仲間(Vro)に対する異常なまでの忠誠心が現れている。

I just got lean on my Ksubis, ayy
スビのジーンズにリーンをこぼしちまった
※「Ksubis」はオーストラリア発の高級デニムブランドKsubiのこと。A$AP Rockyなど多くのラッパーに愛用された。「Lean(咳止めシロップのソーダ割り)」をこぼす描写で、当時のドラッグカルチャーの退廃的な日常を描いている。

I got a Uzi, no Uzi
ウージーを持ってるぜ、Lil Uzi Vertのことじゃねえぞ
※同年代のスターであるLil Uzi Vertとのダブルミーニング。「Uzi(サブマシンガン)」を所持しているという暴力描写だが、当時はLil Uzi Vertとの間に比較やライバル視が存在しており、Reddit等でも「これはディスなのか単なるワードプレイなのか」と頻繁に議論の的となった。

[Chorus]

Fuck on me, look at me, ayy
ヤらせろよ、俺を見ろ
※「俺を見ろ(Look At Me)」というタイトルにもなっているこのフレーズは、父親不在の家庭環境や少年院での経験など、孤独と承認欲求に苛まれていたXの心の叫びでもある。単なる性的な挑発を超え、社会から見放された若者の「自身の存在証明」として機能しており、これが爆発的共感を生んだ。

Fuck on me, yah, look at me, ayy
ヤらせろよ、ヤー、俺を見ろ

Look at me, look at me, yah
俺を見ろ、俺を見ろ、ヤー

Fuck on me, yah, ayy
ヤらせろよ、ヤー、エイ

Look at me, yah, fuck on me
俺を見ろ、ヤー、ヤらせろよ

Look at me, fuck on me, yah
俺を見ろ、ヤらせろよ、ヤー

Look at me, fuck on me
俺を見ろ、ヤらせろよ

Yah, ayy
ヤー、エイ

[Bridge]

Tell these fuck niggas, voot me up, pipe up
クソ野郎どもに言っとけ、俺をブチ上げろ、盛り上がれってな
※「voot」はまたしてもVを用いたスラングで、ここでは「boot up(ドラッグでハイになる、テンションを上げる)」と同義。「pipe up」も騒ぎ立てるという意味。ライブにおけるモッシュピットを扇動する強烈なシャウト。

Ayy, shouts out Bans and them, ayy
エイ、Yung Bansとアイツらにシャウトアウトを送るぜ
※アトランタのラッパーYung Bansへの言及。彼はXが影響を受けた、あるいは親交のあったアンダーグラウンド・シーンの同志である。当時家宅軟禁中など法的な問題を抱えていたBansへの連帯を示している。

[Verse 2]

I took a white bitch to Starbucks
白人のビッチをスタバに連れてった

That little bitch got her throat fucked
あの小娘の喉の奥まで突っ込んでやったぜ

I like to rock out, I'm misfit
ロックに暴れるのが好きなんだ、俺ははみ出し者だからな
※パンクバンドMisfitsへのオマージュであると同時に、ヒップホップの枠に収まらない自身の異端性(Misfit)を表現している。XはSlipknotやNirvanaを敬愛しており、この曲のシャウトを多用するスタイルもパンクやメタルからの影響が色濃い。

My emo bitch like her wrist slit
俺のエモいビッチは手首を切るのが好きらしい
※自傷行為(リストカット)やエモ・カルチャーへの直接的な言及。当時のSoundCloudラップシーンには精神疾患や鬱病を赤裸々に語る潮流(エモ・ラップ)があり、Xはその象徴的アイコンであった。過激だが、同じ苦しみを抱えるティーンエイジャー達にとってはある種のリアルな共鳴ポイントだった。

Curly hair bitch like I'm Corbin
カーリーヘアのビッチ、まるで俺はCorbinみたいだな
※Corbin(別名Spooky Black)への言及。彼はR&Bやエモ要素を取り入れた白人アーティストで、初期のアンダーグラウンドシーンでカルト的な人気を誇っていた。Xも彼から音楽的インスピレーションを受けており、彼へのシャウトアウトである。

Got like three bitches, I'm Mormon
女が3人くらいいるぜ、俺はモルモン教徒かよ
※一部に一夫多妻制の歴史があることで知られるモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)を引き合いに出し、複数の女性と関係を持っている自分を皮肉めいて喩えている秀逸なパンチライン。

Skeet on your main bitch's forehead
お前の本命のビッチの額にぶっかけてやる

Don't want your pussy, just want head
ま〇こは要らねえ、ただフェラだけしてくれよ
※Drakeが楽曲「KMT」で丸ごと模倣した(と批判された)のがまさにこのVerse 2のフロウ(三連符のスタッカートな刻み)である。X自身が獄中から「Drakeが俺のスタイルを盗んだ」と非難し、シーンを二分する巨大な論争へと発展したヒップホップ史に残る因縁のパート。

[Chorus]

Look at me, fuck on me
俺を見ろ、ヤらせろよ

Look at me, fuck on me
俺を見ろ、ヤらせろよ

Look at me, fuck on me
俺を見ろ、ヤらせろよ

Look at me, yah, ayy
俺を見ろ、ヤー、エイ

Look at me, fuck on me
俺を見ろ、ヤらせろよ

Look at me, fuck on me
俺を見ろ、ヤらせろよ

Look at me, fuck on me
俺を見ろ、ヤらせろよ

Look at me, yah
俺を見ろ、ヤー