Artist: Lil Nas X (feat. Megan Thee Stallion)
Album: MONTERO
Song Title: DOLLA SIGN SLIME
概要
2021年のデビューアルバム『MONTERO』に収録された、Take a Daytripプロデュースによるバウンシーなトラップ・バンガー。客演にヒューストンのフィメール・ラッパー、Megan Thee Stallionを迎え、アンチやゴシップメディアに対する強烈なフレックス(誇示)を展開している。タイトルの「DOLLA SIGN SLIME」は、成功を収めて大金(Dollar Sign)を手にした現在でも、内面はブレイク前と変わらないストリートの「Slime(仲間、ヤバい奴)」であるという宣言だ。Lil Nas Xがネット上のヘイターを冷笑し、Meganが自身の肉体美や業界での圧倒的地位をエミネムのリファレンスなどを交えて誇示する。クィア・ラッパーとフィメール・ラッパーのトップランナー二人が共闘し、既存のヒップホップ・マチズモを軽やかに凌駕する痛快な一曲である。
和訳
[Intro: Nessly]
Day-Day-Daytrip took it to ten (Hey)
デイトリップがレベル10まで引き上げたぜ(ヘイ)
※ニューヨークのプロデューサー・デュオ、Take a Daytripのシグネチャータグ。
[Pre-Chorus: Lil Nas X]
Y'all take a rumor then y'all go and wear it out
お前らは噂話を拾い上げて、擦り切れるまで使い古しやがる
※ネット上のゴシップやフェイクニュースに飛びつき、執拗に消費し続ける大衆の姿を「服を着古す(wear it out)」という比喩で批判している。
Fuck all that talkin' 'bout who's and the whereabouts
「誰がどこにいる」なんてくだらねえおしゃべりはクソくらえだ
I walk in Neiman's and Marcus, I'm buried out
ニーマン・マーカスに足を踏み入れれば、俺は商品に埋もれちまう
※「Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)」はアメリカの超高級デパート。そこで大量のハイブランド品を買い込み、服やバッグに埋もれる(buried out)ほどの財力を誇示している。
Walk in the bank and say, "Fuck it, let's clear it out"
銀行に足を踏み入れてこう言うのさ、「クソッ、全額引き出そうぜ」ってな
[Chorus: Lil Nas X]
I'm the same dollar sign slime, they gon' hear me
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム(大金を持ったヤバい奴)」さ、奴らも俺の噂を耳にするだろうな
※「dollar sign」は文字通り大金や富の象徴。「slime」はアトランタのヒップホップ・コミュニティ(特にYoung Thug周辺)から広まったスラングで「血の繋がらない兄弟、仲間、あるいはイケてる奴」を指す。大金を手に入れても、中身は昔から変わらずイケてる存在であるという宣言。
I'm the same dollar sign slime, they gon' feel me
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ、奴らも俺の凄みを感じるはずだ
I'm the same dollar sign slime, yeah
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ、イェー
I'm the same dollar sign slime, yeah
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ、イェー
[Verse 1: Lil Nas X]
Yeah, album gon' hit like it's '82
あぁ、このアルバムは1982年みたいに特大のヒットになるぜ
※「1982年」はマイケル・ジャクソンの歴史的モンスター・アルバム『Thriller』がリリースされた年。自身のデビュー・アルバム『MONTERO』が音楽史に残る成功を収めるという揺るぎない自信の表れ。
Got a new whip and it's navy blue (Navy blue)
新しい車(ウィップ)を手に入れた、色はネイビーブルーだ(ネイビーブルーさ)
Top of the game, only twenty-two
このゲームの頂点に立ってる、まだたったの22歳でな
Look at me, nigga, then look at you (Look at you)
俺を見てみろよ、それからお前自身を見てみな(自分を見てみな)
You just an opp and a flop of a nigga
お前はただの敵(オップ)で、大コケした(フロップな)負け犬さ
I'm sorry that I gotta say thе truth
真実を突きつけなきゃならなくて悪いな
Thought I went pop, but I popped on you niggas
俺がポップスに日和ったと思ってたみたいだが、お前らに一発食らわせて(ポップして)やったぜ
※カントリーやポップ・ロック路線の曲をリリースしたことで「ヒップホップから逃げた」と批判するヘイターに対し、「went pop(ポップス路線に行く)」と「popped on(発砲する、奇襲する、出し抜く)」を掛けた見事なワードプレイ。
Now, I'm with the hits likе I'm Babe Ruth (Ah)
今じゃ俺はベーブ・ルースみたいにヒットを連発してる(アー)
※伝説の野球選手ベーブ・ルースのホームラン(ヒット)と、自身の楽曲のヒットを掛けた古典的なパンチライン。
Bitch, I do not do labor (Uh-huh)
ビッチ、俺は労働(レイバー)なんてしねえよ(アーハァ)
He the one who got too major (Ah)
俺はビッグ(メジャー)になりすぎた男だからな(アー)
Bought a new house, few acres (Uh-huh)
新しい家を買った、敷地は数エーカーだ(アーハァ)
I done went and got new neighbors
引っ越して新しいご近所さんもできたってわけさ
So fuck all that, "Nas, be considerate"
だから「Nas、少しは配慮しろよ」なんて戯言はクソくらえだ
I'm really that nigga that's killin' it
俺はマジでこのシーンを殺してる(圧倒してる)ヤバい男なんだよ
Man, all of y'all niggas equivalent
なぁ、お前らは全員どんぐりの背比べ(同レベル)だぜ
I'm really that nigga that's different
俺だけがマジで次元の違う(ディファレントな)存在なのさ
[Pre-Chorus: Lil Nas X]
Y'all take a rumor then y'all go and wear it out
お前らは噂話を拾い上げて、擦り切れるまで使い古しやがる
Fuck all that talkin' 'bout who's and the whereabouts
「誰がどこにいる」なんてくだらねえおしゃべりはクソくらえだ
I walk in Neiman's and Marcus, I'm buried out
ニーマン・マーカスに足を踏み入れれば、俺は商品に埋もれちまう
Walk in the bank and say, "Fuck it, let's clear it out"
銀行に足を踏み入れてこう言うのさ、「クソッ、全額引き出そうぜ」ってな
[Chorus: Lil Nas X & Megan Thee Stallion]
I'm the same dollar sign slime, they gon' hear me
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ、奴らも俺の噂を耳にするだろうな
I'm the same dollar sign slime, they gon' feel me
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ、奴らも俺の凄みを感じるはずだ
I'm the same dollar sign slime, yeah
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ、イェー
I'm the same dollar sign slime (Real hot girl shit, ayy)
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ(本物のホット・ガールの登場よ、エイ)
※Megan Thee Stallionのアイコニックなキャッチフレーズ「Real hot girl shit」のシャウトアウト。
[Verse 2: Megan Thee Stallion]
They can't stop me
あいつらにアタシは止められないわ
Say I can't do it, bitch, watch me (Watch me)
「お前には無理だ」って? ビッチ、見てなさいよ(見てなさい)
All you lame hoes turned hatin' to a hobby
ダサい女どもはみんな、ヘイトを趣味にしてるのね
Damn, watchin' me gotta turn you on (Turn you on)
クソッ、アタシを見てると欲情(ターン・オン)しちゃうんでしょ(欲情するわよね)
I should have my own category in porn
アタシ、ポルノサイトに自分専用のカテゴリーを持つべきだわ
Ooh, I'm just such an obsession
オー、アタシってばマジで執着される存在なの
Tea about me, your IG suggestions
アタシの噂話(ティー)で、アンタのインスタのおすすめ欄はいっぱいよ
※「Tea」はゴシップや噂話を意味するネットスラング。ヘイターたちがMeganの悪口を言いながらも、彼女の投稿ばかり見ているため、アルゴリズムによっておすすめ(suggestions)が彼女関連のゴシップで埋め尽くされているという皮肉。
Thick, no add-on prosthetics
豊満なボディ(シック)、作り物(プロテーゼ)の追加なんてナシよ
Everything about me came from genetics
アタシの魅力は全部、遺伝子がもたらしたもの(天然モノ)だから
※美容整形手術(BBLなど)が蔓延するヒップホップ・シーンにおいて、自身のグラマラスな肉体がナチュラルであることを誇示している。
Yeah, I been gettin' money, I ain't new to this (I ain't new to this)
ええ、アタシは稼ぎまくってる、今に始まったことじゃないわ(新参者じゃないのよ)
Miss one, catch one, I ain't new to fish (Yeah)
一匹逃しても、また一匹捕まえる。魚釣りにも慣れてるの(イェー)
※「Plenty of fish in the sea(海には魚がいくらでもいる=男は星の数ほどいる)」というイディオムの引用。一人の男を逃しても、すぐに別の男を捕まえられるという恋愛強者としてのフレックス。
But if he throwin' that rod (That rod)
でも、もしあいつがその釣り竿を投げてきて(その竿をね)
And I get hooked, then you doin' your job
アタシが釣られ(フックされ)たなら、アンタはいい仕事をしたってことね
※「rod」は釣り竿だが、男性器のメタファーでもある。魅力的な男がいれば、自ら釣られてあげる余裕を見せている。
Baby, all these hoes imitate me
ベイビー、このビッチどもはみんなアタシの真似をしてるわ
You could fuck a Stan or the real Slim Shady (The real Slim Shady)
アンタはただの熱狂的ファン(スタン)とヤるか、それとも「本物のスリム・シェイディ」とヤるか選べるのよ(本物のスリム・シェイディね)
※ヒップホップ史に残るEminemの名曲「Stan」(熱狂的なファンの語源)と「The Real Slim Shady」を掛けた秀逸なパンチライン。模倣者(スタン)ではなく、オリジナルであり頂点に君臨する本物(自分自身)を選べという強烈なアピールである。
Toxic, suck his soul out, then block him
有毒(トキシック)な女よ、あいつの魂を吸い取って、そのままブロックしてやるわ
※「suck his soul out」は極上のフェラチオで相手を骨抜きにするという性的なスラング。快楽を与えた直後にSNSや連絡先をブロックするという、男を完全に翻弄するファム・ファタール的な冷酷さ。
Got more cream than a sundae topping, ah
サンデーのトッピングよりもたっぷりのクリームを持ってるわ、アー
※「cream」は金(Cash Rules Everything Around Me)を意味すると同時に、性的な濡れ具合(WAP)や魅力のダブルミーニング。
[Chorus: Lil Nas X & Megan Thee Stallion]
I'm the same dollar sign slime (Same slime), they gon' hear me
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」(同じスライムよ)、奴らも俺の噂を耳にするだろうな
I'm the same dollar sign slime (Same slime), they gon' feel me
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」(同じスライムよ)、奴らも俺の凄みを感じるはずだ
I'm the same dollar sign slime (Same slime), yeah
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」(同じスライムよ)、イェー
I'm the same dollar sign slime, yeah, yeah, yeah, yeah, yeah
俺は昔と変わらぬ「ダラー・サイン・スライム」さ、イェー、イェー、イェー、イェー、イェー
