UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Old Town Road (Remix) - Lil Nas X (feat. Billy Ray Cyrus) 【和訳・解説】

Artist: Lil Nas X (feat. Billy Ray Cyrus)

Album: 7

Song Title: Old Town Road (Remix)

概要

2019年にリリースされ、米ビルボードHot 100で史上最長となる19週連続1位という不滅の金字塔を打ち立てた歴史的メガヒット曲。オランダの若きプロデューサーYoungKioがNine Inch Nailsの「34 Ghosts IV」をサンプリングしたビートを購入し、Lil Nas Xがカントリーとトラップを融合させた「カントリー・トラップ」という新ジャンルを確立した。リリース当初、ビルボードのカントリーチャートから「カントリーの要素が不十分である」として除外されたことが人種差別的だと大きな物議を醸したが、カントリー界の大御所Billy Ray Cyrusがリミックスに参加し強力な支持を表明したことで、ジャンルの壁を打ち破る社会現象へと発展した。インターネット・ミームの力とアーティストのアイデンティティが、既存の音楽業界のルールを根本から覆した記念碑的な楽曲である。

和訳

[Intro: Billy Ray Cyrus]

Oh, oh-oh
オー、オーオー

Oh
オー

[Chorus: Billy Ray Cyrus]

Yeah, I'm gonna take my horse to the old town road
あぁ、俺は馬を連れてオールド・タウン・ロードへ向かうぜ
※「馬(horse)」はLil Nas X自身の才能やこれまでの努力、あるいは何もない現状の象徴であり、「オールド・タウン・ロード」は成功への道のりや富を意味している。

I'm gonna ride 'til I can't no more
もう走れなくなるまで、どこまでも乗り続けるんだ
※ビルボードのカントリーチャートから除外されるという逆境や、業界の保守的なルールの中でも、「誰も俺を止められない(走れなくなるまで走る)」という不屈の精神を表している。

I'm gonna take my horse to the old town road
俺は馬を連れてオールド・タウン・ロードへ向かうぜ

I'm gonna ride 'til I can't no more (Kio, Kio)
もう走れなくなるまで乗り続けるんだ(キオ、キオ)
※「Kio, Kio」は、Nine Inch Nailsの音源をサンプリングしてこの歴史的ビートを作り上げたオランダのプロデューサー、YoungKioのビートタグである。

[Verse 1: Lil Nas X]

I got the horses in the back
俺のバックには馬たちが控えてるぜ
※「in the back(裏庭に)」は、ヒップホップにおける「ドラッグを隠し持っている」あるいは「仲間(ギャング)が控えている」という定番のメタファー(Trap houseの文脈)だが、ここでは文字通り「馬」に置き換え、カントリーの美学でトラップのフレックス(自慢)を行っている。

Horse tack is attached
馬具もしっかり装着済みだ

Hat is matte black
カウボーイハットはマットブラック

Got the boots that's black to match
それに合わせてブーツも黒でキメてるぜ

Ridin' on a horse, ha
馬に跨って走る、ハッ

You can whip your Porsche
お前らはポルシェでも乗り回してな
※「whip」は高級車(ここではポルシェ)を運転するというスラング。トラップラッパーたちが高級車を自慢するのに対し、自分は「馬」で出し抜くというカントリー・トラップならではの痛快な対比。

I been in the valley
俺は谷底から這い上がってきたんだ

You ain't been up off that porch, now
お前らはまだ家のポーチ(玄関先)から一歩も出てねえだろ
※「porch」は親の家から自立していない、あるいはストリートの厳しい現実(valley)を知らずに安全な場所から口出しするだけのヘイターたちを指す。

[Refrain: Lil Nas X]

Can't nobody tell me nothin'
誰にも俺に指図はさせねえ
※カントリー音楽の保守的なコミュニティやビルボードの型にはめようとする圧力に対する強烈なアンチテーゼ。後に彼がクィアであることをカミングアウトした際の、社会の偏見に対する防壁としても機能する重要なフレーズである。

You can't tell me nothin'
お前らにとやかく言われる筋合いはねえよ

Can't nobody tell me nothin'
誰にも俺に指図はさせねえ

You can't tell me nothin'
お前らにとやかく言われる筋合いはねえよ

[Verse 2: Lil Nas X]

Ridin' on a tractor
トラクターに乗って爆走だ

Lean all in my bladder
膀胱の中はリーンでパンパンだぜ
※「Lean」はコデイン入り咳止めシロップとスプライトを割った、トラップミュージックを象徴するドラッグ。「トラクターに乗る」という牧歌的なカントリーの光景と、ハードコアなドラッグ文化を衝突させた、本作の音楽的ハイブリッド性を最も端的に表すライン。

Cheated on my baby
俺のベイビー(彼女)を裏切っちまった

You can go and ask her
信じられねえなら彼女に直接聞いてみな

My life is a movie
俺の人生はまるで映画みたいだ

Bull ridin' and boobies
ロデオの牛乗りと、デカいオッパイだらけさ

Cowboy hat from Gucci
Gucciのカウボーイハットを被って

Wrangler on my booty
ケツにはWranglerのデニムを履いてるぜ
※イタリアの高級ハイブランド「Gucci」と、アメリカの労働者やカウボーイを象徴する大衆的デニムブランド「Wrangler」を並列させている。異なる文化の境界線を軽々と飛び越えるLil Nas Xのジャンルレスなアティチュードが示されている。

[Refrain: Lil Nas X]

Can't nobody tell me nothin'
誰にも俺に指図はさせねえ

You can't tell me nothin'
お前らにとやかく言われる筋合いはねえよ

Can't nobody tell me nothin'
誰にも俺に指図はさせねえ

You can't tell me nothin'
お前らにとやかく言われる筋合いはねえよ

[Chorus: Lil Nas X]

Yeah, I'm gonna take my horse to the old town road
あぁ、俺は馬を連れてオールド・タウン・ロードへ向かうぜ

I'm gonna ride 'til I can't no more
もう走れなくなるまで、どこまでも乗り続けるんだ

I'm gonna take my horse to the old town road
俺は馬を連れてオールド・タウン・ロードへ向かうぜ

I'm gonna ride 'til I can't no more
もう走れなくなるまで乗り続けるんだ

[Verse 3: Billy Ray Cyrus]

Hat down, cross town, livin' like a rockstar
ハットを目深に被り、街を横断する、ロックスターみたいな生活さ

Spent a lot of money on my brand new guitar
新品のギターに大金を注ぎ込んだぜ

Baby's got a habit: diamond rings and Fendi sports bras
俺のベイビーには金のかかる癖があってな、ダイヤの指輪にFendiのスポーツブラさ

Ridin' down Rodeo in my Maserati sports car
マセラティのスポーツカーで、ロデオドライブを駆け抜ける
※カントリー界の大御所であるBilly Ray Cyrusが、あえてヒップホップ的なフレックス(Fendi、Maserati、ロサンゼルスの高級街ロデオドライブでの散財)をラップしている。カントリーとヒップホップの融合という楽曲のコンセプトを、客演のレジェンド自身が体現した歴史的なバースである。

Got no stress, I've been through all that
ストレスなんてねえよ、そんなもんはとうの昔に乗り越えてきたからな
※1992年に「Achy Breaky Heart」で世界的大ヒットを記録したものの、一発屋と揶揄されたり批判を浴びたりした彼自身のキャリアの浮き沈みを踏まえた、ベテランならではの説得力のあるライン。

I'm like a Marlboro Man so I kick on back
俺はマルボロ・マンみたいにタフな男さ、だからリラックスしてふんぞり返ってる
※「Marlboro Man」はタバコ「マルボロ」の広告に登場する、荒野を生きるタフで男らしいカウボーイの象徴。

Wish I could roll on back to that old town road
あのオールド・タウン・ロードへ転がって戻れたらいいのにな

I wanna ride 'til I can't no more
走れなくなるまで、どこまでも乗り続けたいんだ

[Chorus: Lil Nas X & Billy Ray Cyrus]

Yeah, I'm gonna take my horse to the old town road
あぁ、俺は馬を連れてオールド・タウン・ロードへ向かうぜ

I'm gonna ride 'til I can't no more
もう走れなくなるまで、どこまでも乗り続けるんだ

I'm gonna take my horse to the old town road
俺は馬を連れてオールド・タウン・ロードへ向かうぜ

I'm gonna ride 'til I can't no more
もう走れなくなるまで乗り続けるんだ