Artist: Lil Nas X
Album: NASARATI
Song Title: NASARATI
概要
2018年にリリースされたLil Nas Xのデビュー・ミックステープ『NASARATI』のタイトルトラック。タイトルは自身の名「Nas」と高級車「マセラティ(Maserati)」を掛け合わせた造語であり、彼の底知れぬ自己顕示欲とユーモアを象徴している。Twitterのトロールアカウント運営者からプロのラッパーへと転身を図る彼が、自らの音楽がバズることを確信し、ヘイターたちを冷笑しながら圧倒的なフレックスを展開する自信に満ちたバンガーだ。トラップ・ミュージックのクリシェ(ドラッグの精製や銃の誇示など)をあえて過剰に散りばめることで、当時のサウンドクラウド・ラップシーンのステレオタイプをパロディ化しつつ、自らのスキルを証明する巧妙なメタ構造を持っている。
和訳
[Intro]
(Ayy, Ray, hahaha!)
(エイ、レイ、ハハハ!)
(Robb on the beat, ayy)
(Robbがビートに乗せてるぜ、エイ)
※本楽曲を手掛けたプロデューサーのビートタグ。
[Chorus]
I know you really like it (Yeah, yeah)
お前がマジで気に入ってるの、分かってるぜ(イェー、イェー)
I see it, like I'm a psychic (What?)
俺にはお見通しだ、超能力者みたいにな(何?)
※自身の楽曲が間違いなくリスナーの心を掴み、ヘビロテされることを予見している絶対的な自信の表れ。
My shit get lit, excited (Gang, gang)
俺の曲はブチ上がるし、興奮するだろ(ギャング、ギャング)
※「lit」は最高に盛り上がる、ヤバい状態を指すスラング。
I know, don't try to hide it, oh (What? What? What? What?)
分かってるって、隠そうとするなよ、オー(何?何?何?何?)
I know you really like it (You like it, don't ya?)
お前がマジで気に入ってるの、分かってるぜ(気に入ってんだろ?)
I see it, like I'm a psychic (A psychic, ain't it?)
俺にはお見通しだ、超能力者みたいにな(超能力者だ、だろ?)
My shit get lit, excited (What? What?)
俺の曲はブチ上がるし、興奮するだろ(何?何?)
I know, don't try to hide it, oh (Let's go)
分かってるって、隠そうとするなよ、オー(行くぜ)
[Verse]
My shit slap, it get you off your feet, off your feet (Knock you off your feet)
俺の曲はマジで最高だ、お前をぶっ飛ばす勢いだぜ(ぶっ倒してやるよ)
※「slap」は音楽のビートやベースが最高にカッコよく響く状態を指すベイエリア発祥のスラング。
NASARATI dropped, you got it on repeat, on repeat (Got it on repeat)
『NASARATI』をドロップしたぜ、お前はずっとリピート再生してるだろ(リピートしてるよな)
They post a shady tweet and then they hit delete, hit delete (They hit delete)
奴らは陰湿なツイートを投稿して、すぐに削除ボタンを押すんだ(奴らは消しやがる)
※「shady」は陰険な、胡散臭いという意味。Lil Nas Xは音楽でブレイクする以前、「@NasMaraj」という影響力のあるTwitterアカウントを運営していたため、SNS上のヘイターたちの心理や臆病な行動パターン(悪口を言ってすぐ消す)を誰よりも熟知している。彼ならではのリアルな視点だ。
I'm who these goofy niggas really wanna be, wanna be (Who they wanna be)
俺はあの間抜けな連中がマジでなりたがってる存在なんだよ(奴らが憧れる存在さ)
See, you wanna be in front of me, these niggas, they confronting me (What? What? What?)
ほらな、お前らは俺の前に立ちたいんだろ。あいつら俺に突っかかってきやがる(何?何?何?)
I'm running with the money and I'm shunning bums and wannabes (What? What? What?)
俺は金と一緒に走り抜ける、浮浪者やワナビー共はシカトしてな(何?何?何?)
I'm flippin' dough and switchin' flows, I'm rippin' out reciprocals (Yeah, yeah, yeah)
金を稼いでフロウを切り替える、逆数みたいにひっくり返してやるよ(イェー、イェー、イェー)
※「flippin' dough」は金を稼ぐ(投資して増やす)こと。「reciprocals(逆数)」という数学用語を用いることで、彼が単なるストリートのラッパーではなく知的なバックグラウンドを持っていることを示唆するワードプレイ。フロウや立場を鮮やかに「反転」させるスキルを誇示している。
I'm whippin' in the kitchen with some niggas that's from Mexico
メキシコ出身のダチと一緒に、キッチンでコカインを調理してるぜ
※「whippin' in the kitchen」はトラップ・ミュージックにおいてコカインをクラックに精製する典型的なクリシェ。当時ネットのミームクリエイターだったLil Nas Xが実際にカルテルと取引していたとは考えにくく、これは当時のトラップシーンの流行りをあえて過剰になぞったパロディ・あるいは意図的な誇張(キャップ)であるとファンの間では考察されている。
So I make a cake, sell it, buy an eighth, smell it (Huh, yeah)
だから俺はケーキ(金)を作って売り捌き、1/8オンスのハッパを買って匂いを嗅ぐのさ(ハッ、イェー)
※「cake」は金(札束)やコカインの塊を指すスラング。「eighth」は1/8オンス(約3.5グラム)のことで、マリファナの一般的な購入単位。
Not just for this rhyme, I'm cuttin' down on the Henny (Skrrt)
ただ韻を踏むためだけじゃねえ、俺はヘネシーの量を減らしてるんだ(スカート)
※「Henny」は高級コニャックのヘネシー。成功に向けてシラフで集中するためか、あるいはアルコールの摂取量をコントロールしているという自己管理の言及。
You niggas ain't prevailin', detailin' all my felons (Yeah, what?)
お前らじゃ勝てないぜ、俺のヤバい犯罪歴でも詳しく調べてみろよ(イェー、何?)
A shame, but my train ain't finna do no damn derailin' (Yeah, uh)
残念だったな、俺の乗った列車は絶対に脱線(ディレイル)なんてしねえんだよ(イェー、アー)
※自らのキャリアの勢いを「止まらない列車」に例え、ヘイターの妨害工作が一切通用しないことを宣言している。
I'm the hottest motherfucker, on a roll like a trucker (Yeah, huh?)
俺は今一番イケてるヤバい奴さ、トラッカーみたいに絶好調で走り続けてるぜ(イェー、ハァ?)
Doin' shows on these suckers, I might go on and fuck your mother (What? What? What?)
このクソダサい連中を差し置いてショーをこなす、そのままお前らの母親とヤっちまうかもな(何?何?何?)
Yeah, I might just fuck a cougar, I kill it, Freddy Krueger (Uh, yeah-yeah)
あぁ、熟女とヤるのもアリだな。ビートを皆殺しにしてやるよ、フレディ・クルーガーみたいにな(アー、イェーイェー)
※「cougar」は若い男性を好む裕福な熟女。「Freddy Krueger」はホラー映画『エルム街の悪夢』の象徴的な殺人鬼。ビートを見事に乗りこなす(kill the beat)凄まじさをフレディの残虐性に例えているヒップホップの定番のパンチライン。
Go nowhere without my Ruger! Him right there? Yeah, that's my shooter, uh (Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah, yeah)
ルガーを持たずに外出なんてしねえ!あそこにいる奴か?あぁ、あいつは俺のシューター(ヒットマン)さ、アー(イェー、イェー、イェー、イェー、イェー、イェー)
※「Ruger」はスターム・ルガー社の銃器。「Krueger」と「Ruger」で見事な脚韻を踏む、ギャングスタ・ラップの伝統的な手法へのオマージュ。
[Chorus]
I know you really like it (Yeah, yeah)
お前がマジで気に入ってるの、分かってるぜ(イェー、イェー)
I see it, like I'm a psychic (What?)
俺にはお見通しだ、超能力者みたいにな(何?)
My shit get lit, excited (Gang, gang)
俺の曲はブチ上がるし、興奮するだろ(ギャング、ギャング)
I know, don't try to hide it, oh (What? What? What? What?)
分かってるって、隠そうとするなよ、オー(何?何?何?何?)
I know you really like it (You like it, don't ya?)
お前がマジで気に入ってるの、分かってるぜ(気に入ってんだろ?)
I see it, like I'm a psychic (A psychic, ain't it?)
俺にはお見通しだ、超能力者みたいにな(超能力者だ、だろ?)
My shit get lit, excited (What? What?)
俺の曲はブチ上がるし、興奮するだろ(何?何?)
I know, don't try to hide it, oh (Let's go)
分かってるって、隠そうとするなよ、オー(行くぜ)
