Artist: Snoop Dogg
Album: Doggystyle
Song Title: Gz Up, Hoes Down
概要
1993年リリースの『Doggystyle』初回プレス盤にのみ収録され、のちに著作権問題でアルバムから削除されたという数奇な運命を辿る「幻のクラシック」である。アイザック・ヘイズによる1970年の名曲「The Look of Love」のベースラインとメロディを大胆にサンプリング(弾き直し)した極上のメロウ・グルーヴが特徴だ。タイトルが示す「Gz Up, Hoes Down(ギャングスタは上、ビッチは下)」というフレーズは、仲間との絆(Gコード)を何よりも重んじ、女性に執着したりコントロールされたりしないという、西海岸ヒップホップ特有のピンプ哲学を凝縮した絶対的なスローガンとしてシーンに定着した。Dr. Dreの洗練されたプロダクション上で、スヌープが自らのライフスタイルを淡々と、しかし圧倒的なカリスマ性をもって語り尽くす歴史的傑作である。
和訳
[Intro: Snoop Dogg]
Yeah, what's happening?
イェー、調子はどうだ?
This one is dedicated to my niggas
こいつは俺のダチどもへ捧げるぜ
All my niggas out there, G's up, hoes down
そこにいる俺のダチ全員へ。ギャングスタは上、ビッチは下だ
※「Bros before Hoes(女よりも仲間の絆を優先する)」というストリートの基本原則を端的に表したスローガン。
[Verse 1: Snoop Dogg]
Ladies and gents, playas and pimps listen
紳士淑女に、プレイヤーとピンプども、よく聞きな
Snoop Doggy Dogg on the mic, pay attention
スヌープ・ドギー・ドッグがマイクを握るぜ、注目しろ
One, two, oh what shall I do?
ワン、ツー。ああ、俺はどうすりゃいい?
I'm slipping on my khaki suit (Which one?)
カーキのスーツ(ワークパンツとシャツ)をサッと羽織る(どれにする?)
※ロサンゼルスのチカーノや黒人ギャングスタの間で定番のストリート・ファッションであるDickiesなどのカーキ・セットアップ。
The blue one, gun by my side as I mob to the beach
青いやつさ。脇に銃を忍ばせて、ビーチへと群れで繰り出すんだ
※「青」はスヌープが所属するギャング組織「クリップス」のシンボルカラー。そして「ビーチ」は彼の地元ロングビーチ(LBC)を指す。
On a mission and I'm fishing for my DJ Warren G
ミッションの最中さ。俺のDJ、ウォーレン・Gを探し回ってる(fishing)
※スヌープの幼馴染であり、デビュー前から「213」というグループを共に組んでいた盟友Warren Gへのシャウトアウト。
Now as I look for the bud sack
さて、極上ウィード(bud)の袋を探しながら
And see where my loves at on the lake where the doves at
鳩が飛び交う湖畔で、俺の愛するモノたちがどこにあるか見渡すんだ
※「湖畔」はロングビーチにある公園(マッカーサー・パークなど)の情景描写。詩的な表現を用いて、ストリートのチルな日常を描いている。
Cognac is the drink that's drank by G's
コニャックこそが、G(ギャングスタ)どもに飲まれる酒さ
※ヘネシー(Hennessy)などの高級コニャックは、ヒップホップ・コミュニティにおいて成功と権力の象徴的ドリンクである。
Sagging like a mothafucka, khakis to they knees
クソみたいに腰パン(sagging)して、カーキは膝の高さまで下げてな
Bitch please, you know how we do the undercover
頼むぜビッチ、俺たちがどうやって秘密裏に(undercover)事を済ますか知ってんだろ
I'm Snoop Doggy Dogg, not your average motherfucka, see
俺はスヌープ・ドギー・ドッグ。その辺の平凡なクソ野郎とは違うんだよ、分かるか
[Pre-Chorus: Snoop Dogg]
Some of you don't know about the G thang, baby
お前らの中には「Gのやり方(G thang)」を知らない奴もいるよな、ベイビー
※Dr. Dreと自身のブレイクのきっかけとなった歴史的アンセム「Nuthin' But A 'G' Thang」への言及。
It's the smooth gangsta shit that be driving ya crazy
お前らを夢中にさせる、この最高にスムーズなギャングスタ・シットのことさ
Now as ya groove to the beat and ya move to the sound
今、お前らがこのビートでグルーヴし、サウンドに合わせて体を揺らしてる時
I'mma hit ya up with the Pound, G's up, hoes down
俺は「パウンド(Dogg Pound)」と一緒にお前らをブチ上げるぜ。ギャングスタは上、ビッチは下だ
[Chorus: Hug]
Will all the real G's, please stand up
すべてのリアルなGたちは、どうか立ち上がってくれ
※客演のHugによるソウルフルなコーラス。
And let all be accounted for
そして、全員の存在を証明させてくれ
And if you don't give a fuck about a bitch
もしお前が、ビッチのことなんてこれっぽっちも気にしちゃいないなら
Then you're rolling with the Row
お前は「ロウ(デス・ロウ・レコード)」の仲間ってことさ
※女に執着せずビジネスと仲間を優先するピンプの姿勢こそが、Death Rowの精神であるという宣言。
[Bridge: Snoop Dogg & Hug]
Back with the one, two, three, and to the fo'
ワン、ツー、スリー、そしてフォーで戻ってきたぜ
※Snoop自身の代表曲「Nuthin' But A 'G' Thang」のアイコニックな歌い出し(One, two, three and to the fo')をセルフサンプリング。
It's the S-N, O and to the O, P
S-N、O、そしてO、Pさ
(Why am I so fly?) I don't know, but
(どうして俺はこんなにイケてるんだ?)さあね、だけど
(Why am I so high?) It's the Indo
(どうして俺はこんなにハイなんだ?)インド(インドア産大麻)のおかげさ
[Verse 2: Snoop Dogg]
I don't fuck with the pocus, everbody knows this
俺は「ポーカス(偽物・安物のドラッグ)」には手を出さねえ、誰もが知ってることさ
※「pocus」は手品やごまかし(hocus pocus)から転じて、粗悪なドラッグやクラックなどを指す。自分は極上の大麻しか吸わないという品質へのこだわり。
Fucking with The Chronic cause The Chronic gives me dopeness
俺が手を出してるのは「クロニック」だ。だってクロニックが俺に最高(dopeness)を与えてくれるからな
Now focus your eyes on these, follow me
さあ、こいつに目を凝らして、俺についてきな
As I take ya rolling with the real OG's
リアルなOG(オリジナル・ギャングスタ)たちと一緒に流す旅へ連れてってやるからよ
East Side is the motherfuckin' place, known as home
イーストサイドがクソッタレな俺の居場所、ホームとして知られてる場所だ
Doggy Dogg with my bone in my hand, twenty grand and
ドギー・ドッグは手に骨(bone)を握りしめ、2万ドル(twenty grand)を持ってな
※「bone」は犬が大好きな骨と、スラングでの「マリファナのジョイント」または「勃起した男性器」を掛けている。金と快楽を両手に掴んでいるというギャングスタの成功描写。
[Pre-Chorus: Snoop Dogg]
Some of you don't know about the G thang, baby
お前らの中には「Gのやり方」を知らない奴もいるよな、ベイビー
It's the smooth gangsta shit that be driving ya crazy
お前らを夢中にさせる、この最高にスムーズなギャングスタ・シットのことさ
Now as ya groove to the G-funk and ya move to the sound
今、お前らがこのG-Funkでグルーヴし、サウンドに合わせて体を揺らしてる時
I'mma hit ya up with the Pound, G's up, hoes down
俺は「パウンド」と一緒にお前らをブチ上げるぜ。ギャングスタは上、ビッチは下だ
[Chorus: Hug]
Will all the real G's, please stand up
すべてのリアルなGたちは、どうか立ち上がってくれ
And let all be accounted for
そして、全員の存在を証明させてくれ
And if you don't give a fuck about a bitch
もしお前が、ビッチのことなんてこれっぽっちも気にしちゃいないなら
Then you're rolling with the Row
お前は「ロウ」の仲間ってことさ
[Outro: Snoop Dogg]
Hell yeah, you know what I'm saying?
ああ、全くだぜ。言ってる意味わかるか?
This is stricly for the G's, you know I'm saying? Fuck that, bitch
こいつは完全にGたちのためのものだ、分かるだろ? クソ食らえだ、ビッチ
Niggas always handcuffing that ho
野郎どもはいつも、あのビッチに手錠をかけよう(独占しよう)としやがる
※「handcuffing」は文字通りの手錠ではなく、女を束縛し、他の男に取られないよう過保護に扱う行為を指すストリート・スラング。シンプ(女に媚びる男)の態度を嘲笑している。
When a nigga like me steps in the place
俺みたいな男がその場に足を踏み入れたら
I don't want that ho, I don't love that ho
俺はそんなビッチは欲しくねえし、愛してもいねえ
I'm caught up with my greens
俺は自分の「グリーン」に夢中なんだよ
Collard greens, Indo and the cash flow
カラードグリーン、インド(大麻)、そしてキャッシュフロー(現金)にな
※「greens(緑色のもの)」を、黒人のソウルフードである野菜の煮込み(Collard greens)、良質な大麻(Indo)、そしてアメリカ紙幣(cash flow)の3つの意味で見事に掛け合わせた天才的なワードプレイ。
You know what I'm saying? Peace, G's up, hoes down
言ってる意味わかるか? ピース。ギャングスタは上、ビッチは下だ
