Artist: Snoop Dogg (feat. Jewell & LaShana “Shana D” Dendy)
Album: Doggystyle
Song Title: Who Am I (What’s My Name)?
概要
1993年リリースの『Doggystyle』からの先行リードシングルであり、スヌープ・ドッグという名を世界中の音楽ファンに轟かせたヒップホップ史に残る金字塔である。本楽曲の根幹を成すのは、P-Funkの総帥ジョージ・クリントンによる1982年のクラシック「Atomic Dog」の大胆なサンプリングと再構築だ。Dr. Dreの緻密なプロデュースにより、70〜80年代のファンクのDNAが90年代西海岸のG-Funkサウンドへと完全に継承された瞬間を記録している。また、イントロのコーラスにはTom Browneの「Funkin' for Jamaica (N.Y.)」のメロディが引用されており、過去のブラックミュージックの偉大な遺産に対する最大級のオマージュが込められている。当時、殺人容疑で起訴されメディアの猛烈なバッシングを受けていたスヌープが、あえて自身の名前を高らかに宣言し、ストリートの絶対王者としての地位を確立した歴史的ステートメントである。
和訳
[Intro: Jewell]
Ee-ya-ya-ya-ya-ya, The Dogg Pound's in the house (The bomb)
イー・ヤー・ヤー・ヤー・ヤー・ヤー、ドッグ・パウンドの登場よ(最高だわ)
※イントロでJewellが歌うメロディは、Tom Browneの1980年のディスコ/ファンク・クラシック「Funkin' for Jamaica (N.Y.)」からの引用である。さらに「The bomb(爆弾=最高にヤバいもの)」というフレーズはP-Funk(Parliament-Funkadelic)の世界観における象徴的な合言葉であり、楽曲全体がブラックミュージックの歴史の上に成り立っていることを宣言している。
Ee-ya-ya-ya-ya-ya, The Dogg Pound's in the house
イー・ヤー・ヤー・ヤー・ヤー・ヤー、ドッグ・パウンドの登場よ
Snoop Doggy Dogg (The bomb)
スヌープ・ドギー・ドッグ(最高だわ)
Snoop Doggy Dogg (Dog)
スヌープ・ドギー・ドッグ(ドッグ)
[Verse 1: Snoop Dogg & Dr. Dre]
From the depths of the sea, back to the block
海の底深くから、再びブロック(地元)へと舞い戻ってきたぜ
※「海の底深く(depths of the sea)」は、スヌープが一躍スターダムにのし上がった映画主題歌「Deep Cover」(1992年)への言及である。アンダーグラウンドの深淵からメインストリームの頂点を極め、満を持してソロとしてストリートへ帰還したことを意味する秀逸なメタファー。
Snoop Doggy Dogg, funky as the, the, The D.O.C.
スヌープ・ドギー・ドッグ、あのThe D.O.C.くらいファンキーにな
※The D.O.C.は、Dr. Dreの右腕としてN.W.A.やEazy-Eの大半のリリックを手掛けた伝説的ラッパー。交通事故で声を失うという悲劇に見舞われた偉大な先輩への最大級のリスペクトを示している。
Went solo on that ass, but it's still the same
ソロとしてお前らのケツにブチかますぜ、でもスタンスは何も変わっちゃいねえ
Long Beach is the spot where I serve my 'caine
ロングビーチが、俺の「ケイン」をさばく場所(シマ)だ
※「'caine」はコカイン(cocaine)の隠語。ここでは実際の麻薬売買のことではなく、自分の生み出すG-Funkの音楽を「コカインのように中毒性のあるヤバいブツ」に見立てて世界中に供給(serve)するというダブルミーニングである。
Follow me, follow me, follow me, follow me, but don't lose your grip
ついて来な、ついて来な。だが、絶対に手を離すんじゃねえぞ
Nine-trizzay's the yizzear for me to fuck up shit
93年(ナイン・スリー)は、俺がすべてをぶっ壊して天下を取る年だからな
※「trizzay」は3(three)、「yizzear」は年(year)を独自のスラング(〜izzle言語)に変換したもの。この暗号のような言葉遊びが全米の若者を熱狂させた。
So I ain't holdin nothin' back
だから、俺は一切出し惜しみはしねえ
And motherfucker, I got five on a twenty sack
それにクソ野郎、俺は20ドルのウィードの袋を買うために、5ドル出してるんだぜ
※「twenty sack」は20ドル分のマリファナ。仲間内で小銭を出し合ってドラッグを買うというゲットーの割り勘カルチャーを表現している。大スターになってもストリートの金銭感覚と仲間との絆(Gコード)を忘れていないアピールである。
It's like that and as a matter of fact (Rat-tat-tat-tat)
そういうことさ。そして実際のところ(ラ・タ・タ・タ)
'Cause I never hesitate to put a nigga on his back
俺は野郎どもを仰向けに倒す(殺す)ことを、決してためらったりしねえからな
Yeah, so peep out the manuscript
ああ、だからこの原稿(リリック)をよく見てみな
You see that it's a must we drop gangsta shit
俺たちがギャングスタ・シットを落とす(リリースする)のは、必然だって分かるだろ
What's my motherfuckin' name?
俺のクソッタレな名前は何だ?
[Chorus: Jewell & Snoop Dogg]
Snoop Doggy Dogg (Yeah, yeah, yeah)
スヌープ・ドギー・ドッグ(イェー、イェー、イェー)
Snoop Doggy Dogg (The bomb)
スヌープ・ドギー・ドッグ(最高よ)
Da-da-da-da-da, do-do-do-do
ダ・ダ・ダ・ダ・ダ、ドゥ・ドゥ・ドゥ・ドゥ
Doo-doo-doo-da-da (Dog)
ドゥ・ドゥ・ドゥ・ダ・ダ(ドッグ)
※ジョージ・クリントン「Atomic Dog」のアイコニックなシンセベースとコーラスラインをそのままサンプリングし、G-Funkの合言葉として再定義した伝説的なフレーズ。
[Verse 2: Snoop Dogg]
It's the bow to the wow, creepin' and crawlin'
バウ・ワウ(犬の吠え声)、這いつくばって忍び寄るぜ
Yiggy-yes, y'allin', Snoop Doggy Dogg in
イェス、お前ら、スヌープ・ドギー・ドッグが
The motherfuckin' house like every day
いつものように、このクソッタレな場所に登場だ
Droppin' shit with my nigga Mr. Dr. Dre
マイ・ニガ、ミスター・ドクター・ドレーと一緒にヤバいシットを落とすぜ
Like I said, niggas can't fuck with this
言った通り、他の野郎どもには絶対に真似できねえ
And niggas can't fuck with that
あんなことだってできやしねえよ
Shit that I drop 'cause ya know it don't stop
俺がリリースする曲は止まらねえからな
Mr. One Eight Seven on a motherfuckin' cop
クソッタレなサツに「187(殺人)」を食らわす男さ
※「187」はカリフォルニア州刑法における殺人のコード番号。デビュー曲「Deep Cover」の伝説的なパンチライン「187 on an undercover cop」のセルフオマージュであり、警察権力に屈しないギャングスタの象徴的フレーズ。
Tick-tock, never the Glock, just some nuts and a cock
チクタク(時間は進むが)。グロック(拳銃)なんて必要ねえ、タマ(度胸)とチンポがあれば十分だ
※銃器に頼らずとも、生身の男としての器量と魅力だけでストリートをサバイブし、女たちを惹きつけるという強烈なボースティング(自慢)。
Robbin' motherfuckers, then I kill dem bloodclots
クソ野郎どもから奪い取り、そしてあの「ブラッドクラット」どもを皆殺しにしてやる
※「bloodclot(本来は生理用ナプキンの意)」はジャマイカのパトワ語で「クソ野郎」「最低な奴」を意味する強烈な罵倒語。当時のヒップホップシーンにおいて、東海岸を中心に影響力を持っていたダンスホール・レゲエのカルチャーを巧みに取り入れている。
Then I step through the fog and I creep through the smog
それから俺は霧の中を歩き、スモッグの中を忍び寄る
※「smog(大気汚染)」はロサンゼルス名物のスモッグと、周囲に立ち込める強烈なマリファナの煙のダブルミーニング。
'Cause I'm Snoop Doggy (Who?) Doggy (What?) Doggy Dogg
だって俺はスヌープ・ドギー(誰?)ドギー(何だ?)ドギー・ドッグだからな
[Chorus: Jewell]
Snoop Doggy Dogg
スヌープ・ドギー・ドッグ
Snoop Doggy Dogg (The bomb)
スヌープ・ドギー・ドッグ(最高よ)
Bow-wow-wow, yippie-yo-yippie-yay
バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ・イッピイェイ
※「Atomic Dog」のフックの完全なるオマージュ。P-Funkから受け継いだファンクの魂を西海岸のギャングスタ・ラップへと昇華させた、ヒップホップ史上最も有名なコーラスの一つ。
Bow-wow-wow, yippie-yo (The bomb)
バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ(最高よ)
Bow-wow-wow, yippie-yo-yippie-yay
バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ・イッピイェイ
Bow-wow-wow, yippie-yo-yo-yo-yo (Dog)
バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ・ヨ・ヨ・ヨ(ドッグ)
[Verse 3: Snoop Dogg]
Now just throw your hands in the motherfuckin' air
さあ、お前らの両手を空高く突き上げな
※オールドスクールなヒップホップ・パーティーにおける定番のコール&レスポンス。
And wave the motherfuckers like ya just don't care (Dog)
周りの目なんか気にするな、クソみたいに手を振り回せ(ドッグ)
Yeah, roll up the dank and pour the drank
ああ、極上のウィード(dank)を巻いて、酒(drank)を注げ
And watch your stank (Why?) 'cause Doggy's on the gank
お前の「悪臭(女)」から目を離すなよ(なぜ?)だってドギーが奪いに行く(gank)からな
※「stank」は本来「悪臭」だが、ここでは「嫌な女」や「尻軽女」を指すスラング。「gank」は強盗や奪うこと。油断していると、スヌープにお前の女を寝取られるぞという警告。
My bank roll's on swoll
俺の札束(バンク・ロール)はパンパンに膨れ上がってる(swoll)ぜ
My shit's on hit, legit, now I'm on parole, stroll
俺の曲はヒットして、合法的に稼いでる。今は「仮釈放(parole)」の身で、ストリートを流してる(stroll)
※「legit(合法)」な成功を収めた一方で、過去の犯罪歴や殺人容疑により「parole(仮釈放・保護観察)」状態にあるという、スヌープが抱えていた現実の法的トラブルと矛盾を包み隠さずリリックにしている。
With Tha Dogg Pound right behind me
背後にはドッグ・パウンドの仲間たちを従えてな
And up in your bitch is where ya might find me
お前が俺を見つけるとしたら、お前のビッチの股の中だろうよ
Layin' that, playin' that G Thang
ベッドに寝かせながら、あの「G Thang」をかけてヤるのさ
※Dr. Dreの『The Chronic』からの大ヒット曲にして、自身がブレイクするきっかけとなった「Nuthin' But A 'G' Thang」への言及。
She want the nigga with the biggest nuts, and guess what?
あいつは誰よりも「デカいタマ」を持った野郎を求めてるんだ。で、どうなると思う?
He is I and I am him
その男こそが俺であり、俺こそがその男なのさ
Slim with the tilted brim, what's my motherfuckin' name?
痩せっぽち(Slim)で、帽子のつば(brim)を斜めに被った男さ。俺のクソッタレな名前は何だ?
※「スリムな体型」と「斜めに被ったキャップ(またはスナップバック)」という、90年代のスヌープ・ドッグのアイコニックなビジュアル・イメージを言葉で描き出している。
[Chorus: Jewell]
Snoop Doggy Dogg (The bomb)
スヌープ・ドギー・ドッグ(最高よ)
Snoop Doggy Dogg
スヌープ・ドギー・ドッグ
Snoop Doggy Dogg (The bomb)
スヌープ・ドギー・ドッグ(最高よ)
Snoop Doggy Dogg (Dog)
スヌープ・ドギー・ドッグ(ドッグ)
Da-da-da-da-da, do-do-do-do
ダ・ダ・ダ・ダ・ダ、ドゥ・ドゥ・ドゥ・ドゥ
Doo-doo-doo-da-da (The bomb)
ドゥ・ドゥ・ドゥ・ダ・ダ(最高よ)
Da-da-da-da-da, do-do-do-do
ダ・ダ・ダ・ダ・ダ、ドゥ・ドゥ・ドゥ・ドゥ
Doo-doo-doo-da-da (Dog, the bomb)
ドゥ・ドゥ・ドゥ・ダ・ダ(ドッグ、最高よ)
[Outro: Jewell]
Doggy Dogg (Bow-wow-wow, yippie-yo, yippie-yay)
ドギー・ドッグ(バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ・イッピイェイ)
Doggy Dogg (Bow-wow-wow, yippie-yo, the bomb)
ドギー・ドッグ(バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ、最高よ)
Doggy Dogg (Bow-wow-wow, yippie-yo, yippie-yay)
ドギー・ドッグ(バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ・イッピイェイ)
Bow-wow-wow, yippie-yo (The Bomb)
バウ・ワウ・ワウ、イッピヨ(最高よ)
What is his name? (Dog)
彼の名前は何?(ドッグ)
Snoopy Dogg and the Dogg Pound (Dog, the bomb)
スヌーピー・ドッグ、そしてドッグ・パウンドよ(ドッグ、最高ね)
Oh, Snoopy Dogg
ああ、スヌーピー・ドッグ
Snoopy Dogg, Snoopy Dogg (The bomb)
スヌーピー・ドッグ、スヌーピー・ドッグ(最高よ)
Yeah, yeah, I know his name (Dog)
ええ、ええ、彼の名前なら知ってるわ(ドッグ)
C'mon Snoopy, c'mon Snoopy (The bomb)
カモン、スヌーピー、カモン、スヌーピー(最高よ)
And the Dogg Pound, Snoopy Dogg (The bomb)
そしてドッグ・パウンド、スヌーピー・ドッグ(最高よ)
Snoopy Dogg, Snoopy Dogg (Dog)
スヌーピー・ドッグ、スヌーピー・ドッグ(ドッグ)
Dog, nasty dog, doggy dog
ドッグ、エロい(nasty)ドッグ、ドギー・ドッグよ
