Artist: Eminem (feat. Proof)
Album: The Eminem Show (Expanded Edition)
Song Title: The Way I Am (Live From Fuji Rock Festival, Japan / 2001)
概要
本作は、2001年に日本の苗場スキー場で開催された「フジロックフェスティバル」における熱狂的なライブ音源であり、『The Eminem Show』の20周年記念盤にて発掘収録された。原曲は彼の最高傑作と名高い『The Marshall Mathers LP』(2000年)の先行シングルである。当時、レコード会社の重役(Jimmy Iovineら)から「『My Name Is』のようなポップでキャッチーなヒット曲をもう一度作れ」と執拗なプレッシャーをかけられた彼が、その苛立ちとフラストレーションを爆発させて書き上げた楽曲だ。過剰なメディアのバッシング、プライバシーを踏みにじるファンへの怒り、そしてコロンバイン高校銃乱射事件における的外れなスケープゴート化に対する痛烈な社会批判が込められている。右腕である盟友Proofとの阿吽の呼吸と日本のオーディエンスの熱気も相まって、彼のキャリアにおける最もエモーショナルで攻撃的なパフォーマンスの一つとして語り継がれている。
和訳
[Intro: Eminem]
Japan, if you know the words, sing it with me
ジャパン、歌詞を知ってたら一緒に歌ってくれ
[Chorus: Eminem, Proof & Both]
Because I am whatever you say I am
俺はお前らが言う通りの人間だからさ
※当時のメディアや世間がEminemに貼った「若者を堕落させる悪魔」「サイコパス」といったレッテルに対する究極の皮肉。「お前らがそう言うなら、そういうことにしておいてやるよ」という開き直りである。
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?
In the paper, the news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
Radio won't even play my jam
ラジオじゃ俺の曲(ジャム)さえ流してくれねぇのにな
※暴力的な歌詞が原因で、当時のメインストリームのラジオ局がこぞって彼の曲を放送禁止(ボイコット)にした状況を指している。
Because I am whatever you say I am
俺はお前らが言う通りの人間だからさ
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?
In the paper, the news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
Shit, I don't know, that's just the way I am (Japan!)
クソッ、知るかよ、これが俺のありのままの姿(The Way I Am)ってだけだ(ジャパン!)
※伝説的なヒップホップ・デュオ、Eric B. & Rakimのクラシック曲「As the Rhyme Goes On」の一節「I'm the R the A to the K I M / If I wasn't, then why would I say I am?」を完璧にサンプリング・オマージュしている。
'Cause I am whatever you say I am (Yeah)
俺はお前らが言う通りの人間だからさ(イェー)
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?
In the paper, the news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
Radio won't even play my jam
ラジオじゃ俺の曲さえ流してくれねぇのにな
'Cause I am whatevеr you say I am
俺はお前らが言う通りの人間だからさ
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?
In the paper, thе news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
I don't know, that's just the way I am
知るかよ、これが俺のありのままの姿ってだけだ
[Verse 1: Eminem]
I sit back with this pack of Zig-Zag's and this bag
ジグザグのパックと、このハッパの袋を持って深く腰掛ける
※「Zig-Zag」はマリファナを巻くためによく使われる有名なローリングペーパー(巻紙)のブランド。
Of this weed, it gives me the shit needed to be
このハッパが、俺になるために必要なクソみたいなエネルギーをくれるんだ
The most meanest MC on this, on this Earth
この地球上で、最もタチの悪いMCにな
And since birth I've been cursed with this curse to just curse
俺は生まれた時からずっと、悪態をつく(curse)っていう呪い(curse)をかけられてる
※"curse"(呪い)と"curse"(汚い言葉を吐く・悪態をつく)という同音異義語を使った巧みな言葉遊び。
And just blurt this berserk and bizarre shit that works
そして狂気に満ちた奇妙な戯言を垂れ流すんだが、これがウケるんだよな
And it sells and it helps in itself to relieve
それが売れることで、結果的に俺自身の救いになってるんだ
All this tension, dispensing these sentences
この緊張感や、言葉を吐き出すことが
Getting this stress that's been eating me recently off
最近俺を蝕んでるこのストレスを解消してくれてる
Of this chest and I rest again peacefully (Peacefully)
胸のつかえが取れて、俺はまた穏やかに眠れるってわけさ(穏やかにな)
But at least have the decency in you
だがお前ら、最低限の礼儀くらいわきまえろよ
To leave me alone, when you freaks see me out
俺を放っておいてくれ、お前ら変人どもが外で俺を見かけてもな
※過激なファン(同アルバム収録の楽曲「Stan」で描かれたような狂信的な存在)がプライベートにまで踏み込んでくることへの痛切なフラストレーション。
In the streets when I'm eating or feeding my daughter
ストリートで飯を食ってる時や、娘に飯を食わせてる時くらいは
To not come and speak to me (Speak to me), I don't know you
話しかけてくんな(話しかけるな)、俺はお前らのことなんか知らねぇんだよ
And no, I don't owe you a motherfucking thing
それに、俺はお前らにこれっぽっちも借りなんてねぇんだ
※「CDを買ってやったから写真を撮れ」と見返りを求めてくるファンへの明確な怒り。「音楽を提供しているだけで、自分の魂やプライベートまで売った覚えはない」という彼の一貫したスタンスである。
I'm not Mr. N'Sync, I'm not what your friends think
俺はインシンクのメンバーじゃねぇし、お前のダチが思ってるような奴でもねぇ
※当時絶頂期だった白人のアイドル・ボーイズグループ「*NSYNC」を名指しし、彼らのような愛想の良いポップスターと一緒にすんな、という明白な拒絶。
I'm not Mr. Friendly, I can be a prick
俺は「ミスター・フレンドリー(親切な男)」じゃねぇ、クソ野郎にだってなれるんだ
If you tempt me, my tank is on empty (Is on empty)
もし俺を怒らせたらな、俺の堪忍袋の緒はすでに切れてるんだ(カラッポだぜ)
No patience is in me and if you offend me
俺に忍耐力なんてねぇ、もし俺の気に障ることをしやがったら
I'm lifting you ten feet (Lifting you ten feet) in the air
お前を宙に10フィート(約3メートル)吊し上げてやるよ(10フィート宙にな)
I don't care who was there and who saw me just jaw you
そこに誰がいようが、俺がお前の顎を砕くのを誰に見られようが知ったこっちゃねぇ
※"jaw you"は相手の顎(jaw)を殴るというストリート・スラング。
Go call you a lawyer, file you a lawsuit
とっとと弁護士でも呼んで、俺を訴えやがれ
I'll smile in the courtroom and buy you a wardrobe
俺は法廷で笑いながら、お前に新しい服でも買ってやるよ
※当時、ファンへの暴行や名誉毀損で数々の訴訟を抱えていたEminemの強気な態度。「どうせ賠償金目当てだろ?俺は金持ちだから、殴った慰謝料で服でも買ってやるよ」という圧倒的な傲慢さと余裕の表れである。
I'm tired of all you (Of all you), I don't mean to be mean
お前ら全員にはもうウンザリなんだ(お前らにな)、意地悪にするつもりはねぇけど
But that's all I can be, it's just me
でも俺にはこれしかできねぇ、これが俺なんだよ
[Chorus: Eminem]
And I am whatever you say I am
俺はお前らが言う通りの人間だからさ
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?
In the paper, the news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
Radio won't even play my jam
ラジオじゃ俺の曲さえ流してくれねぇのにな
Because I am whatever you say I am
俺はお前らが言う通りの人間だからさ
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?
In the paper, the news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
I don't know, that's just the way I am
知るかよ、これが俺のありのままの姿ってだけだ
[Verse 2]
Sometimes I just feel like my father, I hate to be bothered
時々、自分がオヤジみたいに感じるよ、煩わされるのが大嫌いなんだ
With all of this nonsense, it's constant
こんな無意味なことばかりにさ、絶え間なく続くんだぜ
And, "Oh, it's his lyrical content
そして「あぁ、彼の歌詞の内容のせいですよ
The song 'Guilty Conscience' has gotten such rotten responses."
『ギルティ・コンシャス』って曲が、あんなにひどい反響を呼んでるんです」なんてな
※前作に収録されたDr. Dreとの共演曲「Guilty Conscience」のこと。レイプや強盗、殺人などを助長するような善悪の葛藤をテーマにしたため、PTAやメディアから凄まじい批判を浴びた事実を引用している。
And all of this controversy circles me
俺の周りには常に論争が渦巻いてる
And it seems like the media immediately
そしてメディアはいつだって真っ先に
Points a finger at me (Finger at me)
俺に向かって指を指してくるみたいだ(俺に指をな)
So I point one back at them, but not the index or pinkie
だから俺も指を指し返してやるんだ、人差し指でも小指でもなく
Or the ring or the thumb, it's the one you put up
薬指でも親指でもない、お前らが突き立てるあの指さ
When you don't give a fuck, when you won't just put up
お前らがマジでどうでもいいって時や、我慢できねぇって時に突き立てる
With the bullshit they pull, because they full of shit too
連中がでっち上げるデタラメに対してな、だってあいつらもクソまみれだからさ
※「俺に指(非難の矛先)を向けてくるメディアに対して、俺は中指(Fuck You)を立てて返す」という象徴的なパンチライン。指の名前を順番に除外していくリズミカルな構成は、Reddit等のコミュニティでも天才的なビルドアップとして高く評価されている。
When a dude's getting bullied and shoots up his school
いじめられたガキが、学校で銃を乱射しちまった時
And they blame it on Marilyn (On Marilyn) and the heroin
連中はそれをマリリン・マンソンのせいにしやがる(マンソンのせいにな)、それにヘロインのせいにな
※1999年に起きた凄惨な「コロンバイン高校銃乱射事件」への言及。犯人の少年たちが猟奇的なロックミュージシャンであるMarilyn Mansonの音楽を聴いていたことから、メディアがこぞってマンソンを「事件の元凶」としてバッシングした事実を激しく批判している。マンソンはこの曲のMVにカメオ出演しており、後にライブでも共演を果たした。
Where were the parents at? And look where it's at!
親たちはどこにいたんだ? 見てみろよ!
※子供の教育放棄(ネグレクト)という根本的な家庭の問題から目を逸らし、エンターテインメントに全責任を押し付ける無責任な親や社会構造への鋭い告発。
Middle America, now it's a tragedy
ミドル・アメリカ、今やここは悲劇の舞台だ
Now it's so sad to see, an upper-class city
今じゃ見るも無惨だぜ、上流階級の住む街で
Having this happening (This happening) then attack
こんな事件が起きちまうなんてな(こんな事件がな)、そして連中は攻撃する
Eminem because I rap this way (Rap this way) but I'm glad
俺がこんな風にラップするからって、Eminemをな(こんな風にな)、でも俺は嬉しいぜ
Because they feed me the fuel that I need for the fire to burn
あいつらが、俺の怒りの炎を燃やすための燃料を与えてくれるんだからな
And it's burning, and I have returned
炎は燃え盛ってるぜ、そして俺は戻ってきたんだ
[Chorus]
And I am whatever you say I am
俺はお前らが言う通りの人間だからさ
If I wasn't, then why would I say I am? (Come on!)
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?(カモン!)
In the paper, the news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
Radio won't even play my jam
ラジオじゃ俺の曲さえ流してくれねぇのにな
Because I am whatever you say I am
俺はお前らが言う通りの人間だからさ
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃねぇなら、なんで自分でそうだって言うんだよ?
In the paper, the news, every day I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
I don't know, that's just the way I am
知るかよ、これが俺のありのままの姿ってだけだ
