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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Curtains Close (Skit) - Eminem 【和訳・解説】

Artist: Eminem

Album: The Eminem Show

Song Title: Curtains Close (Skit)

概要

2002年リリースの歴史的名盤『The Eminem Show』を締めくくるアウトロ・スキットである。オープニングの「Curtains Up (Skit)」で幕を開け、世界中を巻き込んだ壮大な「エミネムの人生という名の劇場(ショー)」が、ここで静かに幕を下ろす。最後に無人のステージに登場するのは、エミネムのアルバムに度々登場するお馴染みの架空のゲイ・キャラクター、ケン・カニフ(エミネム自身が声を担当)だ。彼は大ヒットシングル「Without Me」のイントロを同性愛的なパロディに改変して歌い上げるが、既に観客が誰もいないことに気づき、寂しく「おやすみ」と告げる。この哀愁漂うコメディタッチのエンディングは、狂気や苦悩に満ちた重厚なアルバムの緊張感を最後にフッと和らげると同時に、ショービジネスの「祭りの後」の虚無感をも見事に表現した秀逸な構成となっている。

和訳

[Footsteps] [Spoken: Ken Kaniff]

Ehh, is this thing on?
ええと、このマイク入ってんのかしら?
※エミネムのアルバムに度々登場する架空の同性愛者キャラクター「ケン・カニフ(Ken Kaniff)」の登場。初期は別のラッパーが声を当てていたが、対立以降はエミネム自身が声色を変えて演じている。壮絶な愛憎劇や社会批判を繰り広げたアルバムの最後に、この下品なキャラクターがマイクテストをするというシュールなコントラスト。

Where'd everybody go?
みんな、どこへ行っちゃったの?

Guess who's back
誰が戻ってきたか当ててみな

Back again
また帰ってきたわよ
※本作のリードシングル「Without Me」のイントロの露骨なパロディ。誰もいない無人のステージで、大ヒット曲のフレーズを一人虚しく歌い上げている。

Ken is back, tell some men
ケンが復活よ、男たちに教えといて
※「Without Me」の「Shady's back, tell a friend(シェイディの復活だ、ダチに教えとけ)」を、「tell some men(男たちに教えといて)」というゲイ・キャラクターならではのフレーズに改変している。

Rub my back, rub my back, rub my back, rub my back
私の背中をさすって、背中をさすって、背中をさすって、背中をさすってよ
※原曲の「Guess who's back, guess who's back...」の連呼を、「Rub my back(背中をさすって=性的なスキンシップの要求)」という卑猥な言葉遊びにすり替えている。

Eh...
ええと…

Wait, hello?
ちょっと、誰かいないの?

Eh...
あーあ…

Goodnight
おやすみなさい
※誰も自分の歌を聞いておらず、ショーが完全に終わって観客が去った後の空っぽの劇場であることにようやく気づき、一人寂しく「Goodnight」と告げてアルバムは完全に幕を閉じる。エンターテインメントの狂騒と、その後に残る虚無感を体現したような、エミネムらしいシニカルなフェードアウトである。