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Curtains Up (Skit) - Eminem 【和訳・解説】

Artist: Eminem

Album: The Eminem Show

Song Title: Curtains Up (Skit)

概要

本作は、2002年にリリースされ全世界で歴史的メガヒットを記録した3rdアルバム『The Eminem Show』のオープニングを飾るスキットである。前2作(『The Slim Shady LP』『The Marshall Mathers LP』)の冒頭が過激な内容に対するシニカルな警告(Public Service Announcement)であったのに対し、本作では劇場を模した演出が採用されている。これは、エミネム自身の人生がメディアや大衆によって24時間消費される「巨大な見世物(ショー)」と化したことへの自嘲と受容を示している。続く強烈なポリティカル・トラック「White America」への完璧な導入線として機能しており、彼が世界というステージのど真ん中に立ち、アメリカ社会の暗部を暴き出す準備が整ったことを宣言する極めて重要なイントロダクションである。

和訳

[Curtains open, followed by immediate applause of a crowd. Ominous piano music begins to play as curtains continue to roll back. Footsteps approach the mic, causing it to give off feedback. Eminem taps the mic, then clears his throat.]
[幕が上がり、すかさずオーディエンスの熱狂的な大歓声が沸き起こる。さらにカーテンが開いていく中、不吉なピアノのループが鳴り響く。マイクに向かって歩み寄る足音、それに伴って鼓膜を突く鋭いハウリング。エミネムがマイクをコツコツと叩いてテストし、重々しく咳払いをする。]
※エミネムのキャリアにおいて「Curtains Up(開演)」というモチーフは極めて重要である。前作『The Marshall Mathers LP』が彼個人の内面や周囲の狂乱を描いたドキュメンタリーだとするなら、本作『The Eminem Show』は映画『トゥルーマン・ショー』にインスパイアされた「劇場型の自己開示」だ。不吉なピアノのコードはエミネム自身とジェフ・バスが共同制作したものであり、そのまま次曲「White America」のイントロへとシームレスに直結する。大衆の歓声(ポップアイコンとしての熱狂的歓迎)と不穏なサウンド(彼がこれから語るアメリカの闇や政治的批判)という強烈なコントラストが見事に描かれている。また、マイクのハウリングと咳払いは単なる効果音ではなく、「俺の話を聞け、これからヤバい真実をブチまけるぞ」というヒップホップにおけるアテンション・ゲイナー(注目を集める仕草)の役割を果たしている。2004年の次作アルバム『Encore』の冒頭も同様に「Curtains Up」と名付けられており、エンディングの「Curtains Down」で自らの死(引退劇)を演じるまでの一大シアター構想が、まさにこのマイクのタップ音から幕を開けたのである。