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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Heal the World - Michael Jackson 【和訳・解説】

Artist: Michael Jackson

Album: Dangerous

Song Title: Heal the World

概要

1991年発表のアルバム『Dangerous』に収録された、マイケル・ジャクソンのキャリアにおいて最も重要かつ象徴的なメッセージ・ソングである。彼自身が「自分が創作した中で最も誇りに思っている曲」と公言したこのバラードは、アルバム内の先鋭的なニュージャックスウィングとは対極に位置する、クラシカルで壮大なオーケストレーションが特徴である。戦火や貧困に苦しむ子供たちの映像をフィーチャーしたショートフィルムや、1993年の第27回スーパーボウル・ハーフタイムショーでの世界中の子供たちとの大合唱など、この楽曲は単なるポップミュージックの枠を超え、世界平和への巨大なムーブメントとなった。楽曲発表後、彼は同名の「ヒール・ザ・ワールド財団」を設立し、莫大な私財を投じて紛争地帯への物資支援など現実の慈善活動を展開した。愛と平和、そして次世代の子供たちへの無償の愛を歌い上げた、人類史に残る不滅のアンセムである。

和訳

[Intro: Child]

Think about, um, the generations, and, uh, say we wanna make it a better place for our children and children's children so that they, they, they s— they know it's a better world for them. Think they can make it a better place
世代のことについて考えてみて…ええと、子供たちや、そのまた子供たちのために、ここをより良い場所にしたいって伝えるの。そうすれば、彼らは…ここは自分たちにとってより良い世界なんだって分かるから。彼らなら、ここをより良い場所にできるって信じてる。
※マイケルが最も重視した「子供たち(次世代)の純粋な視点」からの語り。彼は生涯を通じて、大人たちが破壊した世界を救うのは子供たちの無垢な精神であると信じており、ネバーランドの「ギビング・ツリー(与える木)」の上でこの曲のインスピレーションを得たと言われている。

[Verse 1: Michael Jackson]

There's a place in your heart
君の心の中には、ある場所がある

And I know that it is love
それが「愛」だということを、僕は知っているよ

And this place could much brighter than tomorrow
そしてその場所は、明日よりもずっと明るく輝く可能性を秘めている

And if you really try
もし君が本当に努力するなら

You'll find there's no need to cry
泣く必要なんてないことに気づくはずさ

In this place, you'll feel there's no hurt or sorrow
その場所では、傷や悲しみなんて存在しないと感じられるだろう
※外部の社会問題を変革する前に、まずは個人の内面(heart)にある愛と平和の領域を見出すことから始まるという、『Man in the Mirror』から連なるマイケルの自己変革の哲学が示されている。

[Pre-Chorus: Michael Jackson]

There are ways to get there
そこへたどり着く方法はいくつかある

If you care enough for the living
もし君が、生きとし生けるものたちを十分に思いやれるのなら
※「the living(生きとし生けるもの)」。人間だけでなく、動物や自然環境も含めた地球全体の生命に対する包括的な思いやり(エコロジー的視点)を示唆している。

Make a little space
ほんの少しの空間を作り出して

Make a better place
より良い場所を創り出そう

[Chorus: Michael Jackson]

Heal the world
世界を癒やそう

Make it a better place
ここをより良い場所にしよう

For you and for me and the entire human race
君のために、僕のために、そして全人類のために

There are people dying
死にゆく人々がいる

If you care enough for the living
もし君が、命あるものを十分に思いやれるのなら

Make a better place for you and for me
より良い場所を創り出そう、君のために、僕のために

[Verse 2: Michael Jackson]

If you want to know why
なぜなのか知りたいなら

There's a love that cannot lie
決して嘘をつかない愛があるからさ

Love is strong, it only cares for joyful giving
愛は力強く、ただ喜んで与えることだけを望むんだ

If we try, we shall see
挑戦してみれば、きっと分かるはず

In this bliss, we cannot feel
この至福の中では、僕らは感じることすらないと

Fear or dread, we stop existing and start living
恐怖や不安を。ただ「存在する」ことをやめ、真の意味で「生きる」ことを始めるんだ
※「stop existing and start living(ただ存在するのをやめ、生き始める)」。単なる生物学的な生存(existing)を超え、無償の愛と喜びに満ちた魂の生(living)へと意識を昇華させるという、極めてスピリチュアルなメッセージである。

[Pre-Chorus: Michael Jackson]

Then it feels that always
そうすれば、いつだって感じられるはずさ

Love's enough for us growing
愛さえあれば、僕らが成長していくには十分だと

Make a better world
より良い世界を創り出そう

Make a better world
より良い世界を創り出そう

[Chorus: Michael Jackson]

Heal the world
世界を癒やそう

Make it a better place
ここをより良い場所にしよう

For you and for me and the entire human race
君のために、僕のために、そして全人類のために

There are people dying
死にゆく人々がいる

If you care enough for the living
もし君が、命あるものを十分に思いやれるのなら

Make a better place for you and for me
より良い場所を創り出そう、君のために、僕のために

[Bridge: Michael Jackson]

And the dream we were conceived in will reveal a joyful face
僕らが身ごもられたあの夢が、喜びに満ちた素顔を見せてくれる

And the world we once believed in will shine again in grace
かつて僕らが信じていた世界が、神の恵みの中で再び輝き出す

Then why do we keep strangling life
それなのになぜ、僕らは命の首を絞め続け

Wound this Earth, crucify its soul?
この地球を傷つけ、その魂を十字架に磔(はりつけ)にするのだろう?
※「strangling life(命の首を絞める)」「crucify its soul(魂を十字架に磔にする)」。環境破壊や戦争に対する極めて強烈で宗教的な告発である。地球を一つの生命体として捉えるガイア仮説的な視点と、キリストの受難(crucify)を重ね合わせて人類の罪を問い詰めている。

Though it's plain to see this world is heavenly
この世界が天国のように美しいことは、火を見るより明らかなのに

Be God's glow
神の輝き(光)となれ

[Verse 3: Michael Jackson]

We could fly so high
僕らはこんなにも高く飛べる

Let our spirits never die
僕らの魂を、決して死なせないようにしよう

In my heart, I feel you are all my brothers
心の中で、君たちはみんな僕の兄弟だと感じているよ

Create a world with no fear
恐怖のない世界を創り出し

Together we'll cry happy tears
共に嬉し涙を流そう

See the nations turn their swords into plowshares
全ての国が、剣をすき(農具)へと打ち直すのを見届けるんだ
※「turn their swords into plowshares(剣をすきに打ち直す)」。旧約聖書のイザヤ書(第2章4節)からの直接的な引用。兵器を農具に変える、すなわち戦争を放棄して平和と生産の時代を築くという、人類普遍の反戦のメタファーである。

[Pre-Chorus: Michael Jackson]

We could really get there
僕らは本当にそこへたどり着ける

If you cared enough for the living
もし君が、生きとし生けるものたちを十分に思いやれるのなら

Make a little space
ほんの少しの空間を作り出して

To make a better place
より良い場所を創り出そう

[Chorus: Michael Jackson, Michael Jackson & The John Bahler Singers]

Heal the world
世界を癒やそう

Make it a better place
ここをより良い場所にしよう

For you and for me and the entire human race
君のために、僕のために、そして全人類のために

There are people dying
死にゆく人々がいる

If you care enough for the living
もし君が、命あるものを十分に思いやれるのなら

Make a better place for you and for me
より良い場所を創り出そう、君のために、僕のために

Heal the world
世界を癒やそう

Make it a better place (Better place)
ここをより良い場所にしよう(より良い場所に)

For you and for me and the entire human race
君のために、僕のために、そして全人類のために

There are people dying
死にゆく人々がいる

If you care enough for the living
もし君が、命あるものを十分に思いやれるのなら

Make a better place for you and for me
より良い場所を創り出そう、君のために、僕のために

Heal the world (Heal the world)
世界を癒やそう(世界を癒やそう)

Make it a better place (Better place)
ここをより良い場所にしよう(より良い場所に)

For you and for me and the entire human race (Oh, no)
君のために、僕のために、そして全人類のために(Oh, no)

There are people dying (Oh)
死にゆく人々がいる(Oh)

If you care enough for the living
もし君が、命あるものを十分に思いやれるのなら

Make a better place for you and for me
より良い場所を創り出そう、君のために、僕のために

[Post-Chorus: Michael Jackson, Michael Jackson & The John Bahler Singers]

(Yeah) There are people dying (Oh)
(Yeah)死にゆく人々がいる(Oh)

If you care enough for the living
もし君が、命あるものを十分に思いやれるのなら

(Then) Make a better place for you and for me
(それなら)より良い場所を創り出そう、君のために、僕のために

(Everyone, there are) There are people dying (Oh)
(みんな、そこには)死にゆく人々がいる(Oh)

If you care enough for the living
もし君が、命あるものを十分に思いやれるのなら

Make a better place for you and for me
より良い場所を創り出そう、君のために、僕のために

[Outro: Michael Jackson, Michael Jackson & The John Bahler Singers, Christa Collins, Michael Jackson & Christa Collins]

(You and for me) Make a better place
(君のために、僕のために)より良い場所を創り出そう

(You and for me) Make a better place
(君のために、僕のために)より良い場所を創り出そう

(You and for me) Make a better place
(君のために、僕のために)より良い場所を創り出そう

(You and for me) Heal the world we live in
(君のために、僕のために)僕らの住むこの世界を癒やそう

(You and for me) Save it for our children
(君のために、僕のために)子供たちのために、この世界を守ろう

(You and for me) Heal the world we live in
(君のために、僕のために)僕らの住むこの世界を癒やそう

(You and for me) Save it for our children
(君のために、僕のために)子供たちのために、この世界を守ろう

(You and for me) Heal the world we live in
(君のために、僕のために)僕らの住むこの世界を癒やそう

(You and for me) Save it for our children
(君のために、僕のために)子供たちのために、この世界を守ろう

(You and for me) Heal the world we live in
(君のために、僕のために)僕らの住むこの世界を癒やそう

(You and for me) Save it for our children
(君のために、僕のために)子供たちのために、この世界を守ろう
※壮大なクワイア(合唱)のフェイドアウト。1993年のスーパーボウル・ハーフタイムショーにおいて、マイケルはステージを埋め尽くす世界中の子供たちの大合唱とともにこのアウトロを歌い上げ、約1億3000万人という当時の米国テレビ史上最高視聴率を叩き出した。彼が純粋に願い続けた「無垢な世界への回帰」が、最も美しい形で世界中へ届けられた瞬間である。