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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Leave Me Alone - Michael Jackson 【和訳・解説】

Artist: Michael Jackson

Album: Bad

Song Title: Leave Me Alone

概要

1987年のアルバム『Bad』に収録された、マイケル・ジャクソン本人の作詞作曲・共同プロデュースによる楽曲である。CD版およびカセット版にのみ収録されたボーナストラック的な立ち位置であったが、その強烈なメッセージ性と音楽性で絶大な人気を誇る。表面上は「金目当ての恋人との決別」を歌ったラブソングの形式をとっているが、その本質は、彼を「Wacko Jacko(奇人ジャッコ)」と呼び、事実無根のゴシップ(エレファントマンの骨の購入疑惑、酸素カプセルでの睡眠など)を書き立てるタブロイド紙とマスメディアに対する痛烈な怒りと決別宣言である。グラミー賞最優秀短編ミュージックビデオ賞を受賞したショートフィルムでは、遊園地のアトラクションに見立てたゴシップ紙の世界をマイケル自身が巡り、最後には彼を縛り付けていた巨大な鎖(ガリバー旅行記のオマージュ)を引きちぎって立ち上がるという、痛快かつ感動的な自己解放が描かれている。

和訳

[Intro]

Aaow!
Aaow!

Hoo-hoo!
Hoo-hoo!
※怒りとフラストレーションをエネルギーに変換する、鋭くパーカッシブなシャウト。マイケルが単なる「ポップアイコン」から、自らの声でメディアの不条理に抗議する「闘うアーティスト」へと明確にシフトしたことを告げる号砲である。

[Verse 1]

I don't care what you talkin' 'bout, baby
君が何を言おうと知ったことじゃないさ、ベイビー
※「baby(君)」は、表向きは別れた恋人を指すが、実際にはタブロイド紙の記者や、ゴシップを無責任に消費する世間の人々(The Public)を擬人化したものである。

I don't care what you say
君の言うことなんて気にも留めない

Don't you come walkin' beggin' back, mama
泣きついて戻って来ようとするんじゃないぜ

I don't care anyway
どっちみち、どうでもいいことさ

Time after time, I gave you all of my money
これまで何度も、僕は自分の全財産を君に与えてきた
※「gave you all of my money(全財産を与えた)」。スターとしてのプライバシーを切り売りし、メディアに莫大な利益(部数や視聴率)をもたらしてきた彼自身の「搾取された歴史」に対する痛烈な皮肉である。

No excuses to make
言い訳なんてするつもりはない

Ain't no mountain that I can't climb, baby
僕に登れない山なんてないんだ、ベイビー
※ソウル・ミュージックにおける古典的な表現「登れない山はない」を引用し、メディアによる執拗な人格攻撃という巨大な壁(山)をも必ず乗り越えてみせるという、圧倒的な自信と精神の強靭さを誇示している。

All is goin' my way
すべては僕の思い通りに進んでいるんだ

[Pre-Chorus]

('Cause there's a time when you're right
(自分が正しいと確信する時があり

And you know you must fight)
そして、戦わなければならないと気づく時があるからだ)
※バックコーラスの重厚なハーモニーによる、真理の啓示。マイケルが長年貫いてきた「沈黙(沈黙は金なり)」というメディア対策を捨て、明確に「戦う(fight)」ことを決意した歴史的な宣言である。

Who's laughin', baby? Don't you know?
今笑っているのは誰だい、ベイビー? 分からないのか?

(And there's the choice that we make
(僕らが下すべき選択があり

And this choice you will take)
君もその選択を受け入れることになるのさ)

Who's laughin', baby?
今笑っているのは誰だい、ベイビー?
※「Who's laughin'(笑っているのは誰か)」。ゴシップで自分を嘲笑してきたメディアに対し、最終的に真実を証明して最後に笑うのは自分であるという、痛快なリベンジの予告。

[Chorus]

So just leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone)
だから、僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ)
※タイトル・フレーズ「Leave me alone(僕を放っておいてくれ)」。世界最大のポップスターから放たれた、最も切実で、最も人間的な悲鳴。シンセベースの冷たく無機質なビートが、彼を取り囲む孤独な壁を表現している。

Leave me alone
僕を一人にしてくれ

Leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone, leave me alone)
僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ、放っておいてくれ)

Leave me alone (leave me alone)
僕を一人にしてくれ(放っておいてくれ)

Stop it!
もうやめろ!

Just stop doggin' me around (Just stop doggin' me)
僕を付きまとうのはやめてくれ(付きまとうのはやめろ)
※「dogging me around(猟犬のように執拗に追い回す)」。パパラッチのハイエナのような異常な追跡行動を、動物的な本能になぞらえて非難している。

Hee-hee!
Hee-hee!

Hoo-hoo!
Hoo-hoo!

[Verse 2]

There was a time I used to say "Girl, I need you"
昔は「君が必要だ」なんて言っていた時期もあった

But who is sorry now?
でも今、後悔しているのはどっちだい?
※キャリアの初期において、スターダムにのし上がるためにメディアの力(プロモーション)を必要とし、良好な関係を築こうとしていた過去の自分との決別。

You really hurt, you used to take and deceive me
君は僕を深く傷つけた、僕から奪い、騙し続けたんだ

Now, who is sorry now?
さあ、今になって後悔しているのはどっちだい?

You got a way of makin' me feel so sorry
君は僕に惨めな思いをさせる天才だったけれど

I found out right away
僕はすぐにその手口に気づいたのさ

Don't you come walkin', beggin', I ain’t lovin' you
泣きついてこようとしたって無駄だ、もう君を愛してなんかない

Don't you get in my way
僕の邪魔をするな
※「Don't you get in my way(邪魔をするな)」。アルバム『Bad』全体に共通する「我が道を行く(My Way)」という強固な意志の表れ。もはやメディアの承認や好意的な記事など必要としないという完全なる自立の宣言である。

[Pre-Chorus]

('Cause there's a time when you're right
(自分が正しいと確信する時があり

And you know you must fight)
そして、戦わなければならないと気づく時があるからだ)

Who's laughin', baby? Don't you know?
今笑っているのは誰だい、ベイビー? 分からないのか?

(And there's the choice that we make
(僕らが下すべき選択があり

And this choice you will take)
君もその選択を受け入れることになるのさ)

Who's laughin', baby?
今笑っているのは誰だい、ベイビー?

[Chorus]

So just leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone)
だから、僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ)

Leave me alone
僕を一人にしてくれ

Leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone, leave me alone)
僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ、放っておいてくれ)

Leave me alone (Leave me alone)
僕を一人にしてくれ(放っておいてくれ)

Stop it!
もうやめろ!

Just stop doggin' me around
僕を付きまとうのはやめてくれ

Hee-hee!
Hee-hee!

Hoo-hoo!
Hoo-hoo!

Aaow!
Aaow!

[Instrumental Interlude]

Da-da-da-da
Da-da-da-da
※楽器の演奏とマイケルのスキャットが複雑に絡み合う間奏。ショートフィルムでは、この狂騒的なビートに乗せて、マイケルのペットであったチンパンジーのバブルス君や、彼が購入したと噂されたエレファントマンの骨など、タブロイド紙が作り上げた「Wacko Jacko(奇人ジャッコ)」の虚像がメリーゴーランドのように回転し、メディアの狂気を視覚的に皮肉っている。

Da-da-da-da
Da-da-da-da

Da-da-da-da
Da-da-da-da

Da-da-da-da-da da-da da-da
Da-da-da-da-da da-da da-da

Da-da-da-da-da
Da-da-da-da-da

Da-da-da-da
Da-da-da-da

Da-da-da-da
Da-da-da-da

Da-da-da-da-da-da da-da da-da
Da-da-da-da-da-da da-da da-da

Da-da-da-da-da da-da
Da-da-da-da-da da-da

Da-da-da-da
Da-da-da-da

Da-da-da da
Da-da-da da

Ah, ah
Ah, ah

[Pre-Chorus]

('Cause there's a time when you're right
(自分が正しいと確信する時があり

And you know you must fight)
そして、戦わなければならないと気づく時があるからだ)

Who's laughin', baby? Don't you know, girl?
今笑っているのは誰だい、ベイビー? 分からないのかい?

(There's the choice that we make) (Stop it, baby)
(僕らが下すべき選択がある)(やめてくれ、ベイビー)

(And this choice you will take) (Stop it, baby)
(君もその選択を受け入れることになる)(やめてくれ、ベイビー)

Who's laughin', baby?
今笑っているのは誰だい、ベイビー?

[Chorus]

So just leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone)
だから、僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ)

Leave me alone
僕を一人にしてくれ

Leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone, leave me alone)
僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ、放っておいてくれ)

Leave me alone (Leave me alone)
僕を一人にしてくれ(放っておいてくれ)

Stop it!
もうやめろ!

Just stop doggin' me
僕を付きまとうのはやめてくれ

Leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone)
僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ)

Leave me alone
僕を一人にしてくれ

Leave me alone, girl (Leave me alone, leave me alone, leave me alone)
僕を一人にしてくれよ(放っておいてくれ、放っておいてくれ、放っておいてくれ)

Leave me alone (Leave me alone)
僕を一人にしてくれ(放っておいてくれ)

Stop it!
もうやめろ!

Just stop doggin' me around
僕を付きまとうのはやめてくれ

Hee-hee!
Hee-hee!

Hoo-hoo!
Hoo-hoo!

[Outro]

Don't come beggin' me
泣きついてくるな

Don't come beggin'
泣きついてくるんじゃない

Don't come lovin' me
愛しているフリをして近づくな

Don't come beggin'
泣きついてくるんじゃない

I don't love you
もう君を愛してなんかない

I don't want it
そんなものは欲しくないんだ

I don't, I don't, I don't, I, aaow!
欲しくない、欲しくない、欲しくないんだ、アォゥ!
※フェイドアウトに向けて、マイケルのシャウトは極限の怒りへと達する。ショートフィルムのラストシーンにおいて、彼はガリバーのように自身を縛り付けていた遊園地(ゴシップとメディアによって作られた虚像の世界)の鎖を引きちぎり、巨大な姿となって立ち上がる。それは彼が「メディアの消費物」であることをやめ、「一人の人間としての自由と尊厳」を取り戻したことを世界に証明する、ポップカルチャー史上最も美しい自己解放の瞬間である。

Hee-hee!
Hee-hee!

Hoo-hoo!
Hoo-hoo!

Don't come beggin' me
泣きついてくるな

Don't come beggin'
泣きついてくるんじゃない

Don't come lovin' me
愛しているフリをして近づくな

Don't come beggin'
泣きついてくるんじゃない

I don't love you
もう君を愛してなんかない

I don't want it
そんなものは欲しくないんだ

I don't need it
そんなものは必要ない

I don't love ya
君を愛してなんかいない