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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Liberian Girl - Michael Jackson 【和訳・解説】

Artist: Michael Jackson

Album: Bad

Song Title: Liberian Girl

概要

1987年のアルバム『Bad』に収録された、エキゾチックで官能的なミディアム・バラードである。マイケル・ジャクソン本人が作詞作曲を手掛け、親友である女優エリザベス・テイラーに捧げられた。冒頭の印象的なスワヒリ語のチャントは南アフリカ出身の歌手レタ・ムブルによるものだが、西アフリカの「リベリア」という国名に東アフリカの言語を組み合わせた点に、マイケルの「汎アフリカ主義」的なブラック・ルーツへのロマンティシズムが見て取れる。また、ショートフィルムは「Just like in the movies(まるで映画のように)」という歌詞に呼応し、スティーヴン・スピルバーグやジョン・トラボルタら錚々たるセレブリティがマイケルを待つ中、実は彼自身がカメラを回していたというメタフィクション的な演出を採用し、彼の大衆文化における絶対的な立ち位置を証明した一作である。

和訳

[Intro: Letta Mbulu]

Nakupenda pia
私もあなたを愛しているわ
※南アフリカ出身の歌手レタ・ムブルによるスワヒリ語のチャント。タイトルの「リベリア」は西アフリカに位置するが、ここで東アフリカの公用語であるスワヒリ語が用いられているのは、特定の国境を越えた「母なるアフリカ大陸」全体への敬意と、神話的な美しさを持つアフリカ女性への憧憬が込められているためである。

Nakutaka pia
私もあなたを求めているわ

Mpenzi we'
私の愛しい人

[Verse 1: Michael Jackson]

Liberian girl, you came and you changed my world
リベリアン・ガール、君が現れて僕の世界は一変した

A love so brand new
これまでにない、全く新しい愛さ

Liberian girl, you came and you changed me, girl
リベリアン・ガール、君がやって来て僕を変えてしまったんだ、なぁ

A feeling so true
これが真実の感情なんだね

[Chorus: Michael Jackson]

Liberian girl
リベリアン・ガール

You know that you came and you changed my world
君が現れて僕の世界を変えてしまったこと、君も分かっているだろう

Just like in the movies
まるで映画のワンシーンのようにね
※この楽曲のインスピレーション源であり、ショートフィルムのコンセプトにも直結する重要なフレーズ。現実離れした完璧なロマンスを「映画」に喩えるこの視点は、豪華なハリウッドスターたちをカメオ出演させ、マイケル自身が監督役として彼らを撮影するという自己言及的(メタ的)なミュージック・ビデオの画期的な演出へと結実した。

With two lovers in a scene
恋人同士が登場するシーンで

And she says, "Do you love me?"
彼女が「私のこと、愛してる?」と尋ねると

And he says, "So endlessly
彼はこう答えるんだ、「あぁ、永遠に

I love you, Liberian girl"
愛しているよ、リベリアン・ガール」と

[Post-Chorus: Letta Mbulu & Michael Jackson]

Nakupenda pia
私もあなたを愛しているわ

Nakutaka pia (Ooh-ooh, baby)
私もあなたを求めているわ(Ooh-ooh, ベイビー)

Mpenzi we'
私の愛しい人

Ah, ah, ah-ah-ah
Ah, ah, ah-ah-ah

Mmm, baby, alright
Mmm, ベイビー、そうさ

[Verse 2: Michael Jackson]

Liberian girl, more precious than any pearl
リベリアン・ガール、どんな真珠よりも尊い人
※黒人女性の美しさを、暗闇で白く輝く真珠以上の価値を持つものとして称賛している。1980年代のメインストリーム・ポップスにおいて、アフリカ系女性の美をここまで直接的かつロマンティックに礼賛した楽曲は非常に意義深く、マイケルの文化的プライドの表れである。

Your love's so complete
君の愛はとても完璧だ

Liberian girl, you kiss me, then, ooh, the world
リベリアン・ガール、君が僕にキスをすると、ooh、世界は

You do this to me
君は僕をこんな風にしてしまうんだ

[Chorus: Michael Jackson]

Liberian girl
リベリアン・ガール

You know that you came and you changed my world
君が現れて僕の世界を変えてしまったこと、君も分かっているだろう

Just like in the movies
まるで映画のワンシーンのようにね

With two lovers in a scene
恋人同士が登場するシーンで

And she says, "Do you love me?"
彼女が「私のこと、愛してる?」と尋ねると

And he says, "So endlessly
彼はこう答えるんだ、「あぁ、永遠に

I love you, Liberian girl"
愛しているよ、リベリアン・ガール」と

[Post-Chorus: Letta Mbulu & Michael Jackson]

Nakupenda pia
私もあなたを愛しているわ

Nakutaka pia (Ooh-ooh, baby)
私もあなたを求めているわ(Ooh-ooh, ベイビー)

Mpenzi we'
私の愛しい人

Ah, ah, ah-ah-ah
Ah, ah, ah-ah-ah

[Chorus: Michael Jackson]

Liberian girl
リベリアン・ガール

You know that you came and you changed my world
君が現れて僕の世界を変えてしまったこと、君も分かっているだろう

I wait for the day
僕はその日が来るのを待っている

When you have to say, "I do"
君が「誓います」と言ってくれる日を
※「I do」はキリスト教式の結婚式における誓いの言葉。単なる一夜の恋やファンタジーの情景から、永遠の献身(結婚)を求める究極の愛の表現へと到達している。

And I'll smile and say it too
そしたら僕も微笑んで、同じように誓うよ

And forever will be true
そして、永遠が真実になるんだ

[Refrain: Michael Jackson]

I love you, Liberian girl all the time
愛しているよ、リベリアン・ガール、いつだって

I love you, Liberian girl all the time
愛しているよ、リベリアン・ガール、いつだって

I love you, Liberian girl all the time
愛しているよ、リベリアン・ガール、いつだって

I love you, Liberian girl all the time
愛しているよ、リベリアン・ガール、いつだって

[Outro: Michael Jackson]

I love you (Girl)
愛しているよ(なぁ)

I love you, baby
愛しているよ、ベイビー

I want you
君が欲しいんだ

I love you, baby, ooh (Girl)
愛しているよ、ベイビー、ooh(なぁ)

I love you, baby
愛しているよ、ベイビー

I want you, baby, ooh (Girl)
君が欲しいんだ、ベイビー、ooh(なぁ)
※幾重にも重ねられたマイケルのコーラスと、吐息のようなボーカルがフェイドアウトしていく。クインシー・ジョーンズが構築したエキゾチックなパーカッションとシンセサイザーの波に溶け込むように、アフリカ大陸の母なる大地と、一人の女性への究極の愛の賛歌が静かに幕を閉じる。