Artist: Michael Jackson
Album: Off the Wall
Song Title: Don’t Stop ’Til You Get Enough
概要
1979年に発表された歴史的傑作アルバム『Off the Wall』のリードシングルであり、マイケル・ジャクソンが自ら単独で作詞作曲を手掛けた初の特大ヒット曲である。クインシー・ジョーンズとの運命的な初タッグとなった本作は、ストリングスとホーン・セクションが乱舞する洗練されたディスコ・サウンドと、ジェームス・ブラウン由来のファンクネスを見事に融合させている。ジョージ・ルーカスの映画『スター・ウォーズ』にインスパイアされた「フォース(The Force)」という概念を官能的な愛や内なるエネルギーのメタファーとして用いており、モータウンの「天才子役」から「自立した大人のアーティスト」への劇的な変貌を世界に見せつけた。革新的なクロマキー合成を用いたショートフィルムでの、タキシード姿で多重分身して踊る姿は、のちにポップカルチャーを視覚から支配する「キング・オブ・ポップ」の華麗なる誕生の瞬間を刻んでいる。
和訳
[Intro]
You know, I was, I was wondering, you know
ねぇ、ちょっと、ちょっと考えていたんだけど、ほら
If you could keep on because
そのまま続けてくれないかな、だって
The force has got a lot of power and it
「フォース」にはすごい力があって、それが…
It make me feel like a
それが、僕をこんな気分にさせるんだ…
It, it make me feel like, woo!
それが、僕をこんな風に…ウゥッ!
※伝説的とも言えるこのスポークン・ワード(語り)のイントロ。普段のシャイで声の細いマイケルのパーソナリティから、爆発的でセクシーなエンターテイナーへと切り替わる瞬間を「woo!」というシャウトが見事に捉えている。当時大ヒットしていた映画『スター・ウォーズ』に触発された「フォース」というSF的な神秘のエネルギーを、ダンスフロアにおける肉体的かつ官能的なグルーヴのメタファーとして独自に再解釈した彼の手腕は、クインシー・ジョーンズをも驚嘆させた。
[Verse 1]
Lovely is the feeling now
今、この感覚は最高に愛おしい
Fever, temperature's rising now
熱を帯びて、体温が今、上昇していく
Power is the force, the vow (Oh, power)
パワーこそが「フォース」、そして誓いなんだ(Oh, パワー)
※「誓い(vow)」という言葉が、単なる肉体的な欲求を超えた、リズムや相手に対する精神的なコミットメントを示唆している。彼のファルセット(裏声)はここで単なる音域の拡張ではなく、官能性と純真さを同時に表現する魔法の楽器として機能している。
That makes it happen
それがすべてを現実にする
It asks no questions why, ooh
そこに「なぜ」なんて野暮な問いはいらない、ooh
So get closer to my body now (Closer now)
だから今、僕の体にもっと近づいて(今すぐ近くへ)
Just love me 'til ya don't know how, ooh
どうしていいか分からなくなるまで、僕を愛してくれ、ooh
※ジャクソン5時代のバブルガム・ポップからの完全な決別宣言。ティーンエイジャーの初恋ではなく、明確に大人の性愛とエクスタシーを求めているが、彼の天使のようなファルセットがそれを下品なものにせず、至高の芸術的グルーヴへと昇華させている。
[Chorus]
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
※敬虔なエホバの証人の信者であった母キャサリンは、このフレーズが性的な意味合いを持つとして難色を示したが、マイケルは「これは聴く人が自由に解釈していい言葉だ」と弁明した。絶頂を求める性的メタファーであると同時に、彼自身の音楽的完璧主義と、決して満足することなくエンターテインメントの頂点を目指し続けるという野心の宣言でもある。
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
[Verse 2]
Touch me and I feel on fire
君に触れられると、体が燃え上がるようだ
Ain't nothing like a love desire, ooh
愛への欲望に勝るものなんてないんだ、ooh
I'm melting like hot candle wax (I'm melting, ah)
熱いキャンドルの蝋のように、僕は溶けていく(溶けていくよ、ah)
※ルイス・ジョンソンの強烈なスラップベースと、デヴィッド・ウィリアムスのカッティングギターが絡み合う中、「溶けていく」という極めて視覚的でエロティックなメタファーが炸裂する。ダンスフロアの熱気の中で、自他の境界線が溶けてなくなるようなトランス状態の描写である。
Sensation (Ah, sensation)
このセンセーション(Ah, センセーション)
Lovely where we're at, ooh
僕らのいるこの場所は最高さ、ooh
So let love take us through the hours
だから愛に身を任せて、この時間を通り抜けよう
I won't be complaining, ooh
僕から文句なんて出るわけないさ、ooh
'Cause this is love power, ooh
だって、これこそが愛の力なんだから、ooh
[Chorus]
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
[Instrumental Break] [Bridge]
Ooh
Ooh
Oh, baby, keep on, keep on
Oh, ベイビー、そのまま、そのまま続けて
[Verse 3]
Heartbreak enemy despise
悲しみや敵意なんて見下してやれ
※文法的に破綻しているが、リズムのインパクトを最優先させた言葉選び。ここでの「グルーヴ(フォース)」は、失恋やネガティブな感情を打ち砕く最強の武器として位置づけられている。後の「Wanna Be Startin' Somethin'」でも見られるような、言葉をパーカッションとして扱う彼特有のリズム構成の妙である。
Eternal love shines in my eyes, ooh (Oh, eternal)
僕の瞳には、永遠の愛が輝いているんだ、ooh(Oh, 永遠の)
So let love take us through the hours (Oh, let love)
だから愛に身を任せて、この時間を通り抜けよう(Oh, 愛に任せて)
I won't be complaining, hoo (No, no)
僕から文句なんて出るわけないさ、hoo(決してないね)
'Cause your love is alright, alright, ooh
だって君の愛は最高だから、最高さ、ooh
[Chorus]
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Don't stop, baby)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(止めないで、ベイビー)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough (Oh, my baby)
満足するまで、絶対に止めないで(Oh, マイ・ベイビー)
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
[Refrain]
Lovely is the feeling now
今、この感覚は最高に愛おしい
I won't be complaining, ooh, ooh
僕から文句なんて出るわけないさ、ooh, ooh
The force is love power
「フォース」とは、愛の力のことなんだ
※ここでついに、SF的・肉体的な「フォース」の正体が「Love power(愛の力)」であると明言される。単なるディスコのダンス・アンセムが、マイケルが生涯をかけて追求した「アガペー(無償の普遍的な愛)」のメッセージへと昇華される決定的な瞬間である。
[Chorus]
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Don't stop, darling)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(止めないで、ダーリン)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Don't play, baby)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(焦らさないで、ベイビー)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(続けて)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on, darling)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(続けて、ダーリン)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Love power, yeah)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(愛の力さ、そう)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on, darling)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(続けて、ダーリン)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Love power)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(愛の力さ)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on with the power, would ya, ooh)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(その力のまま続けてくれないか、ooh)
Don't stop 'til you get enough ('Til you get enough, ooh)
満足するまで、絶対に止めないで(満足するまで、ooh)
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on, yeah)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(続けて、そう)
Don't stop 'til you get enough (Ah, ah now)
満足するまで、絶対に止めないで(Ah、さあ)
Keep on with the force, don't stop (Yeah)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(Yeah)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on, baby)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(続けて、ベイビー)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop ('Til you get enough)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(満足するまで)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on, darling)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(続けて、ダーリン)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Alright, yeah)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(最高さ、そう)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Keep on, baby)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(続けて、ベイビー)
Don't stop 'til you get enough
満足するまで、絶対に止めないで
Keep on with the force, don't stop (Don't stop)
「フォース」を感じたまま続けて、止めないで(止めないで)
※執拗なまでに繰り返されるコーラスと、パウリーニョ・ダ・コスタのラテン・パーカッション、そしてマイケルの神懸かったアドリブの応酬。タイトル通り「満足するまで絶対に止まらない」この狂騒的なアウトロは、1970年代のディスコ・エラの頂点を示すと同時に、マイケル・ジャクソンという不世出の天才が自らの手でポップ・ミュージックの歴史の扉を完全にこじ開けた瞬間を、永遠のグルーヴとして鳴らし続けている。
