Artist: Thundercat
Album: Distracted
Song Title: A.D.D. Through The Roof
概要
サンダーキャットのアルバム『Distracted(=注意散漫な、気を取られた)』の核心的なテーマを担うタイトル・トラック的存在である。A.D.D.(注意欠陥障害)という自身のニューロダイバーシティ(脳の多様性)を正面から捉え、天井知らず(Through The Roof)の多動性や散漫な思考を否定するのではなく、ありのままの自分として受容するプロセスが歌われている。LAの過酷なスタジオワークでのプレッシャー、親友マック・ミラーの死を経た癒えない悲しみ、そして不意に襲い来るパニックや不安。それらを特有のユーモアとSF的メタファーで包み込み、「笑っても、泣いてもいいんだ」と優しく肯定する、極めてパーソナルでセラピューティックなネオソウル・アンセムだ。
和訳
[Verse]
Long days and longer nights
長い昼と、さらに長く感じる夜たち
※LAのビートメイカーたちが日常的に送る、昼夜逆転の過酷なスタジオ・セッションの日々を示唆している。
Day after day, 'til we get it right
毎日毎日、納得いくまでやり続けるんだ
Can't right all my wrongs, no, not all them ones
自分の過ちを全部正すことなんてできない、ああ、全部なんて無理さ
※過去の後悔や失敗(人間関係の摩擦や、救えなかった友人への思い)に対する深い諦念とメランコリー。
Make up for the day 'cause all will be alright
今日という日を取り戻そう、だって全部うまくいくはずだから
The pressures coming on, remember just to breathe
プレッシャーが押し寄せてきたら、ただ深呼吸することだけ思い出して
※パニック発作や極度の不安状態に対する、セラピー的なグラウンディング(地に足をつける)のアプローチ。彼自身がメンタルヘルスの問題を抱え、対処してきたリアルな経験が反映されている。
It's not the end that you're supposed to see
君が見るべきなのは、そこにある「終わり」じゃないんだよ
The butterflies fluttering a ton
胃の中で蝶が大量に飛び回ってるみたいだ
※「butterflies in stomach(緊張で胃がソワソワする)」という英語の慣用句。A.D.D.特有の過敏な神経や極度の緊張状態を表現している。
It's just the way, to know that you're alive
でもそれは、自分が生きてるって実感するためのサインなんだよね
Feels like a joke, it gets me every time
まるで悪いジョークみたいで、いつもやられちゃうよ
※人生の不条理(突然の友人の死など)を「ジョーク」と形容する、彼特有のシニカルな防衛機制。
Most times I laugh, but it's okay to cry
大抵のことは笑って誤魔化すけどさ、泣いたっていいんだよ
※サンダーキャットというアーティストの核心を突くパンチライン。常にユーモラスなオタク・キャラを演じている彼が、悲しみ(マック・ミラーの喪失など)に対して泣くことを自ら許可している、非常に感動的なフレーズだ。
Just let it in, then let it go
ただ受け入れて、そして手放すんだ
※仏教の禅やマインドフルネス、あるいはACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の基本概念。感情を抑圧せず、一度自分の中に通してから自然に去らせるという心理的プロセス。
Catch and releasе, then walk out the door
キャッチ&リリースして、ドアの外へ歩き出すのさ
ADD through the roof, bouncing off thе walls
A.D.D.(注意欠陥)が限界突破して、壁をバウンドして飛び回ってるよ
※「through the roof(天井を突き破るほどの、限界突破)」と「bouncing off the walls(壁に跳ね返るほど落ち着きがない)」という多動性を表すイディオムの連続。アルバムタイトル『Distracted』のテーマを象徴するフレーズ。
That's who you are, that's just how it goes
それが君という人間だし、そういう風にできてるんだから
Don't be afraid, you won't lose your way
怖がらないで、道に迷ったりしないから
With new frontiers, struggle with it all
新たなフロンティア(未開の地)で、そのすべてともがきながら生きていくんだ
※『スタートレック』でお馴染みの「The final frontier(最後の開拓地)」の引用。自己の脳内や精神世界という広大な宇宙(フロンティア)を、もがきながらも探求していくオタク的な決意表明。
[Chorus]
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
※以降のリフレインは、過活動な脳の思考のループを音として体現している。
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
ADD through the roof
A.D.D.が限界突破してる
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
ADD through the roof, ADD through the roof
A.D.D.が限界突破してる、A.D.D.が限界突破してる
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
ADD through the roof, ADD through the roof
A.D.D.が限界突破してる、A.D.D.が限界突破してる
ADD through the roof (The roof)
A.D.D.が限界突破してる(天井知らずさ)
