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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Who Knew - Eminem 【和訳・解説】

Artist: Eminem

Album: The Marshall Mathers LP

Song Title: Who Knew

概要

エミネムが世界的スターダムにのし上がったことで直面した、「若者への悪影響」という社会からの猛烈なバッシングに対する最も論理的で痛烈な反論(アンサーソング)である。1999年のコロンバイン高校銃乱射事件などを背景に、メディアや政治家(特にビル・クリントン大統領や妻ヒラリー)は暴力や犯罪の責任をスケープゴートとしてラップ音楽やゲームに押し付けていた。本作でエミネムは、親の教育放棄、ハリウッド映画の暴力描写、クリントン自身の不倫スキャンダルなど、社会に蔓延する深刻な矛盾を次々と指摘。「自分の言葉が子供に影響を与えるなんて『誰が知っていた(Who Knew)』というんだ?」と皮肉りながら、「俺の音楽を検閲する前に、親として自分の子供をちゃんと見張れ」という極めて真っ当な正論を、猟奇的なユーモアと完璧な多音節韻(マルチシラブル)で突きつけている。ドクター・ドレーとメルマンによるバウンシーなビートの上で繰り広げられる、ヒップホップ史に残る完璧な社会風刺トラックだ。

和訳

[Intro]

(I never knew I, knew I, knew I)
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)

(I never knew I, knew I, knew I) Mic check, one-two
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)マイクチェック、ワン、ツー。

(I never knew I, knew I, knew I) Who woulda knew?
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)誰が知ってたってんだ?

(I never knew I, knew I, knew I) Who woulda known?
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)誰に予測できたってんだよ。

(I never knew I, knew I, knew I) Fuck would of thought?
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)誰がこんなこと想像できた?

(I never knew I, knew I, knew I) Motherfucker comes out
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)どこぞのクソ野郎(エミネム自身)が世に出てきて、

(I never knew I, knew I, knew I) Sells a couple of million records
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)数百万枚のレコードを売り上げて、

(I never knew I, knew I, knew I) And these motherfuckers hit the ceiling
(俺は知らなかったんだ、知る由もなかった)そしたら世間のクソ野郎どもが天井をぶち抜くほど(ブチギレて)大騒ぎするなんてな。
※自身のデビュー作『The Slim Shady LP』が空前のメガヒットを記録した結果、予期せぬスケールで社会問題化し、全米の親や政治家から猛烈なバッシングを受けた状況を振り返っている。

(I never knew I)
(俺は知る由もなかったんだ)

[Verse 1]

I don't do Black music, I don't do white music (Nope)
俺は「黒人の音楽」をやってるわけじゃない、「白人の音楽」をやってるわけでもない(そうだろ)。
※当時エミネムに向けられていた「黒人の文化(ヒップホップ)を盗んで白人の若者に売っている(カルチャーの盗用)」という批判に対する明確な否定。

I make fight music for high school kids
俺は、高校生のガキどものための「ファイト・ミュージック(闘争の音楽)」を作ってるんだ。
※人種ではなく、社会への不満や怒りを抱えたすべての思春期の若者たちの代弁者であるという宣言。このフレーズは後に、彼のクルーD12の代表曲『Fight Music』のコンセプトへと繋がる。

I put lives at risk when I drive like this
俺がこんな風に車を運転すれば、人の命を危険に晒すことになる。

I put wives at risk with a knife like this (Ah!) (Shit)
俺がこんな風にナイフを振り回せば、妻たちの命を危険に晒すことになる。(アァ!)(クソッ)
※「high school kids」「drive like this」「knife like this」の3音節の脚韻。彼の歌詞が現実世界で模倣される危険性を、自ら過激なメタファーで表現している。

You probably think I'm in your tape deck now
お前らは今、俺がお前のカセットデッキの中にいるだけだと思ってるだろうな。
※リスナーはエミネムを「スピーカー越しの安全なエンターテインメント」として消費しているつもりだが、その境界線を意図的に曖昧にしていくサイコホラー的な演出。

I'm in the backseat of your truck with duct tape stretched out
だが俺は、ダクトテープを引き伸ばして、お前のトラックの後部座席に潜んでるんだぜ。

Ducked the fuck way down, waitin' to straight jump out
思いっきり身を屈めて、今すぐ飛び出すタイミングを待ってるのさ。

Put it over your mouth, and grab you by the face — what now?
お前の口をテープで塞いで、顔を鷲掴みにしてやる——さあ、どうする?

Oh, you want me to watch my mouth? How?
ああ、俺に「言葉に気をつけろ(Watch my mouth)」ってか? どうやって?
※PTAやメディアからの「下品な言葉遣いをやめろ」というクレームに対する言葉遊び。

Take my fuckin' eyeballs out and turn 'em around? (Look)
俺の目玉をくり抜いて、裏返して(自分の口を直接見ろって)か?(見ろよ)
※「Watch my mouth(言葉に気をつける)」の「Watch(見る)」を文字通りの物理的な意味として解釈し返す、スリム・シェイディ特有のカートゥーン的なブラックジョーク。

I'll burn your fuckin' house down, circle around
お前のクソみたいな家を燃やして、その周りをグルグル回ってやる。

And hit the hydrant, so you can't put your burnin' furniture out (Oh my God! Oh my God!)
そして消火栓(ハイドラント)を車で轢き壊して、お前が燃えてる家具の火を消せないようにしてやるよ。(オーマイガー! オーマイガー!)
※単に放火するだけでなく、消火活動まで物理的に妨害するという、異常に執念深くて滑稽な嫌がらせの描写。

I'm sorry, there must be a mix-up
悪いな、何か勘違い(ミックスアップ)があるみたいだぜ。

You want me to fix up lyrics while our president gets his dick sucked?
大統領が自分のイチモツをしゃぶらせてる(フェラさせてる)ってのに、俺には「歌詞を修正しろ(クリーンにしろ)」って言うのか?
※当時のビル・クリントン大統領とホワイトハウス実習生モニカ・ルインスキーとの不倫スキャンダル(俗に言うジッパーゲート事件)への痛烈な皮肉。国家のトップが執務室で性的な不祥事を起こしているのに、たかがラッパーの歌詞の道徳を非難するアメリカ社会の「二重基準(ダブルスタンダード)」を完全論破している、Geniusでも高く評価されるパンチライン。

Fuck that! Take drugs, rape sluts
クソくらえだ! ドラッグをキメろ、アバズレをレイプしろ。
※世間の偽善に対する反発として、あえて彼らが最も嫌悪するような非道徳的なスローガンを煽るように叫ぶ。

Make fun of gay clubs, men who wear make-up
ゲイクラブや、メイクをしてる男どもを笑い者にしてやれ。
※前作でGLAAD(同性愛者に対する名誉毀損に抗議する団体)から猛烈な抗議を受けたことに対する、意図的で悪意に満ちた追加のトローリング(煽り)。

Get aware, wake up, get a sense of humor
気づけよ、目を覚ませ、ユーモアのセンスを持てってんだ。
※彼の過激な歌詞はすべてブラックジョークであり、それを真に受けてヒステリーを起こしている社会の大人たちこそが滑稽であるという本質的な主張。

Quit tryin' to censor music, this is for your kid's amusement (The kids!)
音楽を検閲しようとするのはやめな。これはお前らの子供たちの「娯楽」なんだよ。(子供たちのためさ!)

But don't blame me when little Eric jumps off of the terrace
だが、小さなエリックがテラスから飛び降りた時に俺のせいにするなよ。
※音楽の影響で子供が自殺したり犯罪を犯したりした際に、すぐさまアーティストに責任転嫁する親世代への強烈なカウンター。エリックという名前は、おそらくイギリスのギタリスト、エリック・クラプトンが1991年に幼い息子を転落事故で亡くした悲劇的な事件(名曲『Tears in Heaven』の背景)を暗に示唆しているという残酷な考察が存在する。

You shoulda been watchin' him, apparently you ain't parents
お前らがアイツをちゃんと見ておくべきだったんだ。どうやらお前らは「親(ペアレンツ)」じゃないみたいだな。
※「apparently you ain't parents」という完璧な脚韻。子供の教育と管理は親の責任であり、それをラッパーに押し付けるのは育児放棄(ネグレクト)であるという、本作のコアとなる正論。

[Chorus]

‘Cause I never knew I, knew I would get this big
だって、自分がここまでビッグになるなんて、知る由もなかったんだから。

I never knew I, knew I'd affect this kid
俺の言葉がこのガキにここまで影響を与えるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to slit his wrist
俺がアイツに手首を切らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to hit this bitch
俺がアイツにあのビッチを殴らせるようになるなんて、知る由もなかった。
※同アルバムの象徴的な楽曲『Stan』で描かれるような、現実と虚構の区別がつかなくなった狂信的なファンに対する責任の所在を自己言及的に問うコーラス。

I never knew I, knew I would get this big
だって、自分がここまでビッグになるなんて、知る由もなかったんだから。

I never knew I, knew I'd affect this kid
俺の言葉がこのガキにここまで影響を与えるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to slit his wrist
俺がアイツに手首を切らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to hit this bitch
俺がアイツにあのビッチを殴らせるようになるなんて、知る由もなかった。

[Verse 2]

So who's bringin' the guns in this country? (Hm?)
で、一体誰がこの国に銃を持ち込んでるんだ?(ん?)

I couldn't sneak a plastic pellet gun through customs over in London
俺はロンドンの税関で、プラスチックのおもちゃの銃(ペレットガン)すら持ち込めなかったってのにな。
※実際にエミネムのツアーマネージャーがロンドンのヒースロー空港で荷物から催涙スプレー(またはおもちゃの銃)を没収された事件への言及。一般人がおもちゃすら持ち込めないのに、ストリートに本物の銃器が溢れ返っているのは、密輸を黙認している政府や巨大な闇組織の責任ではないかという鋭い社会批判。

And last week I seen this Schwarzenegger movie
それに先週、アーノルド・シュワルツェネッガーの映画を見たんだ。

Where he's shootin' all sorts of these motherfuckers with a Uzi
彼がウージー(サブマシンガン)で、ありとあらゆるクソ野郎どもを撃ち殺しまくってる映画さ。
※ハリウッドのアクション映画における大量殺戮エンターテインメントの例。

I see these three little kids up in the front row
映画館の最前列で、3人の小さなガキどもが、

Screaming, "Go!" with their seventeen-year-old uncle
17歳の叔父さんと一緒に「やっちまえ!」って絶叫してるのを見たぜ。
※R指定の映画を未成年に平気で見せている無責任な保護者の描写。

I'm like, guidance?! Ain't they got the same moms
俺は思ったよ、「保護者の指導(ガイダンス)はどうなってんだ!?」ってな。あいつらも同じ「ママ」を持ってるんじゃないのか?
※「Parental Advisory(親の指導が必要な露骨な表現)」というステッカーをCDに貼らせて音楽を規制する一方で、映画の暴力描写には甘い社会の矛盾への怒り。

And dads who got mad when I asked if they liked violence?
俺が「暴力は好きか?」って聞いた時に、ブチギレてた「パパ」たちとさ。
※エミネムのデビュー曲『My Name Is』の冒頭のフレーズ「Hi, kids, do you like violence?(やあガキども、暴力は好きか?)」に対する親たちの猛反発を皮肉っている。

And told me that my tape taught 'em to swear?
「お前のテープのせいで、うちの子供が汚い言葉(スラング)を覚えた」って俺に文句を言ってきた親たちと同じじゃないのか?

What about the make-up you allow your twelve-year-old daughter to wear? (Hm?)
じゃあ、アンタが12歳の娘に許してるその「化粧(メイクアップ)」についてはどうなんだ?(ん?)
※12歳でマセた化粧をするのは、1996年に殺害された美少女コンテストのスター、ジョンベネ・ラムジー事件を暗に批判しているとするRedditの有力な考察がある。親の見栄で子供に過剰なセクシャルさを強要しておきながら、他人の音楽の道徳を非難する親の歪みを突いている。

So tell me that your son doesn't know any cuss words
アンタの息子が汚い言葉なんて一つも知らないって、俺に証明してみせろよ。

When his bus driver's screamin' at him, fuckin' him up worse (Go sit the fuck down, you little fucking prick!)
スクールバスの運転手がアイツに向かって、「さっさと座りやがれ、このクソガキが!」って、俺より酷い言葉で怒鳴り散らしてるってのにな。
※子供は音楽からではなく、日常の大人たち(社会環境)から汚い言葉を学んでいるという事実。

And "fuck" was the first word I ever learned
それに、俺が人生で初めて覚えた言葉は「Fuck」だったぜ。

Up in the third grade, flippin' the gym teacher the bird (Look!)
小学3年生の時、体育の先生に向かって中指(バード)を立ててやったんだ。(見ろよ!)
※自分自身が機能不全の家庭環境と劣悪な学校システムの中で育ち、そこで暴言を学んだという実体験の告白。

So read up 'bout how I used to get beat up
だから、俺が昔どれだけボコボコにされてきたか、記事でも読んで勉強しな。
※幼少期に黒人優位のデトロイトの学校で凄惨なイジメ(『Brain Damage』で歌われたような脳内出血を伴う暴行)を受けていた過去への言及。

Peed on, be on free lunch and changed school every three months
小便をかけられ、無料の給食(フリーランチ)を食い、3ヶ月ごとに学校を転校させられてたんだ。
※「free lunch」は低所得者層(貧困家庭)の子供向けの支援プログラム。母親の生活が不安定だったため、居住地を転々とする極貧生活を送っていたという強烈な生い立ちのリアリティ。

My life's like kind of what my wife's like (What?)
俺の人生は、俺の嫁(キム)の顔面みたいなもんさ。(なんだって?)

Fucked up after I beat her fuckin' ass every night: Ike
俺が毎晩あいつのクソみたいなケツ(顔)を殴り飛ばした後のように、ボロボロ(Fucked up)なんだよ。アイクみたいにな。
※「Ike(アイク)」は、妻であるティナ・ターナーに凄惨なDV(家庭内暴力)を働いていたことで有名なR&Bシンガー、アイク・ターナーのこと。自分の人生の悲惨さを、自らのDVの加害妄想(これもまた世間から非難されていたテーマ)に例えるという、倫理観の崩壊した強烈なブラックジョーク。

So how much easier would life be if nineteen
だから、もし1,900万人のクソ野郎どもが、俺と全く同じように育ったとしたら、

Million motherfuckers grew to be just like me?
この人生(社会)はどれだけイージー(簡単)になるだろうな?
※「1900万人」は前作『The Slim Shady LP』の売上や当時の彼のファン層の規模を誇張した数字。これほど多くの人間が自分と同じような劣悪な環境で育ち、同じような狂気を抱えて成長したら社会は崩壊するだろうという、アメリカの貧困と教育システムへの最終的な冷笑である。

[Chorus]

‘Cause I never knew I, knew I would get this big
だって、自分がここまでビッグになるなんて、知る由もなかったんだから。

I never knew I, knew I'd affect this kid
俺の言葉がこのガキにここまで影響を与えるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to slit his wrist
俺がアイツに手首を切らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to hit this bitch
俺がアイツにあのビッチを殴らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I, knew I would get this big
だって、自分がここまでビッグになるなんて、知る由もなかったんだから。

I never knew I, knew I'd affect this kid
俺の言葉がこのガキにここまで影響を与えるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to slit his wrist
俺がアイツに手首を切らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to hit this bitch
俺がアイツにあのビッチを殴らせるようになるなんて、知る由もなかった。

[Verse 3]

I never knew I, knew I'd have a new house or a new car
自分が新しい家や、新しい車を持てるようになるなんて、知る由もなかった。

A couple years ago, I was more poorer than you are
数年前まで、俺はアンタらよりもずっと貧乏だったんだからな。

I don't got that bad of a mouth, do I?
俺の口の悪さなんて、そこまで酷いもんじゃないだろ?

Fuck! Shit! Ass! Bitch! Cunt! Shooby-de-doo-wop! (Oops)
ファック! シット! アス! ビッチ! カント! シュビドゥワップ!(おっと)
※放送禁止用語(Fワード、Sワードなど)を羅列した直後に、無意味なスキャット(Shooby-de-doo-wop)を付け加えておどける。言葉狩りをする社会への最高に子供じみた挑発。

Skibbedy-be-bop, a Christopher Reeves
スキビディ・ビバップ、クリストファー・リーヴ。

Sonny Bono, skis, horses and hittin' some trees (Hey)
ソニー・ボノ、スキー、馬、そして木に激突するのさ(ヘイ)。
※前作に引き続き、落馬事故で全身麻痺となった俳優クリストファー・リーヴと、スキー中に木に激突して死亡した歌手兼政治家のソニー・ボノという、実在の有名人の悲劇的な事故を再びジョークのネタ(ライムの道具)として消費している。彼のタブー破りの徹底ぶりを示す有名なライン。

How many retards'll listen to me
一体どれだけの知的障害者(リタード)どもが俺の曲を聴いて、

And run-up in the school shootin' when they're pissed at a tea-
教師(ティーチャー)にムカついたからって、学校に乗り込んで銃を乱射するって言うんだ?

-cher? Her? Him? Is it you? Is it them?
あの女か? あの男か? お前か? 奴らか?
※コロンバイン高校銃乱射事件の犯人(エリック・ハリスとディラン・クレボルド)の動機が、マリリン・マンソンやエミネムの音楽にあったとメディアがこじつけたことへの強烈な反論。音楽が人殺しを生むわけがないという主張。

"Wasn't me, Slim Shady said to do it again!"
「僕のせいじゃない! スリム・シェイディが『もう一回やれ』って言ったんだ!」
※自分の意志で犯罪を犯しておきながら、すべてを音楽のせいにして責任逃れをする若者と、それを真に受ける社会の愚かさを声真似で風刺している。

Damn, how much damage can you do with a pen?
クソッ、たかがペン一本で、一体どれほどのダメージを与えられるって言うんだ?
※物理的な凶器ではなく、言葉(ラップのリリック)だけを武器とするアーティストの根源的な問い。しかし同時に、彼自身の言葉が実際に社会を揺るがすほどの巨大なパワー(ダメージ)を持っているという事実への驚きと誇りも含まれているダブルミーニング。

Man, I'm just as fucked up as you woulda been
なぁ、俺はもしお前が俺の立場(貧困や虐待)にいたら、

If you woulda been in my shoes, who woulda thought
お前がなってたであろう姿と、同じくらいにブッ壊れてる(Fucked up)だけさ。誰が想像できた?

Slim Shady would be somethin' that you woulda bought?
スリム・シェイディなんていうイカれた代物を、お前ら大衆がこぞって買い漁るようになるなんてな?
※自分を社会の悪として非難する世間に対し、「お前らの抱える心の闇が俺の音楽を求めたから、俺はこんなに売れたんだろうが」と、大衆の潜在的な共犯関係を突きつけている。

That woulda made you get a gun and shoot at a cop
俺の音楽が、お前らに銃を取らせて警官を撃たせる原因になるだなんて。

I just said it, I ain't know if you'd do it or not
俺はただ口に出しただけさ。お前らが実際にそれをやるかどうかなんて、知ったこっちゃねえよ。
※アーティストは表現の自由を行使するだけであり、それを受け取った個人の行動の責任まで負う必要はないという、表現者としての究極の自己弁護と突き放しである。

[Chorus]

‘Cause I never knew I, knew I would get this big
だって、自分がここまでビッグになるなんて、知る由もなかったんだから。

I never knew I, knew I'd affect this kid
俺の言葉がこのガキにここまで影響を与えるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to slit his wrist
俺がアイツに手首を切らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to hit this bitch
俺がアイツにあのビッチを殴らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I, knew I would get this big
だって、自分がここまでビッグになるなんて、知る由もなかったんだから。

I never knew I, knew I'd affect this kid
俺の言葉がこのガキにここまで影響を与えるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to slit his wrist
俺がアイツに手首を切らせるようになるなんて、知る由もなかった。

I never knew I'd get him to hit this bitch
俺がアイツにあのビッチを殴らせるようになるなんて、知る由もなかった。

[Outro]

How the fuck was I supposed to know?
一体どうやって、俺がそんなこと知るべきだったって言うんだよ?
※すべての大衆とメディアへの疑問符を投げかけ、完璧な社会風刺劇は幕を閉じる。