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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Method Man - Wu-Tang Clan 【和訳・解説】

Artist: Wu-Tang Clan

Album: Enter the Wu-Tang (36 Chambers)

Song Title: Method Man

概要

本楽曲は、Wu-Tang Clanの歴史的デビューアルバム『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』において、大所帯のグループの中で唯一収録されたソロ・トラックである。この特例的な措置は、Method Manが持つずば抜けたカリスマ性とスター性をRZAが早期に見抜いていた証明であり、事実、彼は本作を機にグループ最初のブレイクアウトスターとなった。楽曲のハイライトの一つは冒頭に収録された伝説的なスキットであり、彼らがダイスゲームをしながら展開する「拷問(Torture)大喜利」は、ストリートの暴力性を極限まで誇張したブラックユーモアとしてヒップホップ史に深く刻まれている。本編のラップでは、Hall & OatesからThe Rolling Stones、絵本作家のDr. Seuss、さらにはテレビCMやディズニー映画に至るまで、ありとあらゆるアメリカのポップカルチャーをサンプリング・引用し、それらをゲットーのマリファナ文化とWu-Tangの武術的メタファーでシームレスに縫い合わせるという、Method Manの変幻自在(メソッド)な天才性が遺憾なく発揮されている。

和訳

[Skit: Method Man & Raekwon]

Yeah, torture, motherfucker, what?
ああ、拷問(トーチャー)だ、クソ野郎、どうだ?
※ヒップホップ史上最も有名かつ残虐なスキットの幕開け。Wu-Tangのメンバーたちがバックグラウンドでサイコロ博打(ダイスゲーム)をしながら、敵にどのような拷問を加えるかを即興の大喜利形式で競い合っている。

Torture, nigga, what?
拷問だぜ、どうだ?

What? I'll fuckin', I'll fuckin' tie you to a fuckin' bedpost
なんだと? 俺ならてめえを、てめえをベッドの柱に縛り付けてやるよ

With your ass cheeks spread out and shit, right?
ケツの穴を全開に広げさせた状態にな、分かるか?

Put a hanger on a fuckin' stove and let that shit sit there for like a half hour, take it off and stick it in your ass slow like "tsss"
そんで針金ハンガーをコンロの火にかけて30分くらい熱してよ、それをてめえのケツの穴にゆっくりと「ジューッ」て突き刺してやるよ
※Method Manによる拷問の提案。凄惨な内容にも関わらず、どこかコミカルな響きを持たせるのが彼らのブラックユーモアの特徴である。

Yeah, I'll fuckin', yeah, I'll fuckin' lay your nuts on a fuckin' dresser, just your nuts layin' on a fuckin' dresser, and bang them shits with a spiked fuckin' bat (Blaow)
ああ、俺なら、俺ならてめえの金玉をタンス(ドレッサー)の上に乗せて、金玉だけをタンスに乗せた状態にして、釘バットで全力でブッ叩いてやるよ(バコォン!)
※対抗するRaekwonの提案。マフィア映画の拷問シーンを極端に戯画化している。

Ooh wassup?
おお、どうした?

I'll fuckin', I'll fuckin', pull your fuckin' tongue out your fuckin'
俺ならてめえの舌を、てめえの口から引っこ抜いて…

Mouth and stab the shit with a rusty screwdriver, blaow
そいつを錆びたドライバーでメッタ刺しにしてやるよ、ブラウ!
※再びMethod Man。言葉を紡ぐラッパーにとって舌を破壊されることは最大の屈辱であり、それを錆びた(破傷風にかかるような)工具で行うという悪趣味の極致。

I'll fuckin', I'll fuckin', I'll fuckin' hang you by your fuckin' dick off the fuckin' twelfth stor-story building out this motherfucker
俺ならてめえを、てめえのチンポだけをロープで縛って、このクソみたいな12階建てのビルから宙吊りにしてやるよ

I'll fuckin', I'll fuckin', sew your asshole closed, and keep feedin' you, and feedin' you, and feedin' you, and feedin' you
俺ならてめえのケツの穴を縫い合わせて塞いで、てめえにメシを食わせて、食わせて、食わせて、ひたすら食わせ続けてやるよ
※排泄機能を奪った上で食事を与え続け、体内から破裂させるという、ホラー映画顔負けのサイコパス的な拷問のアイデア。この異常な大喜利は、のちのヒップホップにおけるスキット文化に多大な影響を与えた。

Yo, roll the dice, yo, roll the dice
ヨォ、サイコロを振れよ、ヨォ、サイコロを振れ

Yo, so it's goin' down like that, huh? Yeah?
ヨォ、そんな風に決着(ゲームが)がつくってのか? ええ?
※拷問の話と並行して、背後で行われているダイスゲームが進行している。

Niggas is wildin', check it out, kid
野郎共、狂ってやがるぜ。よく聴きな、坊や
※狂乱のスキットを締めくくり、本編へとリスナーを誘導する。

[Intro: GZA]

From the slums of Shaolin, Wu-Tang Clan strikes again
少林(スタテンアイランド)のスラム街から、ウータン・クランが再び襲い掛かる
※グループの頭脳であるGZAによる仰々しいイントロダクション。

The RZA, the GZA, Ol' Dirty Bastard, Inspectah Deck
RZA、GZA、Ol' Dirty Bastard、Inspectah Deck

Raekwon the Chef, U-God, Ghostface Killah and the Method Man
Raekwon the Chef、U-God、Ghostface Killah、そしてMethod Manだ
※全メンバーの名前を羅列し、最後に本楽曲の主役であるMethod Manを紹介する完璧なセットアップ。

[Chorus: Method Man]

M-E-T-H-O-D Man
M-E-T-H-O-D・マン
※Hall & Oatesの1984年の大ヒット曲『Method of Modern Love』のコーラス部分のメロディをそのまま引用し、自分の名前に置き換えたフック。ポップミュージックの歴史とストリートのバイブスを融合させるRZAとMethod Manの類まれなるセンス。

M-E-T-H-O-D Man
M-E-T-H-O-D・マン

M-E-T-H-O-D Man
M-E-T-H-O-D・マン

M-E-T-H-O-D Man
M-E-T-H-O-D・マン

[Verse 1: Method Man]

Hey, you, get off my cloud
おい、お前、俺の雲(クラウド)から降りな
※The Rolling Stonesの1965年の名曲『Get Off of My Cloud(ひとりぼっちの世界)』からの引用。マリファナの煙で作られた自分専用の「雲(ハイな状態)」に、無粋な奴は乗ってくるなというヒップホップ的解釈。

You don't know me and you don't know my style
お前は俺を知らないし、俺のスタイルも分かっちゃいない
※誰も見たことのない独自のフロウを持っているという自己紹介。

Who be gettin' flam when they come to a jam?
ジャム(パーティー)に現れた時、誰が一番注目(フラム)を浴びると思う?
※「flam」は賞賛や注目、リスペクトを集めること。

Here I am, here I am, the Method Man
俺がここにいる、俺がここにいるぜ、メソッド・マンさ

Pat-a-cake, pat-a-cake, hey, the Method Man
パン屋のおじさん、パン屋のおじさん、ヘイ、メソッド・マンさ
※英語圏の古典的な手遊び歌『Pat-a-cake, pat-a-cake, baker's man』のパロディ。子供の童謡すらもハードコアなラップに組み込んでしまう。

Don't eat Skippy, Jif or Peter Pan
俺はスキッピー、ジフ、ピーターパンは食わねえよ
※Skippy、Jif、Peter Panはアメリカの三大ピーナッツバターのブランド。

Peanut butter 'cause I'm not butter
ピーナッツバターなんてな、なぜなら俺はバター(柔らかい/甘い)じゃないからさ
※「butter」はストリートスラングで「スムーズな」「素晴らしい」という意味もあるが、ここでは「柔らかい=軟弱(soft)」であることの比喩。俺はピーナッツバターのように甘くも軟弱でもないという宣言。

In fact, I snap back like a rubber
実際のところ、俺はゴム(ラバー)みたいに弾け戻る(スナップ・バック)んだ

Band, I be Sam, Sam-I-Am
ラバーバンドみたいにな。俺はサムだ、サム・アイ・アムさ
※アメリカの国民的絵本作家Dr. Seussの代表作『Green Eggs and Ham』の主人公「Sam-I-Am」からの引用。

And I don't eat green eggs and ham
そして俺は、緑色の卵とハムは食わねえよ
※前行の絵本のタイトル。主人公が勧めてくる奇妙な食べ物(緑色の卵とハム)を拒絶するように、他人が押し付けてくる流行やスタイルには乗らないというメタファー。

Style'll hit ya, wham, then goddamn
俺のスタイルがお前を打ちのめす、ワム! そしたらお前は「ガッデム!」ってなる

You'll be like, "Oh shit, that's the jam"
お前は「おおクソッ、これが最高の曲(ジャム)じゃねえか」って言うはずさ

Turn it up, now hear me get buck w-w-wild
ボリュームを上げな、今から俺が最高にブッ飛ぶ(バック・ワイルド)のを聴け

I'm about to blow, light me up (Light me up)
俺は今にも爆発する(ブロウ)ぜ、俺に火をつけな(火をつけな)
※「blow」は爆発する(ブレイクする)、または大麻を吸って吐き出すこと。「light me up」は俺に火をつけて吸え(俺のラップを聴いてハイになれ)、というマリファナの擬人化。

Upside, downside, inside and outside
上から、下から、内側から、外側から

Hittin' you from every angle, there's no doubt I
あらゆる角度からお前を打ち抜く、間違いなく俺は…

Am the one and only Method Man
唯一無二のメソッド・マンさ

The master of the plan, rappin' shit like Saran
計画のマスター、サランラップみたいにピタッとラップするぜ
※「rap(ラップする)」と「wrap(包む)」の同音異義語を用いた、古典的だが秀逸な言葉遊び。「Saran」は有名な食品用ラップフィルム(サランラップ)。

Wrap, with some of this and some of that
サランラップだ、これとアレを組み合わせてな

Hold up (What?) I tawt I taw a putty tat
待てよ(何?)「ネコたん(プティー・タット)をみまちた」
※ワーナー・ブラザースのアニメ『ルーニー・テューンズ』のキャラクター、トゥイーティー(黄色い小鳥)の有名なセリフ「I tawt I taw a puddy tat(I thought I saw a pussy catの幼児語)」の引用。

Over there, but I think he best to beware
あそこのネコさ、だが奴は気をつけた方がいいぜ

Of the diggy dog shit right here
こっちにいる、最高にヤバい犬(ディギー・ドッグ)にな
※トゥイーティーを狙う猫(シルベスター)は、常に番犬(ヘクター)にボコボコにされる。アニメの構造を借りて、俺(狂犬)を狙う他のラッパー(猫)に警告を発している。

Yippy-yippy-yay, yippy-yah, yippy-yo
イピ・イピ・イェー、イピ・ヤー、イピ・ヨー
※P-Funk(George Clinton等)に由来するパーティー向けのコール・アンド・レスポンスのフレーズ。後にSnoop Doggなど西海岸のGファンクでも多用された。

Like Deck said, "This ain't your average flow"
デック(Inspectah Deck)が言ったようにな、「これはお前らの平均的なフロウじゃねえ」
※同グループのInspectah Deckが持つ卓越したスキルを引き合いに出し、俺のスタイルも並のラッパーとは次元が違うと誇示している。

Comin' like rah, ooh-ah, achie-kah
ラー、ウーアー、アチーカ!ってな感じでやって来るぜ
※リズムそのものを言葉にしたスキャット。Blood Sistersの『Ring My Bell』のカバーアレンジなど、レゲエやR&Bのリズムの引用とされる。

Tell me, how you like it so far, baby paw?
教えてくれ、ここまでの俺のラップはどうだ、ベイビー・パウ?
※「paw(足)」は相棒や親友、または女性への親しみを込めた呼びかけ。

The poetry's in motion, coast to coast and
この詩(ポエトリー)は動いている、東海岸から西海岸までな、そして

Rub it on your skin like lotion
ローションみたいにお前の肌に擦り込むんだ
※俺の音楽が全米(coast to coast)に浸透し、肌から直接吸収されるほどの心地よさと密着感を持っているというメタファー。

What's the commotion? Oh my Lord
この騒ぎ(コモーション)は何だ? おお、神よ

Another corn chopped by the Wu-Tang sword
また一人、ダサい野郎(コーン)がウータンの剣に切り刻まれたか
※「corn」はcorny(陳腐な、ダサい)の略。フェイクなMCがWu-Tangの圧倒的なスキルの前に次々と敗れ去っていく様。

"Hey, hey, hey" like Fat Albert
ファット・アルバートみたいに「ヘイ、ヘイ、ヘーイ!」だ
※1970年代の人気TVアニメ『Fat Albert and the Cosby Kids』の主人公ファット・アルバートのアイコニックな口癖のサンプリング。

It's the Method Man, ain't no if ands about it
メソッド・マンだ、「もしも」も「でも」もねえよ(言い訳は無用だ)
※「no ifs, ands, or buts(一切の弁解や疑問の余地はない)」という英語の慣用句。

It's the Method
メソッドなのさ

[Break: Method Man]

Alright, y'all, get your White Owls
よし、お前ら、ホワイト・オウル(葉巻)を用意しな
※「White Owl」は安価な機械巻きの葉巻ブランド。中身のタバコを抜いてマリファナを詰める(ブラントにする)ために使われる。

Get your Meth', get your skins
メス(大麻)を用意して、スキンズ(巻紙)を用意しな
※「Meth」は自身の名前であり、同時に彼が巻く極上のマリファナの隠語。「skins」はジョイント用のローリングペーパー。

Don't forget your 'orty
フォーティ(40オンスの酒)も忘れるなよ
※「'orty」は40(Forty)。スラム街で定番の大容量モルト・リカー。

And we gonna do it like this
そしたら、こんな風にブチ上げようぜ

[Bridge: Method Man]

I got fat bags of skunk
俺はスカンク(大麻)のデカい袋を持ってる
※「skunk」はスカンクのオナラのように強烈な匂いを放つ、品質が高く強力なマリファナの品種。

I got White Owl blunts
ホワイト・オウルのブラントも持ってる

And I'm about to go get lifted
そして今から、俺はリフト(ハイに)されに行くところさ
※「get lifted」はドラッグで意識を浮上させること。

Yes, I'm about to go get lifted
そうさ、今からハイになりに行くところだ

I got myself a Forty
俺用のフォーティ(酒)も手に入れた

And I got myself a shorty
俺用のショーティ(イイ女)も手に入れた

And I'm about to go and stick it
そして今から、俺はヤリ(スティック)に行くところさ
※酒、ドラッグ、そしてセックスという、ストリートの享楽的な夜の準備。

Yes, I'm about to go and stick it, uh
そうさ、今から一発ヤリに行くところだ、アー

[Verse 2: Method Man]

H-U-F-F, huff, and I puff
H-U-F-F、ハフ、そして俺はパフ(息を吐く)する
※童話『三匹の子豚』でオオカミが家を吹き飛ばす際のセリフ「huff and puff」の引用。同時に、大麻を深く吸い込んで吐き出す動作(puff)とも掛かっている。

Blow like snow when the cold wind's blowin'
冷たい風が吹く時、雪(スノウ)のように舞い散る(ブロウ)ぜ
※「snow」はコカインの隠語、「blow」もコカインを吸うことの隠語。冷徹なフロウがドラッグのようにリスナーの脳を侵食していく比喩。

Zoom, I hit the mic like boom
ズーム、俺はブーム(爆弾)みたいにマイクに直撃する

Wrote a song about it, like to hear it? Here it goes
それについて曲を書いたんだ、聴きたいか? それじゃ行くぜ
※90年代の人気コメディ番組『In Living Color』に登場するホームレスのキャラクター(Calhoun Tubbs)の有名な決まり文句のパロディ。

Question, what exactly is a panty raider?
質問だ、パンティー・レイダー(パンティー強奪者)とは正確には何だ?
※女性のパンティーを奪う(ベッドインする)女たらしのこと。

Ill behavior, savior or major flavor
病んだ(イルな)振る舞いか、救世主か、それともメジャーなフレーバーか

All of the above, oh yeah, plus seducer
その全てさ、オーイェア、それに誘惑者(セデューサー)もプラスしとけ
※自分自身がそのすべてを兼ね備えた魅力的な存在であるというボースティング。

Also, flam, I'm the man, call me super
さらに最高(フラム)だ、俺が本命さ、スーパーと呼んでくれ

Not an average Joe with an average flow
平均的なフロウを持った、その辺の凡人(アベレージ・ジョー)じゃねえ

Doin' average things with average hoes
その辺のビッチ(アベレージ・ホーズ)と平凡なことをしてるような奴とは違う

Yo, I'm super, I'll make a bitch squirm
ヨォ、俺はスーパーだ、ビッチを身悶え(スクワーム)させてやる

For my super sperm (Check it)
俺のスーパーな精子の力でな(聴きな)
※Method Man特有の、露骨だがユーモラスな性的誇示。

Check it, I give it to you raw butt-naked
聴きな、俺は生の(ロウな)状態の、ケツ丸出し(バット・ネイキッド)のままお前に与えるぜ
※商業的にコーティングされていない、純度100%のハードコアなヒップホップをリスナーに直接叩きつけるという宣言。

I smell sess, pass the method
セス(最高級の大麻)の匂いがするぜ、メソッド(俺のマリファナ)を回せ

Let's get lifted as I kick ballistic
ハイになろうぜ、俺が弾道ミサイル(バリスティック)をブチかましている間にな

Missiles and shoot game like a pistol
ミサイルを撃ち込み、ピストルみたいにこのゲームを撃ち抜く

Clip is loaded when I click bang (Bang)
俺がカチッと引き金を引いてバン!(バン!)と撃つ時、クリップ(弾倉)は満タンだ
※ライム(弾薬)は尽きることなく装填されている。

A Wu-Tang slug hits your brain
ウータンのスラッグ弾がお前の脳天に直撃する
※「slug」は破壊力の高いショットガン用の散弾。Wu-Tangの音楽が聴覚を通して脳を物理的に破壊するというメタファー。

J-U-M-P, jump, and I thump
J-U-M-P、ジャンプだ、そして俺は激しく打つ(サンプ)

Make girls rump like pump and Humpty Hump
パンプみたいに、そしてハンプティ・ハンプみたいに、女たちのケツ(ランプ)を揺らせるぜ
※「Humpty Hump」は西海岸のファンク・ヒップホップグループDigital Undergroundの架空のキャラクターで、大ヒット曲『The Humpty Dance』の主役。彼のユーモラスでファンキーなダンスのように、俺の音楽は女たちを踊らせるというリファレンス。

Wild, the Shaolin style is all in me
ワイルドだ、少林(シャオリン)のスタイルはすべて俺の中にある

Child, the whole damn isle is callin' me
坊や、あの島(アイル)全体が俺を呼んでるんだ
※「isle」はスタテンアイランドのこと。地元全体を背負い、彼らの声を代弁する存在であるという自負。

P-A-N-T-Y, R-A-I-D-E-R, mad raw, I don't fry
パンティー・レイダーだ、クソほどロウ(生)だぜ、俺は焼かれたり(フライ)しねえ
※「fry」は油で揚げること、電気椅子で処刑されること、またはラップバトルで焼き焦がされる(完全に負ける)こと。俺の生々しいスタイルは絶対に打ち負かされない。

Meaning, no one can burn or toss and turn me
意味するところは、誰も俺を燃やしたり、ひっくり返したり(トス・アンド・ターン)はできないってことさ

Ooh, I be the super sperm
ウー、俺がスーパーな精子さ

Chim-chimney, chim-chim, cher-ee
チム・チム・チェリー、チム・チム・チェリー
※1964年のディズニー映画『メリー・ポピンズ』の劇中歌『Chim Chim Cher-ee(チム・チム・チェリー)』のサンプリング。煙突掃除屋の歌を、マリファナの煙(煙突=肺)と結びつける強烈なコンテクストの変換。

Freak a flow and flow fancy free
フロウを自在に操り(フリーク)、ファンシーで自由にフロウする

Now, how many licks does it take
さて、何回舐め(リック)れば

For me to hit the Tootsie Roll center of a break?
俺はこのブレイク(ビート)の中心にある「トッツィーロール」に辿り着けるかな?
※アメリカの有名な棒付きキャンディ「Tootsie Pop」のクラシックなTVCMのキャッチコピー「How many licks does it take to get to the Tootsie Roll center of a Tootsie Pop?(中心のキャラメルにたどり着くまでに何回舐めればいい?)」のパロディ。キャンディを舐める回数(licks)を、トラックのブレイク(間奏やビートの切り替わり)を攻略して完璧に乗りこなすためのライムの回数(licks=一撃、手口)に掛けている。Method Manのポップカルチャーからの引用センスの極致。

Peep and don't sleep, the crew's mad deep (Wu-Tang)
よく見とけ、眠る(油断する)なよ、俺のクルーはクソほど大人数(ディープ)だからな(ウータンだ)

Fadin' motherfuckers like bleach
漂白剤(ブリーチ)みたいに、クソ野郎どもの色を落として消して(フェードさせて)やる
※「fade」は存在を消す、殺すという意味のスラング。フェイクなMCを漂白して無力化する。

So to each and every crew
だから、あちこちの全てのクルーに言っとく

You're clear like glass, I could see right through
お前らはガラスみたいに透明だ、俺には中身がスッカラカンなのが丸見えだぜ
※「transparent(見え透いている)」という言葉遊び。お前らの見掛け倒しのスタイルなど、俺にはすべてお見通しだというディス。

Your whole damn posse be catchin' 'em all, 'cause you vic'd
お前らのクソみたいな取り巻き連中も、まとめて全員食らう(キャッチ・エム・オール)ハメになるぜ、なぜならお前はすでに犠牲者(ヴィック)だからな
※「catch 'em all」は銃弾を全弾被弾すること、あるいは性病などを全員にうつされること。「vic'd」はvictimized(被害に遭う、カモにされる)の略。俺を敵に回した時点で、お前だけでなくクルー全員が破滅する運命にある。

And you didn't have friends to begin with, I'm—
それに、お前には最初からダチなんて一人もいなかったのさ、俺は…
※本当の絆(Wu-Tangのような兄弟の契り)を持たないフェイクな連中への痛烈な最後の一撃を放ち、コーラスへと回帰する。

[Chorus: Method Man]

The M-E-T-H-O-D Man
M-E-T-H-O-D・マン

M-E-T-H-O-D Man
M-E-T-H-O-D・マン

M-E-T-H-O-D Man
M-E-T-H-O-D・マン

Here I am, here I am, the Method Man
俺がここにいる、俺がここにいるぜ、メソッド・マンさ

[Outro: RZA, Ghostface Killah & Method Man]

Straight from the slums of Shaolin
少林のスラム街からの直送だ

Wu-Tang Killa Beez on a swarm
ウータン・キラービーズが群れをなして襲い掛かる
※アウトローの兵士たち(キラービーズ)がヒップホップシーンを覆い尽くすという宣言。

Your soul have just been tooken
お前の魂は、たった今奪い取られたのさ
※俺たちの音楽を聴いた時点で、すでにお前の精神は俺たちの支配下にある。

Through the 36 Chambers of death, kid
死の36房を通り抜けてな、坊や
※カンフー映画『少林寺三十六房』のオマージュ。彼らのアルバムを聴き終えること自体が、死と隣り合わせの過酷な修行を乗り越えることと同義である。

Word to mother, Method Man signin' off, peace
母親にかけて誓う(マジだぜ)、メソッド・マンのサイン・オフ(放送終了)だ、ピース
※曲の終わりをラジオ番組の終了のように演出して幕を閉じる。