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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Clan in da Front - Wu-Tang Clan 【和訳・解説】

Artist: Wu-Tang Clan

Album: Enter the Wu-Tang (36 Chambers)

Song Title: Clan in da Front

概要

本作は、ヒップホップ史上最も重要なデビューアルバムの一つ『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』に収録された、グループ最年長であり屈指のリリシストであるGZA(The Genius)の実質的なソロ・ショーケース楽曲である。プロデューサーのRZAは、Thelonious Monkの不協和音を伴うジャズピアノ(楽曲「Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are」)と、Melvin Blissの「Synthetic Substitution」のドラムブレイクを見事に融合させ、スモーキーかつ緊迫感のあるビートを構築した。イントロではRZAがWu-Tangファミリー(Killa Beez)の全貌をアナウンスし、続くGZAのヴァースでは、映画、ジャズ、政治、野球などの多岐にわたるメタファーと高度なワードプレイ(言葉遊び)が展開される。知性とストリートの暴力性が交差する、GZAの「剣(ペン)」の鋭さをシーンに見せつけたヒップホップにおけるリリシズムの最高到達点の一つである。

和訳

[Intro: RZA]

Up from the 36 Chambers!
36房からのお出ましだ!
※「36 Chambers」は少林寺拳法の修行房(少林寺三十六房)に由来し、彼らの出身地であるスタテンアイランド(Shaolin)や、彼らの完全なスタイルを象徴する。

Heheh, it's the Ghostface Killah
ヘヘッ、Ghostface Killahだ
※ここではRZAがWu-Tangのメンバーや関連アーティストの名前を次々と挙げていく。

Heheheh, Wu-Tang
ヘヘヘッ、ウータンだ

Wu-Tang Killa Beez, we on a swarm
ウータン・キラービーズ、俺たちが群れをなして襲い掛かるぜ
※「Killa Beez(殺人蜂)」は、Wu-Tang Clanの正式メンバー9人だけでなく、その周辺のプロデューサー、ラッパー、アフィリエイト(関連アーティスト)全体を指す総称。「swarm(蜂の群れ)」のようにシーンを覆い尽くすという比喩。

Wu-Tang Killa Beez, we on a swarm
ウータン・キラービーズ、俺たちが群れをなして襲い掛かるぜ

Wu-Tang Killa Beez, we on a swarm
ウータン・キラービーズ、俺たちが群れをなして襲い掛かるぜ

Wu-Tang Killa Beez, we on a swarm
ウータン・キラービーズ、俺たちが群れをなして襲い掛かるぜ

The RZA, the GZA, Ol' Dirty Bastard, Inspectah Deck, U-God
RZA、GZA、Ol' Dirty Bastard、Inspectah Deck、U-God
※Wu-Tang Clanのコアメンバーの名前を羅列。

Ghostface Killah, the Method Man, Raekwon the Chef, the Masta Killa
Ghostface Killah、Method Man、Raekwon the Chef、Masta Killa
※ここまでがオリジナルメンバー9人。Masta Killaはこのアルバム制作時において最も新参のメンバーであった。

Lord Messiah, LeVon, Power Cipher
Lord Messiah、LeVon、Power Cipher
※ここからはKilla Beez(周辺ファミリーや初期メンバー)のシャウトアウト。多くは後にWu-Tangの別プロジェクトで活躍するか、アンダーグラウンドのまま姿を消した。

12 O'Clock, 60 Second Assassin
12 O'Clock、60 Second Assassin
※12 O'ClockはODBの弟。60 Second Assassinは後にグループ「Sunz of Man」のメンバーとして活躍する。

The 4th Disciple, the Brown Hornet
4th Disciple、Brown Hornet
※4th DiscipleはWu-Elements(Wu-Tangのプロダクションチーム)の一員として、RZAと共に多くのクラシックビートを生み出した最重要人物。Brown Hornetも初期アフィリエイトの一人。

K.D. the Down Low Recka
K.D. the Down Low Recka
※スタテンアイランド出身のラッパー。

Shyheim a.k.a. The Rugged Child
Shyheim a.k.a. The Rugged Child
※Wu-Tangファミリー最年少(当時14歳)のラッパー。2PacやBig Daddy Kaneとも共演し、90年代中盤に高い評価を得た「Wu-Tangの神童」。

Du-Lilz, Mr. Hezekiah, better known as the Yin and the Yang
Du-Lilz、Mr. Hezekiah、別名 Yin and the Yang(陰と陽)
※当時の取り巻きたちへのシャウトアウト。東洋哲学の陰陽(Yin-Yang)を取り入れている。

The True Master, Isham, DJ Skane, the True Robocop comin' through
True Master、Isham、DJ Skane、True Robocopが通るぜ
※True Masterは4th Discipleと同じくWu-Elementsの主要プロデューサー。DJ Skaneは初期のDJ。

Scientific Shabazz, my motherfuckin' man Wise the Civilized
Scientific Shabazz、俺のマイメン Wise the Civilized
※Shabazz the DiscipleとWise the Civilized(どちらも後のSunz of Manのメンバー)。彼らの名前には、Five Percent Nation(5% Nation=イスラム教から派生した黒人ナショナリズム運動)の教義や用語(Scientific, Civilizedなど)が色濃く反映されている。

The Shaolin Soldiers
少林の兵士たちだ
※スタテンアイランドのストリート・ハスラーや仲間たちへの敬意。

Daddy-O and Popa Ron, comin' down from the motherfuckin' South end of things
Daddy-OとPopa Ron、スタテンの南端からやってきたぜ

Killa Beez all over your fuckin' planet
キラービーズがお前らのクソみたいな惑星を埋め尽くす
※Wu-Tangの影響力がニューヨークを飛び越え、世界規模に拡大していくことを予言。

Thirty-six chambers of death
死の36房だ
※カンフー映画『少林寺三十六房』のオマージュ。Wu-Tangのスキルが相手に死をもたらす最終形態であることを示す。

Three hundred and sixty degrees of perfected styles
360度の完全なるスタイル
※Five Percent Nationの教義における「知識、知恵、理解(Knowledge, Wisdom, Understanding)の各120度の合計=360度の完全性」をラップスキルに適用した表現。

Choppin' off your motherfuckin' dome-piece in every fuckin' borough
どこの区(ボロー)だろうと、お前らの頭(ドームピース)を切り落としてやる
※NY全域のラッパーたちへの宣戦布告。

Brooklyn, Manhattan, Queens, Staten Island, and the motherfuckin' Bronx
ブルックリン、マンハッタン、クイーンズ、スタテンアイランド、そしてブロンクスだ
※ニューヨークの5つの行政区(Borough)すべてを制圧するという野望。

Killa Beez
キラービーズだ

Take the sword
剣を取れ
※1983年のカンフー映画『少林寺武者房』からのサンプリングダイアログ。これ以降、曲調が一気に引き締まる。

The sword?
剣をか?

Come on, give him the sword
さあ、彼に剣を渡せ
※GZAにマイク(剣)が渡される合図。

[Chorus: GZA]

Clan in da front, let your feet stomp
前方のクラン(仲間)たちよ、足を踏み鳴らせ
※ライブ会場における観客のエリア分けを用いたコール・アンド・レスポンス。「Stomp(足踏み)」はヒップホップにおけるハードコアなノリ方。

Niggas on the left, brag shit to death (Wu, wu, wu, wu)
左側の野郎ども、死ぬまで自慢(ブラッグ)しな
※「brag」はヒップホップの根幹である自己誇示(ボースティング)のこと。

Hoods on the right, wild for the night (Wu, wu, wu, wu)
右側のフッド(不良)ども、今夜はブッ飛んで騒げ
※「wild for the night」はRampageの同名曲などでも使われる夜のストリートの決まり文句。

Punks in the back, c’mon and attract to what? (Wu, wu, wu, wu)
後ろのチンピラども、さあ来い、何に惹きつけられてるんだ?
※ライブの最後方で腕を組んでいるような連中も、Wu-Tangの磁力には抗えないという挑発。

[Verse 1: GZA]

The Wu is comin' through, the outcome is critical
ウータンが通るぜ、その結果はクリティカル(致命的)だ
※GZAのラップが開始。「critical」は医療用語で危篤状態を意味し、Wu-Tangのラップを聴いたライバルたちが再起不能になることを指す。

Fuckin' with my style is sort of like a miracle
俺のスタイルに逆らうなんて、奇跡でも起きねえと無理だね
※次行への見事なセットアップとなるライン。

On 34th Street, in the Square of Herald
ヘラルド・スクエアの34丁目でな
※前行の「miracle」と掛けて、1947年の名作クリスマス映画『三十四丁目の奇蹟(Miracle on 34th Street)』を引用している。また、この場所はNY最大のデパート「メイシーズ」がある場所であり、NYアンダーグラウンドの覇者としての地理的なレペゼンでもある。

I gamed Ella, the bitch caught a Fitz like Gerald-
俺がエラを出し抜いたら、あのビッチはジェラルドみたいにブチギレ(Fitz)やがった
※GZAの天才的なワードプレイの真骨頂。「game」は騙す、出し抜く。「caught a fit(激怒する)」の「fit」に「z」を足して「Fitz」とし、伝説的ジャズシンガーの「エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)」の名前を文章の中に解体して隠している。

-ine Ferraro, who's full of sorrow
…悲しみに暮れるジェラルディン・フェラーロみたいにな
※前行の「Gerald-」から一息で「Geraldine Ferraro」へと接続する。ジェラルディン・フェラーロは1984年の大統領選挙で、アメリカ主要政党初の女性副大統領候補となったが惨敗した人物。相手を完膚なきまでに敗北させ、悲しみに沈ませる(full of sorrow)という政治的・歴史的なメタファー。

'Cause the ho didn't win, but the sun will still come out tomorrow
なぜって、その女は勝てなかったからさ、だが明日はまた太陽が昇るぜ
※ブロードウェイミュージカル『アニー』の有名な楽曲「Tomorrow」の歌詞("The sun'll come out tomorrow")をサンプリング。残酷な敗北(ディス)を与えた後に、妙に楽観的なポップカルチャーの引用を挟むGZAのブラックユーモア。

And shine shine shine like gold mine
金鉱みたいにピカピカに輝きながらな
※自身の未来や才能の輝きを金鉱(gold mine)に例えている。

Here comes the drunk monk, with a quart of Ballantine
1クォートのバランタインを抱えた「酔いどれ僧侶(ドランク・モンク)」のお出ましだ
※「monk」はサンプリング元のジャズピアニスト、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)のこと。「drunk monk」はジャッキー・チェンの映画でおなじみのカンフーの「酔拳(Drunken Master)」に掛けられている。また、「Ballantine(バランタイン・エール)」はモンクが愛飲していたビールの銘柄であり、当時のNYのストリートで安価に手に入る酒でもあった。音楽的ルーツ、武術のモチーフ、ストリートの現実を1行に凝縮した完璧なライン。

Pass the bone, kid, pass the bone!
ボーン(ジョイント)を回せ、坊や、ボーンを回すんだ!
※「bone」はマリファナのジョイントのこと。大麻でリラックスしながら次の「ミッション」に備えるストリートの日常風景。

Let's get on this mission like Indiana Jones
インディ・ジョーンズみたいに、このミッションに乗り出そうぜ
※ハリウッド映画の冒険譚を引用し、ヒップホップシーンという未開のジャングルを切り開く彼らの旅を表現。

The GZA, one who just represent the Wu-Tang clique
GZA、それはウータン派閥をレペゼンするただ一人の男
※The Geniusとしての絶対的な自信と、グループの頭脳としての自負。

With the game and soul of an old school flick
オールドスクールな映画のゲーム(知恵)とソウルを持ってるんだ
※「game」はストリートの処世術。彼のラップスタイルが、過去のブラックムービーの精神性を継承していることを宣言している。

Like the Mack and Dolemite, who both did bids
『ザ・マック』や『ルディ・レイ・ムーア(ドールマイト)』みたいにな、どっちもムショ(bids)帰りだ
※70年代のブラックスプロイテーション(黒人向けアクション映画)の金字塔『The Mack』と『Dolemite』へのオマージュ。両作品の主人公はピンプ(ポン引き)やハスラーであり、投獄(do bids)されながらもストリートでの権力を取り戻す。彼らの不屈のハッスル精神への共感を示している。

Claudine went to Cooley High and had mad kids
クロウディーンは『クーリー・ハイ』に行って、山ほどガキを作った
※さらに70年代のブラックムービー『Claudine(クロウディーン)』(シングルマザーの苦悩を描く)と『Cooley High(クーリー・ハイ)』(シカゴの黒人高校生の青春映画)を引用。GZAの文化的なルーツがどこにあるのかを明白に示している。

So stop, the life you save may be your motherfuckin' own
だからやめとけ、お前が救う命は、てめえ自身の命かもしれないんだぜ
※アメリカの有名な交通安全のスローガン「Drive carefully: The life you save may be your own(安全運転を。救う命はあなた自身のものかもしれない)」のパロディ。「俺にラップで挑むのをやめれば、命拾いするぞ」という警告。

I'll hang your ass with this microphone
このマイクロフォンでお前の首を吊ってやるよ
※マイクコードを絞首刑の縄に見立てる、ハードコア・ヒップホップにおけるクラシックな表現。

Make way for the merge of traffic
交通の合流だ、道を空けな
※Wu-Tangという巨大なエネルギーがメインストリームに合流(merge)してくるため、雑魚は轢かれたくなければ避けろという比喩。

Wu-Tang's comin' through with full metal jackets
ウータンがフルメタル・ジャケット(徹甲弾)を持って突っ込んでくるぜ
※スタンリー・キューブリック監督の戦争映画『フルメタル・ジャケット』と、防弾チョッキをも貫通する弾丸(Full Metal Jacket)を掛けており、彼らのリリックがいかに致命的な貫通力を持っているかを示している。

God squad that's mad hard to serve
打ち負かす(サーブする)のが激ムズな、神の部隊(ゴッド・スクワッド)だ
※「God」はFive Percent Nationにおいて黒人男性(自分自身)を指す最高位の称号。「serve」はバトルで相手をボコボコにすること。自分たちを倒すのは不可能だという宣言。

Come frontin' hard, then Bernhard Goetz what he deserves
粋がって(フロントして)向かってこいよ、そしたらバーンハード・ゲッツが報いを受ける(gets)ようにしてやる
※「Goetz(ゲッツ)」と「gets」を掛けた巧みな同音異義のワードプレイ。Bernhard Goetz(バーンハード・ゲッツ)は1984年、NYの地下鉄で黒人の若者4人にカツアゲされそうになり、隠し持っていた拳銃で彼らを撃ち「地下鉄のビジランテ(自警団)」と呼ばれた白人男性。この事件は人種間の緊張の象徴だった。GZAは「舐めた態度で来ると、正当防衛の名目で蜂の巣にされるぞ」というストリートの冷酷なルールをこの歴史的事件を用いて表現している。

[Chorus: GZA]

Clan in da front, let your feet stomp
前方のクラン(仲間)たちよ、足を踏み鳴らせ

Niggas on the left, brag shit to death (Wu, wu, wu, wu)
左側の野郎ども、死ぬまで自慢(ブラッグ)しな

Hoods on the right, wild for the night (Wu, wu, wu, wu)
右側のフッド(不良)ども、今夜はブッ飛んで騒げ

Punks in the back, c’mon and attract to what (Wu, wu, wu, wu)
後ろのチンピラども、さあ来い、何に惹きつけられてるんだ?

[Verse 2: GZA]

No response while I bomb that ass
俺がお前のケツに爆弾を落としてる間、何の応答もねえな
※GZAの圧倒的なラップ(爆撃)を食らって、敵のMCがフリーズしてしまっている状態を描写。

You ain't shit, your wack-ass town had you gassed
お前なんかクソの役にも立たねえ、お前の地元のダサい街が、お前を勘違い(ガス)させてただけだ
※「gassed」はガスを入れられる=おだてられて調子に乗ること。地元で少しチヤホヤされただけの井の中の蛙に対する痛烈なディス。

Egos is somethin' the Wu-Tang crush
エゴ(自惚れ)ってのは、ウータンが粉砕するためのモンさ
※Wu-Tangの目的が、シーンにはびこるフェイクなラッパーたちの肥大化した自我を叩き潰すことだと明言。

Souped-up niggas on a stage get rushed
ステージで調子こいてる(スープ・アップされた)野郎は、一斉に襲われる(ラッシュされる)ぜ
※「souped-up」は車を改造してパワーアップさせることから転じて、実力もないのに虚勢を張っている状態。「rushed」はライブ中に観客や他クルーからステージに乱入されボコボコにされること。

I don't give a goddamn on the shows you did
お前が今までどんなショウをこなしてきたかなんて、これっぽっちも興味ねえ
※過去の実績や名声は、今のGZAとのバトルにおいて何の役にも立たないという冷徹な事実の提示。

How many rhymes you got or who knows you, kid
お前がどれだけライムのストックを持っていようが、誰がお前の知り合いだろうがな、坊や
※業界のコネクションや人脈(who knows you)も、GZAの剣の前では無力。

'Cause I don't know you, therefore show me what you know
なぜなら俺はお前を知らねえ。だから、お前の持ってるモン(実力)を俺に見せてみろよ
※口先だけでなく、マイクを通して純粋なスキルだけで勝負しろというオールドスクールなヒップホップの掟。

I come sharp as a blade and I cut you slow
俺は刃物みたいに鋭く参上して、お前をじっくりと切り刻む
※The Geniusの別名を持つGZAの、知的で精密、かつ残酷な戦い方。「slow」に切り刻むことで、即死させずに苦痛を長引かせるサイコパス的な凄みがある。

You become so Pat as my style increases
俺のスタイルが加速するにつれて、お前は「パット(Pat)」みたいになっちまう
※この「Pat」には複数の解釈がある。1つは「petrified(石化する、怯え固まる)」の略。もう1つは当時人気だった米コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』の性別不詳のキャラクター「Pat」のこと(相手を気まずくさせ、混乱させる存在)。次の行への文脈を考えると、恐怖で固まって失禁してしまう状態へのフリである。

What's that in your pants? Ahh, human feces!
お前のパンツの中にあるのは何だ? ああ、人間のクソじゃねえか!
※GZAの恐ろしさにビビりすぎてウンコを漏らしてしまった敵MCを大げさに嘲笑うライン。「human feces(人間の排泄物)」という学術的・医学的な単語をあえて使うことで、GZAの冷たく分析的なキャラクターが際立っている。

Throw your shitty drawers in the hamper
そのクソまみれのパンツを洗濯カゴ(ハンパー)に放り込め
※汚れた下着を片付けろという、親が子供を叱るような完全なる見下し。

Next time, come strapped with a fuckin' Pamper
次は、パンパース(おむつ)を完全装備(ストラップ)して来いよ
※「strapped」は通常「銃を携帯している」というヒップホップの定番スラングだが、ここでは銃の代わりに「Pamper(赤ちゃん用おむつ)」を装備してこいという屈辱的なパンチラインに着地させている。

How you sound, B? You're better off a quitter
お前のラップはどうなってんだ、兄弟(B)? いっそ辞めちまった方がマシだぜ
※「B」はBrotherの略。

I'm on the mound, G, and it's a no-hitter
俺がマウンドに立ってるんだぜ、G。ノーヒットノーランの真っ最中さ
※ここから野球のメタファーが展開される。GZAを絶対的なエースピッチャーに見立て、誰一人として自分の球(ラップ)を打つことができない完全試合(no-hitter)を進行中であると宣言。

And my DJ, the catcher, he's my man
そして俺のDJがキャッチャーだ、あいつは俺の相棒さ
※DJ(=プロデューサーであるRZA)を捕手に例えている。

In a way he's the one who devised the plan
ある意味、作戦(配球)を組み立てたのはあいつなんだ
※RZAがWu-Tang Clan全体のマスターマインド(首領)であり、5カ年計画と呼ばれる緻密な戦略で音楽業界を制覇した事実に基づいている。

He throws the signs, I hook up the beats with clout
あいつがサインを出し、俺が影響力(クラウト)でビートをフックアップする
※キャッチャー(RZA)の出すサイン(ビートやコンセプト)に対して、ピッチャー(GZA)が完璧に呼応する関係性。

I throw the rhymes to the mic and I strike 'em out
俺はマイクに向かってライムを投げ込み、そいつらを三振(ストライク・アウト)に討ち取る
※野球のバッテリーのメタファーを完璧に締めくくるライン。ライム=豪速球、マイク=ストライクゾーン、三振=敵MCの敗北。

So it really doesn't matter on how you intrigue
だから、お前がどんなに陰謀(トリック)を巡らせようが、全く関係ないんだよ
※「intrigue」は陰謀を企てる、または興味をそそるの意。小手先のテクニックや姑息な手段は通用しない。

You can't fuck with those in the major leagues
メジャーリーグにいる俺たちには、絶対に敵わねえんだからな
※Wu-Tang Clanがアンダーグラウンドから出発しながらも、実力においてすでにメジャー(最高峰)の領域に達していることを宣言してヴァースを終える。

[Chorus: GZA]

Clan in da front, let your feet stomp
前方のクランたちよ、足を踏み鳴らせ

Niggas on the left, brag shit to death
左側の野郎ども、死ぬまで自慢しな

Hoods on the right, wild for the night
右側のフッドども、今夜はブッ飛んで騒げ

Punks in the back, c’mon and attract to what
後ろのチンピラども、さあ来い、何に惹きつけられてるんだ?

Clan in da front, let your feet stomp
前方のクランたちよ、足を踏み鳴らせ

Niggas on the left, brag shit to death
左側の野郎ども、死ぬまで自慢しな

Hoods on the right, wild for the night
右側のフッドども、今夜はブッ飛んで騒げ

Punks in the back, c’mon and attract to what
後ろのチンピラども、さあ来い、何に惹きつけられてるんだ?

[Outro: GZA]

Hoods on the right
右側のフッドの奴ら

Punks in the back… to what
後ろにいるパンク野郎ども…何に?

Niggas on the left
左側の野郎ども

Hoods on the right
右側のフッドの奴ら

Punks in the back, c'mon… to what
後ろにいるパンク野郎ども、来いよ…何に?

Let your feet stomp
足を踏み鳴らせ

Brag shit to death
死ぬまでデカい口叩いてな

Wild for the night
今夜はブチ上がれ

(Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu)
(Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu)
※熱狂的なWu-Tangコール。

(Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu)
(Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu)

(Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu)
(Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu, Wu)

Niggas on the left, brag shit to death
左側の野郎ども、死ぬまでデカい口叩いてな

Hoods on the right, wild for the night
右側のフッドの奴ら、今夜はブチ上がれ

Punks in the back, c’mon and attract
後ろにいるパンク野郎ども、惹きつけてみろ

Clan in da front, let your feet stomp
Clanが最前列にいるぜ、足を踏み鳴らせ