Artist: Future, Metro Boomin & J. Cole
Album: WE STILL DON’T TRUST YOU
Song Title: Red Leather
概要
2024年のヒップホップ界を揺るがした「ビッグ3のシビル・ウォー(内戦)」の最中にドロップされた、歴史的な特異点とも言える7分超の超大作。前作に続きDrake包囲網を敷いたFutureとMetro Boominのアルバムに、なんと直前にKendrick Lamarへのディス曲を撤回し戦線離脱を宣言したばかりのJ. Coleがサプライズ参加したことで、シーンに特大の衝撃を与えた。Futureが前半でドラッグ、ストリッパー、そして富に塗れた自身のトキシックなパラノイアを哀愁漂うトーンで歌い上げるのに対し、J. Coleはその後半を引き継ぎ、Futureの「20人の彼女」という異常なライフスタイルと自身の「一途な愛」を対比させながら、スーパースターとしての誘惑とエゴに対する内省を綴っている。Metroによる哀愁あるギターリフ(ファンクバンドParliamentを彷彿とさせる)が、ドープで孤独な夜の雰囲気を完璧に演出しており、単なるビーフの文脈を超えた「男たちの孤独と誘惑のサウンドトラック」としてReddit等でも最高傑作の呼び声が高い。
和訳
[Intro: Future]
So you thinkin' that you gon', I ain't gon'
お前は自分がやると思ってるみたいだが、俺はやらねえよ
※楽曲の導入。相手(ヘイターや特定の敵、あるいは女性)とのスタンスの違いを静かに提示している。
Speak from my heart, you know what I'm sayin'?
心の底から本音を話すぜ、言ってる意味わかるか?
I'm one thousand
俺は1000%リアルだからな
※「keep it 100(100%リアルでいる)」というスラングをさらに強調し、10倍の「1000」で自身の揺るぎない真実性をアピールしている。
Yeah
ああ
[Chorus: Future]
I done turned a dancer to a trophy
俺はストリッパーをトロフィー・ワイフに変えてやった
※「dancer」はストリップダンサー。ストリートの夜の街で踊っていた女性を、成功者の象徴である「トロフィー」へと引き上げたというフレックス(自慢)。
I done balled with rings like Kobe
コービーみたいに、いくつものチャンピオンリングを嵌めて大金を使ってきたぜ
※「ball」は「大金を使う/バスケをする」の掛詞。NBAの伝説的選手コービー・ブライアント(5回の優勝=5つのリング)を引き合いに出し、自身のヒップホップ界における王者のステータスを示している。
Never send a tweet with emotions, uh
感情的になってツイートするような真似は絶対にしねえ
※SNSでヘイターや元恋人に対して感情を爆発させるラッパーたち(あるいはDrakeのSNSでの振る舞い)を暗に批判し、冷徹なマフィア的スタンスを保つという宣言。
She heard I sip lean, she got emotional
俺がリーンを飲んでるって聞いて、あいつは感情的になってたな
※「lean」は咳止めシロップ(コデイン配合)とスプライト等を混ぜた中毒性の高いドラッグ。自身の深刻な薬物依存を心配して泣く女性に対する、冷めた視線。
Codeine got my heart like opium
コデインのせいで、俺の心臓はアヘンをキメた時みたいになってる
※コデイン(オピオイド系鎮痛剤)の過剰摂取により、心拍数が極端に低下し、感情的にも肉体的にも麻痺している状態。Playboi Cartiのレーベル「Opium」とのダブルミーニングとも考察されている。
I can feel her heart beatin' when I'm huggin' her
抱きしめると、あいつの心臓の鼓動が伝わってくるんだ
Take me back to Kingston to see my ancestors
キングストンに連れて帰ってくれ、先祖たちに会うためにな
※ジャマイカの首都キングストン。Future自身に直接的なジャマイカの血筋があるかは不明だが、レゲエ/ラスタファリ運動における「反逆精神(レベル)」のルーツとしてのキングストン、あるいは単に極度のハイ状態でスピリチュアルな次元に到達していることを示している。
Pissin' on your grave in some red leather
赤いレザーを着込んで、お前の墓石に小便を引っ掛けてやるよ
※タイトル回収の強烈なパンチライン。「赤いレザー(Red leather)」はマイケル・ジャクソンの『スリラー』やエディ・マーフィの『デリリアス』を象徴する、1980年代のスーパースターの絶対的なアイコン。最高に目立つ派手な格好で、死んだ敵の墓を冒涜するという究極のディスリスペクトと冷酷さの表現。
[Verse 1: Future]
Turbo Panamera, the seat bird feathers
ターボ仕様のパナメーラ、シートは鳥の羽みたいに極上だ
※ポルシェ・パナメーラ ターボ。超高級車の内装の柔らかさと快適さを誇示している。
Keep La on me like Carmelo
カーメロみたいに、常に「La」を身につけてるぜ
※Geniusでも高く評価されるワードプレイ。「La」はマリファナの隠語、あるいはブランド名。元NBAスター選手のカーメロ・アンソニー(Carmelo)と、彼の元妻であるテレビスターのララ・アンソニー(La La)の名前を掛けている。「カーメロがララを連れているように、俺は常に上質な葉っぱ(La)を持ち歩いている」という秀逸な比喩。
Don't lie to me, I'm on God levels
俺に嘘をつくなよ、俺は神の領域にいるんだからな
Forever's not long enough
「永遠」なんて言葉じゃ、全然足りねえよ
If it's endless, what we doin'?
もしこれが終わりのない旅なら、俺たちは一体何をしてるんだ?
Either you a rebel or what we doin'?
お前は反逆者(レベル)になるのか、それともどうするんだ?
※体制に順応するのか、それともストリートの掟に従い反逆を続けるのか、相手に覚悟を問うている。
Toast codeine, trap stars, what we doin'?
コデインで乾杯だ、トラップスターたちよ、俺たちはどう生きる?
A few remain nameless deserve my dedication
名前も明かせない数人のダチに、俺のこの曲を捧げるぜ
※服役中や、裏社会で暗躍しているため名前を出せない本物のギャングスタたちへのシャウトアウト。
I just want my movement like Larry Davis
俺はラリー・デイヴィスみたいに、自分のムーブメントを起こしたいんだ
※ラリー・デイヴィスは1986年にNYで汚職警官6人と銃撃戦を繰り広げて逃亡し、後に無罪を勝ち取った伝説的な人物。ストリートでは「腐敗した権力に立ち向かった英雄」として神格化されており、Future自身も業界の権力(Drakeなど)に対する反逆者としての自分を重ねている。
Came from Amsterdam, had my head up
アムステルダムから帰ってきた、俺は胸を張ってたぜ
※ドラッグと売春が合法化されているアムステルダムでの豪遊。
Screenshot bitches got me fed up
画面のスクショを晒すようなビッチどもにはウンザリだ
※ラッパーとのDMや親密な会話をスクリーンショットしてSNSで暴露し、名声を得ようとする女性(クラウト・チェイサー)に対する苛立ち。
Playin' with the white for green like a Celtic
セルティックスみたいに、緑(グリーン)のために白(ホワイト)を転がすのさ
※完璧なダブルミーニング。「white」はコカイン、「green」は金(ドル札)。コカインを売って金を稼ぐストリートのハッスルを、NBAチーム「ボストン・セルティックス」のチームカラー(白と緑)に例えた見事なライン。
She ain't tryna share me, she thinkin' selfish
あいつは俺を他の女とシェアしようとしない、ワガママな考えだ
※一夫多妻的なライフスタイル(前曲「One Big Family」参照)を当然とするFutureにとって、独占欲を見せる女性は「身勝手(selfish)」であるという価値観の反転。
I just bought my young bitch some new Rosettas
若いビッチに新しいロゼッタストーンを買ってやったよ
※「Rosettas」は語学学習ソフト『Rosetta Stone』。世界中から女性を囲い込んでいるため、彼女らに英語(あるいは自分とのコミュニケーション)を学ばせているという特異なフレックス。
Went to Tokyo, I had to hit the ghetto
東京に行った時も、当然ゲットー(ストリート)に足を運んだぜ
※日本(東京)のような治安の良い都市を訪れても、高級ホテルに引きこもるのではなく、現地のアンダーグラウンドなクラブやストリートのカルチャーとコネクトするという姿勢。
Like to kick it with her 'cause she play soccer
あいつと遊ぶ(キックする)のが好きなんだ、サッカーをやってるからな
※「kick it(一緒にチルする、遊ぶ)」と「サッカーボールを蹴る(kick)」を掛けたシンプルなワードプレイ。
Introduced her to some goons, nigga, and some robbers
あいつを俺のダチのギャングや強盗どもに紹介してやった
※セレブな女性を、あえて危険な自分のルーツ(ストリートの犯罪者たち)に引き合わせることで、彼女の度胸を試している。
Now she want that Bentayga and it's obvious
今じゃあいつはベンテイガを欲しがってる、バレバレだぜ
※「Bentayga」はベントレーの超高級SUV(数千万円)。危険な世界に身を投じた見返りとして、莫大な対価を要求する女性の打算。
Real patience for them big faces and I got it
デカい顔(ベンジャミン・フランクリン=100ドル札)を手に入れるには本物の忍耐が必要だ、そして俺はそれを手にした
※「big faces」は高額紙幣のスラング。ストリートでの下積み時代を耐え抜いた結果の成功。
Still faded from the last night off molly
昨夜のモリー(MDMA)がまだ抜けてなくて、頭がフラフラだ
The ones work at Magic, work at Follies
マジックで働く女たち、フォリーズで働く女たち
※「Magic City」と「Follies」は、どちらもアトランタを代表するヒップホップ界隈で超有名なストリップクラブ。トラップカルチャーの震源地。
I just left Onyx and caught a body
オニキスを出た直後に、一人ぶっ殺してやった(極上の女をお持ち帰りした)ぜ
※「Onyx」もアトランタの有名ストリップクラブ。「caught a body」は本来「殺人を犯す」というギャング用語だが、ここでは「クラブで最高の女をベッドに持ち帰った」という性的な比喩として使われている。
Fuck your wife at the back of King of Diamonds
キング・オブ・ダイヤモンズの裏で、お前の嫁とヤッてやったよ
※「King of Diamonds (KOD)」はマイアミの伝説的ストリップクラブ。敵対する男(あるいは一般人)への究極の侮辱。
Turn me on, she don't care I put my thumb in
俺を昂ぶらせるんだ、あいつは俺が親指を突っ込んでも気にしねえ
※ドラッグとアルコールに塗れた、極めて生々しく野蛮な性行為の描写。
Leave me all alone, I'm throwin' a party
俺を一人にしてくれ、俺は一人でパーティを開いてるんだ
※周囲に何十人も人がいても、心の中は常に孤独(ロンリー)であり、ドラッグを使って自身の頭の中だけで完結するパーティをしているというメランコリックな告白。
How I'm gon' have commitment in this world of sin?
この罪深い世界で、どうやって一人の女にコミットしろって言うんだ?
※金、誘惑、裏切りが渦巻く業界で、誠実な恋愛など不可能であるという開き直り。
Try my best to love you in this world we in
俺たちのいるこの世界で、お前を愛そうと全力は尽くしてるんだぜ
Take another look at every foreign I'm in
俺が乗ってるすべての高級外車(フォーリン)をもう一度よく見てみろ
End up with the bitches that I started with
結局、俺が這い上がった時から一緒にいたビッチたちのところに戻るんだ
※どれだけ成功して新しい女性を抱いても、最終的には無名時代を知る地元の女性(あるいは同じようなストリートの価値観を持つ女性)にしか安心感を抱けない。
I must've been on a pill when I recorded this
この曲をレコーディングした時、俺は絶対にクスリをキメてたはずだ
※自分の吐いた赤裸々なリリックに対して、シラフではこんな本音は言えないと自己言及している。
Had the stick in my hand while I was typin' it
このリリックを打ち込んでる時も、手にはスティック(銃)を握ってたぜ
※「stick」はアサルトライフルや拡張マガジン付きの銃。スタジオで曲を作っている時すらも武装を解けない、重度のパラノイア。
I know I'm arrogant, but don't be trifling
俺が傲慢なのは分かってる、だが下らない真似(裏切り)はするなよ
※「trifling」は不誠実な、取るに足らない行動。
I iced out you once and you got iced again
一度お前をダイヤ(アイス)で着飾ってやったが、また新しいダイヤを買ってやったな
These guitars sound like Parliament
このギターの音色、まるでパーラメントみたいだな
※70年代を代表するジョージ・クリントン率いるPファンク・バンド「Parliament」。Metro Boominがプロデュースしたこの曲の、重厚でサイケデリックなギターサウンドに対するFuture自身のメタ的なコメント。
I just blowed a check, baby, pardon me
たった今、小切手一枚分の金を吹っ飛ばしたところだ、ベイビー、許してくれ
All-black trim, dark burgundy
オールブラックのトリムに、ダークバーガンディの内装だ
※高級車のカスタマイズ。彼のダークでメランコリックな美学が反映されている。
Keep it real with me, no perjury
俺には嘘をつくな、偽証(パージュリー)は許さねえぞ
※法廷用語を用いて、裏切りに対する絶対的な不寛容を示している。
Put them bags on her arm like weighed sand
彼女の腕に高級バッグをいくつもぶら下げる、まるで重い砂袋みたいにな
Saks Fifth Avenue, she ran through eighty bands
サックス・フィフス・アベニュー(高級デパート)で、あいつは8万ドル(約1200万円)を一瞬で使い果たした
Got your passport ready, we some aliens
パスポートの準備はできてるか、俺たちはエイリアンだからな
※「alien」は外国人(異邦人)、あるいは常識を超越した「宇宙人(Pluto)」としての自分たち。世界中をプライベートジェットで飛び回る非日常的な生活。
Got my transporter up out my radius
運び屋を俺のテリトリーから送り出したところだ
Got my transporter, whip Mercedes-Benz
俺の運び屋は、メルセデス・ベンツを乗り回してるぜ
I could never give up on what we had
俺たちが持っていたものを、俺は決して諦めきれないんだ
Abracadabra, make my side bitch better
アブラカダブラ、俺の浮気相手(サイドビッチ)をさらにイイ女に変えてやる
※魔法の呪文で、金と権力を使って愛人を洗練された女性に作り変えるという傲慢さ。
Chanel trench, pussy taste like pineapple
シャネルのトレンチコート、あそこの味はパイナップルみたいに甘い
※ストリートにおける「パイナップルジュースを飲むと体液が甘くなる」という有名な都市伝説(あるいは実体験)に基づく生々しいライン。
I'ma stay down with you, but don't give me a headache
お前のそばにはいてやるが、俺の頭痛の種にはなるなよ
※金もステータスも与える代わりに、嫉妬や束縛で面倒を起こすなというトキシックな条件提示。
Lifestyle's radical, please excuse the medies
俺のライフスタイルは過激なんだ、クスリに頼るのは大目に見てくれ
※「medies」はmedication(薬)。異常なプレッシャーと快楽の中で生きるため、ドラッグが不可欠であるという悲痛な弁明。
California housing, gettin' better with my veggies
カリフォルニアの豪邸に住み、極上の野菜(ウィード)で気分を良くする
※「veggies」はカリフォルニア産の高品質なマリファナのスラング。
Audemars, Richard Mille came in a FedEx
オーデマ・ピゲやリシャール・ミルが、フェデックスで雑に送られてくる
※数千万〜数億円する超高級時計を、厳重なセキュリティ輸送ではなく普通の宅配便(FedEx)で受け取るほどの圧倒的余裕と金銭感覚の麻痺。
Smash her like a grudge that I ain't never gettin' deaded
決して消えることのない恨み(グラッジ)みたいに、激しくあいつを抱くんだ
※「Smash」は性行為と破壊のダブルミーニング。ストリートでの長年の恨みや怒りのエネルギーを、ベッドの上で女性にぶつけている。
Sippin' on mud while I'm lookin' at my presi'
プレジデンシャル(ロレックス)を眺めながら、泥(マッド)をすする
※「mud」は濃厚なリーン(コデインシロップ)のこと。泥のように濁ったドラッグを飲みながら、富の象徴であるロレックスを眺めるというコントラスト。
Presidential tints in the back, I done made it
後部座席には大統領クラスの真っ黒なスモークガラス、俺は完全に成功したんだ
Bitch, you better stay on your shit, you gettin' graded
おいビッチ、気を抜くんじゃねえぞ、お前は常に採点(グレード)されてるんだからな
※女性を対等なパートナーではなく、審査対象として見下している。少しでもミス(浮気や面倒)をすれば即座に切り捨てるという警告。
Take you to a spa in Saint Barts, is you ready?
サン・バルテルミー島のスパに連れてってやる、準備はいいか?
※カリブ海の超高級リゾート地、セント・バーツ島。億万長者たちの遊び場。
Whip the double-R with the stars in the headrest
ヘッドレストに星空が広がるダブルR(ロールスロイス)を乗り回す
※ロールスロイス特有の「スターライト・ヘッドライナー(天井のLED星空装飾)」。
Caught up with these broads, baby, did I change the address?
いろんな女どもに振り回されてるが、ベイビー、俺は住所を変えたか?
※どれだけ浮気をして外で遊んでいても、最終的に帰る家(本命の場所)は変わっていないという身勝手な言い訳。
Times got hard and I fucked off your lashes
ツラい時期もあったな、お前のつけまつげが吹っ飛ぶくらい激しくヤッたよな
Everything real, I got my gold veneers added
俺のすべては本物だ、金歯(ゴールドベニア)も新しく入れたぜ
Motherfuckin' addict, but I will rock a Patek
俺はクソみたいなヤク中(アディクト)さ、だがパテック・フィリップを巻いてるぜ
※Futureの核心を突くライン。深刻な薬物依存症という弱さを認めつつも、最高級の時計(富)を身につけることで、ただのジャンキーではなく「成功したジャンキー」であることを誇示している。
If your love was a drug, maybe it would be acid
もしお前の愛がドラッグだとしたら、きっとアシッド(LSD)だろうな
※相手の愛情が強烈で幻覚作用を伴うほど危険で、精神を狂わせるものであるという比喩。
I know I lost your trust, but I made you relapse
俺がお前の信頼を失ったのは分かってる、だがお前を再び俺に依存(リラプス)させてやっただろ
※「relapse」は薬物依存者がスリップ(再発)すること。一度は愛想を尽かされた女性を、再び自分のトキシックな魅力(=ドラッグ)の沼に引きずり戻したというサイコパス的な支配欲。
I gotta be on a pill to tell you how I'm feelin'
自分の本当の気持ちをお前に伝えるには、クスリを飲むしかないんだ
※トラウマや人間不信により、シラフでは決して愛情表現ができないという悲劇的な告白。
I tippy-toe and I dance with the devil
俺はつま先立ちで、悪魔とダンスを踊ってるのさ
※死(オーバードーズ)や破滅の危険と常に隣り合わせの生活を、ギリギリのバランス(tippy-toe)で楽しんでいる状態。
I'll take a whole boat out to Bahamas
ボートを丸ごと貸し切って、バハマまで連れてってやるよ
Shawty ride for a real one like a gunner
あいつは本物の男(俺)のために、銃撃手(ガンナー)みたいに命を張ってくれるんだ
※単なる恋人ではなく、ストリートでの抗争や警察の尋問でも口を割らない、ギャングとしての絶対的な忠誠心を求めている。
[Chorus: Future]
I done turned a dancer to a trophy
俺はストリッパーをトロフィー・ワイフに変えてやった
I done balled with rings like Kobe
コービーみたいに、いくつものチャンピオンリングを嵌めて大金を使ってきたぜ
Never send a tweet with emotions, uh
感情的になってツイートするような真似は絶対にしねえ
She heard I sip lean, she got emotional
俺がリーンを飲んでるって聞いて、あいつは感情的になってたな
Codeine got my heart like opium
コデインのせいで、俺の心臓はアヘンをキメた時みたいになってる
I can feel her heart beatin' when I'm huggin' her
抱きしめると、あいつの心臓の鼓動が伝わってくるんだ
Take me back to Kingston to see my ancestors
キングストンに連れて帰ってくれ、先祖たちに会うためにな
Pissin' on your grave in some red leather
赤いレザーを着込んで、お前の墓石に小便を引っ掛けてやるよ
Pissin' on your grave in some red leather
赤いレザーを着込んで、お前の墓石に小便を引っ掛けてやるよ
[Interlude: Future & J. Cole]
Forever's not long enough
「永遠」なんて言葉じゃ、全然足りねえよ
If it's endless, what we doin'?
もしこれが終わりのない旅なら、俺たちは一体何をしてるんだ?
Toast codeine, trap stars, what we doin'? (Yeah)
コデインで乾杯だ、トラップスターたちよ、俺たちはどう生きる?(ああ)
※ここでビートが切り替わり、J. Coleが登場する歴史的な瞬間。
[Verse 2: J. Cole]
Pluto got twenty girlfriends, damn, I'm doin' it wrong
プルート(Future)には彼女が20人もいるのか、クソ、俺のやり方は間違ってたみたいだな
※直前のトラック「One Big Family」でのFutureの「20 main bitches」というリリックを引き合いに出し、自身の堅実なライフスタイルとユーモア交じりに対比させている。
Cut off all my hoes, now I'm only puttin' you in a song
遊びの女(ホー)たちは全員切り捨てた、今じゃ俺の曲の中にはお前(妻)しか出てこないだろ
※Coleが長年連れ添った妻メリッサに対する深い愛情と誠実さ。Futureのトキシックさとは真逆のスタンス。
Day one, shawty been with me from the playground
出会った初日、遊び場にいた頃からあいつはずっと俺のそばにいる
※無名時代、大学時代からの付き合いである妻へのリスペクト。
Hey now, maybe that's the reason I was playin' 'round
おいおい、だからこそ俺は過去に火遊び(浮気)しちまったのかもしれねえな
※若くして特定の相手に落ち着いた反動で、ラッパーとしての成功後に誘惑に負けた過去の過ちを正直に省みている。
Runnin' like a chicken with his head cut off
首を切られた鶏みたいに、当てもなく走り回ってたよ
※「run like a chicken with its head cut off」はパニックになって無我夢中で行動するという慣用句。名声を手に入れてから、見境なく女性と遊んでいた時期の比喩。
Through the streets where the freaks love the red leather
変態どもが「赤いレザー」を愛するこのストリートをな
※ここでの「red leather」はFutureのコーラスの引用でありつつ、派手で危険な夜の世界や誘惑の象徴。マイケル・ジャクソンのようにスーパースターとしての狂騒に巻き込まれていた自身を振り返っている。
On my shoulder blades, in my older age
歳を重ねるにつれて、俺の背中(肩甲骨)には重みが乗しかかる
※「shoulder blades」は背負う責任や過去の罪の重さ。
See the error of my ways, but I'm still not totally over all the temptation
自分の過ちには気づいてる、だが未だにすべての誘惑を完全に断ち切れたわけじゃないんだ
※Coleの魅力である「人間臭さ」。聖人君子のように振る舞いながらも、実際には今でもストリートや女性の誘惑と戦っているというリアルな告白。
Why does sin give you all the sensation?
どうして「罪」ってやつは、こんなにも極上の快感(センセーション)を与えるんだろうな?
※ヒップホップにおける永遠のテーマ。いけないと分かっていること(浮気やドラッグ)ほど心地よいという本質的な問い。
Yeah, I'm with Future up in Onyx just wastin'
ああ、俺は今、オニキス(ストリップクラブ)でFutureと一緒に無駄遣いをしてる
※普段は派手な夜遊びをしないColeが、アトランタの悪名高いクラブ「Onyx」でFutureに付き合って豪遊しているというレアな光景。
A lot of money on a stripper education
ストリッパーの「教育費」に大金を注ぎ込んでるのさ
※ストリッパーにチップ(札束)を投げる行為を、彼女たちの「学費を援助している」と正当化するラッパー特有のジョーク。
Throw so much paper that we causin' the inflation
あまりに大量の札束(ペーパー)をばら撒くから、インフレを引き起こしちまってるぜ
Now it's late and I'm gettin' impatient
夜も更けてきて、俺は焦らされてイライラしてきてる
Might run a train on a bitch, Penn Station
このビッチに仲間と一緒に「電車(トレイン)」を走らせるかもしれないぜ、ペン・ステーションみたいにな
※「run a train」は複数人で一人の女性と関係を持つ(輪姦する)という過激なスラング。「ペン・ステーション(ニューヨークの巨大ターミナル駅)」を掛けて、電車の往来の激しさを比喩にしている。Coleにしては珍しく極めてダーティなライン。
Nah, I'm playin', I'm just lit, gettin' wasted
いや、冗談だ、酒が回って酔っ払ってるだけさ
※直前の過激な発言を即座に否定する。この「根は善人」なバランス感覚こそがJ. Coleのキャラクターである。
And she whisper in my ear she wanna taste it
するとあいつが俺の耳元で「味わいたい」って囁いてくるんだ
Damn, you makin' it hard for me
クソ、俺を試すような真似(ハード)にさせるなよ
※性的興奮(hard)と、誘惑を断ち切る難しさ(hard)のダブルミーニング。
But I'm stayin' strong, I got authority
だが俺は強く理性を保つ、俺には自分を律する権威(オーソリティ)があるからな
Willpower, when I dub a baddie, I feel power
意志の力だ、極上の美女(バディ)の誘いを断る(dub)時、俺は本物の「力」を感じるんだ
※Futureが女を抱くことで権力を誇示するのに対し、Coleは「女の誘惑を拒絶できる精神力」こそが本当の力(権力)であると結論づけている。二人の哲学の鮮やかな対比。
Me and Astro 6'4", we the Twin Towers
俺とアストロは身長6フィート4インチ(約193cm)、俺たちはツインタワーだ
※「Astro」はColeの長年のマネージャー兼ボディガード(あるいは側近)。二人とも長身であることを、かつてのNY世界貿易センタービルやNBAの強力なビッグマンコンビ(デビッド・ロビンソン&ティム・ダンカン等)に例えている。
Twin Glocks with the switch piece that extend shots
拡張マガジン(スイッチ)を付けた2丁のグロック(銃)みたいにな
※連射性を高めたカスタム銃を、自分とAstroの強力なタッグに例えている。
It's a metaphor for the boy when you in proximity
これはお前が俺に近づいてきた時の「俺のモノ」のメタファーでもあるんだぜ
※Geniusでも話題のライン。直前の「長身のツインタワー」「拡張マガジン付きの銃」といういかついストリートの比喩が、実は女性が近づいてきた時の「自身の下半身のサイズと興奮状態」のメタファー(隠喩)であったという、高等な下ネタへの転換。
I can't stop right now, they gon' remember me forever
今の俺は誰にも止められない、奴らは俺の名を永遠に語り継ぐだろう
My stories more clever, my similes was better
俺のストーリーテリングは誰よりも巧妙で、俺の直喩(シミリ)は誰よりも優れていた
※Drake、Kendrick Lamarと並ぶ「Big 3」の一角としての、リリシストとしての絶対的なプライド。
My energy was never on some toughest nigga shit
俺の放つエネルギーは、決して「ストリートで一番タフなワル」って方向じゃなかった
※自分がギャングスタ・ラッパーではないという自己認識。
I was just a conscious rapper that would fuck a nigga bitch
俺はただ、他人のビッチを寝取るような「コンシャス(意識高い系)・ラッパー」だったのさ
※世間からは「知的で道徳的なコンシャス・ラッパー」と見られながらも、実際は裏で普通のラッパーと同じように女遊びをしていたという、自身のパブリックイメージへの痛烈な皮肉と自己批判。
I was just a college nigga from a rougher premises
俺は治安の悪い地域から大学に進学した、ただの大学生だったんだ
※ノースカロライナ州フェイエットビル(治安の悪い地元)から、奨学金でNYのセント・ジョーンズ大学を卒業した自身の出自。
Kept my nose out the streets, but I love to get a whiff
ストリートの揉め事には首を突っ込まないように(Keep nose out)してた、でもその匂い(whiff)を嗅ぐのは好きだったんだ
※犯罪に直接手を染めることは避けたが、ゲットーの危険な空気やハッスラーたちの生き様には強く魅了されていたという告白。「nose(鼻)」と「whiff(匂いを嗅ぐ)」のワードプレイ。
Of the action, with risk comes attraction
危険なアクションの匂いさ、リスクがあるからこそ魅力(アトラクション)が生まれるんだ
The blicks get to blastin', I turn into a track star
銃(ブリック)が火を噴き始めりゃ、俺は陸上選手(トラックスター)みたいに一目散に逃げ出すけどな
※ストリートの抗争に巻き込まれれば、ギャングのように撃ち返すのではなく「全力で走って逃げる」というリアルで等身大なスタンス。フェイクなタフガイを演じないColeの真骨頂。
Wanted all the hoes, what the fuck you think I rap for?
世界中の女(ホー)を抱きたかったんだよ、俺が何のためにラップを始めたと思ってんだ?
※「音楽への純粋な愛」だけでなく、「女にモテたい」という極めて俗物的な動機が根底にあったことを包み隠さず吐露している。
I been tryna slang the same wood since Hacksaw / Jim Duggan
ハクソー・ジム・ドゥガンみたいに、俺はずっと「同じ木(ウッド)」を振り回してるんだ
※「Hacksaw」Jim Dugganは、80〜90年代に活躍したWWEの伝説的プロレスラーで、トレードマークである「2×4の角材(wood)」を常に持ち歩いていた。「wood(木)」は男性器のスラング。「slang wood(女とヤる)」とプロレスラーの武器を掛け合わせ、昔から同じスタイルで女を追いかけていることを表現した天才的なパンチライン。
runnin' through the Ville in my Timbs, thuggin'
ティンバーランドのブーツを履いて、ザ・ヴィル(地元)をサグ気取りで走り回ってた頃からな
※「the Ville」はColeの地元フェイエットビル(Fayetteville)の愛称。
Now I'm with Young Metro in the V.I.P., bitches incomin'
それが今じゃ、ヤング・メトロ(Metro Boomin)と一緒にVIPルームにいて、ビッチどもが次々と押し寄せてきてる
Coppin' all this liquor for these hoes like we McLovin
この女たちのために酒を買い漁るのさ、まるで俺たちがマクロビンにでもなったみたいにな
※「McLovin(マクロビン)」は映画『スーパーバッド 童貞ウォーズ』に登場するオタク高校生。偽造IDを使って酒を大量に買い込み、女子のパーティでモテようとする滑稽な姿を、今の自分たち(大金持ちのラッパーが女に酒を奢る姿)に重ねて自嘲している。
Thinkin' to myself, "Could I really be with one woman?"
心の中で自問自答してるんだ、「俺は本当に一人の女と一生を添い遂げられるのか?」って
Hmm, I think so
うーん、たぶんできると思うぜ
But it's hard when you with your dogs at the freak show
だが、ダチと一緒にこの狂ったフリークショー(夜のクラブ)にいると、それはひどく困難なミッションになるんだ
Thinkin' I could bag Rubi Rose with a keystroke
キーボードを叩く(DMを送る)だけで、ルビ・ローズを落とせるんじゃないかって錯覚しちまうからな
※「Rubi Rose」は現代のヒップホップ界で最もセクシーなインスタモデル兼ラッパー。スーパースターの自分なら、スマホひとつでトップクラスの美女を抱けるという誘惑。
Ego, ask yourself is that gon' bring you peace, though?
俺のエゴよ、自問してみろ。それを手に入れたところで、本当の「心の平穏(ピース)」は得られるのか?
※Coleのヴァースの締めくくり。一時の快楽や誘惑(エゴ)に負けたところで、最終的に待っているのはFutureが前半で歌ったような「虚無感」と「パラノイア」だけであるという真理への到達。
[Outro: Future & J. Cole]
(Shit, I don't know)
(クソ、俺にも分からねえよ)
※Coleの最後の呟き。心の平穏が得られるか分からないという、完全には悟りきれていない迷い。
Forever's not long enough
「永遠」なんて言葉じゃ、全然足りねえよ
※FutureのVerse 1のフレーズがリフレインし、再びメランコリックな空気に包まれていく。
If it's endless, what we doin'?
もしこれが終わりのない旅なら、俺たちは一体何をしてるんだ?
Either you a rebel, what we doin'?
お前は反逆者になるのか、それともどうするんだ?
Toast codeine, trap stars, what we doin'?
コデインで乾杯だ、トラップスターたちよ、俺たちはどう生きる?
