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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

One Big Family - Future & Metro Boomin 【和訳・解説】

Artist: Future & Metro Boomin

Album: WE STILL DON’T TRUST YOU

Song Title: One Big Family

概要

『WE STILL DON’T TRUST YOU』のR&Bサイドを象徴する本作「One Big Family」は、Futureの宇宙的アルターエゴ「Pluto(冥王星)」の究極のファンタジーと狂気が入り交じる一曲だ。Metro Boominのメロウで催眠的なビートの上で、彼は「20人の本命の女(Main bitches)」をまるで「一つの大きな家族」として愛するという、常軌を逸した一夫多妻制(ポリガミー)のライフスタイルを歌い上げる。歌詞中には世界中の女性の名前や国籍が羅列され、アトランタやマイアミの伝説的ストリップクラブを自宅のリビングとして語るなど、彼の富が見せつける支配力は圧巻だ。Reddit等のコミュニティでは、アウトロで自ら「Cult(カルト)」と称するように、単なる女遊びを超えた教祖的・宗教的なトキシック・ハーレムの完成形として、トラップ史に残る異端の名曲と評価されている。

和訳

[Intro]

Yeah
ああ

Oh, yeah
ああ

Yeah (Yeah)
ああ

Last name Pluto, first name whatever, you know what I'm sayin'?
苗字は「プルート」、ファーストネームはどうでもいい、俺の言ってること分かるか?
※自身のアルターエゴである「Pluto(冥王星)」を名乗り、地球上の常識(名前という個人の識別すら)を超越した存在であることをアピール。絶対的カリスマ性の誇示。

Yeah (Yeah, yeah)
ああ

How I'm comin'
これが俺のやり方さ

[Chorus]

Twenty main bitches, I swear I'm from another planet (Pluto)
20人の本命のビッチたち、誓って言うが俺は別の惑星から来たんだ(プルート)
※「main bitch(本命の恋人)」が20人もいるという矛盾した状態。地球の一夫一婦制や倫理観に縛られないことを「宇宙人(別の惑星から来た)」というメタファーで正当化している。

I love all of 'em the same, we just like one big family (I swear, yeah)
全員を同じように愛してる、俺たちはまるで「一つの大きな家族」みたいなんだ
※複数の女性を同時に囲い、それを「家族」と呼ぶ歪んだエゴイズム。チャールズ・マンソンなどのカルト集団(ファミリー)を想起させるような不気味な支配構造が見え隠れする。

[Verse 1]

We go on an odyssey, baby, you know we ain't 'posed to be here on the Earth ('Posed to be here on Earth)
壮大な旅(オデッセイ)に出ようぜ、ベイビー、俺たちは地球にいるべき存在じゃないんだ

I'm fucked up 'bout this Chinese shit, got me hittin' it off a Perc' (Off the Perc')
このチャイニーズの女に夢中だ、パーコセットをキメながらヤッてるぜ
※「Chinese shit」はアジア系の女性、もしくは特定のドラッグの隠語。パーコセット(医療用麻薬の鎮痛剤)による極度のハイ状態で性行為に及んでいる。

Dominicano been playin' her part, she know what's happenin' (She know what's happenin')
ドミニカの女もしっかり自分の役割をこなしてる、自分の立場をわかってるんだ
※女性たちを国籍や人種でカテゴリー化し、それぞれに「役割(part)」を与えてハーレムをシステマチックに管理している冷酷な視点。

She been sittin' in the sun over fifteen minutes at the pad (She was at my pad)
俺の家で15分以上も日光浴してやがる
※「pad」は豪邸。

Nati say she love me more than she love her daddy
ナティは自分の父親以上に俺を愛してるって言うんだ
※ダディイシュー(父親への愛着問題)を抱える女性を惹きつけ、精神的に依存させているトキシックな実態の描写。

I don't think she loyal, but say she'll never do me bad
あいつが誠実だとは思わねえが、絶対に俺を裏切らないとは言ってるぜ
※自身が不誠実であるため、相手の忠誠心も完全には信じていない。アルバムのテーマ『WE STILL DON'T TRUST YOU』に通底する人間不信。

That's what she say to me, "Come lay with me, come play with me
あいつは俺にこう言うんだ、「一緒に寝て、私と遊んでよ」

When you leave from the studio, come get dropped off and stay with me"
「スタジオを出たら、車で送ってもらって私のところに泊まってよ」ってな

Every shorty come get on my body
どのイイ女も俺の体に群がってくる
※「shorty」は魅力的な若い女性のスラング。

I got Jude on her way to Pilates
ジュードは今、ピラティスに向かってる途中だ

I treat Bea like she one of my partners
ビーのことは相棒の一人みたいに扱ってるぜ

I got three with the same name, probably
同じ名前の女が多分3人はいるな
※Geniusでも話題になったライン。女性の数が多すぎて名前すら被っており、もはや個々のアイデンティティを把握しきれていない異常なポリガミー状態を皮肉交じりに誇示している。

Bought a Birky for shorty this mornin'
今朝、あの娘にバーキンを買ってやった
※「Birky」はエルメスの最高級バッグ、バーキン。数百万円の買い物を日常的に行う圧倒的な財力。

Got that work for Cabrina this mornin'
今朝はカブリナに「仕事」を与えてやったぜ
※「work」は性的な奉仕、あるいは何らかのハッスル(ドラッグの運搬など)を指すストリート特有のダブルミーニング。

She was twerkin', I started performin'
あいつがトゥワークして、俺はパフォーマンス(性行為)を始めた

Goin' surfin', I'm startin' to enjoy it
波乗り(サーフィン)に出かける、俺も楽しくなってきたぜ
※海外の高級リゾート地でのバカンス、または性行為の暗喩。

Went on shoppin' sprees, I can afford it
爆買い(ショッピング・スプリー)に出かけた、俺には余裕だからな

She gon' call to whip me like an orphan
あいつは孤児みたいに俺を鞭打とうと電話してくる
※女性からの激しい執着や束縛を表現している。「orphan(孤児)」という言葉選びに、ストリート出身である彼の根源的な孤独感が暗示されている。

I got Lindsay on call, unfortunate
リンジーはいつでも呼び出せる状態だ、不運なことにな
※「on call」は待機中。女性を都合のいいコールガールのように扱っているが、それに縛られる女性を「unfortunate(可哀想に)」と冷酷に俯瞰している。

Try to eat it off me like a portion
俺から分け前(ポーション)を食い尽くそうとしてやがる
※Futureの富や名声、エネルギーに群がる女性たちの貪欲さ。

I got Booby Trap sittin' in my living room
俺のリビングには『ブービートラップ』があるんだ
※「Booby Trap」はマイアミの有名なストリップクラブ。自宅のリビングに多数の裸の女性を侍らせており、家がストリップクラブ化しているという強烈なフレックス。

I got Magic whenever I need to
必要な時はいつでも『マジック』がある
※「Magic」はアトランタの伝説的ストリップクラブ「Magic City」のこと。トラップミュージックの聖地であり、ヒップホップ界における彼の絶大な権力を示している。

Fuckin' with you, but I don't really need you
お前とヤッてるが、別に絶対必要なわけじゃないんだ
※「いつでも替えがきく」という残酷なスタンス。女性に対する極度の執着の無さ。

Break you out twenty racks when I see you
お前に会う時は2万ドル(約300万円)をポンと出してやるよ
※「rack」は千ドルの束。

Layin' you down on your back when I meet you
会ったらお前を仰向けに寝かせてやる

Hittin' that shit from the back, don't I teach you?
後ろから激しく突いてやる、俺が教えてやっただろ?

I done flew Nora out to Ibiza
ノラをイビサ島まで飛行機で飛ばしてやった
※スペインの高級リゾート地・パーティーの聖地イビサ。グローバルな遊びのスケール。

I had Dabo come in on the same flight
ダボも同じフライトで呼び寄せたぜ

I hit Gabriella on the same night
同じ夜にガブリエラともヤッたんだ
※世界中から複数の女性を同時に呼び寄せ、一夜で連続して関係を持つ狂気的な絶倫ぶりと徹底したスケジュール管理。

Fell in love 'cause she know a nigga game tight
あいつは俺のゲームが完璧(タイト)だって分かってるから、恋に落ちたんだ
※「game tight」は女遊びやストリートでの立ち回りが一流であること。

Throw the hood up, she know I'm the gang type
フッドのサインを掲げる、俺がギャング・タイプだって分かってるんだ
※高級リゾートにいて世界中の美女を侍らせていても、本質はアトランタのギャングスタであることを隠さない。

I'm just givin' you a lil' bit of insight
お前に少しだけ、俺の頭の中(インサイト)を見せてやってるだけさ

[Chorus]

Twenty main bitches, I swear I'm from another planet (Swear I'm from another planet)
20人の本命のビッチたち、誓って言うが俺は別の惑星から来たんだ

I love all of 'em the same, we just like one big family (Pluto)
全員を同じように愛してる、俺たちはまるで「一つの大きな家族」みたいなんだ(プルート)

We all happy, don't care what they say, don't be embarrassed (Don't be embarrassed, yeah, yeah)
俺たちはみんな幸せだ、周りが何と言おうと気にするな、恥じることなんてない
※世間の倫理観(モノガミー)から逸脱していることを自覚しつつ、外部の声をシャットアウトし、女性たちを洗脳的に安心させようとしている。

I swear I'm from another planet (Swear I'm from another planet)
誓って言うが、俺は別の惑星の住人なんだ

[Verse 2]

Pull up in a Rolls
ロールスロイスで乗り付ける

I bet that bitch open up my doors (Yeah)
あのビッチが俺の車のドアを開けるに決まってる
※通常は運転手やエスコートする男性がドアを開けるが、Futureの「Cult」では女性側が絶対的な服従と奉仕を示す。

I bet I'll wipe that bitch nose
あのビッチの鼻を拭いてやるよ
※「wipe one's nose」は「相手を殺害する・消す」というアトランタの血生臭いギャング・スラング(Slime言語)。裏切り者には死をもって報いるという冷酷な掟。

Anything I say, everything goes
俺の言うことは絶対だ、すべてがその通りになる
※完全な独裁。

Treat me like a pot of gold (Treat me like I'm gold)
俺を金塊の壺みたいに(最高に価値あるものとして)扱え
※アイルランドの妖精レプラコーンが虹のふもとに隠していると言われる「Pot of gold(莫大な富・幸運)」に自分を例えている。

Treat a nigga, got that bag coming (Yeah)
俺を手厚くもてなせば、大金(バッグ)が舞い込んでくるぜ

Heard you wanna go to Saturn (Heard you wanna go)
土星に行きたいって聞いたぜ

Pick a planet, I ain't average
好きな惑星を選びな、俺は普通の男じゃねえからな
※宇宙(Pluto)規模のステータスと財力。どこへでも連れて行ってやるという究極のフレックス。

Pluto got a bitch on lockdown
プルートはビッチを完全に監禁(ロックダウン)してる
※支配が完了し、彼女の心身がFutureから逃れられない状態。

Got my rude chop gettin' mopped down
俺の凶悪なアサルトライフル(チョップ)が綺麗に磨き上げられてるぜ
※「chop(chopper)」は連射式銃器。「mopped down」はフェラチオのストリート・スラング。銃と性行為を掛け合わせた暴力的なダブルミーニング。

Out the country, she get knocked down
国外に出れば、あいつはベッドに押し倒される
※「knocked down」は性行為の暗喩。

Pop the biggest one when I'm overseas
海外にいる時は、一番デカいクスリをキメるんだ

Tryna move the lil' shit out of DC
ワシントンDCから細々としたブツを運び出そうとしてる
※裏でのドラッグディールのネットワーク。

Spent a bag on Cheyenne, it was easy
シャイアンに大金(バッグ)を注ぎ込んだが、余裕だったぜ

Fuck what you gotta say, she gon' keep me
お前らが何を言おうと知るか、あいつは俺を手放さないからな

I got Aquafina on me on each sleeve
両袖にはアクアフィナ(氷のように澄んだダイヤ)が輝いてるぜ
※「Aquafina」は有名なミネラルウォーターのブランド名だが、ヒップホップでは最高純度の透明なダイヤモンド(Ice)を指す定番スラング。

Got some weight on me, sittin' in the bathroom
重いブツ(コカインの塊)を持ったまま、バスルームに座り込んでる
※「weight」は大量の麻薬。華やかな生活の裏にある、ストリートのトラッパーとしての消えない日常。

Any time I get, she ready to smack somethin'
隙あらば、あいつはいつでも誰かをぶっ飛ばす(クスリをキメる)準備ができてる
※「smack」はヘロイン、または暴力を振るうこと。女性たちも過激なライフスタイルに染まっている。

Got her poppin' that shit in the Phantom (Pop)
ファントム(ロールスロイス)の中で、あいつにクスリをキメさせてるぜ

Turn my bitch up, you know that's the standard
俺のビッチのレベルを引き上げる、それが俺の基準だからな

I got Theria landin' in Abu Dhabi
テリアをアブダビに着陸させたところだ
※中東の富裕国UAEのアブダビ。活動拠点がいかにワールドワイドかを示している。

So imperial, tryna be modest
完全に帝王(インペリアル)の気分だが、謙虚に振る舞おうとしてるぜ

Don't record me when I walk through the lobby
ロビーを歩く時に俺を録画するんじゃねえぞ
※有名人ゆえのパパラッチやファンへの警戒、あるいは非合法な活動が露呈することへのパラノイア。

Cross her legs when sit 'round the brodie
俺のダチの周りに座る時は、足を組んで大人しくしてろ
※女性に対する細かいマナーの強要。他の男(たとえ親友でも)に隙を見せることを許さない家父長制的なコントロール。

Iron my clothes, she tied up my shoes too
服にアイロンをかけさせ、靴紐まで結ばせる

Clean the carpet, I feel like a guru
カーペットも掃除させる、まるで俺は導師(グル)になった気分だ
※単なる恋人ではなく、宗教的指導者(Guru)のように女性を信者としてひざまずかせ、奉仕させている神聖視の倒錯。

All I wanna do is buy Jimmy Choo, Choo
俺がしたいのは、ジミー・チュウを買い与えることだけさ
※高級シューズブランド。忠誠の対価として物質的な見返りを与える。

Everything on her practically new, new
あいつが身につけてるものは、実質全部新品(ニュー)だ

Very charismatic, she one of the baddest
すごくカリスマ性があって、最高にイイ女の一人だ

She one of the ones I cherish
俺が大切にしてる女の一人さ

I swear I'm from another planet (Pluto)
誓って言うが俺は別の惑星から来たんだ(プルート)

[Chorus]

Twenty main bitches, I swear I'm from another planet (Yeah)
20人の本命のビッチたち、誓って言うが俺は別の惑星から来たんだ

I love all of 'em the same, we just like one big family (Oh, yeah)
全員を同じように愛してる、俺たちはまるで「一つの大きな家族」みたいなんだ

Yeah, yeah
ああ

I swear I'm from another planet
俺は別の惑星の住人なんだ

[Outro]

Only way to live is to be rich
生きるための唯一の方法は、金持ちになることだ
※どん底のストリートから這い上がった彼にとっての絶対的真理。

Bad bitch follow me just like a cult
極上のビッチどもが、まるでカルト宗教みたいに俺に付き従ってくる
※本楽曲の狂気を総括するパンチライン。自身のライフスタイルがもはや異常な「カルト」であることを自認しつつ、それを極上のエンターテインメントとして消費している。

Yeah
ああ

I swear I'm from another planet
誓って言うが、俺は別の惑星から来たんだ