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Mile High Memories - Future & Metro Boomin 【和訳・解説】

Artist: Future & Metro Boomin

Album: WE STILL DON’T TRUST YOU

Song Title: Mile High Memories

概要

本作「Mile High Memories」は、R&Bテイスト溢れる第2弾アルバム『WE STILL DON'T TRUST YOU』に収録された、Futureの真骨頂とも言える「有毒(Toxic)なロマンティシズム」が全開になった失恋ソングである。タイトルの「マイル・ハイ・クラブ(飛行中の機内で性行為を行うこと)」が示す通り、プライベートジェットで世界中を飛び回る豪奢なライフスタイルを共有したかつての恋人への未練を歌っている。しかし、単なるラブソングに終わらず、「俺のことを考えているなら、他の男と寝てもいい」「他の女とヤりながらお前のことを考えていた」といった極めて利己的で歪んだ感情が吐露されており、Reddit等のコミュニティでも「FutureのToxicな名言の歴史に新たな1ページが刻まれた」と熱狂的に迎えられた。Metro Boominの浮遊感のあるメランコリックなビートが、ドラッグと未練に溺れるトラップスターの孤独な夜を見事に演出している。

和訳

[Intro]

Don't be— don't believe me
信じるな…俺の言うことなんて信じるなよ
※これから語る強がりや言葉が、自分自身の本心とは裏腹であるという弱さの提示。

Yeah

Don't believe me, no
俺を信じるなよ、絶対に

Yeah, yeah

Pretend that it hurt, but it really don't bother me
傷ついたフリをしてるが、本当はちっとも気にしてねぇんだ
※失恋のダメージなど受けていないという虚勢。しかし、この曲全体を通してこの言葉自体が「嘘」であることが明らかになる。

Don't make it real, I prefer that you lie to me
現実を突きつけないでくれ、俺はお前に嘘をつかれたままでいたいんだ
※相手が他の男の元へ行ったという残酷な真実(Real)を受け入れられず、美しい嘘の中に逃避しようとする心理。

Oh, woah, woah

Let me talk to you for a second
少しだけ、お前に話させてくれよ
※相手への切実な呼びかけ。

Oh, woah, woah

Anywhere in the world, if you hear this
世界のどこにいても、もしこの曲を聴いているなら
※遠く離れてしまったかつての恋人へ向けたメッセージ。

Yeah, yeah

[Chorus]

You can fuck on him as long as you think about me
俺のことさえ考えてるなら、あいつとヤッても構わねぇよ
※【究極のToxic】Reddit等で大いに話題になった本作のハイライトライン。「体が他の男のものになっても、心が俺のものであれば許す」という、強烈なエゴイズムと未練が入り混じったFuture特有の歪んだ愛情表現。

In the other room, on the phone, you was texting me
別の部屋で、電話越しに俺にメッセージを送ってきてただろ
※彼女が新しい恋人と同じ空間(別の部屋)にいながらも、こっそりとFutureに連絡をしてきていたという事実。互いに断ち切れない依存関係。

You can fuck on him as long as you think about me
俺のことさえ考えてるなら、あいつとヤッても構わねぇよ

[Verse 1]

None of it's real, wе was just fakin' how to love
何もかも現実じゃなかった。俺たちはただ、愛し方を偽ってただけだ
※セレブリティの華やかな交際が、実は表面的な虚構(Fake)に過ぎなかったという自己正当化。

Try to pretend, I wasn't missin' you at all
お前が恋しくないフリをしようとしてたんだ
※強がりの裏にある本音の吐露。

Gavе me your soul, hundred thousand feet above the clouds
お前は俺に魂を捧げたよな、雲の上10万フィートの高みで
※プライベートジェットでの密月。タイトルの「マイル・ハイ(Mile High)」にかかる描写。

Light up the smoke, sit on them Xannies, spacin' out
煙(ウィード)に火をつけ、ザナックスをキメて、意識を飛ばすんだ
※「Xannies」は抗不安薬ザナックス(Xanax)。未練による精神的な苦痛を、ドラッグの過剰摂取で麻痺させている。

We was just bored, we was just bored, playin' them board games
俺たちはただ退屈してたんだ、退屈しのぎにボードゲームをしてただけさ
※「board games」は文字通りのゲームではなく、互いの感情を弄ぶような「駆け引き(マインド・ゲーム)」のメタファー。

Pink, blue, yellow pill, Power Rangers, fuckin' with my mind state
ピンク、ブルー、イエローのピル。まるでパワーレンジャーだな。俺の精神状態を狂わせやがる
※【秀逸なワードプレイ】様々な色をした合成麻薬の錠剤(ピル)を、色とりどりの戦隊ヒーロー「パワーレンジャー」に例えた天才的な比喩。多種のドラッグのちゃんぽんによって精神が錯乱している様子。

Try to forget, so I medicate, introduce her to the jet way
忘れようと薬を飲む。あの女にジェット機での飛び方(ライフスタイル)を教えてやったんだ
※普通の女性にプライベートジェットやドラッグといった退廃的なセレブの生き方(Jet way)を教え込んだのは自分だという自負。

It could be God himself, anyone after me is a downgrade
たとえ相手が神自身であったとしても、俺の後の男は全員ダウングレード(格下)だぜ
※絶対的な自信とエゴ。「自分以上の男はこの世(天界含む)に存在しない」という、振られた側とは思えないほどの強烈なフレックス。

[Bridge]

Fuckin' the shit out this bitch, I was thinkin' about you, oh, Lord
このビッチと激しくヤりながらも、俺はお前のことを考えてたんだ、あぁ神様
※別の女性を抱きながら元カノを想うという、身勝手でありながらも切実な未練。

Kissin' all over this bitch, I was thinkin' about you, oh, Lord (Mwah)
このビッチの全身にキスしながら、俺はお前のことを考えてたんだ、あぁ神様(チュッ)
※「Mwah」はキスの擬音。

She just tatted my name, I was thinkin' about you, oh, Lord (Just tatted my name, I was thinkin' about you)
あいつが俺の名前のタトゥーを彫った時も、俺はお前のことを考えてたんだ、あぁ神様(俺の名前を彫った時も、お前のことを考えてた)
※新しい女性がFutureへの愛の証としてタトゥーを入れるほどの深い関係になっても、心には元カノしかいないという残酷な現実。

One of them things, always remain the same, oh, Lord (Remain the same)
これだけは、いつだって変わらねぇんだ、あぁ神様(変わらねぇのさ)
※自分の心が元カノに囚われたままであるという事実。

Yeah, mile high club, you remember (Mile high club, you remember)
あぁ、マイル・ハイ・クラブだ。お前も覚えてるだろ(マイル・ハイ・クラブ、覚えてるよな)
※タイトルの回収。「Mile high club」は飛行中の航空機内で性行為をした経験のある人々の俗称。二人だけの特別な思い出。

Flyin' eighteen hours the agenda
18時間のフライトが、俺たちのアジェンダ(予定)だった
※超長距離のプライベートジェットの旅。

I can feel the cold heart when it's not winter (When it's not winter, I can feel the cold)
冬でもないのに、心が冷え切ってるのを感じるぜ(冬じゃないのに、冷たさを感じるんだ)
※愛を失ったことによる心の空洞。

Yeah, come though bustin' up shit, I'm poppin' just like a pimp do (Come through, skrrt, skrrt)
あぁ、ド派手に乗り込んでやる。俺はピンプ(ポン引き)みたいにキメてるぜ(乗り込むぜ、skrrt, skrrt)
※傷心を隠し、表向きは女をはべらす冷酷なピンプとして振る舞い続けるトラップスターの性(さが)。

[Verse 2]

Talkin' south of France, made it north to east (Talkin' south of France, made it from the east, yeah)
南フランスで語り合い、北から東へ飛び回った(南フランスで語り、東からやってきた、yeah)
※ヨーロッパなどの世界的なリゾート地を股にかけた豪遊の記憶。

Conversin' with one, it's a few ready to eat (Converse with a one, but it's few ready to eat)
一人と会話を交わしながらも、俺を喰おうと(ヤろうと)待ち構えてる女が何人もいるのさ(一人と話しつつ、喰う準備ができてる奴らがいる)
※周囲には常に自分を狙う女性たちが群がっているというモテっぷりの誇示。

Made it out the block where the gun sounds at, so I smoke like a chief (Smoke like a chimney)
銃声が響くブロック(スラム)から抜け出したからな。俺は酋長みたいに煙を吹かしてるぜ(煙突みたいに吸うのさ)
※「smoke like a chief」はネイティブアメリカンの酋長(チーフ)が儀式でパイプを吸うように、大量のマリファナを吸うことの比喩。「smoke like a chimney(煙突のように吸う)」と同義。過酷なゲットーから生還した成功者のフレックス。

I belong to the streets (I belong to the streets)
俺はストリートのものだ(ストリートの人間なのさ)
※【ストリートの格言】「She belongs to the streets(彼女は誰か一人のものではなく、ストリートの共有物=尻軽だ)」という定番スラングの自己投影。自分自身も一人の女性に縛られることはなく、ストリートに帰属しているのだという開き直り。

I'ma always have love for a queen (Always have)
俺はいつだって、クイーン(お前)への愛を持ってるぜ(いつだってな)
※ストリートの人間であると宣言しつつも、かつての恋人(Queen)への特別な愛情は消えないという矛盾した本心。

Plutoski (Pluto)
※自身の別名Plutoのリラックスした愛称。

[Interlude]

Pluto (Yeah)

Young Metro, young Metro, young Metro (Three times)
ヤング・メトロ、ヤング・メトロ、ヤング・メトロ(3回だ)
※Metro Boominのプロデューサータグ。

You can't forget about our love
俺たちの愛を、お前が忘れられるわけがない
※相手も自分と同じように未練を持っているはずだという確信。

Your introduction to the mile high club
お前にマイル・ハイ・クラブを教えた(紹介した)のは俺なんだからな
※彼女にこれまで経験したことのないような極上の世界(プライベートジェットでの性行為など)を味わわせたのは自分であるという、所有欲とマウント。

[Chorus]

You can fuck on him as long as you think about me
俺のことさえ考えてるなら、あいつとヤッても構わねぇよ
※間奏を挟むことで、より執着心が強調されて響く。

In the other room, on the phone, you was texting me
別の部屋で、電話越しに俺にメッセージを送ってきてただろ

You can fuck on him as long as you think about me
俺のことさえ考えてるなら、あいつとヤッても構わねぇよ

[Outro]

Mile high club
マイル・ハイ・クラブ
※二度と戻らない上空での濃密な記憶を呟き、メランコリックなビートと共に楽曲が静かに幕を閉じる。