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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Say What’s Real - Drake 【和訳・解説】

Artist: Drake

Album: So Far Gone

Song Title: Say What’s Real

概要

本楽曲は、2009年にリリースされた歴史的ミックステープ『So Far Gone』のハイライトの一つであり、Drakeの卓越したリリシズムと複雑な内面が最も色濃く表れたクラシックである。ビートにはKanye Westのアルバム『808s & Heartbreak』収録の「Say You Will」をサンプリング(ビートジャック)している。Kanyeという巨大な壁のトラックを使用するにあたり、Drakeは自身のプライバシーが失われていく恐怖、メジャーレーベルからのプレッシャー、そして偽物ばかりの業界に対するフラストレーションを赤裸々に吐き出している。元恋人たちが鉢合わせる気まずさ(Sad Boy的要素)を歌う一方で、「無くしたBlackBerry(歌詞のメモ)を他のラッパーに売ってやれ。奴らにはそれが必要だからな」と言い放つ傲慢さ(Mob Boss的要素)が完璧に同居している。彼がカナダの無名ラッパーから「世界を獲る男(2-3)」へと覚醒する瞬間を捉えた、まさに「伝説の始まり」を決定づけた一曲である。

和訳

[Verse: Drake]

Why do I feel so alone?
なぜこんなに孤独を感じるんだ?

Like everybody passing through the studio
スタジオを通り過ぎていく全員が

Is in character as if he acting out a movie role
まるで映画の役でも演じているかのようにキャラを作って

Talking bullshit as if it was for you to know
俺の知るべきことであるかのように、クソみたいなデタラメを話しかけてくる

And I don't have the heart
そして俺には、その度胸がないんだ

To give these bitch niggas the cue to go
このビッチなニガどもに「帰れ」という合図(キュー)を出す度胸がな

So they stick around kicking out feedback
だから奴らは居座って、いっちょ前にフィードバックを吐き出す

And I entertain it as if I need that
そして俺は、それがさも必要な意見であるかのように相手をしてやるんだ

I had a talk with my uncle and he agreed that
叔父さんと話して、彼も同意してくれたよ

My privacy about the only thing I need back, but
「プライバシー」こそが、俺が取り戻すべき唯一のものだってな。でも…

It's hard to think of them polite flows
礼儀正しいフロウなんて考えてられないぜ

When Stefano Pilati suits are your night clothes
ステファノ・ピラーティのスーツを寝巻き(ナイト・クローズ)にしてるような時にはな
※Stefano Pilatiは当時のイヴ・サンローランのデザイナー。超高級スーツを普段着にするという成功者のフレックス。

And Jordan sweat suits are your flight clothes
ジョーダンのスウェットを飛行機に乗る服(フライト・クローズ)にして

And you still make it even when they say your flight closed
搭乗受付(フライト)が終了したと言われても、結局は(VIP待遇で)間に合ってしまうような時はな

Eyes hurting from the camera phone light shows
カメラ付き携帯のフラッシュ(ライトショー)で目が痛い

Life was so full, now this shit just being lipo'd
人生はあんなに充実していたのに、今じゃ脂肪吸引(リポ)されたみたいに削り取られていく
※名声によってプライバシーや個人の時間が削り取られていくことを「脂肪吸引(リポサクション)」に例えた見事なメタファー。

Always said I'd say it all on the right track
「正しいトラック(曲)」の上ですべてを語るっていつも言ってた

But in this game you only lose when you fight back
でもこのゲーム(業界)じゃ、反撃(ファイト・バック)した時にお前は負けるんだ

Black diamond bracelets, showing you the basics
ブラックダイヤのブレスレット、お前らに基本(ベーシック)ってやつを見せてやる

I can't live and hold the camera, someone gotta tape this
自分の人生を生きながらカメラを回すことはできない、誰かこれを録画してくれよ

And make hits like a bitch that's married, I ain't miss
そして結婚してるビッチみたいにヒットを飛ばす、俺は「未婚(Miss)」じゃない(絶対に的を外さない)
※「Miss(女性の敬称/的を外す)」と「Hit(ヒット曲/打つ)」と「Married(結婚している=Missではない)」を掛けた天才的なトリプルミーニング。

24 hours from greatness, I'm that close
偉大なる成功まであと24時間、俺はそこまで近づいてるんだ

Don't ever forget the moment you began to doubt
疑い始めた瞬間のことを決して忘れるな

Transitioning from fitting in to standing out
「周りに合わせる」ことから「飛び抜けた存在」へと移行(トランジション)していく過程を

Los Angeles Cabanas or Atlanta South
ロサンゼルスのカバナ、あるいはアトランタの南部で

Watchin' Hov's show, embarrassed to pull my camera out
Hov(Jay-Z)のショーを見ながら、恥ずかしくてカメラを取り出せなかったこととかな
※かつてはJay-Zのライブでカメラを取り出すただのファンの一人だったという回想。

And my mother embarrassed to pull my Phantom out
俺の母親は、俺のファントム(ロールスロイス)を出すのを恥ずかしがってる

So I park about five houses down
だから俺は5軒先の家に駐車するんだ

She say I shouldn't have it until I have the crown
王冠(トップの座)を手にするまでは、そんな車に乗るべきじゃないって彼女は言う

But I don't wanna feel the need to wear disguises around
でも俺は、変装して歩き回る必要なんて感じたくないんだ

So she wonder where my mind is, accounts in the minus
銀行口座はマイナスなのに、彼女は俺の頭がどうなってるのか不思議がってる

But yet I'm rolling round the fuckin' city like your highness
それでも俺は、まるで「陛下(ハイネス)」みたいにこのクソみたいな街を乗り回してるからな

Got niggas reactin' without a sinus
ニガどもを副鼻腔炎(サイナス)でもないのに反応(リアクト)させてやる
※アレルギーや副鼻腔炎(Sinus)でもないのに、クシャミを出すようにビートに「反応する(首を振る)」という言葉遊び。

'Cause what I'm working with is timeless
だって俺が作ってるものは、時代を超越する(タイムレスな)代物だからな

And promoters try to get me out to they club
プロモーターたちは俺を自分たちのクラブに引っ張り出そうとする

And say I have fun but I can't imagine how
「楽しいぜ」なんて言うが、どう楽しいのか俺には想像もつかない

'Cause I just seen my ex-girl, standing with my next girl
だって俺はたった今、元カノが、俺の次の彼女と並んで立ってるのを見たからな

Standing with the girl that I'm fuckin' right now
それも、俺が今まさにヤッてる女と一緒にさ
※女性関係のトラブルを赤裸々に語る、極めてSad Boy的で気まずい日常の描写。

And shit could get weird unless they all down
彼女たち全員がヤル気(スリーサムなどに)じゃなきゃ、かなり気まずいことになっちまう

And so I stay clear, we from a small town
だから俺は近づかない、俺たちは小さな町(トロント)の出身だからな

And everybody talks and everybody listen
誰もが噂話をして、誰もがそれに耳を傾ける

And somehow the truth just always comes up missing
そしてなぜか、真実ってやつはいつも行方不明になるんだ

I've always been something that these labels can't buy
俺はいつだって、レーベルが金で買えるような存在じゃなかった

Especially if they tryin' to take a piece of my soul
奴らが俺の魂の一部を奪おうとしているなら、なおさらな

And Sylvia be tellin' Tez, "Damn, Drake fly"
シルヴィアはTezに「くそっ、Drakeはイケてる(フライ)」って言うだろう
※Sylvia Rhone(当時のUniversal Motown社長)と、Cortez "Tez" Bryant(Lil Wayneのマネージャー)。インディーズ時代からメジャーのトップがDrakeを狙っていた事実。

And he just be like, "Silly motherfucker, I know
すると彼はこう返すんだ、「馬鹿野郎、そんなこと分かってるよ

That was your bad, how could you pass up on 'em?
見逃すなんてあんたのミスだぜ?

He just take them records and he gas up on 'em
あいつはレコードを受け取って、それに燃料(ガス)を注ぎ込むんだからな」

Wayne will prolly put a million cash up on 'em
「Wayneはおそらく、あいつのために100万ドルの現金を積むだろうぜ

Surprised no one ever put your ass up on 'em"
誰もあんたにアイツのことを教えなかったなんて驚きだな」

Oh, they did, Po, at least they tried to
あぁ、奴らはやったさ、Po。少なくとも奴らはそうしようとした

And that's what happen when you spitting what's inside you
そして、それが自分の内面をラップ(スピット)した時に起きることさ

But slip up and shoot the wrong fucking video
でも、うっかりして間違ったクソみたいなMVを撮っちまうと

And they think they can market you however they decide to
奴らは自分たちの好きなように俺を売り出せる(マーケットできる)と勘違いするんだ

Nah, but 40 told me to do me
いや、でも40(プロデューサーのNoah Shebib)が俺に「お前らしくやれ」って言ってくれた

And don't listen to anybody that knew me
「昔のお前を知ってるって奴らの言うことなんて聞くな」ってな

'Cause to have known me would mean that there's a new me
だって、昔の俺を「知っていた」ということは、今の俺が「新しい俺」だということになるからな

And if you think I changed in the slightest, coulda fooled me
もし俺が少しでも変わったと思うなら、俺の目でも誤魔化してみな

Boy, and to my city I'm the 2-3
ボーイ、俺の街(トロント)にとって、俺は「2-3」さ
※23はマイケル・ジョーダンやレブロン・ジェームズの背番号。自分がトロントにおける絶対的エースであり救世主だという宣言。

Drug dealers live vicariously through me
麻薬密売人たちは、俺を通して疑似体験(成功)を生きている

I quit school and it's not because I'm lazy
俺は学校を辞めたが、それは怠け者だからじゃない

I'm just not the social type and campus life is crazy
単に社交的なタイプじゃないし、キャンパスライフは狂ってるからさ

Understand, I could get money with my eyes closed
理解してくれ、俺は目を閉じていても金が稼げる

Lost some of my hottest verses down in Cabo
カボ(メキシコ)で、俺の最高のヴァースをいくつか無くしちまった

So if you find a Blackberry with the side scroll
だから、もしサイドスクロール付きのBlackBerryを見つけたら

Sell that mothafucka to any rapper that I know
俺が知ってるラッパーの誰にでもいいから、そのクソを売りつけてやってくれ

'Cause they need it much more than I ever will
だって奴らは、俺が一生かかっても必要としないくらい、そのリリックを必要としてるからな
※自分の没リリックでさえ、他のラッパーにとっては喉から手が出るほど欲しい名作だという、凄まじく傲慢なパンチライン。

I got new shit, I'm gettin' better still
俺には新しい曲がある、俺はさらに進化し続けてるんだ

Little niggas put my name in they verses
チンピラどもが俺の名前を自分たちのヴァースに入れる

'Cause they girlfriend put my ass on a pedestal
奴らの彼女が、俺のケツを台座(ペデスタル)に乗せて崇拝してるからな

Future said, "'Cause this 'Ye shit, you better kill"
フューチャーが言った、「これは'Ye(カニエ)のビートだからな、完璧に殺せ(ラップしろ)」ってな
※Future the Prince(DrakeのDJ/マネージャー)。当時絶頂期だったKanye Westのビートを使うことへの覚悟とプレッシャー。

And I think this got this Making-of-a-Legend feel
そして俺は、これには「伝説の始まり(メイキング・オブ・ア・レジェンド)」の予感がするぜ

Problem with these other niggas, they ain't never real
他のニガどもの問題は、奴らが決して「リアル」じゃないってことさ

[Outro]

Yeah, that's all I can say
イェー、俺に言えるのはこれだけだ