Artist: Drake
Album: So Far Gone
Song Title: November 18th
概要
本楽曲は、2009年の歴史的ミックステープ『So Far Gone』に収録された、US南部・ヒューストンのヒップホップ・カルチャーに対するDrakeからの最大限のオマージュである。タイトルの「November 18th」は、ヒューストンの伝説的DJであるDJ Screwの代表的なミックステープ名に由来している。Notorious B.I.G.の「Warning」をチョップド&スクリュード(テンポを極端に落とす手法)でサンプリングし、パープル・ドリンク(リーン)を飲みながらスローに流れる夜の空気感を完璧に再現している。女性に対する傲慢な態度(Mob Boss的要素)を見せつつも、ヒューストンの街をドライブするような酩酊感とアンビエントなサウンドは、その後のOVOサウンドの基盤を決定づけた。カナダ出身の彼がUS南部の文化を深く吸収し、自身のスタイルへと昇華させた重要曲である。
和訳
[Sample: Notorious B.I.G]
It's the ones that smoke blunts with ya, see ya picture
一緒にハッパを吸い、お前の成功(写真)を目にする奴らさ
※Notorious B.I.G.のクラシック「Warning」からのサンプリング。チョップド&スクリュード(スロー再生)されている。成功した途端に裏切る身内への警戒という、Mob Boss的なパラノイアの表現。
Now they wanna grab the guns and come and get ya
今じゃそいつらが銃を手に取り、お前の命を狙いに来る
It's the ones that smoke blunts with ya, see ya picture
一緒にハッパを吸い、お前の成功(写真)を目にする奴らさ
Now they wanna grab the guns and come and get ya
今じゃそいつらが銃を手に取り、お前の命を狙いに来る
[Intro]
One time for the homie DJ Screw
ホーミーであるDJ Screwに一度のシャウトアウトを
※テキサス州ヒューストンの伝説的DJであり、「チョップド&スクリュード」の発明者である故DJ Screwへの特大のリスペクト。
Already, I'm feeling throwed in this bitch
もうすでに、この場所で完全にキマってる(スロード)気分さ
※「Throwed」はテキサス・スラングで、ドラッグや酒(特にリーン)で激しくハイになっている状態。
[Verse 1]
Up so high even when I'm coming down
落ちてきてる(酔いが覚めかけてる)時でさえ、まだこんなにも高いところ(ハイ)にいる
Just met a girl, say she from the H-Town
ある女の子に出会った、彼女は「H-Town(ヒューストン)」の出身だって言うんだ
I say my name is Drizzy and ain't nobody realer
俺は「Drizzyだ、俺以上にリアルな奴はいないぜ」って答えた
Cup inside a cup, smoking Ghostface Killah
カップの中にカップを重ねて、ゴーストフェイス・キラ(極上のハッパ)を吸ってる
※「Cup inside a cup」は発泡スチロールのカップを2つ重ねて「リーン(コデインシロップとスプライトを混ぜたドラッグ)」を飲むヒューストンのスタイル。Ghostface KillahはWu-Tang Clanのメンバー名であり、強力なマリファナの隠語でもある。
Got these boppas going crazy, nigga I'm, the man
ビッチども(ボッパーズ)を狂わせてる、ニガ、俺が「ザ・マン(頂点の男)」さ
※「Boppa」はヒューストン・スラングで、金目当ての尻軽女やグルーピーを指す。
I sent ya girl a message, said I'll see ya when I can
お前の女に「時間がある時に会おう」ってメッセージを送ってやった
She sent me one back, but I ain't never read it
彼女から返信が来たけど、俺は一度も読んでない
'Cause pussy's only pussy and I get it when I need it
だって女(プッシー)は所詮女でしかなくて、俺は必要な時にいつでもヤれるからな
※女性を単なる欲望の対象として見下す、傲慢なプレイボーイ(Mob Boss)のペルソナ。
[Verse 2]
And I'm telling you, I'm as cold as windows down in the winter
言っておくが、俺は真冬に窓を全開にしてるくらい「コールド(冷酷/イケてる)」だぜ
And I be riding rims if my tires any thinner
タイヤがこれ以上薄くなったら、リムだけで走ることになっちまう
※車に極薄のロープロファイルタイヤと巨大なリム(ホイール)を履かせているという、成功者の車のカスタマイズ(フレックス)。
Airport stunting, flying charters overseas
空港でスタント(見栄を張る)して、チャーター機で海外へ飛ぶ
Full of Dom Perignon and the water for the D's
機内はドン・ペリニヨンと、ダイヤ(D's)を輝かせるための水でいっぱいさ
Don't know why it happens, everytime we alone
なぜだか分からないが、俺たちが二人きりになるたびにこうなるんだ
But here we are again and I swear I'm in my zone
でも俺たちはまたここにいる、誓って言うが、俺は完全に自分の「ゾーン」に入ってる
So I'ma sip this drank until that muhfucka gone
だから俺は、この「ドランク(リーン)」がなくなるまでチビチビとすする
And you gon' get undressed and we gon' get it on
そして君は服を脱いで、俺たちはヤり始めるのさ
[Chorus]
I don't give you the time you deserve from me
俺は君に、君が受け取るべき十分な時間を与えちゃいない
This is something I know, I know, I know
そんなこと、俺には分かってる、分かってる、分かってるんだ
※傲慢に振る舞いつつも、女性に対して誠実になれない自分に罪悪感を抱く「Sad Boy」的な一面。
So tonight, I'll just fuck you like we're in Houston
だから今夜は、まるで俺たちがヒューストンにいるみたいに君を抱くよ
Taking everything slow, so slow, so slow
すべてをゆっくり、極めてスローに、スローにな
But I do it to her
でも俺は、彼女にそうしてしまうんだ
[Bridge]
Draped up, dripped out, know what I'm talking 'bout
ドレープアップして、ドリップアウトしてる、俺の言ってる意味分かるだろ
※ヒューストンの伝説的ラッパーBun Bの楽曲「Draped Up」からの引用。着飾り、ジュエリーで輝いている(Dripped out)状態のヒューストン・スラング。
3 in the morning, get it popping in the parking lot
午前3時、駐車場でトランクを開けて(ネオンを光らせて)盛り上がるんだ
It's on once again and I never pretend
またしても始まっちまった、俺は絶対に偽ったりしない
A nigga staying G 'til the end
このニガは、最後まで「G(ギャングスタ/本物)」であり続けるぜ
[Outro]
Ayy, yeah
エイ、イェー
I swear like everytime we find ourself in this situation, you know
誓って言うよ、俺たちがこういう状況になるたびに、分かるだろ
I just get that feeling like I'm in Houston
俺は自分がヒューストンにいるような気分になるんだ
Candy paint switching colors in the light
キャンディ・ペイント(特殊な車の塗装)が光の中で色を変える
It's about like 11 PM and you just rolling through the city
夜の11時くらいに、ただ街を車で流してる気分さ
Bumping that Screw, Big Moe, UGK, Lil' Keke
DJ Screw、Big Moe、UGK、Lil' Kekeを大音量で流しながらな
※ヒューストン・ヒップホップのレジェンドたちへの特大のシャウトアウト。Drakeがいかにこの文化を深く敬愛し、自分の音楽性に組み込んでいるかが伝わるハイライト。
It feel like, like everything's just moving slow
まるで、すべてがスローモーションで動いてるみたいに感じるんだ
Let's take my time, I pace it baby, yeah, I'm gone
時間をかけよう、俺のペースでいくぜベイビー、イェー、俺は飛んでいく(キマっちまう)よ
