Artist: Sunday Service Choir
Album: Jesus Is Born
Song Title: Father Stretch
概要
本楽曲は、Kanye Westが2016年のアルバム『The Life of Pablo』で発表した「Father Stretch My Hands Pt. 1」を完全なゴスペルへと昇華(Secular to Sacred)させた象徴的な一曲である。原曲はT.L.バレット牧師の1976年の賛美歌をサンプリングしながらも、性的なメタファーや世俗的エゴが混在する極めてカオスな内容であった。しかしSunday Serviceプロジェクトにおいて、Kanyeは肉的な欲望を歌ったリリックを完全に排除し、チャールズ・ウェスレーが18世紀に作詞した原曲の祈りへと回帰させた。「美しい朝(Beautiful mornin')」をもたらす対象は女性から「主の光」へと置き換わり、ペンテコステ派特有の熱狂的なホーンセクションと大合唱による「プレイズ・ブレイク」が、魂の完全な解放とキリストへの絶対的依存を高らかに宣言する。
和訳
[Intro]
Some call Him Jehovah
ある者は主をエホバと呼ぶ
※神の絶対的な自己存在を示す旧約聖書(出エジプト記6章3節など)の御名。
(Yes, that's right)
(アーメン、その通りです)
Some call Him Yahweh
ある者は主をヤハウェと呼ぶ
※「私はある(I AM WHO I AM)」(出エジプト記3章14節)に由来する神の最も神聖な固有の御名。
(Yes, they do)
(アーメン、そうです)
Some call Him Adonai
ある者は主をアドナイと呼ぶ
※ヘブライ語で「私の主」を意味し、神の主権と権威を認める称号。
(Yes, that's right)
(アーメン、その通りです)
But we lift our eyes to heaven and call Him
しかし我々は天に向けて目を上げ、こう御名を呼び求める
※詩篇121篇1節「私は山に向かって目を上げる。私の助けは、どこから来るのだろうか」のリファレンス。様々な神学的な呼び名を超え、極めて個人的で親密な「父(Father)」としての関係性へと移行していく。
[Refrain]
Father, I stretch my hands to Thee
父なる神よ、私はあなたへ両手を差し伸べます
※T.L.バレット牧師の原曲、さらに遡れば18世紀のメソジスト運動の指導者チャールズ・ウェスレーによる伝統的賛美歌に基づく。詩篇143篇6節「私は、あなたに向かって手を差し伸ばします。私のたましいは、かわききった地のように、あなたを慕います」という絶対的な依存の祈り。
No other help I know
私の知る助けは、ほかにありません
※詩篇121篇2節「私の助けは、天地を造られた主から来る」に基づく。Kanyeが名声、富、薬物(Lexapro等)といった世俗の「助け」をすべて手放し、神のみに救いを見出した霊的変遷(Secular to Sacred)の核心である。
My Lord, my Lord
我が主よ、我が主よ
My blessings, if I should tell them, Lord
主よ、もし私が自分の受けた祝福を数え上げようとするならば
As countless as the stars
それは夜空の星のように、数え切れません
※創世記15章5節において、神がアブラハムに「天を見上げ、星を数えなさい」と無数の子孫と祝福を約束した契約の引用。
My Lord, my Lord
我が主よ、我が主よ
[Verse]
'Cause You're the only power (Power)
なぜなら、あなたこそが唯一の力だから(力なのだ)
※Kanyeはかつて「POWER」で「No One Man Should Have All That Power」と歌い自己の力を誇示したが、ここでは真の権能(Power)が神にのみ属することを宣言している。
That can save this world today (Power)
今日のこの世界を救いうる、ただ一つの力(力なのだ)
Jesus, You're the only power (Power)
イエスよ、あなたこそが唯一の力(力なのだ)
That can save this world today (Power)
今日のこの世界を救いうる、ただ一つの力(力なのだ)
You're the only power (Power)
あなたこそが唯一の力(力なのだ)
That can save this world today (Power)
今日のこの世界を救いうる、ただ一つの力(力なのだ)
You're the only power (Power)
あなたこそが唯一の力(力なのだ)
That can save this world today
今日のこの世界を救いうる、ただ一つの力
Ohh (C'mon and lift your voice), ohh (Did anybody come to praise God today?)
おお(さあ、声を上げよ)、おお(今日、神を賛美するために来た者はいるか?)
※礼拝におけるディレクターの煽り(Exhortation)。会衆の霊的熱量を引き上げる。
Ohh (Put your hands up, let's go), Father
おお(両手を高く掲げよ、さあ行くぞ)、父なる神よ
[Chorus]
Beautiful mornin', you're the sun in my mornin', babe
美しき朝、あなたは私の朝を照らす太陽(おお、主よ)
※『The Life of Pablo』収録の原曲では、Kid Cudiが歌う女性との退廃的な朝(世俗的文脈)を意味していた。しかしここでは、マラキ書4章2節の「義の太陽が上る。その翼には癒やしがある」という預言に置き換わり、キリストの光によってもたらされる霊的な目覚めと新生の喜びへと完全に意味が逆転している。「babe」は本来恋人への呼称だが、ここでは親密な対象としての神への呼びかけとして機能している。
Nothin' unwanted
望まれないものは、何一つない
※神の創造の完全性と、無条件の愛(Agape)による受容の表現。
Who can I turn to?
あなたのほかに、誰を頼れというのか?
Beautiful mornin', you're the sun in my mornin'
美しき朝、あなたは私の朝を照らす太陽
You're the help I know
あなたこそが、私の知る唯一の助け
Ah, hey, hey, hey
アー、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Who do I turn to?
あなたのほかに、誰を頼れというのか?
Ah, You're the help I know
ああ、あなたこそが、私の知る唯一の助け
Ah, hey, hey, hey
アー、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Who do I turn to?
あなたのほかに、誰を頼れというのか?
Ah, You're the help I know
ああ、あなたこそが、私の知る唯一の助け
[Bridge]
I wanna wake up with You in my beautiful morning
私の美しき朝、あなたと共に目覚めたい
※「あなた(You)」は神を指す。詩篇17篇15節「目覚めるとき、あなたの御姿に満ち足りるでしょう」に基づく、神との親密な交わりへの渇望。
Who can I turn to?
あなたのほかに、誰を頼れというのか?
Ah, You're the help I know
ああ、あなたこそが、私の知る唯一の助け
[Break]
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
※ブラック・ゴスペルの伝統における「プレイズ・ブレイク(Praise Break)」の爆発。ブラスセクションとクワイアのトランス状態が頂点に達し、ダビデが神の箱の前で力の限り踊ったように(サムエル記下6章14節)、理性を超えた肉体的・霊的な歓喜を音響で表現している。
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
[Bridge]
I wanna wake up with You in my beautiful morning
私の美しき朝、あなたと共に目覚めたい
Who can I turn to?
あなたのほかに、誰を頼れというのか?
Ah, You're the help I know
ああ、あなたこそが、私の知る唯一の助け
[Outro]
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey, okay, hey, okay, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、オーケー、ヘイ、オーケー、ヘイ
Hey, okay, hey, okay, hey, hey, hey, hey
ヘイ、オーケー、ヘイ、オーケー、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
※熱狂の余韻のまま楽曲が幕を閉じる。かつてブリーチしたTシャツのモデルについてラップしていた(Pt.1)のと同じリズムとメロディが、これほどまでに神聖な賛美の嵐へと浄化されたことは、Kanye Westのキャリアにおける最も劇的な音楽的・霊的な贖い(Redemption)の瞬間である。
