Artist: Yeat
Album: ADL
Song Title: Up From Here
概要
Yeatのアルバム『ADL』に収録された「Up From Here」は、ドラッグ依存や無名時代の苦悩という「どん底(Rock bottom)」から這い上がり、世代を代表するアーティストへと登り詰めた自身の軌跡を振り返る感動的なライフソングだ。5000ドルだけを握りしめてニューヨークへ移住した過去や、薬物によって家族と疎遠になっていた生々しいトラウマを赤裸々に告白している。同時に「自分はNo.1のスタイリストだ」と豪語し、単なるラッパーの枠を超えてカルチャーやアパレルなどライフスタイル全体をデザインするKanye West的なヴィジョナリー(創造神)としての矜持も垣間見える。過去の過ちを清算し、新たな人生のフェーズ(結婚やビジネスの拡大)へ向かうYeatの成熟と決意が刻まれた、アルバム屈指の内省的な名曲である。
和訳
[Chorus: Pimmie, Yeat & Pimmie]
I just hit rock bottom, it's only up from here, yeah, yeah
どん底に落ちたからな、あとは上へ行くだけだ、イェー、イェー。
※「Rock bottom」は人生の最底辺。ドラッグやメンタルヘルスのどん底を経験したYeatのリアルな述懐。
I just hit rock bottom, it's only up from here
どん底に落ちたんだ、ここからは這い上がるだけだぜ。
I just hit rock bottom, it's only up from here, yeah, yeah
どん底に落ちたからな、あとは上へ行くだけだ、イェー、イェー。
I just hit rock bottom, it's only up from here
どん底に落ちたんだ、ここからは這い上がるだけだぜ。
[Verse 1: Yeat]
I was at rock bottom, yeah (Yeah, yeah)
俺はどん底にいたんだ、ああ(イェー、イェー)。
So now I went up and watch it go down with 'em (Huh)
だから今は上へ登って、奴らが落ちていくのを眺めてる(ハァ)。
Watch it go up in flames (Frr, frr), turn another page, burnin'
炎に包まれるのを見て(フルル)、次のページをめくり、燃やしてやる。
※過去のしがらみやトラウマを比喩的な「本」に見立ててページを燃やし、完全に決別するアプローチ。
I don't got nothin' to say to you (Shh), so I just switch the bitch, I turn it
お前に言うことなんて何一つねえ(シーッ)、だからビッチを乗り換えて、流れを変えるんだ。
Ooh-ooh-ooh-ooh, baby, I'm a stylist, paint your picture (Girl, I'ma paint your picture, yeah)
ウー、ベイビー、俺はスタイリストだ。お前の絵を描いて(人生をデザインして)やるよ(ガール、お前の絵を描くぜ、イェー)。
※単なる服のスタイリストではなく、人々のライフスタイルや美学そのものを構築する「デザイナー」としての自負。アパレルやビジュアル面への強いこだわりが表れている。
I was on a crash out island for a while, I missed ya (Missed ya)
しばらく「クラッシュアウト・アイランド(自暴自棄の島)」にいたんだ、寂しかったぜ(寂しかったぜ)。
※「Crash out」はブチ切れる、破滅的な行動をとること。ドラッグで正気を失い、周囲から孤立していた時期を孤独な「島」に例えている。
I put all the feelings to the side, inside a picture (Picture, picture)
すべての感情を横に置いて、一枚の写真の中に閉じ込めた(写真の中に)。
And I poured it up inside my cup and drank it, that's the mixture
それをカップに注いで飲み干したんだ、それが俺の特製ミックスさ。
※トラウマや負の感情をリーン(シロップ)のようにカップに注ぎ込んで飲み込むという、Yeat流の感情処理のメタファー。
[Chorus: Yeat & Pimmie, Pimmie, Yeat]
I just hit rock bottom, it's only up from here, yeah, yeah
どん底に落ちたからな、あとは上へ行くだけだ、イェー、イェー。
I just hit rock bottom, it's only up from hеre (Ooh)
どん底に落ちたんだ、ここからは這い上がるだけだぜ(ウー)。
[Bridge: Yeat]
I just had Portofino's on a yacht
ヨットの上でポルトフィーノを楽しんだばかりだ。
※イタリアの高級リゾート地ポルトフィーノ、あるいは同名の高級ワイン/レストランの暗示。どん底からの極端な成り上がり。
I done had margaritas on the dot
時間通りきっちりにマルガリータを飲んでたぜ。
Always got bad bitchеs countin' up
いつだって極上のビッチどもが札束を数えてる。
I'm tyin' 'em up like this shit was a knot
結び目(ノット)みたいに奴らを縛り上げてるんだ。
※「Knot」は分厚い札束のスラング。金と女を完全にコントロールしている状態の誇示。
Was at the bottom, now we at the top
どん底にいたが、今じゃ俺らは頂点だ。
If I ran out of time, I'd buy myself a clock
もし時間が足りなくなったら、時計ごと買ってやるよ。
※「Time is money」を逆手に取り、莫大な財力があれば時間(時計)すら買えるという無敵の資本主義的フレックス。
Every time I got money, I put it all back in the business
金が手に入るたび、それを全部ビジネスに再投資してきた。
※享楽だけでなく、自らのブランドや音楽帝国を拡大するための堅実なハスラー精神。
I watch it go up, never stop
価値が上がり続けるのを眺めてる、絶対に止まらねえよ。
[Verse 2: Yeat]
I'm at the point of my life, yeah, I'm thinkin' I need me a wife
人生の転換期に来てる、ああ、俺には妻が必要だと思い始めてるんだ。
※ストリートの遊び人から、家庭や安定を求めるフェーズへの精神的な成長。
I'm the number-one stylist, baby, yeah, your whole life a design
俺はナンバーワンのスタイリストだ、ベイビー。お前の人生そのものが俺のデザインなんだよ。
※音楽プロデュースにとどまらず、ブランド構築やカルチャー全体をデザインするヴィジョナリーとしての自己認識。
I had to cut off a whole lot of people to go out and tell me what's mine
俺のモノが何なのかをはっきりさせるために、大量の連中を切り捨てなきゃならなかった。
I'm the only one out of my generation changin' music this time
今の世代で音楽を変えてるのは、俺ただ一人だけだ。
※レイジサウンドの先駆者からさらにサウンドを進化させ、フォロワーたちを置き去りにしたという圧倒的な自負。
So I got a lot on the line
だから俺は、多くのものを懸けてる(背負ってる)んだ。
It was a whole lot of times, I thought I was wastin' my time
自分の時間を無駄にしてるんじゃないかって思ったことは、何度もあったよ。
I went and moved out to state of New York with 5K and a dream on my mind
5000ドルと夢だけを胸に、ニューヨーク州へ引っ越したんだ。
※Yeatのリアルな自伝的ライン。LAやポートランドからNYへ移住し、音楽キャリアを模索していた無名時代(2018〜2019年頃)の苦労を回顧している。
I was geeked out my body for years, it was hard to reach family at times, uh
何年もの間、ドラッグで身体がイカれてた。家族と連絡を取るのすら難しい時もあったんだ、アー。
※過酷な薬物依存(Geeked out)により、家族との関係すら断絶しかけていたという重いトラウマの告白。
All the drugs, they still fuck with my body, they definitely still fuck with my mind
あらゆるドラッグが、今でも俺の体を蝕んでる。間違いなく俺の精神を狂わせてるんだ。
※成功を収めた現在も、過去の後遺症や依存から完全に抜け出せていないというリアルな苦悩。
But now I'm gon' put it aside and go 'head and skip the whole line, uh
でも今はそれを脇に置いて、前へ進む。行列なんて全部すっ飛ばしてやるよ、アー。
Bitch, I'm the purpose general, I provide you with purpose in life
ビッチ、俺は「目的の将軍(パーパス・ジェネラル)」だ。俺がお前の人生に生きる意味を与えてやるよ。
※同アルバム収録曲「Purpose General」へのコールバック。リスナーやシーンを導く教祖的な立ち位置。
I was down at the way rock bottom, now I'm goin' up to the light (Ooh)
ずっと一番下のどん底にいたが、今は光に向かって昇ってるんだ(ウー)。
※ドラッグの暗闇から抜け出し、名声や希望の「光」へと向かう魂の救済。
[Chorus: Yeat, Pimmie, Yeat & Pimmie]
I really hit rock bottom, it's only up from here (Yeah, ooh)
マジでどん底に落ちたからな、あとは上へ行くだけだ(イェー、ウー)。
I just hit rock bottom, it's only up from here
どん底に落ちたんだ、ここからは這い上がるだけだぜ。
Ooh
ウー。
I just hit rock bottom, it's only up from here, yeah, yeah
どん底に落ちたからな、あとは上へ行くだけだ、イェー、イェー。
I just hit rock bottom (Ooh)
マジでどん底に落ちたんだ(ウー)。
I just hit rock— ooh, ooh, woah
どん底に落ち— ウー、ウー、ウォウ。
[Outro: Yeat]
Yeah
イェー。
