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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Went Wrong - Yeat & 070 Shake 【和訳・解説】

Artist: Yeat & 070 Shake

Album: ADL

Song Title: Went Wrong

概要

Yeatのアルバム『ADL』に収録された本作は、G.O.O.D. Music出身の異才070 Shakeを迎えたエモーショナルかつサイケデリックな失恋ソングである。イントロには人気ドキュメンタリーチャンネル「Channel 5」のジャーナリスト、Andrew Callaghanの音声がサンプリングされ、現実と幻覚の境界を曖昧にしている。どこで関係が「間違った(Went Wrong)」のかを自問自答する本作では、Yeatが名声や複数の女性との刹那的な関係を通じて虚無感を描く一方、070 Shakeは共感覚的な表現(音を見て、ノイズを感じる)を用いて深い喪失感を歌い上げる。レイジサウンドの熱狂から一転、成功の裏に潜む冷たい孤独と人間関係の崩壊を、二人の対照的なボーカルが浮き彫りにする傑作だ。

和訳

[Intro: Yeat & Andrew Callaghan]

Yeah, I'm in love
ああ、俺は恋に落ちてる
※人気YouTubeチャンネル「Channel 5」のジャーナリスト、Andrew Callaghanとの対話からのサンプリング。

With what?
何に?

With everything
すべてのものにな。
※特定の女性ではなく、世界、名声、ドラッグ、あるいは現在の破滅的なライフスタイルそのものへの愛着(または執着)を示唆している。

[Pre-Chorus: Yeat]

Oh (Where), where did we go wrong?
オー(どこで)、俺たちはどこで間違えちまったんだ?

Where did we? (Where, where, where, where?)
どこで間違えた?(どこで、どこで…)

(What doin’? Yeah)
(何してんだ?イェー)

Girl, I knew it all along, oh, ooh (Yeah, ooh)
なあ、最初から全部気付いてたんだよ、オー(イェー、ウー)
※この破局が避けられない運命であることを、無意識のうちに悟っていたという後悔と諦めの念。

[Chorus: Yeat & 070 Shake]

Oh, we was waitin' (Oh, oh)
オー、俺らはただ待ってたんだ(オー、オー)

To see where we went wrong
自分たちがどこで道を踏み外すのかを見るためにな

Watch us fail
俺らが失敗して壊れていくのを眺めながら

Like we didn't exist (Heartbeat all gone, my heartbeat burnin’ down)
まるで俺らが最初から存在しなかったみたいに(心拍が消え失せた、俺の心臓は燃え尽きていく)
※070 Shakeのエーテル的なコーラスが重なる。関係の崩壊による感情の完全な死(Heartbeat all gone)を表現している。

Like we didn't exist (My heartbeat burnin' down, my heartbeat burnin' down)
まるで存在しなかったかのようにな(俺の鼓動が焼け落ちていく)

Like we didn't ex— ah (My—)
まるで存在しなか— アー(俺の—)

[Verse: Yeat]

Miss me with all the bullshit, with all the bullshit
クソみたいな戯言は勘弁してくれ、全部すっ飛ばしてくれよ
※「Miss me with that bullshit」は面倒事や嘘には一切関わりたくないというストリートの常套句。

Yeah, you could miss me
ああ、俺のことは放っておいてくれ

I've been outside the city, with bad bitches toppin' me
街の外を飛び回って、極上のビッチどもにフェラさせてるんだ
※「Topping」はフェラチオの隠語。失恋の傷や精神的な空虚感を、ツアーライフと刹那的な性的快楽で埋めようとするラップスターの現実。

You think inside of frame, I live outside the picture
お前は枠(フレーム)の中でしかモノを考えられないが、俺は写真(ピクチャー)の枠外で生きてるんだ
※一般常識や既存の枠組みに囚われた相手と、CEOとして規格外の人生を歩むYeatとの決定的な価値観のズレを指摘する秀逸なメタファー。

I gotta decide what I needed when I'm with her
あいつと一緒にいる時、自分に何が必要なのか見極めなきゃならねえ

I got a new girl every time on the road, I’ve been here
ツアー(オン・ザ・ロード)に出るたびに新しい女を作ってきた、俺はずっとここにいるぜ
※絶え間ないツアー生活での不貞行為が、関係崩壊の直接的な原因であったことを認めている。

And I need to do it for myself, oh, why I’ve been here
自分のためにやらなきゃならねえんだ、オー、何のために俺がここにいるのかをな

All this money cuffin' me, baby, until you get here with me
お前がここに来るまで、この大金が俺を束縛(カフ)してるんだよ、ベイビー
※「Cuffing」は恋人として縛り付けること。愛する相手の代わりに「金(資本主義)」が彼を拘束しているという、成功者の深い孤独の表現。

Look, do you feel it?
なあ、お前も感じるか?

Rainin’ down on our bodies, do you feel it?
俺たちの体に降り注いでるんだ、感じてるか?
※物理的な雨、あるいは降り注ぐ金(Make it rain)、そして名声のプレッシャーが二人の関係を冷やしていく様を示唆している。

It was bad when we started, did you feel it?
出会った時から最悪(バッド)だったよな、気づいてたか?

I was outside, boots was hotter than a skillet
俺は外のストリートにいた、ブーツはスキレット(鉄鍋)より熱かったぜ
※「Outside」はストリートでのサバイバル。危険で過酷な状況下(Hot)でハッスルしていた無名時代の回想。

I'll slice a bad bitch, I was sorry for you
イケてるビッチでも切り捨ててやる、お前のことは気の毒だったけどな
※「Slice」は関係を終わらせる冷酷さ。

I turned this bad bitch to a fuckin' fillet
この極上ビッチをただのフィレ肉(切り身)に変えてやったよ
※前行の「Slice」からのワードプレイ。女性を「肉」として扱うことで、完全に感情を排除しモノ化しているサイコパス的なライン。

[Chorus: Yeat & 070 Shake]

Oh, we was waitin' (Oh, oh)
オー、俺らはただ待ってたんだ(オー、オー)

To see where we went wrong
自分たちがどこで道を踏み外すのかを見るためにな

Watch us fail
俺らが失敗して壊れていくのを眺めながら

Like we didn't exist (Heartbeat all gone, my heartbeat burnin' down)
まるで俺らが最初から存在しなかったみたいに(心拍が消え失せた、俺の心臓は燃え尽きていく)

Like we didn't exist (My heartbeat burnin' down, my heartbeat burnin' down)
まるで存在しなかったかのようにな(俺の鼓動が焼け落ちていく)

Like we didn't ex— (My—)
まるで存在しなか— アー(俺の—)

[Bridge: 070 Shake]

How can I see sound and feel these noises?
どうやったら音が見えて、このノイズを感じられるの?
※ここから070 Shakeのバース。共感覚(Synesthesia)的な表現を用い、ドラッグや極度の精神的ショックで知覚が混乱している状態を見事に描写している。

Next time you see me, I have more choices
次に私に会う時、私にはもっと多くの選択肢があるわ
※別れを経て依存状態から抜け出し、より自立した強い存在として生まれ変わるという決意表明。

Who came to my house and just destroyed it?
私の家にやってきて、メチャクチャに破壊したのは誰?
※物理的な家の破壊だけでなく、心の平穏や築き上げた関係性(前曲のDangerous Houseにも通じる)を壊されたことへの強い非難。

Came inside and ripped up all your posters
中に入り込んで、あなたのポスターを全部引き裂いてやったわ
※未練を断ち切るための象徴的な行動。Yeatへの偶像崇拝的な愛情の完全な終わりを意味する。

And this summer was one of the coldest
今年の夏は今までで一番凍えるほど冷たかった
※070 Shakeがよく用いるエモーショナルな対比表現。季節は最も熱い夏であるにもかかわらず、心が完全に冷え切っている(Coldest)状態。

Never get to see you in the mornin'
朝になっても、あなたの姿を見ることはもう二度とない

You don't see it comin', so you're goin'
あなたは気付いていなかった、だから去っていくのね

Goin', go, goin', goin'
去っていく、行ってしまうのね

[Chorus: Yeat & 070 Shake]

Oh, we was waitin' (Oh, oh)
オー、俺らはただ待ってたんだ(オー、オー)

To see where we went wrong
自分たちがどこで道を踏み外すのかを見るためにな

Watch us fail
俺らが失敗して壊れていくのを眺めながら

Like we didn't exist (Heartbeat all gone, my heartbeat burnin' down)
まるで俺らが最初から存在しなかったみたいに(心拍が消え失せた、俺の心臓は燃え尽きていく)

Like we didn't exist (My heartbeat burnin' down, my heartbeat burnin' down)
まるで存在しなかったかのようにな(俺の鼓動が焼け落ちていく)

Like we didn't ex— (My—)
まるで存在しなか— アー(俺の—)

[Outro: Yeat]

I think I need a witness (Oh)
俺には証人が必要なんだと思う(オー)

To see where we would miss
俺たちがどこですれ違ったのかを見届けるためのな

I need it, for God to show me where it is not needed
それが必要なんだ、何が不要だったのか神様に教えてもらうためにな

You to come back like this and I need it
お前がこうして戻ってくることを、俺は求めてる

For you to respect—
お前がリスペクトして—

I'm holdin' on so soft
優しくしがみついてるんだ

Get it out, get it out
追い出せ、追い出してくれ
※最後に心の中に残る未練やトラウマ、あるいはこの有毒な感情そのものを「脳内から排除しろ」と自分自身に言い聞かせるパラノイア的な結末。