Artist: Yeat & BNYX®
Album: ADL
Song Title: What I Want
概要
Yeatのキャリアを決定づけた最強の盟友・BNYX(Working on Dying所属)とのコラボレーショントラックである本作は、彼らが共に築き上げた「帝国」の絶対的な支配を宣言する勝利の賛歌だ。Yeatのシグネチャーサウンドである「鐘の音(Bells)」の復活を誇示すると共に、ヴァースでは自身のアルバムの初週売上(13k→32k→70k)というリアルな数字の推移をラップし、自身の成長速度が業界の常識を逸脱した「エイリアン」レベルであることを証明している。金、ドラッグ、プライベートジェットといった物質的なフレックスの裏側で、「自分を超えるのは自分自身(あるいは別名義のアルターエゴ)だけだ」と語る孤高の精神性や、夜とパラノイアに侵されたダークな一面も覗かせる。アンダーグラウンドの異端児からメインストリームの頂点へと駆け上がったYeatが、「自分のやりたい時に、やりたい事をやる」という究極の自由を手に入れたことを提示する、極めて重要かつ自信に満ちたマニフェストである。
和訳
[Intro]
(I-I—)
(アイ・アイ—)
※BNYXの所属するプロデューサー・コレクティヴ「Working on Dying」のシグネチャータグのイントロダクション。
[Chorus]
Yeah, yeah
イェー、イェー
Diamond cross, do the— uh
ダイヤの十字架、あれをやるぜ、アー
Do the diamond haul? Do it jump in raw? (Alright, I-I—)
ダイヤを大量に掻き集めるか? 生身で飛び込むか?(オーライ、アイ・アイ—)
Do it belly flop? (I-I'm working on dying)
腹打ちダイブでもキメるか?(俺は死に向かって働いている)
※プールへの不格好な飛び込み「Belly flop(腹打ち)」と、次の行の「Album flopped(アルバムの失敗)」に向けた巧妙なセットアップ。「I'm working on dying」はフィラデルフィア発のプロデューサー集団「Working on Dying(WOD)」の象徴的なプロデューサータグ。BNYXもこのコレクティヴの主要メンバーである。
Heard your album flopped, uh, yeah, uh (BNYX)
お前のアルバム、大爆死(フロップ)したらしいな、アー、イェー、アー(ベニー・エックス)
※同業者の売上不振をあざ笑う痛烈なディス。「BNYX」は本作のプロデューサーでありYeatの右腕であるBNYX®のタグ。
I got diamonds in my bones, diamonds in my socks
俺の骨の髄までダイヤだらけ、靴下の中までダイヤが詰まってるぜ
※一般的な「首回りや手首のジュエリー」というフレックスを通り越し、肉体の内部や見えない足元まで富に侵食されているという極端な物質主義の表現。
I can shoot it blindfolded, still come up on top, uh
目隠ししたまま撃っても、結局は俺がトップに立つんだ、アー
※ラップゲームにおける圧倒的なスキルとセンスへの自信。適当に曲を出しても必ずチャートの頂点に立つという事実。
You just do the shit you supposed to, you is not the mob
お前はただ言われた通りに動いてるだけ、マフィア気取りじゃねえよ
※レーベルの操り人形になっているフェイクなラッパーたちへの皮肉。「The mob(モブ)」は本物の組織やファミリーを指し、Yeat自身の独立した強固なチームとの対比である。
I just do the fuck I want when the fuck I want
俺は自分がやりたい時に、やりたい事をやりてえようにやるだけだ
※インディペンデントな精神から絶大な影響力を手にしたYeatの、究極の自由(CEOステータス)の宣言。
I just do the fuck I want when the fuck I want, uh
やりたい時に、やりたい事をやるんだよ、アー
I just do the fuck I want when the fuck I want it
俺が望んだその瞬間に、俺の好き勝手にやる
I just do the fuck I want when the fuck I want, uh (Ah, ha, ah)
やりたい時に、やりたい事をやるんだ、アー(アー、ハァ、アー)
I just do the fuck I— (When the fuck I want)
俺はただやりたいように—(やりたい時に)
I got millions in here, tell me what you want, uh-uh
ここには何百万ドルもある、何が欲しいか言ってみな、アー・アー
I could break it all down, I could change the font (What?)
全部ぶっ壊して、フォントを変えてやることもできるぜ(何だって?)
※「Change the font(フォントを変える)」は、既存のシーンのルール、トレンド、あるいは人々の認識のフォーマットそのものを根底から書き換えてしまうほどの影響力を持っているという秀逸なメタファー。
I can change your whole life, make it good or bad (Bad)
お前の人生そのものを変えてやれる、天国にも地獄にもな(地獄だ)
※神のような視点からの権力誇示。Yeatが誰かをフックアップすればスターになり、見放せば終わるという業界の現実。
I just drop that fuckin' shit and drop it with the bells, uh-ha-ha-ha
俺はこのヤバい曲をリリースする、あの「鐘の音」と一緒にな、アー・ハッハッハ
※Yeatのブレイクの決定打となった『Up 2 Më』などで多用され、彼を象徴する音色となった「教会の鐘(Church Bells)」のサウンドへの言及。リスナーが最も求めている彼自身のシグネチャーを理解し、あえてドロップするという絶対的王者の余裕。
[Verse]
Evеry time I drop an album, I'm gon' double sales, uh
アルバムを出すたびに、俺は売上を倍にしていくぜ、アー
※単なるバイラルヒットで終わらず、リリースを重ねるごとに着実にファンダムとセールスを拡大してきた彼自身のキャリアの事実。
Wеnt from thirteen to thirty-two to seventy, uh
13から、32、そして70へと跳ね上がった、アー
※Yeatの過去のプロジェクトの初週売上(単位:千枚)のリアルな数字の推移。『Lyfë』EPが約3万(30k+)、『AftërLyfe』が約5万強、そして大作『2093』が約7万(70k)を記録した実際のセールス動向をラップに組み込んでいる。批評家やアンチに数字で黙らせる強烈なライン。
This gon' hit one hundred forty 'cause it's heavenly, yeah
次は140に到達するぜ、だってこいつは天国みたいな出来だからな、イェー
And the next one'll go two-eighty 'cause it's meant for me, mm
その次は280まで行くさ、それは俺の運命だからな、ンー
※倍々ゲームで成長を続けるYeatの未来への予言。彼にとって数百万単位のストリーミングや数十万のセールスはもはや必然(meant for me)となっている。
I take back, this shit not heavenly, it's alien
前言撤回だ、これは天国レベルじゃねえ、「エイリアン」レベルだ
※自身の音楽性が神聖(Heavenly)という枠組みすら超え、地球上の常識では測れない宇宙的・異次元的な領域(Alien)に達しているという『2093』以降のSF的ペルソナへの接続。
Only person to top my shit, that's me and that's the other me
俺の作品を超えられるのは、俺自身か、あるいは「もう一人の俺」だけだ
※Yeatは自身の声のトーンやフロウによって「Luh geeky」や「Kranky Kranky」といった複数のアルターエゴ(別人格)を使い分ける。彼にとっての唯一のライバルは、自分の中にいる別の天才的な人格だけだという孤高の宣言。
Then I hit the mirrors, no sleep and then the Perky, please
それから鏡と向き合う、眠れねえ、パーコセットをくれよ
※成功の裏にある暗部。「hit the mirrors」は鏡の上でコカインのラインを吸うこと、または自己反省のダブルミーニング。不眠症とオピオイド鎮痛剤(パーコセット)への依存という、狂気的なライフスタイルが生々しく吐露されている。
Every time I take a step back, I know it's hurtin' me
一歩引くたびに、それが自分を傷つけてるって分かってる
※立ち止まること、休むことへの恐怖。常に前進し続けなければならないスターダムの重圧。
'Cause I could drop an album, sell it all and call it burglary
だって俺がアルバムを出せば、全部売り捌いて、それを「強盗」って呼べるレベルだからな
※シーンにある金(リスナーの関心と金)を、リリースするだけで根こそぎ奪い取っていく様を強盗(burglary)に例えている。
Every time my demons call my phone, you know it's lurin' me
俺の悪魔が電話をかけてくるたび、俺を誘惑してるんだって分かるぜ
※ドラッグ、悪徳、あるいは名声の闇からのコール。Yeatの作品に頻出する悪魔的なモチーフ。
I'll call you trash, call you ass, you with them burgers, bitch
お前のことをゴミ、カスって呼んでやるよ、お前はあのアホ共(バーガー)とつるんでるだろ、ビッチ
※「Burger」はAAVEにおいて「間抜け」「安っぽい奴(マクドナルドのバーガーのような)」を指すディス。フェイクな連中とつるむ同業者を見下している。
You ain't even gotta tell, I can tell you snitch
お前が何も言わなくても、お前がチクリ魔(スニッチ)だってことは見て分かるぜ
※ストリートの最大のタブーである「密告」。相手の振る舞いだけでその裏切り者の本質を見抜く眼力。
How you flexin' on the 'Gram, but you a private bitch?
インスタじゃイキリ散らしてるくせに、本当は裏でコソコソしてるプライベートなビッチじゃねえか?
※Instagram上で富やストリートのタフさをアピール(Flex)しながら、実際には安全な場所に隠れているネットバンガーへの痛烈な皮肉。
I fly private jets, you on fuckin' ships
俺はプライベートジェットで飛ぶ、お前はクソみたいな船に乗ってろ
※移動手段の露骨な格差。Yeatが最新鋭のプライベートジェットで空を制する一方、敵は時代遅れで遅い船(=キャリアの停滞)にいるという対比。
Yeah, put it in a bowl and then I fucking mix
イェー、ボウルに入れて、俺が完璧にミックスしてやるぜ
※大麻などのドラッグの調合、あるいはスタジオでボーカルとビートを完璧にミキシング(Mix)するというクリエイティブなプロセスのダブルミーニング。
Drop a hundred mixtapes 'cause I don't fuckin' miss (I-I—)
ミックステープを100枚出してやるよ、俺は絶対に外さねえからな(アイ・アイ—)
※どれだけ多作であってもクオリティが落ちないことへの絶対的な自信。次々にヒットを量産し続けるYeatのワーカホリックな姿勢を強調している。
[Chorus]
Yeah, yeah
イェー、イェー
Diamond cross, do the— uh
ダイヤの十字架、あれをやるぜ、アー
Do the diamond haul? Do it jump in raw? (Alright, I-I—)
ダイヤを大量に掻き集めるか? 生身で飛び込むか?(オーライ、アイ・アイ—)
Do it belly flop? (I-I'm working on dying)
腹打ちダイブでもキメるか?(俺は死に向かって働いている)
Heard your album flopped, uh, yeah, uh (BNYX)
お前のアルバム、大爆死(フロップ)したらしいな、アー、イェー、アー(ベニー・エックス)
I got diamonds in my bones, diamonds in my socks
俺の骨の髄までダイヤだらけ、靴下の中までダイヤが詰まってるぜ
I can shoot it blindfolded, still come up on top, uh
目隠ししたまま撃っても、結局は俺がトップに立つんだ、アー
You just do the shit you supposed to, you is not the mob
お前はただ言われた通りに動いてるだけ、マフィア気取りじゃねえよ
I just do the fuck I want when the fuck I want
俺は自分がやりたい時に、やりたい事をやりてえようにやるだけだ
I just do the fuck I want when the fuck I want, uh
やりたい時に、やりたい事をやるんだよ、アー
I just do the fuck I want when the fuck I want it
俺が望んだその瞬間に、俺の好き勝手にやる
I just do the fuck I want when the fuck I want, uh (Ah, ha, ah)
やりたい時に、やりたい事をやるんだ、アー(アー、ハァ、アー)
I just do the fuck I— (When the fuck I want)
俺はただやりたいように—(やりたい時に)
I got millions in here, tell me what you want, uh-uh
ここには何百万ドルもある、何が欲しいか言ってみな、アー・アー
I could break it all down, I could change the font (What?)
全部ぶっ壊して、フォントを変えてやることもできるぜ(何だって?)
I can change your whole life, make it good or bad (Bad)
お前の人生そのものを変えてやれる、天国にも地獄にもな(地獄だ)
I just drop that fuckin' shit and drop it with the bells, uh-ha-ha-ha
俺はこのヤバい曲をリリースする、あの「鐘の音」と一緒にな、アー・ハッハッハ
