Artist: ¥$, Kanye West & Ty Dolla $ign
Album: VULTURES 1
Song Title: STARS
概要
本作「STARS」は、カニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインによるスーパーグループ「¥$」のデビューアルバム『VULTURES 1』のオープニングを飾る重要曲である。2022年の反ユダヤ主義的発言に伴うアディダス(Adidas)やギャップ(Gap)等との契約解除という、事実上の「キャンセル」状態からの復活を宣言する狼煙として機能している。Dijonの「Good Luck」をサンプリングした神聖な響きの中で、カニエは自らの失言騒動を逆手に取った挑発的なラインや、既存の契約(システム)を破り捨てるインディペンデントな姿勢を誇示する。さらにイタリアの名門サッカークラブ、インテル・ミラノのウルトラス(熱狂的サポーター)による大合唱をアウトロに配し、すべてを失った状態から再び「星々の高み」へと昇り詰めるカニエの不屈のエゴイズムとカリスマ性を強烈に印象付けるスタジアム・アンセムである。
和訳
[Intro: Dijon]
I hope he's bright and big, and strong
あの子が賢く、大きく、強く育ってくれますように。
※メリーランド州出身のオルタナティヴR&Bシンガー、Dijonの楽曲「Good Luck」からのサンプリング。原曲は生まれてくる子供の未来を願う内容だが、ここでは「キャンセル」から這い上がる新生カニエの復活を祈るようなスピリチュアルな響きを持っている。
I hope he's bright and big, and strong
あの子が賢く、大きく、強く育ってくれますように。
[Verse 1: Kanye West]
You already know what I'm on
俺が今どんなモードに入ってるか、もう分かってるだろ。
Tell 'em don't wait up for me
奴らに「俺の帰りを待つな」って伝えてくれ。
※業界のルールやかつての仲間たちに縛られず、独自の道を進むという決意。
Pullin' up, drop top Porsche
オープンカーのポルシェで乗り付けるぜ。
This that glory
これこそが栄光(グローリー)さ。
※初期の名曲「Good Life」や「Glory」を彷彿とさせる、富と成功への純粋な渇望。
I'ma come through and just black out
俺がそこへ行って、全てをブラックアウト(意識を飛ばす/破壊する)させてやる。
※"black out"は酒やドラッグで記憶を飛ばすこと、あるいは圧倒的なパフォーマンスで周囲を黙らせること。また、メディアからの姿を消す(ブラックアウト)という意味合いも含む。
Just black out
全てをブラックアウトさせてやるんだ。
Keep a few Jews on the staff now
今でもスタッフには何人かのユダヤ人を残してるぜ。
※この曲最大の物議を醸したライン。2022年の反ユダヤ主義的な発言による大炎上とキャンセル騒動を自虐的かつ挑発的にネタにしている。非難を浴びながらも、自分の周囲には未だにユダヤ系のスタッフ(弁護士や会計士など)がいるという、カニエ流の倒錯したフレックス。
I cash out
俺は現金(キャッシュ)を引き出す。
※銀行口座の凍結やビリオネアからの転落が報じられた後でも、自分には莫大な資金を引き出す能力があるという誇示。
We finna go where the stars at
俺たちは星々が輝く場所へ行くんだ。
※アルバムタイトル『VULTURES(ハゲタカ)』のように地べたや死肉を漁るのではなく、再びトップ(星)へと昇り詰めるという野心の表明。
And beyond that
いや、さらにその先へな。
This that rip up the contract
これは契約書(コントラクト)を破り捨てるってことだ。
※アディダス、ギャップ、バレンシアガなど、自らを縛り付けていた巨大企業とのビジネス契約を一方的に破棄された(あるいは自ら破棄した)事実への言及。
Fuck all that
あんなモン、クソくらえだぜ。
※企業や業界のシステムに対する中指。完全なインディペンデント体制(¥$レーベル)での音楽・アパレル展開への移行を宣言している。
[Verse 2: Ty Dolla $ign & Dijon]
(I hope he's bright and big, and strong)
(あの子が賢く、大きく、強く育ってくれますように)
I ain't gotta ask nobody
誰にも許可を求める必要なんてねえよ。
※タイ・ダラー・サインのバース。彼もまた、メジャーレーベルの制約から外れたインディペンデントアーティストとしての自由を謳歌している。
Plug talk, plug talk, shawty
裏取引(プラグ・トーク)の話さ、ベイビー。
※"Plug"はドラッグの供給源や、業界の強力なコネクションを持つ人物。ここでは自分たち自身がシーンの「プラグ」であるという自負。
And she wanna back it up for me
あの子は俺のためにケツを振って(バック・イット・アップ)くれる。
I'ma blow your back out, shawty (Oh-oh)
お前の背中がぶっ壊れるくらい激しくヤッてやるよ、ベイビー(Oh-oh)。
※"blow someone's back out"は非常に激しい性行為を意味するヒップホップの定番スラング。
Got a hundred racks in the morning (Oh-oh)
朝には10万ドル(100ラックス)が手に入ってるぜ(Oh-oh)。
Woo-ooh, woo-ooh, woo-ooh
Woo-ooh, woo-ooh, woo-ooh
(I hope he's bright and big, and strong)
(あの子が賢く、大きく、強く育ってくれますように)
I ain't gotta ask nobody
誰にも許可を求める必要なんてねえよ。
Plug talk, plug talk, shawty
裏取引の話さ、ベイビー。
And she wanna back it up for me
あの子は俺のためにケツを振ってくれる。
I'ma blow your back out, shawty (Oh-oh)
お前の背中がぶっ壊れるくらい激しくヤッてやるよ、ベイビー(Oh-oh)。
Got a hundred racks in the morning (Oh-oh)
朝には10万ドルが手に入ってるぜ(Oh-oh)。
Woo-ooh, woo-ooh, woo-ooh
Woo-ooh, woo-ooh, woo-ooh
[Refrain: Dijon]
I hope he's bright and big, and strong, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh
あの子が賢く、大きく、強く育ってくれますように、ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh
I hope he's bright and big, and strong, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh
あの子が賢く、大きく、強く育ってくれますように、ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh
[Outro: The Inter Milan Ultras]
And we'll be way up in the stars
そして俺たちは、あの星々の高みへと昇っていくんだ。
※イタリアのサッカークラブ「インテル・ミラノ」の熱狂的サポーター集団(Ultras)である「Curva Nord Milano」のスタジアム・チャント(合唱)をサンプリング。フーリガン的な熱狂と一体感を借りて、自分たちが再び世界を熱狂の渦に巻き込むスーパースターであることを証明する、壮大で圧倒的なアウトロ。
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