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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

MAINTENANCE - Kanye West 【和訳・解説】

Artist: Kanye West

Album: DONDA 2

Song Title: MAINTENANCE

概要

本作「MAINTENANCE」は、『DONDA 2』に収録されたセッション音源の一つである。浮遊感のあるビート上で、カニエは高額な「維持費(メンテナンス)」がかかる贅沢なライフスタイルや人間関係への疲弊を歌いつつ、同時に「自分自身には値札(プライスタグ)など付けられない」という強烈な自負を提示する。泥沼の離婚騒動やフェイクな業界人からの薄っぺらいアドバイスを「iPadごと捨てちまえ」と切り捨てる痛快なラインや、骨折(挫折)から回復していく過程をサイン入りのギプスで表現する詩的な描写が光る。物質的な執着からの脱却と、時間による精神的治癒をテーマにしたメランコリックなトラップ・バラードだ。

和訳

[Chorus]

I know your maintenance so high, high
お前の維持費(メンテナンス)が超高い(ハイ)のは分かってる。
※"maintenance"は車の維持費や生活費、あるいは人間関係を維持するための精神的・金銭的コストを指す。元妻キム・カーダシアンやハイエンドなライフスタイルへの皮肉。

High, high, sky high
高い、空高く(スカイ・ハイ)な。

And that rent is sky high
家賃だって空高くまで跳ね上がってる。

Penthouse suite, sky high, sky high
ペントハウスのスイートルーム、どこまでも高く、空高くな。
※物理的な高層階のペントハウスと、金銭的な高さ(sky high)を掛けている。

Tell 'em
奴らに言ってやれ。

[Verse]

I don't got a price
俺に値段なんて付いてねえ。

I don't got a price tag
俺には値札(プライスタグ)なんて貼られてないんだ。
※どれだけ維持費が高かろうと、自分という人間の価値や魂は金で買えるものではないという自尊心の表れ。

I just tried out a nice bag
ちょっとイケてるバッグを試してみただけさ。
※物質主義(高級バッグ)への執着を「ただ試しただけ」と軽くあしらっている。

God just threw me a life raft
神がちょうど、俺に救命ボート(ライフラフト)を投げ入れてくれたんだ。
※溺れかけていた精神状態から、神の救済によって立ち直ったという信仰の描写。

I've been living my life fast
これまでずっと、猛スピードで(ファストに)人生を生きてきた。

Step in the moment, you right at
今この瞬間に足を踏み入れろ、お前は正しい場所にいる。

You not alone, you right back
お前は一人じゃない、ちゃんと戻ってきたんだ。

Had to teach you how to fight back
お前に反撃(ファイト・バック)の仕方を教えなきゃならなかった。
※自分自身、あるいは身近な人間(子供やリスナー)に対して、困難な状況下での心の守り方を説いている。

Everybody not gon' like that
誰もがそれを気に入るわけじゃないだろうがな。

Overstaying where your life at
自分の人生が留まるべき場所に、長居しすぎちまった。
※過去の結婚生活や有害な環境に固執しすぎたことへの後悔。

Get some real friends in your life back
お前の人生に、本物のダチを取り戻すんだ。

People was givin' advice bad
連中はろくでもないアドバイスばかりしてきやがった。

Tell 'em to take that advice back
奴らに「そのアドバイスを持ち帰れ」って言ってやれ。

Throw it away with they iPad
奴らのiPadごとゴミ箱に捨てちまえよ。
※Redditでも話題になったユーモラスなライン。ネットやSNS(iPad)経由で無責任な助言をしてくるインフルエンサーや業界人たちを、デバイスごと拒絶するカニエらしい表現。

Broke a few bones on assignment
任務(アサインメント)の途中で、骨を何本か折っちまった。
※神から与えられた使命(音楽やカルチャーの変革)を果たす過程で負った、精神的・社会的なダメージ(骨折)のメタファー。

But you came home with a signed cast
でも、お前はサイン入りのギプス(キャスト)をつけて家に帰ってきただろ。
※骨折したギプスに仲間から寄せ書き(サイン)をもらうアメリカの文化。傷を負っても、仲間からの愛や支持を得て帰還したというポジティブで美しい比喩。

Everything heals when the time pass
時が経てば、全ては癒えるんだ。
※『DONDA 2』の混沌とした制作背景において、珍しくカニエが静かな達観と治癒(ヒーリング)を見せている重要なパンチライン。

[Bridge]

A moment in time
時の中の、ほんの一瞬さ。

This is just a moment in time
これはただの、時の中のほんの一瞬の出来事なんだ。

[Chorus]

I know your maintenance so high, high
お前の維持費が超高いのは分かってる。

High, high, sky high
高い、空高くにな。

And that rent is sky high
家賃だって空高くまで跳ね上がってる。

Penthouse suite, sky high, sky high
ペントハウスのスイートルーム、どこまでも高く。

I know your maintenance so high, high
お前の維持費が超高いのは分かってる。

High, high, sky high
高い、空高くにな。

And that rent is sky high
家賃だって空高くまで跳ね上がってる。

Penthouse suite, sky high, sky high
ペントハウスのスイートルーム、どこまでも高く。