Artist: Kanye West (feat. Jack Harlow)
Album: DONDA 2
Song Title: LOUIE BAGS
概要
本作は、カニエ・ウェストの未完成プロジェクト『DONDA 2』に収録された、2021年に急逝した親友であり、ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターを務めたヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)への哀悼と、巨大企業LVMHへの強烈な反発を込めた追悼歌である。カマラ・ハリス副大統領の歴史的発言「We did it, Joe」を皮肉交じりにサンプリングし、不穏でミニマルなビート上で「ヴァージルが死んだ後、ルイ・ヴィトンのバッグを買うのをやめた」と執拗に繰り返す。客演には白人ラッパーのジャック・ハーロウを迎え、彼特有のユーモアと名声への不安が交錯するバースが彩りを添える。ファッション界に革命を起こした親友を失った喪失感と、彼がいなくなったブランドの商業主義への嫌悪感が、カニエの剥き出しのエゴと共に響き渡る痛切な一曲だ。
和訳
[Intro]
We did it
やったわね。
We did it, Joe
私達やったわよ、ジョー。
※2020年の米大統領選挙で、カマラ・ハリス副大統領がジョー・バイデンの勝利を祝った際の有名な電話の音声。ヒップホップ界や黒人コミュニティにおいて、この発言はしばしば「ミーム(不自然な歓喜や白々しさの象徴)」としてサンプリングされる。ここでは、ヴァージルという才能を消費し尽くした巨大企業(LVMH)の白々しい成功宣言への皮肉として機能している。
[Chorus: Kanye West]
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイ(・ヴィトン)のバッグを買うのをやめた。
※カニエの長年の盟友であり、黒人として初めてルイ・ヴィトンのディレクターに就任したヴァージル・アブロー(2021年11月没)への哀悼。彼がいないブランドにはもう何の価値もないという強烈なステートメント。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I'm in the Louis store with a Gucci mask
俺はグッチのマスクを着けて、ルイの店にいるぜ。
※LVMH(ルイ・ヴィトン)のライバル企業であるKering傘下のGucciのマスクを着けて入店するという、あからさまなリスペクトの欠如と敵対行動の誇示。
I'm in the Louis store with a Gucci mask
俺はグッチのマスクを着けて、ルイの店にいる。
I'm in the Louis store with a Gucci mask
俺はグッチのマスクを着けて、ルイの店にいる。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
[Post-Chorus: Kanye West]
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
※"we"はカニエや黒人クリエイターたちを指す。俺たちがカルチャーを作り出さなければ、巨大企業は何も売ることができないという黒人影響力の誇示とストライキの宣言。
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
[Verse 1: Kanye West]
Ain't no limit with this paper, mm
この金(ペーパー)には、限界(ノー・リミット)がねえ、mm。
Master P, I'll have you sayin', "Mm"
マスター・Pも、「Mm」って唸るだろうな。
※90年代の伝説的レーベル「No Limit Records」の創設者Master Pへのシャウトアウト。自身のビリオネアとしての圧倒的な財力を誇示している。
Keep it unless Virgil made it, mm
ヴァージルが作ったもの以外は、俺は買わねえ(そのまま取っとけ)、mm。
Just thinkin' 'bout it make me hate it, mm
そのことを考えただけで、ヘドが出るぜ、mm。
I'm not gonna lie, I couldn't move
嘘はつかねえ、俺は(ショックで)動くことすらできなかった。
Couldn't even if I wanted to
動こうと思っても、動けなかったんだ。
※ヴァージルの訃報を聞いた際の、深い喪失感と無力感。
Imagine if the same thing haunted you
同じような出来事が、お前につきまとった(ホーンテッド)と考えてみろよ。
I lost my twin and my mother too
俺は「双子の兄弟」と、母親までも失っちまったんだ。
※ヴァージルを自身の「双子(Twin)」と表現するほどの深い絆。そして、アルバムタイトルの由来である最愛の母ドンダ・ウェストの死。二人の最重要人物を喪失したカニエの癒えない傷。
What you look like in a nasty Louis bag?
その悪趣味な(ナスティ)ルイのバッグを持って、お前はどんな面してんだ?
※ヴァージルの手がけたデザイン(カルチャー)を理解せず、ただブランド名だけで買っている薄っぺらい消費者への強烈な皮肉。
Virgil ain't even make that color, fool
ヴァージルはそんな色、作りもしなかったぞ、バカ野郎。
What you look like in a nasty Louis bag?
その悪趣味なルイのバッグを持って、お前はどんな面してんだ?
We stopped buyin' Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺たちはルイのバッグを買うのをやめた。
[Chorus: Kanye West]
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
What you look like in a nasty Louis bag?
その悪趣味なルイのバッグを持って、お前はどんな面してんだ?
We stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺たちはルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
What you look like in a nasty Louis bag?
その悪趣味なルイのバッグを持って、お前はどんな面してんだ?
We stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺たちはルイのバッグを買うのをやめた。
[Post-Chorus]
We did it
やったわね。
We did it, Joe
私達やったわよ、ジョー。
[Verse 2: Jack Harlow]
I'm my lil' cousin's favorite cousin
俺は小さい従兄弟たちの中で、一番お気に入りの従兄弟さ。
※ここからジャック・ハーロウのバース。彼の親しみやすいキャラクターと、大スターになった現状とのギャップを描く。
I gave 'em all my number and my phone ain't stopped buzzin'
あいつら全員に電話番号を教えたから、スマホのバイブが鳴り止まねえんだ。
They listen to my songs and say their parents hate the cussin'
あいつらは俺の曲を聴いて、「親は汚い言葉(カッシング)を嫌がってるよ」って言う。
They ask if I was nervous on TV or if I wasn't
テレビに出た時、緊張したかどうかも聞いてくるんだ。
They asked me if it's true that I don't go to church
俺が教会に行かないってのは本当か?って聞いてきたりな。
"My daddy said you don't," well, then I guess you know
「パパが行ってないって言ってたよ」。まあ、それなら知ってる通りさ。
I been thinkin' about goin', though, I might let you know
でも、行こうかとも考えてるんだ。いつか教えるよ。
One day, I'll bring you to my concert if they let you go
いつか、親が許してくれたら、俺のコンサートに連れて行ってやるよ。
Pumpin' gas alone at Texaco
テキサコ(ガソリンスタンド)で一人でガスを入れる。
Hopin' I don't get approached
誰にも話しかけられないことを祈りながらな。
Don't know if it's clear until I check the coast
周囲(コースト)の安全を確認するまで、気が抜けないんだ。
※"check the coast"は「The coast is clear(見張りがいない、安全だ)」という慣用句の引用。有名人になったことによるプライバシーの喪失とパラノイア。
All these rappers dyin', I don't wan' be one that's next to go
ラッパーたちが次々と死んでいく。俺は「次に逝く奴」にはなりたくない。
※XXXtentacion、Juice WRLD、Pop Smokeなど、若くして命を落とすラッパーが後を絶たないヒップホップ界の悲惨な現実に対するリアルな恐怖。
Paranoia tickin' in my head just like a metronome
パラノイア(被害妄想)が、メトロノームみたいに頭の中でチクタク鳴り続けてる。
I can't walk around like Jack that wore the spectacles
俺は眼鏡(スペクタクルズ)をかけてた頃の「ジャック」みたいには、もう歩き回れないんだ。
※有名になる前の自分との決別。
I shook the hands, took the pictures, made myself accessible
握手をして、写真を撮って、自分を身近な存在(アクセシブル)にしてきた。
Threw the parties, showed love, kept it all respectable
パーティーを開いて、愛を示して、全てをリスペクトできる状態に保ってきた。
Tried to give you something you ain't had before, but
お前らが今まで手にしたことのないものを与えようとしたんだ。でも、
It's all over, they got the drop on my life, it's all over
もう終わりだ。連中に俺の人生の弱み(ドロップ)を握られた。もうおしまいさ。
※"get the drop on"は不意を突く、弱みを握るというスラング。名声と引き換えに自由を失ったことの諦念。
All this pressure on me, they'd wish I'd fall over
このプレッシャーの全て。連中は俺が倒れる(フォール・オーバー)のを望んでるんだ。
Too bad I'm a winner like fall over
残念だったな、俺は「秋が来る(フォール・オーバー)」ように、勝者(ウィナー/冬=ウィンターと掛けている)なんだよ。
※"fall over(倒れる)"と"Fall over(秋が終わり、Winter/Winnerが来る)"を掛けた、非常に巧妙なジャック・ハーロウ特有のワードプレイ。Geniusの解説でも高く評価されたライン。
I dropped, uh, heat in February, cocky tweets in February
2月にヒット曲(ヒート)をドロップして、2月に傲慢なツイートをカマした。
All-Star weekend with the courtside seats in February
2月のオールスター・ウィークエンドじゃ、コートサイドの席に座ったぜ。
I'm the champ, you come second like the E in February
俺がチャンピオンだ。お前は、February(2月)の「E」みたいに2番目(セカンド)なんだよ。
※Februaryの2番目の文字が「E」であることと、自分が常に1番(F=First)であり、相手が2番手であることを掛けたパンチライン。
All that humble **** was fake, now can we keep it legendary? Please
あの「謙虚なフリ」は全部フェイクだったんだ。さあ、伝説(レジェンダリー)を作り続けようぜ? 頼むよ。
※人の良いキャラクターを捨て、カニエの曲に相応しい強烈なエゴイズムを解放してバースを締める。
[Chorus: Kanye West]
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
[Verse 3: Kanye West]
It's funny how they ain't believe the hymn
連中が讃美歌(ヒム)を信じないのは笑えるよな。
※ここから再びカニエのバース。"hymn"(讃美歌)と"Him"(彼=神、あるいはカニエ自身)を掛けている。
Actin' like they never needed Him
まるで「彼(神/カニエ)」なんて一度も必要なかったみたいに振る舞いやがる。
Squares in your circle, out of shape, they need a gym
お前のサークル(仲間)の中にいる四角形(スクエア=ダサい奴ら)。型崩れしてるから、ジムが必要だぜ。
※"Circle"と"Square"の図形を掛けたヒップホップの定番の言葉遊び。自分と関わらなくなった元妻の周囲の人間たちを「ダサい(Square)」と批判している。
They pollutin' the airwaves, I'm not tryin' to breathe it in
奴らが電波(エアウェーブ)を汚染してる。俺はそんなもん吸い込むつもりはねえ。
※メディアやリアリティ番組が垂れ流すフェイクな情報を「大気汚染」に例えている。
I need fresh air
俺には新鮮な空気(フレッシュ・エア)が必要なんだ。
I'm in Cuba, ain't no press here, yeah
俺はキューバにいる。ここにはプレス(報道陣)なんていねえからな、yeah。
And she won't have to second-guess here
彼女もここで疑心暗鬼(セカンド・ゲス)になる必要はない。
If I'm here, you gon' always be the second best here
もし俺がここにいるなら、お前は常に「2番目(セカンド・ベスト)」だぜ。
※元妻の新しい恋人(ピート)に対するマウンティング。
And she gon' fit me like fresh Airs, yeah
彼女は俺にピッタリ合うんだ。新品のエアフォース(フレッシュ・エアーズ)みたいにな、yeah。
※新しい恋人(ジュリア・フォックスやチェイニー・ジョーンズ)との相性の良さを、新品のNike Air Force 1の履き心地に例えている。
Why you worried 'bout the next pair?
なんで次のペア(靴/女)のことばかり気にしてるんだ?
She gon' use the Nair, what hair?
彼女はナイル(脱毛クリーム)を使う。毛なんてどこにある?
※"Nair"は有名な脱毛クリームのブランド。極めて個人的で性的な描写。
Niggas fresh as him, what? Where?
彼(カニエ)みたいにフレッシュな奴なんているか? は? どこにだよ?
If it's up, then it's stuck there
もしそれが「アップ」なら、そこから動かねえ(スタックする)よ。
※"if it's up, then it's stuck"は、一度始まった抗争(ビーフ)や勢いは絶対に引き下がらないというストリートのスラング(Cardi Bの曲名でも有名)。
If it's up, then it's stuck there
もし一度火がついたら、もう後戻りはできねえ。
How I'ma get this money plus care?
どうやってこの金を稼ぎながら、気遣い(ケア)までしろって言うんだ?
※ビリオネアとしてのビジネスの重圧と、家庭や人間関係のケアを両立することの不可能性への不満。
How I'ma get this money plus care?
どうやってこの金を稼ぎながら、気遣いまでしろって言うんだ?
I can't do them two things at once
俺にはその2つのことを同時になんてできねえよ。
I just dropped two singles once
一度に2枚のシングルをドロップしたばかりだ。
※"Eazy"や"City of Gods"などのリリースを指す。ここから"two"や"single"を使った言葉遊びが連続する。
I was just too single once
俺もかつては、独り身(シングル)すぎた時期があった。
※離婚後の現状の自虐。
And I hit two singles once, yeah
そして1度の打席で2本のヒット(シングル)を打ったこともある、yeah。
※野球のヒットと、音楽のヒット曲のダブルミーニング。
On my mic, two sing at once, yeah
俺のマイクでは、2人が同時に歌うんだ、yeah。
※コラボレーション、あるいはカニエの中にある2つの人格(双極性)。
Coffee cup, two cream at once
コーヒーカップには、クリームを2つ同時に入れる。
Got a new bitch on the balcony
バルコニーには新しいビッチがいるぜ。
I only had two single months
俺が独身(シングル)だったのは、たった2ヶ月だけだったけどな。
※離婚直後から立て続けに新しい女性と交際(Julia Fox等)し、メディアを賑わせた事実を「俺はモテるからシングルでいる期間なんてほとんどない」とフレックスしてヴァースを終える。
[Chorus: Kanye West]
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
I'm in the Louis store with a Gucci mask
俺はグッチのマスクを着けて、ルイの店にいるぜ。
I'm in the Louis store with a Gucci mask
俺はグッチのマスクを着けて、ルイの店にいる。
I'm in the Louis store with a Gucci mask
俺はグッチのマスクを着けて、ルイの店にいる。
I stopped buying Louis bags after Virgil passed
ヴァージルが死んでから、俺はルイのバッグを買うのをやめた。
[Post-Chorus: Kanye West]
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
If we ain't doin' business, it won't be no business
俺たちがビジネスをしないなら、そこには何のビジネスも成り立たねえ。
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