Artist: Kanye West & XXXTENTACION
Album: DONDA 2
Song Title: True Love
概要
本作はカニエ・ウェストの『DONDA 2』のオープニングを飾る、2018年に凶弾に倒れたXXXTENTACIONの遺作ボーカルを起用したエモーショナルな楽曲だ。Xによる「真実の愛」への悲痛な叫びをフックに据え、カニエは元妻キム・カーダシアンとの離婚に伴う親権争いや、愛する子供たちと自由に会えない絶望を赤裸々に吐露する。キムの家の向かいに購入した豪邸、ナイキとYeezyの確執、そしてXの遺児ゲキュメへのメッセージなど、事の顛末を極めてプライベートな領域まで踏み込んで描写している。名盤『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』の「Runaway」を彷彿とさせるドラムブレイク上で、失われた愛と父性の苦悩が交錯する、生々しくも悲劇的な「離婚のサウンドトラック」である。
和訳
[Chorus: XXXTENTACION]
True love shouldn't be this complicated
真実の愛ってやつが、こんなに複雑なはずねえよな。
※2018年に他界したXXXTENTACIONの遺したボーカル。若くして複雑な人間関係や法的トラブルに苦しんだ彼自身の悲痛な叫びが、カニエの現在の離婚騒動と見事にリンクしている。
I thought I'd die in your arms, I thought I'd die in your—
お前の腕の中で死ねると思ってたのに、お前の腕の中で...
※「死ぬまで添い遂げる」というロマンチックな幻想が打ち砕かれた絶望。フレーズの途中でカットされる演出が、愛の突然の終わり(あるいはX自身の突然の死)を暗示している。
True love shouldn't be this complicated
真実の愛が、こんなにこじれるはずねえんだ。
I thought I'd die in your arms, I thought I'd die in your—
お前の腕の中で死ねると思ってたのに、お前の腕の中で...
[Refrain: Kanye West]
No hard feelings, but these feelings harder
恨みっこなしだ(ノー・ハード・フィーリングス)。でも、俺の抱えてる感情(フィーリングス)の方がずっとキツい(ハード)んだよ。
※"No hard feelings"(悪く思わないでくれ、恨みっこなし)という慣用句と、離婚による現実的な"Hard feelings"(辛い感情)を掛けたワードプレイ。強がりと本音が交錯している。
No-no hard feelings, but these feelings harder
恨みっこなしだ、でもこの感情の方がずっとキツいんだ。
No-no hard feelings, but these feelings harder
恨みっこなしだ、でもこの感情の方がずっとキツいんだ。
[Verse: Kanye West]
Wait, when you see the kids? I'll see y'all tomorrow
待てよ、お前はいつ子供たちに会うんだ? 俺はお前ら(子供たち)と明日会う予定だけどな。
※元妻キム・カーダシアンとのスケジュール調整(共同親権)の生々しいやり取り。自分の子供に会うためにアポを取らなければならない屈辱感。
Wait, when the sun set? I see y'all tomorrow
待ってくれ、日没はいつだ? 明日、お前らに会いに行くからな。
※面会時間の制限や、限られた時間しか一緒にいられない切なさの表現。
Wait, when I pick 'em up, I feel like they borrowed
待てよ、子供たちを迎えに行く時、まるで「借り物」を扱ってるような気分になるんだ。
※Redditでも多くの共感を呼んだライン。離婚後、実の子供が「面会日にレンタルする存在」のように感じてしまう父親の疎外感と悲哀。
When I gotta return them, scan 'em like a bar code
あの子たちを(母親に)返さなきゃならない時は、バーコードみたいにスキャンして返却する気分さ。
※子供がスーパーの商品(バーコード管理)のようにシステム的・事務的に扱われていることへの強い怒り。
Wait, no hard feelings, but these feelings hard, though
待てよ、恨みっこなしだ。でもこの気持ちの整理をつけるのはマジでキツいんだ。
Wait, who got the kids in those "What are thosе?"
待てよ、誰があの子たちに「なんだそのダサい靴は(What are those)」って靴を履かせたんだ?
※"What are those?"は、ダサい靴やフェイクの靴をいじるネットミーム。キムやその関係者が、カニエの美学に反する服や靴を子供に着せていることへの不満。
Wait, why they can't wear Yeezys with the cargos?
待てよ、なんでカーゴパンツにYeezyを合わせちゃダメなんだ?
※カニエ自身のブランド「Yeezy」を子供たちに自由に着せられないことへの苛立ち。
Y'all know Nikе don't like me, y'all take it too far, though
お前ら、ナイキが俺を嫌ってるの知ってんだろ。いくらなんでもやりすぎだぜ。
※キム側が子供たちにNikeのスニーカーを履かせたことへの激怒。カニエはNikeと契約を解消してadidasへ移籍した経緯があり、Nikeを露骨に敵視している。それを知っていながらNikeを履かせるのは「嫌がらせだ」という主張。
At least have 'em in some Mikes, he played for Chicago
せめて「マイクス(ジョーダン)」を履かせてやってくれよ。マイケルは「シカゴ」でプレイしてたんだからさ。
※同じNikeでも、せめてマイケル・ジョーダン(Air Jordan)にしてくれという懇願。ジョーダンはシカゴ・ブルズの英雄であり、「シカゴ」はカニエの地元であり、かつカニエの娘の名前(シカゴ・ウェスト)でもあるという秀逸なトリプルミーニング。
I only see three kids, who watchin' Chicago?
子供が3人しか見当たらねえぞ、誰が(末っ子の)シカゴを見てるんだ?
※カニエとキムの間には4人の子供(ノース、セイント、シカゴ、サーム)がいるが、ナニー(ベビーシッター)の監視が行き届いていないのではないかというパラノイア的な不信感の露呈。
And you know all the nannies, they're Danny Nesbrasco
あのナニーども、全員が「ダニー・ネブラスコ(潜入捜査官)」みたいに動きやがる。
※ジョニー・デップ主演の映画『フェイク(原題:Donnie Brasco)』をもじった表現(あるいはDanny Nebrascoという関係者への言及とも言われるが、スパイの暗喩が有力)。ナニーたちがカニエの一挙手一投足をキム側に報告するスパイのようになっているという告発。
Let the kids dig a tunnel to my house like Chapo
(エル・)チャポみたいに、あの子たちに俺の家までのトンネルを掘らせてやりてえよ。
※"Chapo"はメキシコの伝説的な麻薬王ホアキン・"エル・チャポ"・グスマン。彼が刑務所から巨大な地下トンネルを掘って脱獄した事件になぞらえ、子供たちをキムの監視下(刑務所)から自分の元へ脱出させたいという過激なジョーク。
Only neighbor in the hood with a door they can knock on
このフッドで、あの子たちがドアをノックできる唯一の隣人は俺なんだ。
※離婚後、カニエは子供たちにいつでも会えるよう、キムの住むヒドゥン・ヒルズの豪邸の文字通り「道路を挟んだ真向かいの家」を約450万ドルで買い取った。その執念と父親としての異常なまでの愛を物語るライン。
I leave the light on
俺はいつでも明かりをつけて待ってるぜ。
※子供たちがいつでも逃げてこられるように、愛の灯を消さずに待っているという切ない親心。
[Chorus: XXXTENTACION & Kanye West]
True love shouldn't be this complicated
真実の愛ってやつが、こんなに複雑なはずねえよな。
(Daddy's not gone, you see the light on)
(パパはどこにも行ってないぞ。明かりがついているのが見えるだろ)
※Xの悲痛なコーラスの裏で、向かいの家から子供たちへ語りかけるカニエ。
I thought I'd die in your arms, I thought I'd die in your—
お前の腕の中で死ねると思ってたのに、お前の腕の中で...
(Daddy's at home, tell Gekyume)
(パパは家にいるんだ。ゲキュメにもそう伝えてくれ)
※"Gekyume(ゲキュメ)"は、他界したXXXTENTACIONが遺した一人息子の名前。カニエの子供たちが物理的に父親と離れている状況と、ゲキュメが死別によって父親を失った状況を重ね合わせ、「パパは心の中(あるいはすぐ近く)にいるんだ」と伝えている。ヒップホップコミュニティの涙を誘った歴史的な名ライン。
True love shouldn't be this complicated
真実の愛が、こんなにこじれるはずねえんだ。
(Daddy's not gone, tell Gekyume)
(パパは消えたりしない。ゲキュメに伝えてやってくれ)
I thought I'd die in your arms, I thought I'd die in your—
お前の腕の中で死ねると思ってたのに、お前の腕の中で...
(Daddy's at home)
(パパはちゃんと家にいるからな)
[Post-Chorus: XXXTENTACION]
Oh, woah, oh, woah, oh, woah
Oh, woah, oh, woah, oh, woah
※Xのメランコリックで美しいハミング。
Oh, woah, oh, woah, oh, woah (Love)
Oh, woah, oh, woah, oh, woah(愛が)
Oh, woah, oh, woah, oh, woah
Oh, woah, oh, woah, oh, woah
Oh, woah, oh, woah, oh, woah
Oh, woah, oh, woah, oh, woah
[Refrain: Kanye West]
No hard feelings, but these feelings harder
恨みっこなしだ。でも、この感情を抱える方がずっとキツい。
No-no hard feelings, but these feelings harder
恨みっこなしだ。でも、この感情を抱える方がずっとキツい。
No hard feelings, but these feelings harder
恨みっこなしだ。でも、この感情を抱える方がずっとキツい。
[Chorus: XXXTENTACION]
True love shouldn't be this complicated
真実の愛ってやつが、こんなに複雑なはずねえよな。
I thought I'd die in your arms, I thought I'd die in your—
お前の腕の中で死ねると思ってたのに、お前の腕の中で...
True love shouldn't be this complicated
真実の愛が、こんなにこじれるはずねえんだ。
I thought I'd die in your arms, I thought I'd die in your—
お前の腕の中で死ねると思ってたのに、お前の腕の中で...
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