Artist: Kanye West (feat. Playboi Carti)
Album: Donda (Deluxe)
Song Title: Junya
概要
本作「Junya」は、コム・デ・ギャルソン傘下で世界的に活躍する日本人デザイナー、渡辺淳弥(Junya Watanabe)への強烈なトリビュートであり、ハイファッションとアトランタのトラップ・バイブスを融合させたミニマルなバンガーだ。重厚なパイプオルガンと強烈な808ベースが支配するビートの上で、Playboi Cartiの攻撃的なアドリブとKanyeのフレックスが交差する。ストリートカルチャーとモードの境界線を破壊し続けるKanyeのこの美学は、自身のブランドで新たなクリエイションやディレクションを模索する際にも、強烈なインスピレーションになるはずだ。単なる服飾の自慢にとどまらず、最終的には「神の時間は時計には収まらない」という深遠な信仰のテーマへ帰結する、アルバムの中でも特異な輝きと熱量を放つ一曲である。
和訳
[Chorus: Kanye West]
Junya Watanabe on my wri', wri'
手首(リスト)にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
※wri'はwrist(手首)の略。通常ラッパーは手首に高級時計(RolexやPatek等)を自慢するが、Kanyeはあえて日本人デザイナー「Junya Watanabe」の名前を挙げている。時計の代わりにJunyaのブレスレットや服の袖を自慢し、既成概念を壊すハイファッションへの敬意を示している。
Junya Watanabe on my wri', wri'
手首にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
Tell 'em this, did he miss?
奴らに教えてやれ、あいつ(ジュンヤ)が外したことなんてあるか?
※missは「的を外す、失敗する」。渡辺淳弥のデザイン、あるいはKanye自身のクリエイションが常に完璧(no miss)であることを誇示している。
Junya Watanabe on my, mm
俺のジュンヤ・ワタナベが、mm
I can't really see, where did I miss? (Mm, mm)
全く分からねぇよ、俺がどこで外した(失敗した)って言うんだ?
[Verse 1: Kanye West]
Ex-strippers (Mm-mm)
元ストリッパーたち
New killers (Mm-mm)
新たなキラー(凄腕)たち
Chi' **** tell 'em (Mm-mm)
シカゴのダチら、奴らに教えてやれ
※ChiはKanyeの地元シカゴ(Chicago)。
This on Donda (Mm-mm)
これはドンダに誓ってだ
※亡き母Dondaの名に懸けて(On GodやOn my mamaと同義)、自分の言葉が真実であることを誓っている。
On my mama (Mm-mm)
俺のママに誓ってな
Made a promise (Mm)
約束したんだ
[Chorus: Kanye West]
Junya Watanabe on my wri'
手首にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
Junya Watanabe on my wri'
手首にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
Tell 'em this, did he miss? (Wri')
奴らに教えてやれ、あいつが外したことなんてあるか?
Junya Watanabe on my, mm
俺のジュンヤ・ワタナベが、mm
I can't really see, where did I miss? (Mm)
全く分からねぇよ、俺がどこで外したって言うんだ?
Junya Watanabe on my wri' (Mm, mm)
手首にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
Junya Watanabe on my—
俺のジュンヤ・ワタナベが—
[Verse 2: Kanye West]
All summer (Mm-mm), all summer (Mm-mm)
ひと夏中ずっと、夏の間ずっと
.45 gunners (Mm-mm), in pajamas (Mm-mm)
45口径を持ったガンナー(狙撃手)たちが、パジャマ姿でな
They piranhas (Mm-mm)
あいつらはピラニアだ
※周囲の人間やメディアが、ピラニアのようにKanyeの富や名声に群がり、食い物にしようとしている比喩。
Buy out the store in hours like we planned it
計画してたみたいに、数時間で店を買い占めてやるぜ
[Chorus: Kanye West]
Junya Watanabe on my wri'
手首にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
Junya Watanabe on my wri'
手首にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
Tell 'em this, did he miss?
奴らに教えてやれ、あいつが外したことなんてあるか?
Junya Watanabe on my, mm
俺のジュンヤ・ワタナベが、mm
I can't really see, where did I miss? (Mm)
全く分からねぇよ、俺がどこで外したって言うんだ?
Junya Watanabe on my wri'
手首にジュンヤ・ワタナベを纏ってな
[Verse 3: Playboi Carti & Kanye West]
For five summers, hold up, uh
5回の夏の間、待てよ、uh
※ここからPlayboi Cartiのヴァース。5回の夏(約5年間)、自分がアンダーグラウンドからメインストリームまでシーンを支配してきたという自負。
For five summers, hold up
5回の夏の間、待てよ
For five summers, hold up, uh
5回の夏の間、待てよ、uh
For five summers, hold up, uh
5回の夏の間、待てよ、uh
We took over, hold up, uh
俺たちが乗っ取ったんだ、待てよ、uh
We took over, hold up
俺たちが乗っ取ったんだ、待てよ
We took over, hold up
俺たちが乗っ取ったんだ、待てよ
We took over, hold up
俺たちが乗っ取ったんだ、待てよ
Born in Atlanta (Mm-mm)
アトランタ生まれだ
※Playboi Cartiの出身地であり、現代トラップ・ミュージックの聖地。
Not Montana (Mm-mm)
モンタナじゃねぇ
※ハッスルが激しい都市部(アトランタ)と、のどかなモンタナ州を対比させている。また、マイリー・サイラスのドラマ『ハンナ・モンタナ』に掛けて、フェイクなポップスターではないという説もある。
'Scuse my manners (Mm-mm)
マナーが悪くて悪かったな
I got standards
俺には基準(スタンダード)があるんだ
Uh, yeah, 'scuse my manners (Mm-mm)
Uh, yeah、マナーが悪くて悪かったな
I got standards (Mm-mm)
俺には基準があるんだ
I got status (Mm-mm)
俺には地位(ステータス)がある
You don't want static (Mm-mm)
揉め事(スタティック)は御免だろ
※staticはノイズや静電気から転じて、ストリートでの摩擦やビーフを意味するスラング。
[Verse 4: Kanye West & Playboi Carti]
See more comments (Mm-mm)
コメントの方をよく目にするぜ
Than I see commas (Mm-mm)
カンマ(大金)を見るよりもな
※commasは銀行口座の数字のカンマ(1,000,000など=大金)を指す表現。稼ぐ金よりも、ネットの誹謗中傷や意見(コメント)ばかりが目につく現代社会への皮肉。
They going dummy (Mm-mm)
奴らはバカになってる(発狂してる)
We going Donda (Mm-mm)
俺たちはDondaでいくぜ
※「going dummy(バカ騒ぎする、ハイになる)」に対して「going Donda(神や母への祈りに没入する)」というKanyeの造語。
Let me be honest (Mm-mm)
正直に言わせてくれ
Let me be honest (Mmh, mmh)
正直に言わせてくれ
I'm one with the bucks, boy
俺はバックス(金)と一つになってるんだ、なぁ
※bucksは「金(ドル)」。
Let me Giannis (Mmh, mmh)
俺にヤニスみたいな真似をさせてくれ
※NBAミルウォーキー・バックスのスター選手ヤニス・アデトクンボ(Giannis Antetokounmpo)のこと。前行の「bucks」と掛けて、チームを優勝に導いた彼のように圧倒的な力を見せつけるという見事なワードプレイ。
I'm one with the bucks, boy (Mm)
俺は金(バックス)と一つになってるんだ、なぁ
The spirit is on us (Mm-mm)
その魂が俺たちに宿ってる
The spirit of Donda
ドンダの魂が
God's time can't fit on a wrist
神の時間は、手首(リスト)になんか収まりきらねぇよ
※【Geniusで絶賛されたライン】フックで高級時計の代わりに「手首にJunya Watanabe」とフレックスしていたが、最終的に「どれだけ高級なモノを身につけようと、神が定める永遠の時間(God's time)を測ることはできない」という究極の信仰とアンチ物質主義へと鮮やかに着地している。
Junya wanna have me on my— (Wri', wri', wri')
ジュンヤが俺を手首に—
Move out of the way of my release (Yeah, yeah, yeah)
俺のリリースの邪魔をするな
Tryna get me off my Q's and P's (Yeah, yeah, yeah, watch it)
俺のQとPを狂わせようとしてるのか
※「P's and Q's(礼儀正しくする、自分の行動に注意を払う)」というイディオムを逆にした表現。自分のペースを乱そうとする者への牽制。
Why can't losers never lose in peace? (Yeah, yeah, watch it)
なんで敗者ってのは、大人しく(平和に)負けることができねぇんだろうな?
※Drakeへのディスと推測されているライン。負けを認めず裏で動き回る敵対者への苛立ち。
Ain't nobody 'round me losing sleep (Uh)
俺の周りには、寝不足になる(心配で眠れない)奴なんて一人もいねぇよ
Better find God 'fore He find me
主が俺を見つける前に、神を見つけ出しておいた方がいいぜ
Tell the Devil good night, go to sleep
悪魔に「おやすみ」って言って、眠りにつきな
※悪魔(敵や自分の中の誘惑)との決別。すべてを神に委ねる安らかなエンディング。
