Artist: Kanye West & André 3000
Album: Donda (Deluxe)
Song Title: Life Of The Party
概要
本作「Life Of The Party」は、『Donda (Deluxe)』において最も文学的で深遠な感動を呼んだ、ヒップホップ史に残る傑作コラボレーションだ。最大の見どころは、長らく表舞台から退いていたOutKastのAndré 3000による、亡き両親へ向けた手紙のようなあまりにも痛切で美しいヴァースである。彼はKanyeの亡き母「Donda」に語りかける形式で、自身の亡き母への伝言と、父親への複雑な愛憎を綴った。一方のKanyeは、自身の生い立ちやキム・カーダシアンとの離婚、パパラッチとの確執を語り、サンプリングされたThe Notorious B.I.G.の肉声がそこに荘厳な凄みを与えている。当初KanyeがDrakeへの過激なディスを含むヴァースを録音したことでリーク騒動に発展し、Andréが「純粋な曲のテーマが損なわれる」と難色を示した結果、Kanyeがヴァースを書き直して公式リリースに至ったという劇的な制作秘話を持つ、生と死、そして家族への愛を巡る壮大な叙事詩である。
和訳
[Intro: Kanye West]
It's after hours at that glamorous night spot
華やかなナイトスポットでの閉店後の時間だ
※The Notorious B.I.G.の初期の荒削りな未発表曲からサンプリングされたイントロ。パーティーが終わり、静寂が訪れた後の「内省的な時間」の始まりを告げている。
And they're taking it easy, swapping personal experiences
奴らはくつろぎながら、個人的な体験を語り合っている
※これからKanyeとAndré 3000が、極めて私的で生々しい人生経験を語り合うことのメタファー。
Let's listen in America Today
今日の「アメリカ」の声を聞いてみよう
Life of the party, mhm, 'til I almost cry, mhm
パーティーの主役、ああ、泣きそうになるまでな、mhm
※Life of the partyは「その場を最も盛り上げる人気者」の意。しかしここでは、華やかな名声の裏にある深い孤独とトラウマを意味するアイロニーとして使われている。
It's the life of the party, to think I could've almost died
これがパーティーの主役の人生だ、死にかけたこともあったと考えるとね
※Kanyeの2002年の交通事故や、精神的な危機を指す。
Lord, help us
主よ、俺たちを救いたまえ
[Verse 1: André 3000]
Hey, Miss Donda
なぁ、ドンダさん
※ここからヒップホップ史上最も美しいヴァースの一つとされる、André 3000による「天国への手紙」が始まる。彼はKanyeの亡き母Dondaを霊的なメッセンジャーとして呼び出している。
You run into my mama, please tell her I said, "Say something"
もし俺の母さんに会ったら、どうか伝えてくれませんか。「何か言ってくれ」って俺が言ってたって
※Andréの母Sharon Benjamin-Hodoは2013年に他界している。残された息子の、母の声が聞きたいという切実な願い。
I'm startin' to believe ain't no such thing as Heaven's trumpets
天国のトランペットなんてものは存在しないんじゃないかって、そう思い始めてるんです
※キリスト教における天国の到来や天使のファンファーレ(トランペット)という概念に疑いを持っている。母からの霊的なメッセージ(奇跡)が何一つ届かないことへの絶望。
No after-over, this is it, done
死後の世界なんてない、これで終わり、それで全部なんだって
※死後の世界(after-over)の否定。残された者の残酷な現実。
If there's a Heaven, you would think they'd let ya speak to your son
もし天国があるなら、息子と話をさせてくれたっていいはずでしょう
※宗教的な救済への純粋な疑問。なぜ神は、愛する者同士の会話すら許してくれないのかという悲痛な叫び。
Maybe she has in the form of a baby's laugh
もしかしたら母さんは、赤ん坊の笑い声という形で伝えてくれたのかもしれない
※直接的な声ではなく、日常の些細な風景の中に母の気配を探し求めている。
I heard passing by in a stroller remindin' me, "Hey, keep rolling"
ベビーカーが通り過ぎる時に聞こえたんだ、「ねぇ、転がり続けなさい(生き続けなさい)」って言われてる気がして
※ベビーカー(stroller)の車輪が転がる(rolling)音と、人生を前へ進める(keep rolling)という母からの励ましのメッセージを重ね合わせた美しいメタファー。
I don't know, maybe she has with a prick of a blade of grass
分からない、もしかしたら一本の草の葉のチクッとした痛みとして現れたのかもしれない
※自然界の微かな刺激にすら、母の存在を投影している。
I've been layin' on way too long, got me itchy
長すぎる間寝転がっていたせいで、体が痒くなっちまったよ
※母の死による喪失感で停滞し、長く鬱々と過ごしていた(layin' on)ことへの自覚。
Got up and roamed a lil' more
だから立ち上がって、もう少しだけ歩き回ってみることにしたんだ
※悲しみを抱えながらも、再び人生を歩き出そうとする決意。
Miss Donda, you see my mama, tell her I'm lost
ドンダさん、もし俺の母さんに会ったら、伝えてください。「俺は迷子になってる」って
※ヒップホップ界のレジェンドでありながら、母親の前では一人の迷える少年に戻ってしまうAndréの痛切な告白。
You see, she'd always light a cigarette, we talk, I would cough
母さんはいつもタバコに火をつけて、俺たちは話をした。俺は煙でむせてたけど
※生前の母との、ありふれたがかけがえのない日常の記憶。
Exaggeratin' a lil' bit so she get the point
母さんに分かってもらおうと、わざと大げさに咳き込んだりしてね
※副流煙が嫌だというサインを、直接言わずに咳でアピールしていた息子のいじらしい行動。
Tryna get her to stop smokin', I would leave and fire up a *****
タバコをやめさせたくて、俺は部屋を出てジョイント(大麻)に火をつけてた
※母のタバコを非難しながら、自分自身はマリファナを吸っていたという親子の矛盾と人間らしさ。
'Til I quit, started back up again, twenty years later
一度は辞めたのに、20年後にまた吸い始めちまったよ
All that time, y'all thought a ***** was high, thought I was crazy
その間ずっと、みんなは俺がハイになってるか、頭がおかしくなったと思ってたみたいだけど
※Andréのエキセントリックなファッションや言動が、ドラッグの影響や狂気だと世間から誤解されていたことへの弁明。実際には深い悲しみや思索の中にいたことを示唆している。
My mom, she ain't cut no corners
俺の母さんは、絶対に手を抜くような人じゃなかった
※cut cornersは「手抜きをする」「近道をする」。厳格で誠実だった母への賛辞。
Got me back on track, I don't miss her overstepping
俺を正しい道に戻してくれたんだ。母さんのお節介(干渉)が恋しいわけじゃない
※oversteppingは「出過ぎた真似」「過干渉」。口うるさい一面もあったことをリアルに回顧している。
But do miss her showin' Seven civilian life ****
でも、息子のセブンに「一般人の普通の生活」ってやつを教えてくれたことは、本当に恋しく思うよ
※SevenはAndréとErykah Baduの間に生まれた息子。スーパースターの両親を持つ彼に、祖母として地に足のついた普通の感覚(civilian life)を教えてくれたことへの深い感謝。
Ah, Miss Donda, you see my mama, whisper her this:
ああ、ドンダさん、俺の母さんに会ったら、こう囁いてくれませんか。
※ここから、思春期の秘密めいた回想へと入っていく。
The real reason I was geeked to go to church
俺が教会に行くのをあんなに楽しみにしてた本当の理由はね、
※geekedは「興奮している」「夢中になっている」。
Must confess, when y'all grown-ups would be in Bible study
白状しなきゃならない。大人たちが聖書の勉強会をしている間、
※親の目を盗んで行われていた少年時代の性的な目覚め。
That girl helping me with my homework? Her and I were ****
俺の宿題を手伝ってくれてたあの女の子? 俺たち、ヤッてたんだ
※神聖な教会という場所での、若き日の世俗的な罪の告白。曲のトーンに生々しい人間味を与えている。
So pure and ****, so spirit spinning and dirty
すごく純粋で最高だった。魂が回転するみたいで、そして汚らわしくて
※神への信仰(spirit)と肉体的な欲望(dirty)が混ざり合う、矛盾に満ちた青春のエネルギー。
So on, so on, and so on, we hoped that no one heard us
そんなことの繰り返しさ。誰にも聞かれないことを祈りながらね
Sh-sh, ah, ah
(息遣いの擬音)
And to this day, I think her mama knew but let us explore
今でも思うんだ、あの子の母親は気づいてたけど、俺たちに探求させて(見逃して)くれてたんだって
※大人たちの寛容さに対する、時を経た気付き。
Miss Donda, you see my father, please, ask him why he never married
ドンダさん、もし俺の親父に会ったら、どうか聞いてみてください。「なぜ一度も結婚しなかったのか」って
※ここから、2014年に亡くなった父親Lawrence Harveyへの手紙へとシームレスに移行する。Andréの両親は彼が幼い頃に離婚(未婚のまま破局)している。
Always smiled, but was he happy inside?
いつも笑ってたけど、心の中は本当に幸せだったのかって
※陽気だった父親の内面に隠された孤独への問いかけ。
Because I carried my mother's name, did he carry shame with him?
俺が母親の苗字(Benjamin)を名乗っていたことで、親父は恥を感じながら生きていたのかって
※父親の姓(Harvey)ではなく母親の姓を継いだ息子としての、親父への罪悪感と深い同情。
I'm sure she did it out of spite, 'twas her decision at birth
きっと母さんは意地悪でそうしたんだ。俺が生まれた時の母さんの決断だった
※両親の不和の間に立たされた子供としての苦悩。
Shit, she probably was hurt, ah, poor baby
クソッ、母さんだって傷ついてたんだろうな、ああ、可哀想に
※母親の行動を批判するのではなく、若くしてシングルマザーになった彼女の痛みにも寄り添っている。
Two young people with different views, a lot for a young lady
違う価値観を持った二人の若者。若い女性にとっては重すぎる荷物だった
※両親を一人の「人間」として客観視し、許しを与えている。
No coincidence, they both passed away from heart conditions
偶然じゃない、二人とも心臓の病気(heart conditions)で亡くなったんだから
※両親が同じ病気で亡くなった事実と、「心が傷ついていた(heart condition)」という比喩を掛けている、あまりにも悲痛なワードプレイ。
There's a dissidence at play, dad and mom do hard division
そこには不和(dissidence)があった。親父と母さんは、難しい割り算(分断)をしていたんだ
※divisionは数学の「割り算」と、関係の「分断」のダブルミーニング。親の対立によって引き裂かれた家庭環境。
Three Thou', poster child for big **** **** raised by their mothers
Three Thou(André 3000)、母親に育てられたクソみたいなガキどものポスターボーイ(典型的な見本)さ
※シングルマザー家庭で育った黒人の若者たちの象徴としての自分。OutKastの相方Big Boiなども同様の環境であった。
I'm supposed to smile as if God knew that I would be troubled
神様が俺の苦悩を全部お見通しだったかのように、俺は笑ってみせるしかないんだ
※神から与えられた試練と才能を受け入れ、トップスターとしての仮面(笑顔)を被り続ける宿命。
Keeps me around, for what? I don't know
神は俺をこの世に留め置いている、何のために? 分からないよ
※両親を失い、音楽の第一線からも退いた自分が、なぜ今も生き長らえているのかという実存的な問い。
But I do know that it's crucial, that we do so, pronto
でも、俺たちがそうすること(前へ進むこと)が極めて重要だってことは分かってる、今すぐにね
※prontoは「迅速に」「ただちに」。人生の時間が限られているという焦燥感と、それでも生き抜くという決意。
I don't know how much long though
それがいつまで続くかは分からないけどな
※André 3000のヴァースの終わり。自身の死期すらも見据えたような、静かで達観した余韻を残す。
[Chorus: Kanye West, The Notorious B.I.G. & Diddy]
Straight from Shibuya, on some zen
渋谷から直行だ、禅の境地にな
※Kanyeのヴァース。日本(東京・渋谷)を訪れた際の経験と、精神的な平穏(Zen)への探求。Kanyeは日本のミニマリズムや建築に強い影響を受けている。
We back, ramped up, we on ten
俺たちは戻ってきた、勢いを増して、テンションはMAX(10)だ
※on tenは「最高潮」「レベル10」の意。
It's a marathon and look, we comin' for the win
これはマラソンだ、見ろよ、俺たちは勝利を掴みに来たぜ
※人生や音楽キャリアを長距離走に例えている(亡きNipsey Hussleの信念「The Marathon Continues」へのオマージュとも取れる)。
Just like Puff told Christopher, we gon' win big (C'mon)
パフがクリストファーに言ったみたいに、俺たちは大勝利するんだ(C'mon)
※【Redditで話題のサンプリング】このコーラスの後半は、The Notorious B.I.G.(本名Christopher Wallace)の未発表曲「Up and Down」からそのままサンプリングされたPuff Daddy(Diddy)とBiggieの肉声である。レジェンドたちの魂を直接トラックに召喚している。
Put the whole family on, look at what my Kim did
家族全員を引き上げた、俺のキムがやったことを見てみろよ
※妻Kim Kardashianが、カーダシアン一家全体を世界的ブランドへと押し上げた(Put onした)ビジネス手腕へのリスペクト。離婚騒動の渦中にあっても、彼女の功績は認めている。
Just like Puff told Christopher, we gon' win big (Uh)
パフがクリストファーに言ったみたいに、俺たちは大勝利するんだ(Uh)
We gon' win big (What?)
俺たちは大勝ちする(What?)
[Verse 2: Kanye West]
Southside gang mentality weigh heavy
サウスサイドのギャングのメンタリティが、重くのしかかる
※Kanyeの出身地、シカゴのサウスサイド。ギャングスタ・ラップ全盛期に、その暴力的な環境とメンタリティの中で育ったプレッシャー。
I was thinkin' out the box even in a Box Chevy
俺はボックス・シボレー(四角い車)の中にいながら、枠(ボックス)にとらわれない思考をしてたんだ
※Box Chevy(カクカクしたデザインの旧車シボレー)と、Think out the box(型破りな発想をする)を掛けたワードプレイ。ストリートの枠に収まらない異端児であった自己認識。
And my favorite art teacher name was Mrs. Levy
お気に入りの美術の先生の名前は、レヴィ先生だった
※幼少期からアートに傾倒していたKanyeのリアルな生い立ちの回想。
'Round the time, I learned to put my feelings to a medley (The life of the party)
ちょうどその頃、自分の感情をメドレー(音楽)に乗せる方法を学んだんだ(パーティーの主役)
I ain’t turn in homework for like four months and I bet she let me
4ヶ月くらい宿題を出さなかったけど、あの先生は俺を見逃してくれたよ
※枠に収まらないKanyeの才能を信じ、型通りの教育を押し付けなかった恩師への感謝。
She saw the vision
先生には、俺のビジョン(未来)が見えていたんだ
"Yeezy you special, go make your own decisions then"
「イージー、あなたは特別よ。自分で決断して進みなさい」ってね
Man, that was a good choice, faith driving us like a Rolls Royce
なぁ、あれは良い選択だったよ。信仰が俺たちをロールスロイスみたいに走らせてる
※型破りな道を選んだ結果の大成功と、それを推進する原動力(Rolls Royceのような高級なエンジン)が「信仰(Faith)」であるという宣言。
They tried to take my voice away, I ain't try to take ya choice away
奴らは俺の声を奪おうとしたが、俺はお前らの選択を奪おうとしたことなんてないぜ
※メディアやキャンセル・カルチャーによるKanyeへのバッシングへの反論。
I just prayed the water break, just for my daughter sake, from a slip-up
ただ破水(water break)を祈ってたんだ、娘のために、ちょっとした過ちからな
※slip-up(避妊の失敗)。過去の恋愛や結婚生活における、予期せぬ妊娠に関する赤裸々な言及。
Fake signatures from fake managers, it all damage ya, good Lord
偽マネージャーからの偽の署名、そういうのが全部お前をダメにするんだ、主よ
※音楽業界の汚い裏側や、Kanyeが過去に経験した契約上のトラブルへの批判。
Give 'em enough of they own rope to hang 'em with
奴らに十分な長さのロープをくれてやれ、それで自分自身を首吊りできるようにしてやるさ
※「give someone enough rope to hang themselves(自滅するまで好きにさせておく)」というイディオム。敵対する者(Drakeなど)が自らの過ちで自滅するのを待っているという余裕の表れ。
The paparazzi never really got what my angle is
パパラッチの連中には、俺の角度(意図)が一生分からねぇよ
※常にパパラッチと衝突してきたKanye。彼らが切り取る表面的なゴシップ(angle=カメラのアングル)と、自分の真の意図(angle)は全く別物であるという主張。
They treat my married life like some type of entanglement
奴らは俺の結婚生活を、何かの「もつれ(浮気騒動)」みたいに扱いちやがる
※entanglementは、ウィル・スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスが自身の不倫関係を釈明する際に使って大流行した言葉。メディアがKanyeとKimの離婚を安っぽいスキャンダルとして消費していることへの怒り。
My neighbor still dissin', wonderin' why I ain't sayin' it
俺の隣人はまだディスってきやがる、俺がなぜ言い返さないのか不思議に思いながらな
※当時、カリフォルニアのKanyeの豪邸のすぐ近くにDrakeが住んでいたことから、Drakeからの暗黙のディスに対する言及とされている(リーク版ではここにより直接的なDrakeへのディスが含まれていた)。
I can smell the setup, that's that 2Pac in Vegas hit
罠の匂いがするぜ、まるでラスベガスでの2Pacの事件みたいにな
※1996年、ラスベガスで2Pacが銃殺された事件。Drakeとのビーフやメディアの扇動が、最終的に自分を陥れる巨大な陰謀(setup)であると警戒している。
I revealed myself and some don't know what to make of it
俺は自分をさらけ出したのに、連中はどう受け取ればいいのか分かってない
※精神的な問題や政治的信念を正直に告白しても、世間はそれを狂気としてしか処理できないことへの絶望。
God has said himself to make sure that the baby live
神ご自身が言ったんだ、この赤ん坊を絶対に生かすんだってな
※妻Kim Kardashianが強盗に遭うなど数々の危機を乗り越え、子供たち(Northら)が無事に生まれ育った背後には、神の意志があったという信仰。
And if Ye ain't here, then tell me who gonna say this here?
もしYe(俺)がいなかったら、誰がここでこんなことを言ってくれるって言うんだ?
※ヒップホップ界において、誰もが恐れて言えない真実を語れるのは自分しかいないという、強烈な自負と使命感。
Wait a minute, wait a minute, wait a goddamn minute
ちょっと待て、ちょっと待て、ちょっと待ってくれよ
Let me stop playing with it, hopped in a Lamb' with it
遊んでるのは終わりだ、ランボルギーニに飛び乗った
※シリアスな語りから一転、ヒップホップ的なフレックス(自慢)へとスイッチする。
Hopped in a Lamb' with it, in a damn pandemic
ランボに飛び乗ったぜ、このクソみたいなパンデミックの最中にな
※COVID-19のパンデミック下でも、経済的に全く揺るがない(むしろ資産を爆発的に増やした)ビリオネアとしての余裕。
Nerve of Uncle Sam gotta have his damn hand in it
アンクル・サム(アメリカ政府)の図々しさときたら、絶対に俺の金にクソみたいな手を突っ込んできやがる
※Uncle Samは米国政府や国税庁(IRS)の擬人化。莫大な富を築いたがゆえに徴収される、法外な税金への不満。
[Chorus: Kanye West, The Notorious B.I.G. & Diddy]
Listen, straight from Shibuya, on some zen
聞けよ、渋谷から直行だ、禅の境地にな
I'm on ten, it's a marathon and look, we comin' for the win
テンションはMAXだ、これはマラソンだ、見ろよ、俺たちは勝利を掴みに来たぜ
Just like Puff told Christopher, we gon' win big (C'mon)
パフがクリストファーに言ったみたいに、俺たちは大勝利するんだ(C'mon)
Put the whole family on, look at what my Kim did
家族全員を引き上げた、俺のキムがやったことを見てみろよ
Just like Puff told Christopher, we gon' win big (Uh)
パフがクリストファーに言ったみたいに、俺たちは大勝利するんだ(Uh)
We gon' win big (What?)
俺たちは大勝ちする(What?)
[Bridge: Kanye West]
Do y'all feel me? Really?
お前ら、俺の言ってることが分かるか? マジで?
Get off Scott Free, I'm talking Ridley
スコット・フリーのようには逃がさねぇ、リドリーの話をしてるんだ
※【超高度なワードプレイ】"Get off scot-free"は「無傷で逃げ切る」「罰を逃れる」というイディオム。それを映画監督のリドリー・スコット(Ridley Scott)の名前と掛け合わせている。業界の悪党どもを絶対に許さないという凄み。
Get off our knees, that's if you're with me
ひざまずくのはやめだ、もし俺についてくるならな
※白人社会や巨大産業のシステムに屈服する(ひざまずく)のをやめ、黒人としての自立と権利を立ち上がって主張せよというアジテーション。
Get off your knees, that's if you're with me
ひざまずくのはやめだ、もし俺についてくるならな
Get off your knees and let's get free
ひざまずくのはやめだ、そして自由になろうぜ
Get off your knees and let's get free
ひざまずくのはやめだ、そして自由になろうぜ
Really, I mean really
マジだぜ、俺は本気で言ってるんだ
Really, I mean really
マジだぜ、俺は本気で言ってるんだ
I need release, I don't need police
俺に必要なのは解放(リリース)であって、警察(ポリス)なんかじゃねぇ
※精神的・システム的な抑圧からの解放と、黒人コミュニティを迫害する警察権力への拒絶。
I'm like, "****, puh-lease"
俺は「クソッ、勘弁してくれよ」って感じさ
Y'all can't hear me, (Harmonizing), for the real me
お前らには聞こえねぇんだな(ハーモニー)、本当の俺の声が
※どれだけ赤裸々に本音を語っても、メディアには曲解され、大衆にはエンタメとして消費されてしまうことへの諦念。
For the real me, I mean, mhmm-mm
本当の俺の姿が。つまりそういうことさ、mhmm-mm
[Outro: DMX]
Alright, it's gonna shoot us in the— woah, uh-oh, uh-oh
よし、こいつは俺たちを打ち上げるぞ— woah, uh-oh, uh-oh
※アウトロには、2021年に急逝した伝説のラッパーDMXのホームビデオの音声がサンプリングされている。彼が愛娘のPaige(P)と一緒に遊園地の絶叫マシン(スリングショット)に乗っている時の、極めてプライベートで微笑ましい音声である。
Ready mama? (Yup)
準備はいいか、ママ(お嬢ちゃん)? (うん)
I'm so proud of you, yup, you're gonna have so much fun
パパはお前を誇りに思うよ、そうさ、きっとすげえ楽しいぞ
They gonna shoot us in the air, mama, okay?
空めがけて打ち上げられるんだ、ママ、いいな?
C'mon, P, I got you, it's okay, mama
ほら、P、パパがついてる、大丈夫だぞ、ママ
Hold your head back, hold your head back (Three, two, one)
頭を後ろにつけて、頭を後ろにつけて(3、2、1)
Daddy's here, daddy's here, daddy's right here
パパはここだ、パパはここだ、パパはすぐここにいるぞ
It's okay, mama, daddy's here, daddy here
大丈夫だぞママ、パパはここだ、パパはここだ
Help, help, daddy's right here, I'm scared
(娘の声)助けて、助けて。 パパはすぐここにいるぞ。(娘)怖いよ
Okay, okay, I got you, it's okay
よしよし、分かった、パパがついてる、大丈夫だ
Okay, we goin' slow, we goin' slow down
よし、ゆっくりになるぞ、スピードが落ちてきた
It's okay, stop cryin', daddy got you, see, it's over, you did it, P!
大丈夫だ、泣かないで、パパがついてる。ほら、終わったぞ、よくやったな、P!
You already did it! See? It's already over! Yay! You did it!
もうやり遂げたんだ! ほらな? もう終わったぞ! イェイ! よくやった!
Big Girl! It's already over! It's already over, it's already over (The life of the party)
すげえぞ! もう終わった! もう終わったんだ、もう終わったぞ(パーティーの主役)
Daddy right here, daddy right here ('Til I almost cried)
パパはすぐここだ、パパはすぐここにいるぞ(泣きそうになるまでな)
※凶暴なギャングスタ・ラッパーとして知られたDMXの、父親としての底抜けの優しさと愛情。Kanyeはこれを最後に配置することで、父と娘の絆、そして死を乗り越えて受け継がれる「家族の愛」という『Donda』の最終テーマを完璧に表現した。
I told you I'm not gon' let you go
お前を手放したりしないって言っただろ
I'm not gon' let you go, mama, okay?
絶対にお前を手放したりしない、ママ、分かったか?
Daddy got you, daddy gon' bring us all the way down, okay?
パパがついてる、パパがちゃんと一番下まで下ろしてやるからな、いいな?
How was it? (We good)
どうだった? (うん、大丈夫)
You did a good job (It was scary)
よく頑張ったな (怖かった)
Good job! (Our daughter got more heart than you)
よく頑張った!(横から妻の声:うちの娘、あなたより度胸があるわね)
