Artist: Tyler, The Creator
Album: DON’T TAP THE GLASS
Song Title: Mommanem
概要
タイラー・ザ・クリエイターのサプライズアルバム『DON’T TAP THE GLASS』に収録された本作は、裏切りと人間不信、そして蓄積された怒りを生々しく爆発させたショートチューンだ。タイトルの「Mommanem(ママネム)」は「Momma and them(母さんとその仲間・家族)」を略したAAVE(アフリカ系アメリカ人英語)であり、「自分の家族にかけて(マジで/絶対に)」と固く誓う際に使われるスラングである。自分が他人に肩を貸し、助けてきたにもかかわらず、自分が苦しい時には誰もそばにいないというセレブリティ特有の孤独感を吐露している。「大人の対応(High road)」を拒絶し、自分を裏切った偽物の友人関係を容赦無く「切り捨てる(Clip)」と宣言するこの曲は、前作『CHROMAKOPIA』から続くパラノイア(人間不信)が、暴力的なまでの自己防衛へと変貌した瞬間を捉えた、鋭く刺さる一曲である。
和訳
[Intro]
Bro, bro, I'm in my feelings
兄弟、兄弟、俺は今感情的になってるんだ。
Bro, huh
兄弟、ハッ。
That ain't the bro
あいつは兄弟(仲間)なんかじゃねえよ。
※かつて親友だと思っていた人物への失望。
Niggas weird, huh, huh
野郎どもはマジでキモいな、ハッ、ハッ。
Bro, I done hurt my feelings, nigga
兄弟、俺は深く傷ついたんだよ、なぁ。
※"I done hurt my feelings"は直訳すると「俺が俺の感情を傷つけた」となるが、ここでは「深く傷つけられた」「感情をすり減らした」というニュアンス。信じていた人間に裏切られた痛みを露わにしている。
[Chorus]
Hit it out, spit it out, get it out, huh, that's on my mama 'nem
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ、ハッ、母さんたちに誓ってな(マジで)。
※溜め込んだ感情を爆発させる、あるいは裏切り者を自分の人生から排除するという強い意思表示。"on my mama 'nem" は「母さんや家族にかけて絶対に」というAAVEの強力な誓いの言葉。
Hit it out, spit it out, get it out, huh, that's on my mama 'nem
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ、ハッ、母さんたちに誓ってな。
Hit it out, spit it out, get it out, huh, that's on my mama 'nem
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ、ハッ、母さんたちに誓ってな。
Hit it out, spit it out, get it out (Ayy)
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ(エイ)。
[Verse]
Brodie thinkin' shit straight, twenty, I won't hit break (Huh)
あいつ(ダチ)は全て順調だと思ってるみたいだが、20、俺はブレーキなんて踏まねえよ(ハッ)。
※"twenty"はおそらく車のホイールのサイズ、あるいはスピードメーターの比喩。相手が油断している隙に、容赦なく報復(関係の精算)に向かう姿勢。
Got so much resentment in my chest, I'll make this bitch shake
胸の中に恨み(リゼントメント)が死ぬほど溜まってるんだ。この場所を揺らして(震え上がらせて)やるよ。
Lowkey, I might need that, iffy on the feedback (Hoo)
密かに、俺にはそれ(報復や感情の爆発)が必要なのかもしれない。周囲からの評価(フィードバック)は微妙だろうけどな(フー)。
Almost got it done, but something said to get the fee back
危うくヤっちまうところだったが、何かが「代償(金)を取り戻せ」って囁いたんだ。
※衝動的に相手を物理的に傷つけそうになったが、冷静になり、相手から奪われた時間や精神的コストを精算する方向にシフトした様子。
I done gave some niggas shoulders they could drop a tear on
俺は今まで、奴らが涙を流せるように「俺の肩」を貸してやってきた。
But when my eyes get muggy, niggas get they disappear on
それなのに、俺の目が潤んだ(泣きそうになった)時、奴らはこぞって姿を消しやがる。
※Reddit等でも「最も刺さる」と共感を集めたライン。他人の悩みには寄り添って尽くしてきたのに、自分が弱っている時には誰も助けてくれないという、成功者特有の残酷な人間関係の現実。
Fuck the high road, I ain't tryna shake no hands (Nah)
「大人の対応(ハイ・ロード)」なんてクソ食らえだ。俺は握手して和解する気なんてねえよ(いや)。
※take the high road=「モラル的に正しい道を選ぶ」「大人な対応をして争いを避ける」という慣用句。世間が求める「成熟したスター」としての振る舞いを完全に放棄している。
Had a change of heart and thеn I popped out on your mans, fam (Nigga)
気が変わったんだよ。だからお前のダチのところに現れて(報復して)やったのさ、兄弟(なぁ)。
[Pre-Chorus]
Ah-ha (Nigga), okay (Bro)
アハハ(なぁ)、オーケー(兄弟)。
That nigga gon' get clipped today (Hoo, hoo)
あの野郎、今日撃たれる(切り捨てられる)ことになるぜ(フー、フー)。
※get clipped=「銃で撃たれる」というストリートスラングであると同時に、ビデオや画像などを「切り取る」=自分の人生からその人間を「断ち切る(縁を切る)」というダブルミーニング。
Ah-ha (Hmm), otay (Nigga)
アハハ(フン)、オーケー(なぁ)。
※otay=okayの幼児語や崩した言い方。相手を舐め切った小馬鹿にしたトーン。
That nigga gon' gеt clipped today (Bro, bro)
あの野郎、今日撃たれる(切り捨てられる)ことになるぜ(兄弟、兄弟)。
[Chorus]
Hit it out, spit it out, get it out, huh, that's on my mama 'nem (Bro)
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ、ハッ、母さんたちに誓ってな(兄弟)。
Hit it out, spit it out, get it out, huh, that's on my mama 'nem (Nigga)
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ、ハッ、母さんたちに誓ってな(なぁ)。
Hit it out, spit it out, get it out, huh, that's on my mama 'nem (Bro)
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ、ハッ、母さんたちに誓ってな(兄弟)。
Hit it out, spit it out, get it out, huh, that's on my mama 'nem
叩き出せ、吐き出せ、追い出せ、ハッ、母さんたちに誓ってな。
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