Artist: Drake
Album: Comeback Season
Song Title: Where to Now
概要
本楽曲は、2007年にリリースされたDrakeの第2弾ミックステープ『Comeback Season』に収録された内省的なトラックである。俳優業からラッパーへの転身を図り、インディペンデントとして一定の成功を収めつつあった彼が、「ここからどこへ向かうべきか(Where to now)」と自問自答する姿が描かれている。特筆すべきは、のちに彼の代名詞となる「Heartbreak Drake(傷心のドレイク)」というペルソナがこの曲ですでに自称されている点だ。高級ブランド(ルイ・ヴィトンやトム・フォード)を誇示する「成功者」としての顔と、意中の女性とコメディ番組を観て過ごしたいと願う「等身大の青年」としての顔が交錯する。2009年の大ブレイク(『So Far Gone』のリリース)を見事に予言している最終ラインなど、初期Drakeの野心と青さが詰まった重要曲である。
和訳
[Intro: Drake talking]
Okay...
オーケー...
There comes a time...
時が来るんだ...
When you gotta be like
こんな風に思わなきゃいけない時が
You know, I've come this far on my own, done a lot for myself
「自力でここまで来た、自分のために色々やってきた」ってな
Where to now, you know?
「さあ、ここからどこへ行こうか?」って
But I just—I just tell myself this one thing
でも俺は、ただ一つ、これだけを自分に言い聞かせるんだ
[Verse: Drake]
It was worth it, it was all worth it
価値はあった、すべてに価値があったんだ
And by this time, I understand that I ain't perfect
そして今なら分かる、俺は完璧じゃないってことが
There ain't a pair of Louis shoes I ain't purchased
俺が買ってないルイ・ヴィトンの靴なんて一足もないぜ
And I was on some shit, but they served they purpose
色々と馬鹿なこともやったが、それなりに役には立ったのさ
And I got verses, I got verses
それに俺にはヴァース(リリック)がある、極上のヴァースがな
My sixteens should be arriving in hearses
俺の16小節は霊柩車に乗って到着するべきだ
※「16小節(sixteens)」のラップで他のラッパーを「殺す(圧倒する)」ため、霊柩車(hearse)で運ばれてくるというヒップホップ特有のワードプレイ。
They get bodied, you see how I murk this
奴らは死体(ボディ)になる、俺がどうやってこの曲を殺す(マークする)か見てな
I switch flows much as my girl switch purses
俺の彼女がハンドバッグを持ち替えるのと同じくらい頻繁に、俺はフロウを切り替える
Yeah, Heartbreak Drake, I'll put it on your wife
あぁ、「ハートブレイク・ドレイク(傷心のドレイク)」だ、お前の妻にだって手を出してやるぜ
※後のメガヒットアルバム等で確立される「哀愁漂うプレイボーイ」のペルソナ「Heartbreak Drake」を初期から自称している重要なライン。
If I put it in a verse, then I put it on my life
もし俺がそれをヴァースに書き込んだなら、それは俺の人生(命)を懸けてるってことだ
Liquor that's over ice and denim that's overpriced
氷(ダイヤ)越しに飲む酒と、馬鹿みたいに高いデニム
And tryna make all my goals for the future come overnight
そして、未来の目標をすべて一晩で叶えようとしてる
Go—Go—Go—Goddamn, how time soars
ガッデム、時間が経つのはなんて早いんだ
I'm tryna get that house in Toronto with pine floors
俺はパイン材の床の家をトロントに買おうとしてる
Come over, watch a season of Flight of the Conchords
家においでよ、『フライト・オブ・ザ・コンコルド』のシーズンでも観ようぜ
※『Flight of the Conchords』はニュージーランドのコメディアンデュオによるカルト的な人気を誇るHBOのコメディ番組。豪遊するラッパー像(Mob Boss)と、家で女の子とドラマを観て過ごしたい等身大な青年像(Sad Boy)のギャップを描いている。
And I try to put some lotion all over your contours
そして、君の体の曲線(コントゥア)の隅々までローションを塗ってあげるんだ
But ugh, tell me you surfing, let me know you on board
でも、あぁ、君も波に乗ってる(サーフィンしてる)って言ってくれ、俺と同じ船に乗ってるって教えてくれよ
You can't seal up the bottle once all of the Dom's poured
ドンペリを全部注ぎ切っちまったら、もうボトルに蓋はできないんだ
Yes, I swear to God, girl I put it on Lord
あぁ、神に誓うよ、ガール、主にかけて誓う
I'm tryna show you life through the tint on these Tom Fords
このトム・フォード(のサングラス)のティント越しに、君に最高の人生を見せてやろうとしてるんだ
Ethiopian girl, Ethiopian girl
エチオピアの女の子、エチオピアの女の子
※トロントは移民が多く、特に東アフリカ系(エチオピアやソマリア)のコミュニティが大きい。The Weeknd(彼自身もエチオピア系カナダ人)の登場以前から、Drakeが地元のリアルな多様性を歌詞に反映させていたことがわかる。
With your long, curly hair and yo' big ass boo-tay
長くてカールした髪と、そのデカいお尻を持った君
Reading all them pro-Black, pro-female books
黒人賛美やフェミニズムの本ばかり読んでる
Just let 'em, let 'em know that you ain't no groupie
周りの連中に、君がただのグルーピーなんかじゃないって教えてやれよ
You need a prescription, a vision correction
君には処方箋が必要だ、視力矯正のな
I'm young and successful, I'm living perfection
俺は若くて成功してる、完璧な人生を生きてるんだ
And man, if '09 is when I'ma see mine
そして、もし2009年が俺の時代(成功を手にする年)になるなら
※この曲が発表されたのは2007年。結果的に2009年は大出世作となるミックステープ『So Far Gone』をリリースし、彼が世界的な大ブレイクを果たした年である。彼自身の未来を見事に予言していた恐るべきライン。
Being cool ain't enough, homie; I'ma freeze time, like that!
ただ「クール」なだけじゃ足りないぜ、ホーミー。俺は時間を止めて(フリーズさせて)みせる、こんな風にな!
