Artist: Drake (feat. Slakah the Beatchild)
Album: Room for Improvement
Song Title: Make Things Right
概要
本楽曲は、2006年リリースのデビュー・ミックステープ『Room For Improvement』に収録された一曲である。客演にSlakah the Beatchildを迎え、スムーズなR&Bテイストのビートに乗せて、当時のトロントのナイトライフとそこに群がる若者たちへのコンシャスなメッセージが綴られている。ミュージックビデオのバックダンサーを夢見て体を売る女性や、週末のクラブで虚勢を張る男たちに対し、「君にはもっと価値がある」と諭すように歌いかけるアプローチは、Drake特有の「Sad Boy(感情的で道徳的な観察者)」ペルソナの原点である。しかし、Verse 2に入ると一転し、「カナダで聴く価値があるアーティストは俺を含めて5人だけだ」と豪語する「Mob Boss(成功者としての傲慢さ)」の顔を覗かせる。スポーツ選手(シャキール・オニール)を引き合いに出した見事なダブルミーニングなど、初期から卓越していた彼の作詞能力を堪能できる名トラックである。
和訳
[Chorus: Drake]
Look, if you a girl with the aspirations
なぁ、もし君がこんな野望を持った女の子なら
Of being in the background with your asses shakin'
バックダンサーになって、ケツを振りたいっていう
Hittin' clubs and skippin' out on the class you takin'
クラブに入り浸って、受けるべき授業をサボってるような
I ask you to have some patience
俺は君にもう少し忍耐を持てって言いたい
(You're worth so much more)
(君にはもっとずっと価値があるんだ)
※ヒップホップのミュージックビデオで踊る「ビデオ・ヴィクセン(セクシーなダンサー)」に憧れて身を崩す若い女性たちに対する、Drake特有の説教くさくも優しいアプローチ。
To my dudes at the bar with a freak and
そして、バーでヤバい女を連れてる俺のダチたちへ
Steady lightin' cigars at the parties they sneak in
こっそり忍び込んだパーティーで、葉巻に火を点け気取ってる
And look forward to being a star on the weekend
週末だけスターになるのを楽しみにしてるお前ら
Ya'll part of the speech 'cause
お前らもこの説教の対象だぜ、だって
[Verse 1: Drake]
I'm from the city where
俺はこういう街(トロント)の出身だ
People be gettin' lazy, litterin' in the streets
人々は怠惰になり、ストリートにゴミをポイ捨てしてる
And the club district is poppin' like literally every week
クラブ街は文字通り毎週のように盛り上がってる
And promoters'll push flyers, money exchange hands
プロモーターたちはフライヤーを配り、金が裏でやり取りされる
Liars sell you they dreams and dummies exchange plans
嘘つきたちが夢を売りつけ、バカな奴らが薄っぺらい計画を交わす
Hustlers give you events, bouncers give you pass
ハスラーたちがイベントを仕掛け、バウンサー(用心棒)が顔パスを入れる
Directors give em a shot, so girls'll give up the ass
映像監督たちがチャンスを与えるから、女たちは体を差し出すんだ
※エンタメ業界の搾取的な構造と、甘い汁に群がる若者たちの姿を冷徹に描写している。
And groupies that would flock to hometown athletes
地元のスポーツ選手に群がるグルーピーの女たち
And start rolling together like Snoopy and Woodstock
スヌーピーとウッドストックみたいに、いつも一緒につるみ始める
Daffy and Bugs, its all laughing and hugs
ダフィー・ダックとバッグス・バニーみたいに、笑い声とハグばかりさ
Til the dude catch a plane and she back where she was
その男が飛行機に乗って街を去り、女が元の場所に逆戻りするまではな
※遠征でトロントを訪れたプロスポーツ選手と一時的な関係を持ち、結局捨てられる地元女性の悲哀を描いている。
Right back on the bus, it's a shame cause now
またバスの生活に逆戻りだ、情けないよな、だって今じゃ
At his window she throwin' bricks like Shaq in the clutch
彼女は奴の家の窓にレンガを投げつけてる、勝負所のシャックみたいにな
※NBAの伝説的センター、シャキール・オニール(Shaq)はフリースローが極端に苦手なことで知られる。接戦の勝負所(in the clutch)でシュートを外すこと(throwin' bricks)と、怒り狂った女が男の家の窓にレンガ(bricks)を投げつける行為を掛けた、ヒップホップ史に残る極めて秀逸なダブルミーニングである。
You can see that's shes colder 'cause he doesn't hold her
彼女が冷え切ってるのが分かるだろ、だってあいつはもう抱きしめてくれないから
Fall flat on the ground trying ta lean on his shoulder
奴の肩によりかかろうとして、地面に突っ伏して倒れ込む
Know that he tried ta told her that he couldn't mold her
男は「お前を俺の理想通りにはできない」って伝えようとしたはずだ
If this the type of chick you wanna be when you older, I say
もし君が将来、こういう女になりたいって言うなら、俺はこう言うぜ
[Chorus: Drake]
If you a girl with the aspirations
もし君がこんな野望を持った女の子なら
Of being in the background with your asses shakin'
バックダンサーになって、ケツを振りたいっていう
Hittin' clubs and skippin' out on the class you takin'
クラブに入り浸って、受けるべき授業をサボってるような
I ask you to have some patience
俺は君にもう少し忍耐を持てって言いたい
(You're worth so much more)
(君にはもっとずっと価値があるんだ)
To my dudes at the bar with a freak and
そして、バーでヤバい女を連れてる俺のダチたちへ
Steady lightin' cigars at the parties they sneak in
こっそり忍び込んだパーティーで、葉巻に火を点け気取ってる
And look forward to being a star on the weekend
週末だけスターになるのを楽しみにしてるお前ら
Ya'll part of the speech 'cause
お前らもこの説教の対象だぜ、だって
[Verse 2: Drake]
Now up north there's five artists deservin' a listen
さて、北の国(カナダ)には、聴く価値があるアーティストが5人いる
And I'm one of em, the other four you know who you are
俺がそのうちの1人で、残りの4人は自分でも分かってるはずだ
But if you gotta think through chances are that it ain't you
でも、もし「自分のことかな?」って悩むようなら、たぶんお前のことじゃないぜ
※Verse 1の社会派な説教から一転し、トロントのトップ層に君臨するという強烈なエゴ(Mob Boss的ペルソナ)をむき出しにする。
I single-handedly carry out what you can't do
お前らにはできないことを、俺はたった一人で成し遂げるんだ
And see I take a couple of breathers
ほら、俺が少し休憩を取ると
And then things come together on the spot like a couple that's eager
物事がその場ですぐにまとまるんだ、熱望し合うカップルみたいにな
If you wanna pack a duffel and leave her
もしお前がダッフルバッグに荷物を詰めて、彼女を捨てたいなら
Go ahead, I couldn't give two damns like a couple of beavers
どうぞご勝手に。俺は2匹のビーバーみたいに「ダム」なんて気にしないからな
※「give a damn(気にかける)」の"damn"と、ビーバーが作る「ダム(dam)」を掛けた言葉遊び。
But uh, the in & the out and the plan's seeming ill
でもな、出入りも計画も、ヤバい感じになってきてる
Whenever I'm out in Memphis the man seen as trill
俺がメンフィスにいる時はいつだって、俺は「トリル(本物)」だと見なされるんだ
※父親の故郷であるUS南部メンフィスでのプロップス(支持)をアピールしている。「Trill」はTrue(真実)とReal(本物)を足した南部特有のヒップホップ・スラング。
And every verse the man seem to kill
そして俺は、すべてのヴァースを完璧にキル(圧倒)する
You can find him with black jays and socks like I'm Andreena mill
黒のジョーダンとソックスを履いた俺を見つけられるぜ、まるでアンドリーナ・ミルみたいにな
※「jays」はエア・ジョーダンのスニーカーを指す。Andreena Millはトロント出身の女性R&Bシンガーで、彼女のファッション・スタイルや、カナダのヒップホップ・コレクティブ「Black Jays」にかけたローカルなネームドロップである。
Japan and Brazil, the audience screaming
日本やブラジルでも、観客が絶叫してる
And then you come around and all the fans seems to chill
それでお前がやって来ると、ファンは急に冷え込んじまうんだ
※自身の世界的スターとしてのポテンシャル(Japan and Brazil)と、凡庸なライバルラッパーを対比させているディス。
Advances to deals, financing appeals
契約への前払い金、資金調達のアピール
The hustles, I have you feeling like you dancing in heels and uh
このハッスル(競争)で、お前にハイヒールで踊ってるような気分(不安定で苦しい状況)を味わわせてやるよ
[Chorus: Drake]
Look, if you a girl with the aspirations
なぁ、もし君がこんな野望を持った女の子なら
Of being in the background with your asses shakin'
バックダンサーになって、ケツを振りたいっていう
Hittin' clubs and skippin' out on the class you takin'
クラブに入り浸って、受けるべき授業をサボってるような
I ask you to have some patience
俺は君にもう少し忍耐を持てって言いたい
(You're worth so much more)
(君にはもっとずっと価値があるんだ)
To my dudes at the bar with a freak and
そして、バーでヤバい女を連れてる俺のダチたちへ
Steady lightin' cigars at the parties they sneak in
こっそり忍び込んだパーティーで、葉巻に火を点け気取ってる
And look forward to being a star on the weekend
週末だけスターになるのを楽しみにしてるお前ら
Ya'll part of the speech 'cause
お前らもこの説教の対象だぜ、だって
