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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

City Is Mine - Drake 【和訳・解説】

Artist: Drake

Album: Room for Improvement

Song Title: City Is Mine

概要

本楽曲は、2006年にリリースされたデビュー・ミックステープ『Room For Improvement』の収録楽曲であり、Drakeがまだ世界的なスターになる前夜に、自身の故郷であるトロント(Toronto)の王座を明確に宣言した記念碑的な一曲である。当時USメインストリームで覇権を握っていたヒューストンやメンフィスといった南部ヒップホップ(サザン・ラップ)のバウンシーなサウンドを取り入れつつ、自身のルーツであるカナダのアイデンティティを融合させている。また、ストリップクラブで学費のために働く女性への共感(Sad Boy的な視点)や、借金を容赦なく取り立てるストリートの覇者(Mob Boss的な視点)、そして映画女優の名前を用いた高度なダブルミーニングなど、後のDrakeの音楽性を決定づけるあらゆる要素がこの初期衝動の中に詰め込まれている。トロントを「6ix」として世界地図に刻む、彼の野心の出発点である。

和訳

[Verse 1]

This the record that my backpack underground fans get to skippin'
これは俺のアンダーグラウンド志向なバックパッカー・ファンたちがスキップするようなレコードだ
※「バックパッカー」とは、コンシャスで非商業的なヒップホップを好む層を指す。この曲が意図的にメインストリームのクラブバンガー向けに作られていることを示している。

Back back, Southern town fans get to tippin'
下がれよ、南部のファンたちは車を傾かせて(チップを弾んで)ノリ始めるぜ
※「tippin'」はヒューストンのカスタムカー(スラブ)文化で車を斜めにして走る様子と、ストリップクラブで札束をばら撒く(チップを払う)ことのダブルミーニングである。

Chasin' fat stacks, runnin' down grands and submission
分厚い札束を追いかけ、大金と服従を追い詰めるんだ

I don't back track, every single sound for me different
俺は後戻りはしねえ、俺にとってすべてのサウンドは別物なんだ

I don't own no ice, I just got clean rap
俺は氷(ダイヤ)なんて持ってない、ただクリーンなラップがあるだけさ

I don't ever two step, I just rock, lean, snap
俺はツーステップなんて踏まない、ただロックして、リーンして、スナップするだけだ
※当時アメリカ南部で大流行していたダンスやサブジャンル(Snap MusicやLean)を取り入れている。

We could take it out to Houston where the rides all glossed up
車が全部ピカピカに磨き上げられてるヒューストンに持ち込んでもいいぜ

Anybody I'm standin' beside's all bossed up
俺の隣に立ってるヤツらは、みんなボスみたいにキマってるんだ

Burglar minded they say I'm servin' them rhymers
強盗みたいな思考回路さ、俺が他のラッパーたちを料理して(捌いて)るってみんな言ってる

And me and Nickel F go together like burgers and diners, yes
俺とNickel Fの相性は、ダイナーのハンバーガーみたいに抜群なのさ、そうだろ
※客演等で共演の多かったバージニアのラッパーNickelus Fの名前と、ファストフードの定番の組み合わせを掛けている。

I'm like a waiter and you something like a hater
俺はウェイターみたいなもんで、お前はヘイターみたいなもんだ

With trays in both hands, place an order I can cater, uh
両手にお盆を持ってな、注文しな、俺が提供してやるよ

I got the diamonds in my teeth flow
俺のフロウは、歯にダイヤ(グリルズ)をはめてるみたいに輝いてる

Memphis is the reason that my rhyming and my speech slow
俺のライミングと喋りが遅いのは、メンフィスのせいさ
※Drakeの父親がテネシー州メンフィス出身であることと、南部特有のチョップド&スクリュード(意図的にテンポを落とす手法)へのオマージュである。

Peep though, when I get fed up, it’s sped up
でも見とけよ、俺がウンザリしたら、一気にスピードアップするからな

Riding through the streets, just reclining in my seat hoe
ストリートを流して、シートに深くもたれかかってるだけさ、ホー

Uh, them city lights is looking brighter, its 3 a.m. in the morning An' the pen is like a lighter
あぁ、街の灯りがいつもより眩しく見える、午前3時、そしてこのペンはライターみたいだ

I’m just a writer flaming pages of a notebook, my Rachel McAdams get At ‘em when I ignite her
俺はノートのページを燃やすただのライター(作家)さ、俺が火をつければ、俺のレイチェル・マクアダムスが奴らに襲い掛かるぜ
※ヒップホップ史に残るDrake初期の極めて秀逸なワードプレイ。映画『The Notebook(きみに読む物語)』と主演女優のレイチェル・マクアダムス(カナダ出身)を引き合いに出し、リリックを書く「Notebook(ノート)」、「Writer(作家)」と火をつける「Lighter(ライター)」を完璧に掛け合わせている。

Yup, soon as a couple plan a trip, you smell gasoline I’m burning All up and down the strip, strip
あぁ、カップルが旅行の計画を立てる頃には、ガソリンの匂いがするはずさ、俺が大通りのあちこちを燃やし尽くしてるからな

I done said it, I give you the unleaded, just tip me, if your tank Is empty come get me
言っただろ、無鉛ガソリンを注いでやる、チップだけくれよ。もしお前のタンクが空なら、俺のところへ来な

[Chorus]

Yo, the city is mine (which one?)
ヨー、この街は俺のものだ(どこの街かって?)

T-O-R-O-N-T-O
T-O-R-O-N-T-O(トロント)さ

D-R-A-K-E that's me
D-R-A-K-E、それが俺だ

You know how the story goes
この物語がどう転がるか、分かってるだろ

Pull up, range rove, yo chick, wanna roll
レンジローバーで乗り付ける、お前の女も俺と転がした(遊びた)がってるぜ

And I play myself in the stereo
カーステレオでは、俺自身の曲を流すのさ

And I make 'em wanna
そんで俺は女たちをこんな気分にさせるんだ

Shake shake it, drop it drop it
揺らして、落として

Bounce it bounce it, wop it wop it
バウンスさせて、腰を振れ

Girl, move that thang like you gettin money for college, go!
ガール、大学の学費を稼ぐみたいにそのケツを振るんだ、いけ!
※ストリップクラブで学費を稼ぐ苦学生のダンサーを応援するという、Drakeの「Sad Boy」的でありつつも夜の街を愛する独特のペルソナがすでに確立している。

Shake shake it, drop it drop it
揺らして、落として

Bounce it bounce it, wop it wop it
バウンスさせて、腰を振れ

Girl, move that thang like you gettin money for college, go!
ガール、大学の学費を稼ぐみたいにそのケツを振るんだ、いけ!

[Verse 2]

Break it down like you working for your tuition at Howard
ハワード大学の授業料のために働いてるみたいに、ブレイクダウン(踊り狂う)しろ
※Howard UniversityはワシントンD.C.にある名門HBCU(歴史的黒人大学)。知性とストリートのアンバランスさを描くDrakeの得意な手法。

Mama, get it how you live, that thang that you working is power
ママ、自分の生き方で稼ぐんだ、お前が武器にしてるそのケツは権力(パワー)そのものさ

Tryna be generous, so honey here's a tip
気前よくいきたいからな、ハニー、これがチップだ

Now-a-days it's gettin cheaper to put 20's on the whip
最近じゃ、車に20インチのリムを履かせるのも安くなってきた

So if you a opportunist look for 20's in the clip
だから、もしお前がチャンスを狙うビッチなら、クリップに挟まれた20ドル札の束を探すんだな
※車の「20インチのリム」と、マネークリップに挟まれた「20ドル札」を対比させている。

And if you find 'em attractive and funny, that's when you dip, dip
そいつらが魅力的で面白いヤツだって気づいたら、その時は一緒に行っちまえよ

And it's a trip, my city broke into sections
トリップみたいだぜ、俺の街はいくつかのセクションに分かれてる

Up North I got me a couple of troubles, couple connections
北部(ノースヨークなど)じゃ、ちょっとしたトラブルと、いくつかのコネクションがあるんだ

And it's nothing that I created on purpose
別に俺がわざと作り出した問題じゃない

There's people that gotta problem
問題を抱えてる連中がいるんだ

But they scared to let it surface, uh
でも奴らは、それを表面化させるのをビビってる

Ya boy say this, that, and the third to 'em
お前らのボーイ(俺)は、奴らにあれこれ言ってやる

See me out and they never utter a word to 'em
俺が外にいるのを見ても、奴らは一言も発しようとしないのさ

Expect me not to draw a card from the deck
俺がデッキからカードを引かない(手を出さない)ことを祈りな

Anybody in my city going hard I respect but
俺の街で必死にやってるヤツなら誰でもリスペクトする、だがな

You got a debt and you choose not to pay that
お前が借金を作って、それを返さないって選択をするなら

I'mma hop ya fence, come into your yard and collect, lect uh
俺はお前の家のフェンスを飛び越えて、庭に踏み込んで回収(取り立て)してやるぜ
※若手俳優出身というレッテルを払拭するかのような、マフィアのボス(Mob Boss)的で暴力的な取り立ての描写。

It ain't a problem of concern bruh
心配するような問題じゃねえよ、ブラザー

I always end up with exactly what I earn bruh
俺はいつだって、自分が稼いだ分はきっちり手にするからな

This ain't last year, money like a cashier
去年とは違うんだ、レジ打ちみたいに金を数えてるぜ

So hand your receipt if you tryna make a return bruh
だから、もし返品(反撃)したいならレシートを渡しな、ブラザー

Yessir, I live in a city where a lot of people don't get shine, shine
イエッサー、俺は多くの人が光を浴びられない街に住んでる

And, I be on by the fence as soon as anybody stepping out of line, line
そして、誰かが一線を越えたら、俺はすぐにフェンスのそばに立ってるぜ

And I got way too much love, for the city I can never get too much of
俺はこの街にデカすぎる愛を持ってる、どれだけ愛しても足りないくらいにな

And if anybody hatin' on me, I deport 'em, the city is mine boy
もし俺をヘイトするヤツがいれば、そいつを強制送還(ディポート)してやる。この街は俺のものだぜ、ボーイ
※カナダ(トロント)の王としての権力を見せつけるため、国家権力のような「Deport(国外追放する)」という単語を用いている。

[Chorus]

Yo, the city is mine (which one?)
ヨー、この街は俺のものだ(どこの街かって?)

T-O-R-O-N-T-O
T-O-R-O-N-T-O(トロント)さ

D-R-A-K-E that's me
D-R-A-K-E、それが俺だ

You know how the story goes
この物語がどう転がるか、分かってるだろ

Pull up, range rove, yo chick, wanna roll
レンジローバーで乗り付ける、お前の女も俺と転がした(遊びた)がってるぜ

And I play myself in the stereo
カーステレオでは、俺自身の曲を流すのさ

And I make 'em wanna
そんで俺は女たちをこんな気分にさせるんだ

Shake shake it, drop it drop it
揺らして、落として

Bounce it bounce it, wop it wop it
バウンスさせて、腰を振れ

Girl, move that thang like you gettin money for college, go!
ガール、大学の学費を稼ぐみたいにそのケツを振るんだ、いけ!

Shake shake it, drop it drop it
揺らして、落として

Bounce it bounce it, wop it wop it
バウンスさせて、腰を振れ

Girl, move that thang like you gettin money for college, go!
ガール、大学の学費を稼ぐみたいにそのケツを振るんだ、いけ!

[Outro]

After that, break it down
そのあとは、ブレイクダウン(踊り狂え)

Break it, Break it down
ブレイクイット、ブレイクダウン

After that, break it down
そのあとは、ブレイクダウン

Break it, Break it down
ブレイクイット、ブレイクダウン

After that, break it down
そのあとは、ブレイクダウン

Break it, Break it down
ブレイクイット、ブレイクダウン

After that, break it down
そのあとは、ブレイクダウン

Break it, Break it down
ブレイクイット、ブレイクダウン