Artist: Drake
Album: Room for Improvement
Song Title: Do What You Do
概要
2006年のデビュー・ミックステープ『Room For Improvement』に収録された本楽曲は、Drakeと彼のキャリアにおいて不可欠なプロデューサーとなるBoi-1daとの初期の強力なタッグを示す重要な一曲である。当時のトロントのヒップホップシーンはUS市場から隔絶されており、成功への道筋が不透明な中で、Drakeは地元レーベルの搾取的な構造を冷徹に批判している。同時に、派手に振る舞うだけのフェイクなラッパーたちを嘲笑し、「壁に寄りかかりリラックスしながらも確実に成功を掴む」という独自のクールなスタンスを提示している。まだ無名に近い存在でありながら、「いずれ大金を手にする」「ヘイターの彼女すら俺の虜になる」と豪語する姿には、後の「Mob Boss(ボス)」的ペルソナの片鱗が明確に表れている。南部のチョップド&スクリュード文化への言及など、当時のトレンドを貪欲に吸収しつつ、確かなリリシズムで自身の野心を刻み込んだ初期の傑作である。
和訳
[Chorus]
Stance on lean, leg up on the wall
体を斜めにして、壁に片足をかけて寄りかかる
※必死に虚勢を張る周囲のラッパーたちとは対照的に、余裕のある「チル」な姿勢を保ちながら成功を収めるというDrakeの基本スタンスを表している。
My niggas chill, why you niggas wanna ball
俺のダチはチルしてるのに、なんでお前らはそんなに金持ちぶりたいんだ?
I'm satisfied with a little, why you niggas want it all
俺は少しで満足してるのに、なんでお前らは全てを欲しがる?
You waiting for the spring, and I'm gettin' it in the fall
お前らが春を待ってる間に、俺は秋の時点でもう手に入れてる
※他者よりも常に行動が早く、先見の明があることを誇示するパンチライン。
But uh, do what you do what you, I do what I do
まあ、お前はお前のやりたいようにやれよ、俺は俺のやり方でやるから
Do's what you do, I do what I do
お前はお前のことを、俺は俺のことをな
[Verse 1]
Getting down tonight if they say you cuttin'
今夜は楽しむぜ、もしお前らが曲を流すって言うなら
A lot of dudes in my city, they ain't saying nothin'
俺の街の多くのヤツら、中身のあることなんて何も言ってねえ
※当時のトロント(6ix)のシーンにいた凡庸なラッパーたちへの牽制。
A lot of records from here, they get no play
この街発のレコードの多くは、全くプレイされない
And these labels don't give advances so you get no pay
しかもここのレーベルは前払金(アドバンス)も出さないから、お前らは無給ってわけだ
※カナダの音楽産業の脆弱性と、アーティストを搾取するローカルレーベルへの鋭い批判。彼がUS市場やメジャーディールを渇望した背景が窺える。
Them little rims on the ride, Imma let those stay
車のちっぽけなホイール、俺はあえてそのままにしておくぜ
So these nosy niggas don't know that I get checks all day
おせっかいな連中に、俺が一日中稼いでることを悟られないようにな
※成金趣味を見せびらかすのではなく、実利(小切手)を密かに得ているというハスラーとしての賢さのアピール。
'Whats he worth?' Fans keep trying to guess it
「あいつの純資産はいくらだ?」ファンは推測し続けてる
My record ain't even finish, they keep trying to press it
俺のレコードはまだ未完成なのに、みんなプレス(リリース)を急かしてくる
Boi-1da and Drake if it's beef I address it
Boi-1daとDrake、もしビーフ(揉め事)があるなら俺が処理してやるよ
※OVO Soundの根幹を成す天才プロデューサー、Boi-1da(ボーイ・ワンダ)のネームドロップ。彼らが初期から確固たるチームであったことを示している。
And the black Phantom is here soon as Visalia exit
バイセイリアの出口を抜けたら、すぐに黒のファントムが待ってるぜ
※ロールス・ロイス・ファントムは究極の成功の象徴。将来的な成功を既に予見している。
Both of the deals, nothin' under a mill
どっちの契約も、ミリオン(100万ドル)以下なんてあり得ねえ
We know you got it to give and we trying to collect it
お前らが払えるって分かってるからな、俺たちはそれを回収しようとしてるんだ
Long as I got me some heat through the winter
この冬を乗り切るための熱気(ヒット曲)がある限り
Drake known as a pro, I'ma teach you beginners
Drakeはプロとして知られてる、お前ら初心者に教えてやるよ
'Bout to ink with a major like sheets through a printer
プリンターを通る紙みたいに、メジャーと次々に契約(インク)を交わすところだ
For features, y'all better get me while it's cheaper than dinner
客演を頼むなら、夕食代より安い今のうちに俺を捕まえておいた方がいいぜ
※ミックステープ時代ならではの謙遜を装った強烈なフレックス。のちに彼のフィーチャリング費用は天文学的な数字となるため、見事な伏線回収となっている。
'Cause me and 1da trying to get at your girl
だって俺と1daで、お前の女を狙いに行こうとしてるからな
If you see her tell this nigga got some beats Imma send her
もし彼女に会ったら、この男がヤバいビートを持ってるから後で送るって伝えておけよ
[Chorus]
Stance on lean, leg up on the wall
体を斜めにして、壁に片足をかけて寄りかかる
My niggas chill, why you niggas wanna ball
俺のダチはチルしてるのに、なんでお前らはそんなに金持ちぶりたいんだ?
I'm satisfied with a little, why you niggas want it all
俺は少しで満足してるのに、なんでお前らは全てを欲しがる?
You waiting for the spring, and I'm gettin' it in the fall
お前らが春を待ってる間に、俺は秋の時点でもう手に入れてる
But uh, do what you do what you, I do what I do
まあ、お前はお前のやりたいようにやれよ、俺は俺のやり方でやるから
Do's what you do, I do what I do
お前はお前のことを、俺は俺のことをな
Stance on lean, leg up on the wall
体を斜めにして、壁に片足をかけて寄りかかる
My niggas chill, why you niggas wanna ball
俺のダチはチルしてるのに、なんでお前らはそんなに金持ちぶりたいんだ?
I'm satisfied with a little, why you niggas want it all
俺は少しで満足してるのに、なんでお前らは全てを欲しがる?
You waiting for the spring, and I'm gettin' it in the fall
お前らが春を待ってる間に、俺は秋の時点でもう手に入れてる
But uh, do what you do what you, I do what I do
まあ、お前はお前のやりたいようにやれよ、俺は俺のやり方でやるから
Do's what you do, I do what I do
お前はお前のことを、俺は俺のことをな
[Verse 2]
Check, the verses I'm writin', you might wanna learn it
チェックしな、俺の書いてるヴァース、お前も学んだ方がいいぜ
You hatin' my song but your wife wanna burn it
お前は俺の曲をヘイトしてるが、お前の奥さんはCDに焼きたがってる
So now you at the store for some blank CDs
だから今、お前は空のCD-Rを買いに店にいるわけだ
You can't see me, for your sake, might wanna return it
お前には俺の姿は見えない、お前のためを思えば(そのCD-Rは)返品した方がいいかもな
'Cause, if you bring them discs home to ya girl
だって、もしそのディスクを彼女のいる家に持ち帰ったら
She'll forget you and I'll be the only one she concerned with
彼女はお前を忘れて、俺のことしか考えなくなるからな
※ヘイターの恋人すらも自身のファンにしてしまうという、R&B的な色気とラッパー的な傲慢さが入り交じったDrake特有のトラッシュトーク。
To the people that ignored me before this
これ以前に俺を無視してた連中へ
This one is for you as a song re-recorded
この再録音したような曲は、お前らに捧げるよ
Funny thing is, you just notice me now
笑えるのは、お前らが今になってやっと俺に気づいたってことさ
But I was here along, your vision's just been distorted
でも俺はずっとここにいたんだ、お前らの目が曇ってただけだ
I'm so throwed, wilin' in this, you ask me what the business is
俺は完全にキマッて、ここで暴れまわってる、お前は「どういうビジネスだ」って聞いてくる
And I'll write a sixteen and record it
なら俺は16小節書いて、そいつをレコーディングするだけさ
The waiting is over I think music needed
待ち時間は終わりだ、音楽界が求めていたんだと思うぜ
Drake cuttin' his records without gettin' weeded
Drakeはハッパを吸わずに自分のレコードを作ってる
People in the South want it chopped and screwed
南部の連中はチョップド・アンド・スクリュードを求めてる
※当時アメリカ南部で大流行していた、曲のテンポを極端に落としてスクラッチを入れるリミックス手法(Chopped and Screwed)への言及。南部市場へのアピールである。
I got this dude they expectations I'ma exceed it
俺にはこいつ(Boi-1da)がいる、奴らの期待を超えてやるよ
Like a single with only backgrounds
バックグラウンドだけのシングルのように
Y'all record and when it's done, ya lyrics tend to mislead shit
お前らが録音し終わった頃には、そのリリックはだいたい的外れなものになってるのさ
Finally here I'ma star with the timin'
ついにここに来た、タイミングを見計らったスターだ
My swagger is chill, and my flow is reclinin'
俺のスワッグはチルで、俺のフロウはもたれ掛かるようにリラックスしてる
This for anybody that's searchin' for cash
これは現金を追い求めてるヤツら全員へ
And purchasin' fast, you only get the dough when you grindin'
すぐに買っちまうヤツらへ、金はグラインド(必死に働く)した時にしか手に入らないんだぜ
And so I grind like I'm listening to I Wayne
だから俺は I Wayne を聴いてる時みたいにグラインド(腰を振る/働く)するんだ
※「I Wayne」はジャマイカのレゲエ・アーティスト。ダンスホール・レゲエにおけるダガーリング(腰を振るダンス)を意味する「グラインド」と、ストリートで「必死に稼ぐ」意味のグラインドを掛けた秀逸なダブルミーニング。カリブ海文化(パトワ)の影響が強いトロントならではの表現。
My pain, you can experience through the rhymin', boy
俺の痛みは、このライムを通して体験できるぜ、ボーイ
[Chorus]
Stance on lean, leg up on the wall
体を斜めにして、壁に片足をかけて寄りかかる
My niggas chill, why you niggas wanna ball
俺のダチはチルしてるのに、なんでお前らはそんなに金持ちぶりたいんだ?
I'm satisfied with a little, why you niggas want it all
俺は少しで満足してるのに、なんでお前らは全てを欲しがる?
You waiting for the spring, and I'm gettin' it in the fall
お前らが春を待ってる間に、俺は秋の時点でもう手に入れてる
But uh, do what you do what you, I do what I do
まあ、お前はお前のやりたいようにやれよ、俺は俺のやり方でやるから
Do's what you do, I do what I do
お前はお前のことを、俺は俺のことをな
Stance on lean, leg up on the wall
体を斜めにして、壁に片足をかけて寄りかかる
My niggas chill, why you niggas wanna ball
俺のダチはチルしてるのに、なんでお前らはそんなに金持ちぶりたいんだ?
I'm satisfied with a little, why you niggas want it all
俺は少しで満足してるのに、なんでお前らは全てを欲しがる?
You waiting for the spring, and I'm gettin' it in the fall
お前らが春を待ってる間に、俺は秋の時点でもう手に入れてる
But uh, do what you do what you, I do what I do
まあ、お前はお前のやりたいようにやれよ、俺は俺のやり方でやるから
Do's what you do, I do what I do
お前はお前のことを、俺は俺のことをな
[Bridge]
Two years ago, a friend of mine
2年前、俺のダチが
Asked me to kick some new school lines
ニュースクールのライン(ラップ)をキックしてくれって頼んできたんだ
And so I sent him a rhyme, it was fresh to death
だから俺はライムを送ってやった、死ぬほどフレッシュなやつをな
Now not signing me is somethin' that the rest regret
今じゃ、俺と契約しなかったことを他の連中は後悔してるはずさ
Then I, hopped inside the Cadillac
そして俺はキャデラックに乗り込んだ
The chauffeur drove off and we never came back
お抱え運転手が走り去って、俺たちは二度と戻ってこなかったのさ
※俳優業からヒップホップ界へ完全に足を踏み入れた覚悟と、後戻りはしないというマフィア映画のラストシーンのようなドラマチックな情景描写。
[Chorus]
Stance on lean, leg up on the wall
体を斜めにして、壁に片足をかけて寄りかかる
My niggas chill, why you niggas wanna ball
俺のダチはチルしてるのに、なんでお前らはそんなに金持ちぶりたいんだ?
I'm satisfied with a little, why you niggas want it all
俺は少しで満足してるのに、なんでお前らは全てを欲しがる?
You waiting for the spring, and I'm gettin' it in the fall
お前らが春を待ってる間に、俺は秋の時点でもう手に入れてる
But uh, do what you do what you, I do what I do
まあ、お前はお前のやりたいようにやれよ、俺は俺のやり方でやるから
Do's what you do, I do what I do
お前はお前のことを、俺は俺のことをな
