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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Light Speed - Dr. Dre (feat. Hittman) 【和訳・解説】

Artist: Dr. Dre (feat. Hittman)

Album: 2001

Song Title: Light Speed

概要

「Light Speed」は、Dr. Dreが1999年にリリースした歴史的アルバム『2001』の中盤を彩る、未来的でスペーシーなGファンク・チューンである。前曲のスキット「Bar One」から直接繋がり、Dreがバーで出会った女性に声をかけ、マリファナを吸おうと誘う場面から幕を開ける。Dreのヴァースでは、成功を収めてもなおコンプトンの魂を持ち続けていることや、過去のキャリア(The Firmの失敗やTangoのMVでの批判など)を笑い飛ばす王者の余裕が描かれている。一方、愛弟子であるHittmanのヴァースはLAストリートの過酷なギャングスタ・ライフや激しい銃撃戦をハードコアに描写しており、Dreのボスとしての貫禄とストリートの生々しい暴力性が絶妙なコントラストを生み出している。タイトルの通り「光の速さ」でハイになり、シーンを再び掌握するというAftermath陣営の野心に満ちた一曲だ。

和訳

[Intro: Dr. Dre & (girl)]

Hey... hey, whassup?
ヘイ…ヘイ、調子はどう?

My name is Dre
俺はドレーだ。

Can I blaze some chronic witchu?
お前と一緒にクロニック(極上のウィード)を吸ってもいいか?

(Nigga, what? Fo' sho'!
(えっ? もちろんよ!

Roll that shit up!)
さっさと巻いてよ!)

Hell yeah
最高だぜ。

[Verse 1: Dr. Dre]

Still always into something, heart still in Compton
相変わらず何かにのめり込んでるが、心は今もコンプトンにあるぜ。

The comp can't oppose, dope Cali platinum classicals
競争相手は手も足も出ねぇ、カリフォルニア産のヤバいプラチナ・クラシックさ。
※「comp」はコンペティション(競争相手)と地元コンプトン(Compton)を掛けている。

Introduced you to my Doggs, that don't love hoes
お前らに俺のダチを紹介してやっただろ、ホーどもを愛さない連中をな。
※Snoop DoggやTha Dogg Poundなど、女を愛さないという西海岸のプレイヤースタンスを貫く仲間たちをシーンに送り出した功績を指す。

And Firm Fiascos—assholes
それからザ・ファームの大失敗と、あのクソ野郎どももな。
※「Firm Fiascos」は、Dreがプロデュースに参加したNasやFoxy Brownらによるスーパーグループ「The Firm」(1997年)のアルバムが、商業的・批評的に期待外れ(Fiasco)に終わったことを自虐的に認めているライン。

Fucked you up with my last video, tuxed up doing a tango
前のビデオでお前らを混乱させちまったな、タキシード着てタンゴなんか踊ってよ。
※1996年の楽曲「Been There, Done That」のMVで、Dreがタキシード姿で社交ダンスを披露し、従来のギャングスタ・イメージから逸脱したとして批判されたことを振り返っている。

And cash, always in my grasp
だがキャッシュは、常に俺の手の中にしっかり握られてるぜ。

Came up in the game wearin' khakis not Kangols, stranglin' hoes
カンゴールじゃなくカーキのパンツを穿いてこのゲームをのし上がり、ホーどもを締め上げてきたんだ。
※「Kangols」は東海岸(NY)のBボーイの象徴であるカンゴール・ハット。「khakis」は西海岸のギャングスタの象徴であるカーキのチノパン。純粋な西海岸スタイルで成功を収めたという強烈な自負。

When asked about it, in most interviews, I just laugh
インタビューでそのことについて聞かれても、俺はただ笑うだけさ。

Now I vacate with hoes with a gang of ass
今じゃ俺は、デカいケツのホーどもを引き連れてバカンスに出かけてる。

One feedin' me mangos, the other lightin' my hash
一人は俺にマンゴーを食べさせ、もう一人は俺のハシシ(大麻樹脂)に火をつけてくれるんだ。

Rap tabloids write "Dre's light in the ass" (What?)
ラップのゴシップ誌は「ドレーはケツが軽い(ゲイだ)」なんて書き立てやがる。(あ?)
※「light in the ass」は同性愛者を揶揄するスラング。Death Row離脱後にSuge Knightなどが流した悪質な中傷を嘲笑っている。

Came home uptight, ready to mash
イライラしながら家に帰ってきて、いつでもブチかます準備はできてるぜ。

Like a gas pedal, get on that '64 Chevy level
アクセルペダルみたいに、64年型シボレーのレベルまで踏み込んでやるよ。

AK-47 heavy metal
AK-47、強烈なヘヴィ・メタルさ。
※銃器の金属(メタル)と、破壊的な音楽ジャンルとしてのヘヴィ・メタルを掛けたワードプレイ。

Who say Dre ain't ghetto? Just whistle like a tea kettle
誰がドレーはゲットーじゃないって言った?やかんみたいにピーピー鳴いてろ。

I throw three at you, tell me if you see devils
お前に3発ぶち込んでやる、悪魔が見えたかどうか教えてくれよ。
※「three」は3発の銃弾のこと。撃ち殺して地獄(悪魔のいる場所)に送ってやるという脅し。

'Cause we rebels over here, I smell chronic in the air
なぜなら俺たちは反逆者だからな、空気にクロニックの匂いが漂ってるぜ。

That means we takin' over this year, you hear?
つまり、今年はこのゲームを俺たちが乗っ取るってことだ、聞いてるか?

[Bridge: Girl, KRS-One sample & Dr. Dre]

Chronic, 2000
クロニック、2000。

"One!"
「ワン!」
※KRS-Oneの声のサンプリング。本来のアルバムタイトル『Chronic 2000』がDeath Rowに商標登録されて使えなくなり、苦肉の策で『2001』に変更した背景を踏まえ、「2000」に「One」を足して「2001」にするというユーモア溢れるギミック。

That means we takin' over this year, ya hear?
つまり、今年はこのゲームを俺たちが乗っ取るってことだ、聞いてるか?

[Chorus: Ms. Roq & Knoc-Turn'al]

Light speed, blazin' chronic through the galaxy
光の速さで、銀河を抜けながらクロニックを燃やす。

Hydro, doja, chocolate Thai weed
ハイドロ、ドージャ、チョコレート・タイ・ウィード。
※いずれもマリファナの種類やスラング。ハイドロ(水耕栽培の高純度大麻)、ドージャ(大麻全般)、チョコレート・タイ(タイ産の高級品種)。

Or we might be sippin' on gin or Hennessey
それか、ジンかヘネシーでもすすってるかもな。

Fuck that, where that new shit, The Chronic Iced Teas?
そんなもんクソくらえだ、あの新しいヤツはどこだ、「クロニック・アイスティー」だよ。

[Verse 2: Hittman]

I hang among hustlers, I slang and hoo-bang Bronson
俺はハスラーどもとつるみ、クスリをさばいてブロンソンでフッドバンギングをしてるぜ。
※「hoo-bang」はギャングの抗争やレペゼンを意味するスラング。「Bronson」はHittmanの地元周辺(LA)の通り名。

When bustaz roll through, can't fuck with my bold crew
バスター(腰抜け)どもが通りかかっても、俺の屈強なクルーには手を出せねぇよ。

We will hold you captive and bust
お前らを捕虜にして、弾をぶち込んでやる。

'Cause gangbangin' is the active activity
ギャングバンギング(抗争)こそが、ここでの活発なアクティビティだからな。

Where I be livin', B, there ain't no Liberty Statue
俺が住んでる場所にはな、ブラッド、自由の女神なんてねぇんだよ。
※「B」はBlood(仲間、兄弟)のスラング。自由の象徴(NYにある自由の女神)など存在しない、西海岸LAの過酷なスラムの現実を示している。

Hope you got your gat, don't let them catch you slippin'
ハジキを持ってることを祈るぜ、隙を見せて奴らに捕まるんじゃねぇぞ。

Without yours, it's warfare outdoors
武器を持たずに外に出れば、そこは戦争だからな。

Ambulance, violent uproars
救急車のサイレン、暴力的な怒号。

Trash niggas taken out like chores
クズなニガどもは、日課のゴミ出しみたいに片付けられていく。

I meet whores on tours
ツアーに出ればホーどもとヤリまくる。

Jeanie's hot as pepper, so I sip champagne on stormy shores
ジーニーはペッパーみたいにホットだ、だから俺は嵐の海岸でシャンパンをすするのさ。

Be on some hardcore, pornographic
ハードコアで、ポルノグラフィックなプレイをな。

Toting Austrian firearms that's made out of plastic
プラスチック製のオーストリア製銃器を持ち歩いてるぜ。
※オーストリア製の拳銃「Glock(グロック)」のこと。ポリマーフレーム(プラスチック)を多用していることで有名。

In these drastic surroundings, it be sounding like Lebanon
この過激な環境じゃ、まるでレバノンみたいに銃声が響いてるんだ。
※長年にわたり内戦が続いた中東のレバノンの状況に、LAのスラムでの日常的な銃撃戦を例えている。

Makin' fools "Retreat!" like Megatron and Starscream
バカどもに「退却だ!」って叫ばせてやるよ、メガトロンやスタースクリームみたいにな。
※「トランスフォーマー」の悪役(デストロン軍のメガトロンとスタースクリーム)が、戦闘に敗れて撤退する際のお決まりのセリフを引用した巧妙なライン。

Oh, yeah, I scream on stars
ああ、そうだ、俺はスターどもにも吠え立ててやるぜ。
※「Starscream」という単語を分解し、「スター(有名ラッパーや金持ち)に向かって叫ぶ(威嚇する)」というワードプレイ。

That get loot then crossover like Kareem Abdul-Jabbar
カリーム・アブドゥル=ジャバーみたいに、金を稼いでクロスオーバーしやがる連中にだ。
※「loot」は金。「crossover」はヒップホップからポップスへ迎合することと、バスケのクロスオーバー・ドリブルを掛けている。カリーム・アブドゥル=ジャバーはLAレイカーズの伝説的選手。

"Get out your car, son" – that's how I came to bougie niggas at Bar One
「車から降りな、坊や」。俺がバー・ワンで気取ったブルジョワ野郎どもに絡む時はそんな感じさ。
※「Bar One」は前曲のスキットの舞台となったバー。裕福な連中(bougie niggas)からカージャックや強盗をするストリートのリアルを語っている。

It's either that or make front page stardom
そうやって強盗するか、新聞の一面を飾るスターになるか、どっちかしかねぇ。

I'm the Golden Child, chased by Sardo Numspay
俺は「ゴールデン・チャイルド」だ、サード・ナムスパに追われてるんだよ。
※1986年のエディ・マーフィ主演映画『ゴールデン・チャイルド』からの引用。「Sardo Numspay」は同映画に登場する悪魔の手先の名前。

But God's my bulletproof, it's hard to shoot me, you hear?
だが神が俺の防弾チョッキだ、俺を撃つのは難しいぜ、聞いてるか?

By the time you see him – {two gun shots}
お前があいつ(神/死)を見る頃には…{※2発の銃声}

That means it's real fuckin' hard to shoot me, you hear?
つまり、俺を撃ち殺すのはマジでクソ難しいってことだ、聞いてるか?

[Chorus: Ms. Roq & Knoc-Turn'al]

Light speed, blazin' chronic through the galaxy
光の速さで、銀河を抜けながらクロニックを燃やす。

Hydro, doja, chocolate Thai weed
ハイドロ、ドージャ、チョコレート・タイ・ウィード。

Or we might be sippin' on gin or Hennessey
それか、ジンかヘネシーでもすすってるかもな。

Fuck that, where that new shit, The Chronic Iced Teas?
そんなもんクソくらえだ、あの新しいヤツはどこだ、「クロニック・アイスティー」だよ。