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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

SORRY NOT SORRY - Tyler, The Creator 【和訳・解説】

Artist: Tyler, The Creator

Album: CALL ME IF YOU GET LOST: The Estate Sale

Song Title: SORRY NOT SORRY

概要

本作は、タイラー・ザ・クリエイターのアルバム『CALL ME IF YOU GET LOST: The Estate Sale』を締めくくる、過去の自分との決別と自己肯定のアンセムだ。ミュージックビデオでは、初期の荒削りな姿から最新の「タイラー・ボードレール」まで、歴代アルバムのオルターエゴ(別人格)たちが一堂に会し、上半身裸の「素のタイラー」が彼らを葬り去るという衝撃的な演出が話題を呼んだ。歌詞では、家族、旧友、過去の恋人、過干渉なファン、さらには地球環境や黒人の先祖に至るまで、あらゆる対象に「謝罪」の言葉を並べる。しかし、その本質はタイトルの通り「ごめん、でも悪いとは微塵も思っていない(Sorry Not Sorry)」という痛快な開き直りであり、自らの手で貧困を抜け出し頂点に立った男の、次なるエラ(時代)への力強い宣言となっている。

和訳

[Intro: Tyler, The Creator & DJ Drama]
Pardon me, excusez-moi (I'm sorry)
ごめんよ、失礼(悪いな)。
※excusez-moi=フランス語で「すみません」の意。

Yeah, I coulda made a better choice, I mean, what the fuck?
ああ、もっとマシな選択もできたかもな。いや、何言ってんだ?

I'm sorry, I'm fucking sorry
ごめんよ、マジで悪かったって。

Yeah
イェー。

[Verse: Tyler, The Creator]
I'm sorry, I'm sorry I don't see you more
ごめんな、もっと会えなくてごめんよ。

I'm sorry that the four minutes where you see your son could feel like a chore
自分の息子に会うための4分間が、まるで面倒な作業みたいに感じられちまってごめんな。

Sis', I'm sorry I'm your kin
姉ちゃん、あんたの身内でごめんな。

Sorry we ain't close as we should've been
俺たちが本来あるべきほど親密じゃなくてごめんよ。

Sorry to my old friends
昔のダチどもにも謝るぜ。

The stories we coulda wrote if our egos didn't take the pen
俺たちのエゴがペンを握ってなきゃ、一緒に描けたかもしれない物語があったのにな。
※Odd Future時代のメンバーなど、疎遠になってしまったかつての仲間たちへの言及。

Sorry to the freaks I led on (Nah, for real, I'm sorry)
俺がその気にさせちまったイカれた女たち、ごめんな(いや、マジで悪かったよ)。

Who thought their life was gonna change 'cause I gave 'em head on
俺がまともに相手してやったから、人生が変わるんじゃないかって勘違いした奴らさ。
※gave 'em head on=「正面から向き合う」という意味と、オーラルセックス(head)のダブルミーニング。

But instead, I sped off, yeah, I know I'm dead wrong
でもその代わりに、俺はさっさと逃げちまった。ああ、俺が完全に間違ってるのは分かってる。

Sorry to the guys I had to hide (Ooh)
俺が隠さなきゃならなかった男たちにもごめんな(オー)。

Sorry to the girls I had to lie to
俺が嘘をつかなきゃならなかった女の子たちにもごめんよ。

Who ain't need to know if I was by the lake switchin' tides, too (Tides)
俺が湖のそばで、別の波(男)に乗り換えてたことなんて知る必要もなかったのにな(波にな)。
※自身のバイセクシュアルな性質により、同性の恋人を隠し、異性の恋人に嘘をついていた過去の葛藤。

Anyway, I don't wanna talk (You and me, girl)
とにかく、俺は話したくないんだ(君と俺のことはな、ガール)。

Sorry if you gotta dig for info I don't wanna give
俺が言いたくない情報を、お前らがわざわざ掘り起こさなきゃならないならごめんな。

So you stalk, make a vid just to talk 'bout my private life 'cause you're weird (Uh)
だからお前らはストーカーして、俺の私生活を語るためだけに動画を作るんだ。お前らがキモいからな(アー)。
※ゴシップ系YouTuberや、過干渉なファンへの痛烈な批判。

Got that good ish, yeah (But), that's none ya biz (But), that's none ya biz
いいネタを掴んだんだろうが、イェー(でも)、お前らには関係ねえ(でも)、お前らの知ったこっちゃねえんだよ。

Give enough with my art, know your place
俺のアートを通して十分すぎるほど与えてるだろ、自分の立場をわきまえな。

My personal space, y'all don't need to be a part
俺のパーソナルスペースに、お前らが入り込む必要はねえんだ。

I'm sorry I don't wanna link and small talk over dinner
ディナーを食いながら、集まって世間話をする気になれなくてごめんな。

I don't even drink, can't guilt trip me, I'm ice cold, roller rink
俺は酒も飲まねえし、罪悪感を抱かせることもできねえぞ。俺はローラースケート場みたいに氷のように冷たい(アイス・コールド)からな。
※ストレートエッジ(非飲酒・非薬物)であるタイラーのスタンスと、ice rink(スケートリンク)とroller rink(ローラースケート場)を掛けたワードプレイ。

Nigga-nigga-nigga, read the room
おいおいおい、空気読めよ。

Don't assume niggas is cool
俺たちが仲良い(クール)なんて勝手に思い込むな。

Stay in your pocket, this is pool
お前は自分のポケット(領域)に引っ込んでろ、これはビリヤード(プール)だぜ。
※ビリヤードで球をポケットに入れることと、自分の身の丈(ポケット)に合った振る舞いをしろというダブルミーニング。

Blah, blah, blah, blah 'bout trauma
トラウマがどうのこうの、アーダコーダうるせえな。

You ain't special, everybody got problems, uh
お前だけが特別なんじゃねえよ、誰だって問題を抱えてんだ、アー。
※SNSなどで自身のトラウマや不幸を過剰にアピールする風潮への冷ややかな視点。

Sorry I'm not empathetic (Nah, I'm fuckin', woo)
共感してやれなくてごめんな(いや、俺はマジで、ウー)。

Sorry you think I'm pathetic
俺のことを薄情(パセティック)だと思わせちまってごめんよ。

Sorry I don't wanna bro down
お前らと馴れ合う(ブロ・ダウン)気になれなくてごめんな。

Sorry I don't know your pronouns
お前らの「代名詞」を知らなくてごめんな。
※pronouns=昨今のアメリカで重視されるジェンダー代名詞(he/him, they/themなど)の宣言に対して、あえて無関心な態度を示している。

I don't mean no disrespect
ディスってるわけじゃねえんだ。

But, damn, we just met, calm the fuck down
でも、クソ、俺たち会ったばかりだろ、少し落ち着けよ。

Oh, I'm out of touch and I'm a jerk?
ああ、俺は世間知らずで嫌な奴だって?

A bank account could never match my worth (That nigga gettin' money, he a dick now)
銀行口座の残高だって、俺の本当の価値には敵わねえよ(「あいつは金を稼いでから嫌な奴になった」ってな)。

Sorry, Mother Earth (I'm sorry)
ごめんな、母なる地球よ(ごめんよ)。

Polluted air with chemicals and dirt
化学物質と排気ガスで空気を汚しちまって。

These cars ain't gonna buy and drive themselves (I'm sorry)
でもこの車たちは、勝手に自分を買って走ってくれるわけじゃねえんだよ(ごめんな)。
※環境問題に配慮するポーズを取りつつも、自分の大好きな高級車を乗り回す欲求は止められないという本音。

What the hell you think I work for? (I'm sorry)
俺が何のために働いてると思ってるんだ?(ごめんな)

Not to not explore and stay the same (I'm sorry)
現状維持のままで、新しい探求をしないためじゃないぜ(ごめんな)。

Sorry to the fans who say I changed, 'cause I did
「タイラーは変わった」って言うファンたち、ごめんな。だって俺は実際に変わったんだから。

Sorry you don't know me on a personal level to pinpoint what it is
俺がどう変わったかを正確に指摘できるほど、俺を個人的に知らなくて残念だったな。
※初期の過激な作風から洗練されたスタイルへの変化を受け入れられない古いファンに対する、突き放したアンサー。

I'm sorry to my ancestors (I'm sorry), I know I'm supposed to fight (You and me, girl)
先祖たちにも謝るぜ(ごめんな)、俺も戦うべきだってのは分かってる(君と俺のことさ、ガール)。

But this ice shinin' brighter than a black man's plight, I'ma make it right
でもこのアイス(ダイヤ)は、黒人の苦境(プライト)よりも眩しく輝いてるんだ。俺が正しくやってやるよ。
※黒人としての社会的問題に立ち向かうべきだと理解しつつも、手に入れた物質的な成功の輝きに抗えない自分を認め、独自の方法で成功を証明するという決意。

In the meantime, I'll give some advice while these blood diamonds gettin' cleaned off
その間、このブラッド・ダイヤモンドの汚れを落としながら、少しアドバイスをしてやるよ。
※紛争の資金源となるブラッド・ダイヤモンドを身につけるという倫理的矛盾を自覚しつつも、それを手放す気はないというシニカルな表現。

Nigga, fuck the price, spend it then, then again, I can't save niggas
なぁ、値段なんて気にするな、使っちまえ。でもやっぱり、俺は他の奴らを救うことなんてできねえ。

I'm not Superman, but I could try
俺はスーパーマンじゃない。でも挑戦することはできる。

I'm sorry I'm pretentious (Sorry)
俺が気取ってて(プリテンシャス)ごめんな(ごめんよ)。

Sorry that the talent, knowledge, passion isn't missin'
才能も、知識も、情熱も欠けてなくてごめんよ。

Sorry when I talk my shit and I could back it up with confidence, it get you niggas trippin', man
俺がデカい口を叩いて、それを自信たっぷりに裏付けてみせると、お前らがパニックになっちまってごめんな、なぁ。

Fuck the numbers, fuck a hook
数字(セールス)なんてクソ食らえ、フック(サビ)なんてクソ食らえだ。

You put me on a stage and I'll show you the difference
俺をステージに立たせてみろ、お前らに格の違いを見せつけてやるから。

Let me see y'all hit a stage (No, y'all can't do it)
お前らがステージに立つところを見せてみろよ(いや、お前らには無理だ)。

Let me see y'all write a page (Y'all not gon' do it)
お前らがリリックの1ページでも書くところを見せてみろよ(お前らはやらないだろうな)。

Let me see you make a decision I made
俺が下してきた決断を、お前らが下せるところを見せてみろよ。

And claim that I don't know about minimum wage or Section 8
その上で、俺が最低賃金やセクション8(低所得者向け住宅補助)の苦しみを知らないなんて文句を言ってみな。

Water in the ketchup bottle to stretch when niggas ate
飯を食う時、ケチャップのボトルに水を入れてカサ増ししてたんだ。

Gettin' pressed by niggas hoppin' gates
ゲートを飛び越えてきた野郎どもにカツアゲされたり。

Thinkin' it's normal 'cause you ain't supposed to make it past eighteen or escape the Figure 8 cycle
それが普通だと思ってた。だって18歳まで生き延びることも、フィギュア8(8の字)のループから抜け出すこともできないはずだったからな。
※Figure 8=無限ループ(∞)の比喩。貧困やストリートの犯罪から抜け出せない黒人社会の負の連鎖のこと。

And I promise this is like a diet, I'ma make a way and I did, did
約束するぜ、これはダイエットみたいなもんだ。俺は道を切り拓いてみせる、そして実際にやり遂げたんだ。

Feel good, work paid off, now we gon' celebrate
気分は最高だ、努力は報われた。さあ、祝杯をあげようぜ。

But niggas claim you arrogant when they can't relate to moments of feelin' great
でも、奴らは自分が「最高だ」って瞬間を味わえないからって、お前のことを傲慢だと言いがかりをつけてくる。

So they aim, duck-duck-duck 'em
だから奴らは狙い撃ちしてくる。伏せろ(ダック)、あいつらを避けるんだ。

Shot right back, buck-buck-buck 'em
撃ち返してやれ、ぶっ放せ(バック)、あいつらをぶっ飛ばしてやる。

Sorry, not sorry (Buck 'em, buck 'em)
ごめんな、でも微塵も悪いと思ってねえよ(ぶっ飛ばせ、ぶっ飛ばせ)。

I got two words, fuck 'em
俺から言えるのは2語だけだ。「クソ食らえ(Fuck 'em)」。

[Outro: Tyler, The Creator & DJ Drama]
Okay, cool
オーケー、クールだ。

And like that
そしてそんな感じで。

We really mean it this time
今度こそマジだぜ。

I guarantee another era is upon us
保証するよ、また新しい時代(エラ)が俺たちの前にやって来てるってことを。

So once again, we gone
だからもう一度言うぜ、俺たちは行くよ。