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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

WHAT A DAY - Tyler, The Creator 【和訳・解説】

Artist: Tyler, The Creator

Album: CALL ME IF YOU GET LOST: The Estate Sale

Song Title: WHAT A DAY

概要

本作は、タイラー・ザ・クリエイターのアルバム『CALL ME IF YOU GET LOST: The Estate Sale』に収録された、彼の内面的な苦悩と強固な美学が詰まった傑作だ。伝説的なプロデューサーであるMadlib(マッドリブ)が手掛けた、Michał Urbaniakの「A Day in the Park」をサンプリングした心地よいビートに乗せ、タイラーは仕事中毒や過去の貧困への恐怖、バイセクシュアルとしての葛藤を赤裸々に吐露する。同時に、TikTokや安価なブランド、量産型の高級車に群がるステレオタイプなヒップホップシーンの流行を次々と一蹴し、「自分のペースで生き、自分自身を最優先にしろ」という力強いエンパワーメントのメッセージで締めくくる、大人の気品と反骨精神が共存する一曲である。

和訳

[Intro: DJ Drama]
(What a day at the park) The Estate Sale
(公園でのなんて素晴らしい一日だ)The Estate Sale。

(What a day at the park)
(公園でのなんて素晴らしい一日だ)

(Gangsta Grillz)
(ギャングスタ・グリルズ)

[Verse 1: Tyler, The Creator & DJ Drama]
Yeah, I pulled up in that eighteenth letter repeat buggy
イェー、アルファベットの18番目を繰り返す車に乗ってやって来たぜ。
※18番目の文字は「R」。Rを繰り返す(RR)=ロールスロイス(Rolls-Royce)を指す洒落た表現。

Had to switch the hue 'cause them LA boys smuggy
LAの連中はスモッグまみれ(自己満足)だから、色(雰囲気)を変えなきゃならなかった。
※smuggy=smoggy(スモッグ)とsmug(気取った/自己満足な)を掛けたワードプレイ。

But more likely to get hurt by somebody who love me
でも俺は、俺を愛してくれてる誰かに傷つけられる可能性の方が高いんだ。

My lady, she don't trust me, know I'm a sick puppy
俺の女は俺を信じちゃいない、俺が病んだ子犬(女好き・問題児)だって分かってるからな。

Know that women throw themselves at me and men want me
女どもが俺に群がってきて、男どもも俺を求めてるって知ってるんだ。
※Tylerのバイセクシュアルな魅力と、モテすぎるがゆえの苦悩。

Anything could happen for attention and rent money
注目を集めるためや家賃を稼ぐためなら、なんだって起こり得る。

I got so much on my plate, that's why I sit funny
俺の皿には山ほど乗ってる(責任を抱え込んでる)から、座り方もおかしくなるのさ。

So many hand-outs, so much back bending
施しばかり求められ、こっちは背骨が折れるほど尽くしてる。

So much entitlement my family be actin' in
家族まで、さも当然だというような特権意識を振りかざしてきやがる。

So many white diamonds, yeah, I got jungle fever
大量のホワイトダイヤモンド。ああ、俺はジャングル・フィーバー(白人への熱)にかかってるぜ。
※jungle fever=黒人が白人に性的魅力を感じることを指すスラング。ここでは白人の女性と、大量の「ホワイト」ダイヤモンドの魅力を掛けている。

But they didn't raise me, so shout out black women
でも俺を育ててくれたのは白人じゃない。だから黒人女性たちにシャウトアウトするぜ。

So much commentin', show me what you good at
外野からのコメントばかりだ、お前が得意なことを見せてみろよ。

Tell me the highs of the valley that your boots stood at
お前のブーツが立った、その谷の頂上(人生の絶頂)の話を聞かせてくれ。

You couldn't fit in my loafers if you took a steroid
ステロイドを打ったって、お前じゃ俺のローファー(靴/立場)には収まりきらねえよ。

And I wouldn't handle your baggage if I had a bellboy
ベルボーイを雇ってたとしても、お前の荷物(心の重荷)なんて運んでやらないね。

I'm rarely replying to texts, barely enjoying the sex
メールの返信もめったにしないし、セックスも大して楽しめない。

I got a pain in my chest, that's from suppressin' the stress
胸に痛みがあるんだ、それはストレスを抑え込んでるからさ。

Lionel, he know me the best
ライオネル、あいつが俺のことを一番よく分かってる。
※Lionel Boyce=Odd Future時代からのTylerの親友の一人。

Told me I know the answer, but Clancy, he gave me the best advice that I heard in a sec'
俺は答えを知ってるって教えてくれた。でもクランシーが、ここ最近で最高のアドバイスをくれたんだ。
※Christian Clancy=Tylerの長年のマネージャーであり恩人。

I need to call me a jet, I need to pack me a bag
「ジェット機を呼んで、荷物をまとめなきゃ」

I need to get me a cabin, need some scrimmage in chess
「山小屋を手に入れて、チェスの練習(スクリメージ)でもしなきゃな」って。

I could've bought me some land, I went and flooded my neck
土地を買うこともできたのに、俺は首元をダイヤで水浸し(フラッド)にした。

I say this shit with my chest, I am like one of the best (Greatest)
胸を張って言ってやる、俺は最高峰の1人だってな(史上最高さ)。

I am a workaholic and I need to get me some rest
俺はワーカホリック(仕事中毒)だ、少し休む必要がある。

I'd rather get these ideas off, I'd rather not steer off my path
でもこのアイデアを形にしたいし、自分の道から外れたくないんだ。

I'm so scared of going back to my past
俺は、過去(の貧しい生活)に戻るのが何よりも怖いからな。

I work, I swear it's hard not shaking that fear off
だから働くのさ。その恐怖を振り払わないでいるのは、マジでしんどいよ。

White boy said I brag too much, the black kid said it's inspiring
白人のガキは「お前は自慢しすぎだ」と言い、黒人のキッズは「インスピレーションになる」と言う。
※高級車や宝石の自慢(フレックス)に対する、人種や環境による受け取り方の違い(特権階級とストリートの視点の差)を突いた鋭いライン。

Duality is tiring, my girl would kill me if she knew the things I was desiring
二面性ってのは疲れるぜ。俺が望んでる事を知ったら、彼女は俺を殺すだろうな。
※バイセクシュアルとしての欲望(男性への欲望など)を恋人に隠していることの葛藤。

Suppressing it, get it out the way, I put the sirens in, yeah
それを抑え込んで、頭から追い出して、サイレンの音を鳴らすのさ、イェー。

[Bridge: DJ Drama]
(What a day at the park)
(公園でのなんて素晴らしい一日だ)

(What a day at the park) Don't get it confused
(公園でのなんて素晴らしい一日だ)勘違いするなよ。

(What a day at the park) You could never
(公園でのなんて素晴らしい一日だ)お前らには絶対無理だぜ。

[Verse 2: Tyler, The Creator]
Look, I don't fuck with parties, I don't fuck with the paparazzi
いいか、俺はパーティーには行かないし、パパラッチの相手もしない。

Never have I drove a Hellcat or a Maserati
ダッジ・ヘルキャットやマセラティを運転したこともない。
※量産型のラッパーたちが好む流行りの車に乗らないというスタンス。

Never needed others for my personal validation
自分を承認するために、他人を必要としたことは一度もない。

She ain't gettin' touched if she cannot hold a conversation
気の利いた会話もできないような女には、指一本触れやしないぜ。

Never had a bulky Richard Mille as a wristwatch
ゴツいリシャール・ミルの腕時計を持ったこともないし。

I never seen Amiri, never posted on TikTok
アミリのジーンズを見たこともないし、TikTokに投稿したこともない。
※ヒップホップシーンのステレオタイプな流行を次々と否定している。

I never had desire for promethazine in a soda
ソーダにプロメタジン(リーン)を混ぜて飲みたいと思ったこともない。

Never made eye contact with a woman in Fashion Nova
Fashion Novaを着てる女と目を合わせたこともないね。
※Fashion Nova=安価で露出の多いファストファッションブランド。

Never had to fit in no lane
誰かが作ったレール(流行)に合わせる必要なんてなかった。

Never wore Beats By Dre headphones to get a video made, uh
MVを作るために、Beats By Dreのヘッドホンを被ったこともないぜ、アー。
※MVでの露骨なプロダクトプレイスメント(商品宣伝)への皮肉。

Bunnyhop validated, pedaling
バニーホップは証明された、ペダルをこいでるぜ。
※Bunnyhop=Tylerの別名であり、自転車のジャンプ技。

Hittin' wheelies like Chris retaliated, just look around
クリスが反撃したみたいにウィリー(Will-ies)をキメる。周りを見てみな。
※wheelies(自転車の前輪を上げる技)とWill-ies(ウィル・スミス)を掛けた超絶ワードプレイ。2022年のアカデミー賞でクリス・ロック(Chris)がウィル・スミス(Will-ies)に平手打ちされた事件を引き合いに出し、「クリスがウィルに反撃(retaliate)するかのようにウィリーを叩き込む」と表現している。

Every opportunity allocated
すべてのチャンスは俺に割り当てられてる。

I put so many niggas on, you thought DJ Khaled made it
俺は数え切れないほどの奴らをフックアップしてきた。まるでDJ キャレドの曲みたいにな。
※"We The Best"で多くのアーティストを集めるDJ Khaledのように、Tylerも多くの才能を発掘してきたことを指す。

From cold showers, I used to hate it
冷水シャワーを浴びてた頃、あれは大嫌いだった。

Now I'm spendin' fifteen for the new roof, it ain't renovated
今じゃ新しい屋根に1500万ドル(約15億円)も使ってる。リノベーション(改装)じゃないぜ。

I could see the ocean where I sleep and the house is gated
寝室から海が見えて、家はゲート(門)付きだ。

No Calabasas, I Brentwood it or Palisade it
カラバサスじゃねえ。ブレントウッドかパリセーズに住んでるんだよ。
※カラバサス(Calabasas)=カーダシアン家や多くのラッパーが住む新興高級住宅街。Tylerはより歴史と品格のある富裕層エリア(BrentwoodやPacific Palisades)を好むという美学の表明。

The freckled girls articulating art got me salivating (I love it)
アートを語るそばかすのある女の子たちを見ると、よだれが出ちまうよ(大好きなんだ)。

Wall is Henry Taylor with the trunks, I be playing Jenga
壁にはヘンリー・テイラーの絵とトランク。俺はジェンガをして遊んでる。
※Henry Taylor=黒人の生活や歴史を描く有名な現代アーティスト。

The last tour, dog, I cleaned house
前回のツアーで、なあ、俺は全部かっさらって(クリーン・ハウス)やったぜ。

They mad I made it, I'm so conceited
連中は俺が成功したからキレてる。俺はめちゃくちゃ自惚れてるからな。

Feeling myself, ego masturbating, I graduated
自分に酔いしれて、エゴを慰めてる。俺はもう卒業したんだ。

After album five, I got syndicated, you want the old T?
5枚目のアルバム(IGOR)の後、俺の番組は全国区(シンジケート)になった。昔のT(タイラー)が良いって?

Sorry G, that picture faded
悪いな、兄弟。あの写真はもう色褪せちまったよ。

Come get wit' me
俺についてこいよ。

[Break: DJ Drama]
(What a day at the park) I like to call that
(公園でのなんて素晴らしい一日だ)俺はこれを、

(What a day at the park) Oh my God
(公園でのなんて素晴らしい一日だ)オーマイガー。

[Verse 3: Tyler, The Creator]
Yeah, I'm a dead poet (Poet), tabletop stumpin' (Stumpin')
イェー、俺は「いまを生きる」詩人(デッド・ポエト)だ。机の上に立って足踏みしてる。
※映画『いまを生きる(Dead Poets Society)』で、生徒たちが机の上に立って教師に敬意を示す名シーンの引用。

I'm a free spirit, have the whole jail jumpin' (Jumpin')
俺は自由な魂だ、刑務所全体を飛び跳ねさせるくらいにな。

Ever since a youngin', moved at my pace (At my own)
ガキの頃からずっと、自分のペースで動いてきた(俺自身のな)。

Scared of having youngins 'cause I like my space (Yeah)
ガキ(子供)を持つのが怖いんだ、だって俺は自分のパーソナルスペースが好きだからな(イェー)。

Selfish ain't the word (Nope), regret ain't either (Nuh-uh)
「ワガママ」なんて言葉じゃない(違うね)、「後悔」でもない(いや)。

Before you get the huffin' and the puffin', take a breather (Hah-hah-hah)
息を荒らげて怒り出す前に、一息ついて休めよ(ハハハ)。

Put yourself first if you're livin' with a dream (Put yourself first)
夢を持って生きてるなら、自分自身を最優先しろ(自分を最優先にな)。

Be your biggest cheerleader, motherfuck the team
自分にとっての最大のチアリーダーになれ。チームなんてクソ食らえだ。

One
以上だ。