Artist: Mike WiLL Made-It & J. Cole
Album: R3SET
Song Title: OFG!
概要
Mike WiLL Made-Itのプロジェクト『R3SET』に収録された「OFG!」は、J. Coleの痛烈な内省と業界へのフラストレーションが交差する注目曲である。強靭でミニマルなビートの上で、Coleは自身の年齢(40代突入)やキャリアに対する葛藤、そしてラッパーたちの「見せかけの富」を世界的サッカー選手(メッシやエムバペ)の莫大な契約金と対比させて冷ややかに笑い飛ばす。さらに、レーベル運営の苦悩、同情票のようなグラミー賞への嫌悪、そしてストリートの「フェイクなギャングスタ・ゲーム」から卒業した大人の男としてのスタンスを赤裸々に語っている。ヒップホップ界の頂点に立つ彼が、等身大の弱さと圧倒的なスキルを同時に見せつける、生々しくも哲学的な一曲だ。
和訳
[Intro]
Damn (I know, I know)
クソッ(分かってる、分かってるよ)
T, T, T, T, T, T (Nigga, I know, I'm just sayin')
T、T、T、T、T、T(なぁ、分かってる、ただ言ってるだけだ)
T, T, T, T, T (I should've told him)
T、T、T、T、T(あいつに言っておくべきだった)
Yeah, yeah
ああ、そうさ
T, T, T, T
T、T、T、T
(EarDrummers)
(イヤードラマーズ)
※Mike WiLL Made-Itのレーベル名であり、お馴染みのプロデューサータグ。
[Chorus]
Yeah, I don't got no problems
ああ、俺には何の問題もねえ
Only opportunities for growth (Uh)
あるのは成長の機会だけだ(アー)
Life is a what? Fuck her missionary, squeeze her throat (Throat)
人生ってのは何だ? 正常位でヤりながら、首を絞めるようなもんだ
I'm in the cut, cookin' up a hundred ki's of dope (Dope, dope)
俺は隠れ家に潜んで、100キロの極上のドープを調理してる
※「dope」は麻薬のことだが、ここではJ. Coleが生み出す純度の高い「極上の音楽(ヒップホップ)」のメタファー。
On the wave, make the federales seize the boat
波に乗って、サツにボートを押収させる勢いだぜ
[Verse]
T, T, shout to Lionel Messi, he's the G.O.A.T
T、T、リオネル・メッシにシャウトアウトだ、あいつが史上最高(G.O.A.T)だ
Only started watchin' weeks ago
サッカーを見始めたのは数週間前のことだけどな
Why they never told me soccer was lit?
なんで誰もサッカーがこんなにヤバいって教えてくれなかったんだ?
Thought it was only for crackers and shit
白人(クラッカー)連中だけのものだと思ってたよ
Taught me to dribble the rock and that's it
俺らはバスケットボールをドリブルすることしか教わらなかったんだ
Compared to what that boy Mbappé be gеttin'
あのエムバペって若造が稼いでる額に比べりゃ
※キリアン・エムバペ(Kylian Mbappé)はフランス代表のスーパースター。彼の莫大な契約金や年俸に言及している。
These rappin' ass niggas is not evеn rich
ラップしてるそこらの野郎どもなんて、金持ちですらねえよ
Why they don't put a lil' pitch in the hood?
なんでフッドに小さなピッチ(サッカー場)を作ってやらないんだ?
Why'd I go smash that lil' bitch in the wood?
なんで俺は、森の中で(あるいはウッド巻きのブラントを吸いながら)あのビッチを抱いたんだ?
Why they tryna cancel a nigga like me?
なんで奴らは、俺みたいな男をキャンセル(抹殺)しようとするんだ?
I would think they could see my intentions was good
俺の意図が善良だったことくらい、分かってもらえると思ってたのに
Been a long time since my mentions was good
SNSのメンションが平和だったのは、随分昔のことだ
I need to catch up on Richard and Morty
リチャード&モーティの最新話に追いつかねえとな
※人気SFアニメ『Rick and Morty(リック・アンド・モーティ)』を、わざと「リチャード」と言い間違えているユーモア、あるいは著作権を避けるための言葉遊び。
Last night, this hater tried walk in my section
昨日の夜、アンチの野郎が俺のVIP席に入ってこようとした
Low-key, I miss givin' dick to his shorty
ぶっちゃけ、あいつの彼女を抱いてやった日々が恋しいぜ
Don't blow it up, this is just a recording
大げさに騒ぐなよ、これはただのレコーディングだ
My mind's like a crime scene, and I'm just reporting
俺の頭の中は犯罪現場みたいだ、俺はただそこから現場リポートをしてるだけさ
Sometime I feel like ain't shit left to say
時々、もう語るべきことは何も残ってないように感じるんだ
When I'm ten projects in and now I'm over forty
10枚もプロジェクトを出して、今や俺も40歳を超えたからな
※J. Coleのキャリアの長さと、年齢を重ねたことによるモチベーションの低下や葛藤を吐露している。
Maybe I told every story
語るべき物語は、全て語り尽くしたのかもしれない
Maybe they don't wanna hear me no more
みんなもう、俺の話なんて聞きたくないのかもしれないな
Fuck them lil' sympathy Grammys
同情でくれるようなクソみたいなグラミー賞なんて要らねえよ
※ヒップホップ界でトップを走りながらも、グラミー賞本選での評価が遅かったり、冷遇されてきたことに対する不満。今更「功労賞」や「同情」で与えられる賞は拒絶するというスタンス。
You niggas try hand me, bitch, don't even give me no 'ward
お前らが俺に押し付けようとしてるが、ビッチ、俺に賞なんてくれるな
Put me right back on that list that had Pac and Biggie
俺を、2Pacやビギーがいたあのリストに戻してくれよ
Bob Marley, Snoop Dogg and The LOX
ボブ・マーリー、スヌープ・ドッグ、それにThe LOXとかな
And niggas like that who ain't never get props
正当な評価(プロップス)を一度も得られなかった、ああいうレジェンドたちのリストにな
※ここに挙げられたアーティストたちは、歴史的な功績を残しながらも、グラミーの主要部門等で権威ある賞から冷遇されてきた共通点がある。
I'm watchin' this Vlad interview with Yung Joc
俺はDJ Vladのチャンネルで、Yung Jocのインタビューを見てる
He talkin', explainin' his fallout with Block
あいつはレーベルのボスであるBlockとの確執について説明してやがる
※YouTubeの人気チャンネル「VladTV」での、ラッパーYung JocとBlock Entertainmentの創設者Russell "Block" Spencerとの金銭や権利を巡るトラブルの話。Cole自身もレーベル「Dreamville」のトップであるため、この話に関心を寄せている。
Someone call my phone, so the video stops
誰かが俺のスマホに電話をかけてきやがったから、動画が止まっちまった
I let it ring out, dog, it don't make no sense
そのまま鳴らしておいたぜ、なぁ、全く意味が分からねえよ
I never pick up, can't these niggas take hints?
俺は絶対に出ないのに、こいつらは空気を読めないのか?
Stop hittin' me please, I don't wanna be friends
お願いだから連絡してこないでくれ、友達になりたいわけじゃないんだ
I barely hang out with the ones that I have
今いる友達とすら、滅多に遊ばないんだから
Can't go to the club and chase bitches no more
もうクラブに行ってビッチを追いかけ回すことなんてできない
Once that went away, then what did we have?
それが無くなったら、俺らには何が残るんだ?
I don't want a record company staff
レコード会社のスタッフなんて欲しくねえよ
I'm an artist, not a boss, you know
俺はアーティストだ、ボスじゃねえんだ、分かるだろ
※自身のレーベル「Dreamville Records」を率いる経営者(ボス)としての重圧に対する本音。彼はビジネスよりも純粋な音楽制作を望んでいる。
People love to take the credits for wins
人は成功した時だけ、自分の手柄(クレジット)にしたがる
Quick to blame you for the losses, though
でも失敗した時は、すぐに俺のせいにしやがるのさ
KG with the Boston trophies, screamin' "Anything is possible"
ボストンでトロフィーを掲げたKGみたいに、「不可能はない(Anything is possible)」って叫ぶぜ
※KGは元NBA選手ケビン・ガーネット。2008年にボストン・セルティックスで初優勝を果たした際、コート上で「Anything is possible!」と絶叫した有名なシーンを引用している。
Paul Pierce if you're talkin' though, I'm all ears like I'm Ross Perot
ポール・ピアースが話してるなら、ロス・ペローみたいに俺は全神経を集中させて聞く(オール・イヤーズ)ぜ
※Paul Pierceも同じくセルティックスの伝説的選手。「I'm all ears」は「熱心に耳を傾ける」という慣用句だが、耳が非常に大きいことで有名だったアメリカの政治家ロス・ペロー(Ross Perot)と掛けた見事なワードプレイ。
Please don't misconstrue that shit that I said
お願いだから、俺の言ったことを誤解しないでくれ
Sometimes gettin' older's hard, you know?
歳をとるってのは、時々しんどいんだよ、分かるか?
Still a rider when it comes to my dogs
でも仲間のためなら、俺は今でも戦う男(ライダー)だ
Fuck 'em all, we the Paw Patrol, Paw Patrol, ha
あいつら全員クソ食らえ、俺らはパウ・パトロールだぜ、パウ・パトロール、ハッ
※仲間を「dogs(犬)」と呼ぶことから、子犬たちが活躍する子供向けアニメ『パウ・パトロール』に自身のチームを例えている。
Niggas fake ballin' like the Harlem Globe
野郎どもはハーレム・グローブトロッターズみたいに、フェイクな金持ちぶりを見せつけてる
Trotters, talkin' dollars, stop it bro
ドルの話ばかりしやがって、いい加減にしろよ、兄弟
※Harlem Globetrottersは、競技としてのバスケではなく、トリックやエンターテインメントに特化したエキシビション・チーム。実体のない見せかけのフレックス(fake ballin')を彼らのショーバスケに例えている。
I done seen a lot of frauds before
俺はこれまで、山ほどの詐欺師(フェイク)を見てきたんだ
Sam Bankman-Fried, say I'm make believe
サム・バンクマン=フリードみたいにな。俺が嘘をついてるって言うのか
※Sam Bankman-Friedは暗号資産取引所FTXの創業者で、巨額の詐欺事件を起こして逮捕された人物。究極の「fraud(詐欺師)」の代名詞としてネームドロップされている。
Bet I want some bread, ham, egg and cheese
俺がパン(金)と、ハムと、卵と、チーズを欲しがってるのは間違いないぜ
※「bread」や「cheese」はお金を示すスラング。朝食の定番メニューに掛けて、富を求めるハングリー精神を表現している。
Thought that was his bitch, can't wait to see
あいつの女だと思ってたが、どうなるか見ものだな
He let her off the leash, she ran straight to me
あいつがリードを外した瞬間、彼女は俺のところに真っ直ぐ走ってきたよ
Wham-bam, thank you man, take it ease'
サクッとヤって、ありがとな、じゃあ気楽にいこうぜ
Niggas swear they hard, 'til the stick is in your yard
野郎どもは「俺はタフだ」と誓うが、それは自分の庭にスティックがあることに気づくまでの話だ
Like a nigga damn rakin' leaves
まるで落ち葉かき(rake)をしてるみたいにな
※「stick」はアサルトライフルのスラング。「yard(庭)」にある「stick(棒)」と、落ち葉を集める「rake(熊手)」を掛け合わせ、自宅の庭に銃を持った敵が立っているというストリートの恐怖を詩的に表現している。
Everybody gang, man, take a seat
誰も彼もがギャング気取りだ、おい、座って落ち着けよ
Complicated daps
複雑なハンドサインやダップス(挨拶)
I'm a grown man, ain't gon' be no secret handshakes with me
俺はもう大人だ、俺と秘密の握手(ギャングの挨拶)なんてしようとするな
How I look takin' time learnin' that shit?
そんなクソみたいな挨拶を覚えるのに時間を割いてる俺が、どう見えるんだ?
I promise there's way too much money to get
約束するよ、世の中には稼ぐべき金がまだまだ山ほどあるんだ
※ストリートのギャングごっこに時間を浪費している暇があれば、ビジネスに集中して金を稼ぐべきだという、成功者としてのリアルな助言。
I promise there's way too much money to get
約束するよ、稼ぐべき金が山ほどあるんだ
[Chorus]
Only opportunities for growth
あるのは成長の機会だけだ
Life is a what? Fuck her missionary, squeeze her throat
人生ってのは何だ? 正常位でヤりながら、首を絞めるようなもんだ
I'm in the cut, cookin' up a hundred ki's of dope
俺は隠れ家に潜んで、100キロの極上のドープを調理してる
On the wave, make the federales seize the boat
波に乗って、サツにボートを押収させる勢いだぜ
[Outro]
T, T, T, T, T, T, T, T
T、T、T、T、T、T、T、T
(Mike WiLL)
(マイク・ウィル)
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