Artist: Nessa Barrett
Album: Jesus loves a primadonna
Song Title: Venom
概要
2026年リリースのEP『Jesus loves a primadonna』に収録された「Venom」は、有毒(Toxic)な恋愛関係への依存を「毒」というメタファーで描いたダークポップ・トラックである。心が黒く染まっていくことを自覚しながらも、その苦痛から逃れられない境界性パーソナリティ障害(BPD)的な愛着と自己破壊衝動がテーマとなっている。精神を蝕む相手を「病気」や「毒」と表現しつつ、「決して自由になりたくない」と歌う姿は、痛みを伴うことでしか愛を実感できないZ世代のメランコリーを鋭くえぐり出している。ダークでゴシックな美学が貫かれた、ネッサの真骨頂と言える一曲だ。
和訳
[Verse 1]
I like my roses dying
枯れゆくバラが好きなの
※「枯れるバラ」はゴシック文学やダークポップにおける死と退廃の象徴。完璧で健康的な愛よりも、破滅に向かう関係に美しさを見出す歪んだロマンティシズムを示している。
I watch as my heart turns black
自分の心が黒く染まっていくのを見つめてる
He only keeps me crying
彼は私を泣かせてばかりいるのに
And I keep on coming back
私は何度も彼のもとへ戻っちゃうの
[Pre-Chorus]
Ah, I got a real bad disease
ああ、私、本当にタチの悪い病気にかかっちゃったみたい
※相手への依存を「病気(disease)」と客観視しつつも、治療を拒み、その状態に甘んじる自己破壊的な心理状態を描写している。
Ah, it's living inside of me
ああ、それが私の中で生きているの
Ooh-ooh, makes me sick, makes me weak
Ooh-ooh、気分が悪くなるし、どんどん弱っていくけど
But I never wanna be free
でも、絶対に自由になんてなりたくないの
[Chorus]
It's the venom, yeah
これが毒なのね、そう
It's the venom, yeah
まさに毒みたい
Is this what it means to be in love?
恋に落ちるって、こういうことなのかな?
Venom on my lips and on my tongue
唇にも、舌の上にも、毒が回っていく
It's the venom, yeah
これが毒なのね、そう
Sweet, sweet venom, yeah
甘くて、甘い、猛毒なの
[Verse 2]
With you I feel like dying
あなたと一緒にいると、死にそうな気分になる
It's deadlier when I'm not
でも、一緒にいない時の方がよっぽど死にそうなんだよ
※BPD特有の「見捨てられ不安」が如実に表れたライン。相手と一緒にいる苦痛よりも、見捨てられ孤独になる恐怖(致死性)の方が勝るという究極の二択を提示している。
If I said I'm leaving, I'd be lying
「離れる」なんて言っても、どうせ嘘になっちゃう
'Cause I'm drinking evеry drop
だって私、最後の一滴までその毒を飲み干しちゃうから
[Pre-Chorus]
Ah, I got a real bad disease
ああ、私、本当にタチの悪い病気にかかっちゃったみたい
Ah, it's living insidе of me
ああ、それが私の中で生きているの
Ooh-ooh, makes me sick, makes me weak
Ooh-ooh、気分が悪くなるし、どんどん弱っていくけど
But I never wanna be free
でも、絶対に自由になんてなりたくないの
[Chorus]
It's the venom, yeah
これが毒なのね、そう
It's the venom, yeah
まさに毒みたい
Is this what it means to be in love? (Be in love)
恋に落ちるって、こういうことなのかな?(恋するって)
Venom on my lips and on my tongue (On my tongue)
唇にも、舌の上にも、毒が回っていく(私の舌に)
It's the venom, yeah
これが毒なのね、そう
Sweet, sweet venom, yeah
甘くて、甘い、猛毒なの
[Outro]
Give me that sweet, sweet venom
その甘い、甘い毒を私にちょうだい
Give me that sweet, sweet venom
その甘い、甘い毒を私にちょうだい
Give me that sweet, sweet venom
もっとその甘い毒を、私にちょうだい
※完全に毒(Toxicな関係)に屈服し、むしろそれを積極的に渇望する姿で楽曲は幕を閉じる。カタルシスと絶望が同居するエンディングである。
