Artist: Kanye West
Album: The Life of Pablo
Song Title: Wolves
概要
2016年のアルバム『The Life of Pablo』に収録された、闇深くも美しい内省的なトラックである。SiaとVIC MENSAという豪華な客演を迎え、メランコリックなサウンドに乗せて「過去の過ち」と「家族の保護」というテーマを歌い上げている。Kanyeは、世間から好奇の目で見られてきた妻キム・カーダシアンの過去を、聖母マリアがもしクラブで遊ぶような女性だったらという極端なメタファーで包み込み、自らを彼女を救うヨセフに重ね合わせている。愛娘のノース(Nori)と息子のセイント(Saint)を「羊の毛皮」で包み、悪意ある世間やメディアという「狼(Wolves)」から守り抜くという、父親としての強い決意とエゴが滲む傑作だ。
和訳
[Chorus: Kanye West]
Lost out, beat up
道に迷い、打ちのめされて。
Dancin', down there
どん底のあそこで、踊っていた。
I found you, somewhere out
俺はどこかで、お前を見つけたんだ。
'Round, 'round there, right, right there
あの辺りで、そう、ちょうどあの場所で。
Lost and beat up
迷い、打ちのめされて。
Down there, dancin'
どん底で踊っていたお前を。
I found you, somewhere out
俺はどこかで見つけ出したんだ。
Right down there, right 'round there
ちょうどあのどん底で、あの辺りでな。
[Verse 1: Kanye West]
Lost and found out
迷子になり、そして見つけ出された。
Turned out, how you thought
結局のところ、お前が思っていた通りになったな。
Daddy found out
親父も知っちまったよ。
That you turned out how you turned out
お前がこんな風になっちまったってことを。
If mama knew now
もし今、ママが知ったらどう思うだろうな。
How you turned out, you too wild
お前がこんなにワイルド(派手)になっちまったことを。
You too wild, you too wild
お前はワイルドすぎる、派手すぎるんだ。
You too wild, I need you now
ワイルドすぎるお前が、今の俺には必要なんだよ。
Love you (Got to)
愛してる。(愛さなきゃな)
Love you (Love you)
愛してるぜ。(愛してる)
Found you, found you
お前を見つけた、見つけ出したんだ。
Right now, right now
今すぐ、今すぐにな。
Right now, right now
今、まさに今。
If your mama knew how
もしお前のママが知ったらどう思うだろう。
You turned out, you too wild
お前がこんなにワイルドになっちまったことを。
You too wild, you too wild
お前はワイルドすぎる、派手すぎる。
You too wild, and I need you now
ワイルドすぎるお前が、今の俺には必要なんだよ。
Lost and found out
迷子になり、そして見つけ出された。
[Bridge: VIC MENSA]
Cry, I'm not sorry
泣きなよ、俺は謝らないぜ。
※シカゴ出身のラッパー、VIC MENSAのボーカル。
Cry, who needs sorry when there's Hennessy?
泣けばいいさ、ヘネシーがあるのに謝罪なんて誰が要るんだ?
Don't fool yourself
自分を誤魔化すなよ。
Your eyes don't lie, you're much too good to be true
君の目は嘘をつかない。君は現実とは思えないほど最高だ。
Don't fire fight
火遊び(無駄な抵抗)はやめておけ。
Yeah, I feel you burning, everything's burning
Yeah、君が燃えているのを感じるよ、すべてが燃え盛っている。
Don't fly too high
あんまり高く飛びすぎるなよ。
Your wings might melt, you're much too good to be true
君の翼が溶けちまうかもしれないぜ。君は現実とは思えないほど最高だからな。
※ギリシャ神話の「イカロスの翼」のメタファー。太陽(名声や欲望)に近づきすぎて破滅する危険性を警告している。
I'm just bad for you
俺は君にとって「悪い男」なんだ。
I'm just bad, bad, bad for you
ただ徹底的に、君にとって悪い男なのさ。
[Verse 2: Sia]
I was lost and beat up
私は迷子で、打ちのめされていたわ。
※圧倒的な表現力を持つSiaによるボーカル。キム・カーダシアンの視点、あるいは傷ついた女性の魂を代弁している。
Turned out, burned up
結局、燃え尽きてしまったの。
You found me through a heartache
あなたは胸の痛みを通して、私を見つけてくれた。
Didn't know me, you were drawn in
私のことを知らなかったのに、あなたは惹きつけられていった。
I was lost and beat up
私は道に迷い、打ちのめされていたの。
I was warm flesh on Caesar
私はシーザーの上の温かい肉体だった。
※シーザーサラダの上にトッピングされた肉(商品として消費される存在)、または権力者(シーザー)に抱かれる女性の比喩。
You found me in your gaze
あなたの視線の中に、私を見つけたわ。
Well, I found me, oh, Jesus
そして、私は私自身を見つけたの、oh、イエス様。
I was too wild, I was too wild
私はワイルドすぎたわ、派手すぎたの。
I was too wild, I was too wild
私はワイルドすぎた、派手すぎた。
I was too wild, I was too wild
私はワイルドすぎたわ、派手すぎたのよ。
[Interlude: Kanye West]
And I need you now
今の俺には、お前が必要なんだ。
Lost and found out
迷子になり、そして見つけ出された。
Yeah
Yeah
[Verse 3: Kanye West]
You gotta let me know if I could be your Joseph
俺がお前のヨセフになれるかどうか、教えてくれよ。
※新約聖書における聖母マリアの夫、ヨセフのこと。キムを不遇から救い出し、家族を守る存在としての自認。
Only tell you real shit, that's the tea, no sip
お前にはリアルなことしか言わないぜ、これが真実(ティー)だ、すするなよ。
※「tea」はゴシップや真実を意味するスラング(spill the tea)。
Don't trip, don't trip, that pussy slippery, no whip
焦るなよ、取り乱すな。そのプッシーは滑りやすい、車(ホイップ)じゃねえからな。
We ain't trippin' on shit, we just sippin' on this
俺たちは何も気にしてない(トリップしてない)、ただこいつを飲んでる(シップしてる)だけさ。
Just forget the whole shit, we could laugh about nothin'
クソみたいなことは全部忘れちまえ、俺たちは他愛もないことで笑い合えるんだ。
I impreg-a-nate your mind, let's have a baby without fuckin', yo
俺がお前の心(マインド)を妊娠させてやる。ヤラずに赤ん坊を作ろうぜ、yo。
※肉体的な関係を超えた、精神的な繋がりや思想の共有を「マインドを妊娠させる」と表現している。
I know it's corny bitches you wish you could unfollow
お前がアンフォローしたいと思ってる、ダサいビッチどもがいるのは知ってるぜ。
I know it's corny niggas you wish you could unswallow
お前が「飲み込んだ(ヤッた)ことを無かったことにしたい」と思ってる、ダサい男たちがいるのも分かってる。
※unswallow=精液を飲み込んだ過去を取り消したいという、Kanye特有の極めて下世話で強烈なジョーク。キムの過去の恋愛遍歴への言及。
I know it's corny bitches you wish you could unfollow
アンフォローしたいダサいビッチがいるのは知ってる。
I know it's corny niggas you wish you could unswallow
無かったことにしたいダサい男がいるのも分かってるぜ。
Ayy, I know it's corny bitches you wish you could unfollow
Ayy、アンフォローしたいダサいビッチがいるのは知ってる。
I know it's corny niggas you wish you could unswallow
無かったことにしたいダサい男がいるのも分かってるさ。
You tried to play nice, everybody just took advantage
お前はいい子に振る舞おうとしたが、みんながお前を利用しただけだった。
You left your fridge open, somebody just took a sandwich
冷蔵庫を開けっ放しにしたら、誰かにサンドイッチを盗まれちまったようなもんさ。
※隙を見せたことで、世間やメディア、元恋人たちに利用され搾取されたキムの状況を例えたユーモラスなライン。
I said, "Baby, what if you was clubbin'
俺は言ったんだ。「ベイビー、もしお前がクラブで遊んで。
Thuggin', hustlin' before you met your husband?"
旦那(俺)に出会う前に、ワルぶってハッスルしてたらどうする?」ってな。
Then I said, "What if Mary was in the club
それから俺は言った。「もしマリア様がクラブにいて。
'Fore she met Joseph, around hella thugs?"
ヨセフに出会う前に、大勢のチンピラに囲まれて遊んでたらどうする?」って。
※聖母マリアが処女として描かれるのに対し、もし彼女が過去にクラブで遊ぶような女性(キム)だったとしても、ヨセフ(カニエ)は彼女を愛し、神の子(家族)を守ったはずだという大胆な解釈。
Cover Nori in lambs' wool
ノリ(長女ノース)を羊の毛皮で包み込んでやる。
※lambs' wool(羊の毛皮)はキリスト教において純潔や神の仔羊を象徴し、子供たちを危険から守る盾としてのメタファー。
We surrounded by the fuckin' wolves
俺たちはクソみたいな狼(ウルフ)どもに囲まれてるんだからな。
※Wolves(狼)は、家族を狙うパパラッチ、メディア、ヘイターなど、外界の悪意を指す。
(What if Mary) "What if Mary
(もしマリアが)「もしマリア様が。
(Was in the club) Was in the club
(クラブにいたら)クラブにいて。
'Fore she met Joseph with no love?"
愛のない状態でヨセフに出会う前だったとしたら?」
Cover Saint in lambs' wool
セイント(長男)を羊の毛皮で包み込んでやる。
(And she was) We surrounded by
(そして彼女は)俺たちは囲まれてるんだ。
(Surrounded by) The fuckin' wolves
(囲まれてる)クソみたいな狼どもにな。
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