Artist: Eminem
Album: The Slim Shady LP
Song Title: Still Don’t Give a Fuck
概要
エミネムのメジャーデビューアルバム『The Slim Shady LP』の最後を飾る、怒りと狂気に満ちたグランドフィナーレである。アンダーグラウンド時代のEPに収録されていた『Just Don't Give a Fuck(何も気にしねえ)』の続編的な位置づけであり、世界的スターダムにのし上がり、どれほどメディアから「悪魔崇拝だ」「子供に悪影響だ」とバッシングを受けようとも、自身のスタイルやスタンスを一切曲げないという強烈な所信表明となっている。悪趣味なジョークや猟奇的な暴力描写を極限まで詰め込みつつ、「アルファベットを皆殺しにした」と豪語するほどに研ぎ澄まされた多音節韻(マルチシラブル)の連打は、彼が単なるキワモノではなくヒップホップ史に残る最高峰のリリシストであることを証明している。
和訳
[Intro]
A lot of people ask me, am I afraid of death?
よく色んな奴に聞かれるんだ、「死ぬのは怖いか?」ってな。
Hell yeah, I'm afraid of death
ああ、そりゃ怖えよ。
I don't want to die yet
まだ死にたくねえからな。
A lot of people think that I worship the Devil
多くの奴らは、俺が悪魔を崇拝してるだの、
That I do all types of retarded shit
あらゆるイカれた真似をしてるだのと思ってる。
Look, I can't change the way I think
いいか、俺は自分の考え方を変えられねえし、
And I can't change the way I am
自分の在り方を変えることもできねえ。
But if I offended you, good
でも、もし俺のせいでアンタが不快になった(キレた)んなら、そいつは重畳だ。
'Cause I still don't give a fuck
だって俺は、未だに一切気にも留めちゃいねえ(Still Don't Give a Fuck)からな。
[Verse 1]
I'm zonin' off of one joint, stoppin' the limo
ジョイント(大麻)1本で意識を飛ばして、リムジンを停める。
Hopped in the window, shoppin' a demo at gunpoint
窓から飛び乗って、銃を突きつけながらデモテープの売り込み(ショッピン)をしてやるよ。
※レコード会社へデモ音源を持ち込む「shopping a demo」という音楽業界の用語を、文字通りの強盗(カージャック)と掛け合わせたスリム・シェイディらしい過激なワードプレイ。
A lyricist without a clue, what year is this?
手がかり(正気)を失ったリリシストさ。今、何年だ?
Fuck a needle, here's a sword, body pierce with this
注射針なんてクソくらえだ、ここに剣がある、これでボディピアスを開けてやるぜ。
Livin' amuck, never givin' a fuck
狂ったように(amuck)生きてる、絶対に気になんて留めねえよ。
Give me the keys, I'm drunk, and I've never driven a truck
車の鍵をよこせ、俺は酔っ払ってるし、トラックなんて運転したこともねえ。
But I smoke dope in the cab
だが運転席(キャブ)でドープ(麻薬)を吸ってやる。
I'll stab you with the sharpest knife I can grab
手に入る中で一番鋭いナイフでお前を刺して、
Come back the next week and re-open your scab (Yeah)
次の週に戻ってきて、お前のかさぶた(傷口)をもう一度開いてやるよ。(ああ)
A killer instinct runs in the blood
血の中には殺しの本能が流れてる。
Emptyin' full clips and buryin' guns in the mud
弾倉(クリップ)を空っぽになるまで撃ち尽くして、銃を泥の中に埋めるんだ。
I've calmed down now, I was heavy once into drugs
俺はもう落ち着いたぜ、昔はハードなドラッグにどっぷり浸かってたけどな。
I could walk around straight for two months with a buzz
(クスリの)余韻だけで、2ヶ月間はずっとハイのまま歩き回れたくらいさ。
My brain's gone, my soul's worn, my spirit is torn
俺の脳みそはイカれて、魂はすり減り、精神は引き裂かれてる。
The rest of my body's still bein' operated on
俺の体の残りの部分は、まだ手術中なんだ。
I'm ducked the fuck down while I'm writin' this rhyme
俺はこのライムを書いてる間、必死に頭を引っ込めてる。
'Cause I'm probably gonna get struck with lightnin' this time
だって、今回ばかりは神の雷(罰)に撃たれちまいそうだからな。
※自分の書いている歌詞があまりにも非道徳的で神を冒涜しているため、天罰が下るのを恐れて縮こまっているというシニカルなジョーク。
[Chorus]
For all the weed that I've smoked, yo, this blunt's for you
俺が吸ってきたすべてのハッパへ、ヨォ、このブラントはお前らに捧げるぜ。
To all the people I've offended, yeah, fuck you too
俺が不快にさせたすべての奴らへ、ああ、お前らもくたばりな。
To all the friends I used to have, I miss my past
かつてのすべてのダチへ、俺は自分の過去を懐かしく思ってる。
But the rest of you assholes can kiss my ass
だが残りのクソ野郎どもは、全員俺のケツにキスしな(くたばれ)。
For all the drugs that I've done, yo, I'm still gon' do
俺がやってきたすべてのドラッグへ、ヨォ、俺はまだやり続けるぜ。
To all the people I've offended, yeah, fuck you too
俺が不快にさせたすべての奴らへ、ああ、お前らもくたばりな。
For every time I reminisce, yo, I miss my past
昔を思い出すたびに、ヨォ、過去を懐かしく思うよ。
But I still don't give a fuck, y'all can kiss my ass
でも俺は未だに一切気にしちゃいねえ、お前ら全員俺のケツにキスしな。
[Verse 2]
I walked into a gunfight with a knife to kill you
俺はお前を殺すために、ナイフ一本で銃撃戦に乗り込んでやった。
And cut you so fast, when your blood spilled, it was still blue
そしてお前を切り刻むスピードが速すぎて、血がこぼれ落ちた時、まだ青いままだったぜ。
※人間の静脈を流れる血(脱酸素血)は空気に触れるまで青っぽく見えるという生物学的な事実を用いた、極めて猟奇的で理系的なパンチライン。
I'll hang you 'til you dangle, and chain you with both ankles
お前が宙ぶらりんになるまで吊るし上げて、両足首を鎖で繋いで、
And pull you apart from both angles
両側からお前を引き裂いてやるよ。
I wanna crush your skull 'til your brains leak out of your veins
お前の頭蓋骨を砕いてやりたいぜ、脳みそが血管から漏れ出して、
And bust open like broken water mains
破裂した水道管みたいにブチまけられるまでな。
So tell Saddam not to bother with makin' another bomb
だからサダム(フセイン)に伝えておけよ、もう爆弾を作る手間は省けってな。
'Cause I'm crushin' the whole world in my palm
だって俺がこの手のひらで、世界全体を握り潰してやるからさ。
Got your girl on my arm, and I'm armed with a firearm
俺の腕の中にはお前の彼女がいて、俺は銃(ファイアアーム)で武装(アームド)してる。
So big my entire arm is a giant firebomb
デカすぎて、俺の腕(アーム)全体が巨大な焼夷弾(ファイアボム)みたいだぜ。
※「arm(腕/武装する)」を使った怒涛のライミングとワードプレイ。
Buy your mom a shirt with a Slim Shady iron-on
お前のオカンに、スリム・シェイディのアイロンプリントが付いたシャツを買ってやるよ。
And the pants to match ("Here, Momma, try 'em on")
それに合うパンツもな。(「ほらママ、試着してみて」)
I get imaginative with a mouth full of adjectives
形容詞でいっぱいの口で、俺は想像力豊かになる。
A brain full of adverbs, and a box full of laxatives
副詞が詰まった脳みそに、下剤が詰まった箱を持ってるんだ。
(Shittin' on rappers) Causing hospital accidents
(ラッパーどもの上にクソを垂れて)病院送りの事故を引き起こしてやるのさ。
※「下剤(laxatives)」を使って他のラッパーの上に「クソを垂れる(Shitting on = 圧倒する、コケにする)」という、下品極まりないが秀逸なメタファー。
God help me, before I commit some irresponsible acts again
神様、助けてくれ。俺がまた無責任な凶行に及んじまう前にな。
[Chorus]
For all the weed that I've smoked, yo, this blunt's for you
俺が吸ってきたすべてのハッパへ、ヨォ、このブラントはお前らに捧げるぜ。
(以下コーラス繰り返しにつき省略)
[Verse 3]
I wanted an album so rugged nobody could touch it
俺は誰にも触れられないくらい、超ハードコア(ラギッド)なアルバムを作りたかった。
Spent a million a track and went over my budget (Oh shit)
1曲に100万ドル費やして、予算をオーバーしちまったよ。(オーシット)
Now, how in the fuck am I supposed to get out of debt?
さて、一体どうやってこの借金から抜け出せばいいんだ?
I can't rap anymore, I just murdered the alphabet
俺はこれ以上ラップできねえよ、たった今アルファベットを皆殺しにしちまったからな。
※自分があまりにも高度なライムを駆使しすぎたため、言語の構成要素(アルファベット)そのものを破壊して使い果たしてしまったという、リリシストとしての究極の誇張(ボースト)表現。
Drug sickness got me doin' some bugged twitches
クスリの禁断症状で、虫みたいにピクピク痙攣しちまう。
I'm withdrawin' from crack so bad my blood itches
クラックの離脱症状がひどすぎて、血が痒いくらいだぜ。
I don't rap to get the women, fuck bitches
俺は女を引っ掛けるためにラップしてるわけじゃねえ、ビッチなんてクソくらえだ。
Give me a fat slut that cooks and does dishes
料理と皿洗いをしてくれる、デブのアバズレをあてがってくれよ。
Never ran with a clique, I'm a posse
徒党(クリック)を組んだことなんてねえ、俺一人で軍団(ポッセ)だ。
Kamikaze, strappin' a motherfuckin' bomb across me
カミカゼさ、体にクソでけえ爆弾を巻き付けてるんだ。
From the second I was born, my momma lost me
産まれたその瞬間から、俺のオカンは俺を見失ってた(手遅れだった)のさ。
I'm a cross between Manson, Esham and Ozzy
俺はマンソンと、イーシャムと、オジー(オズボーン)を掛け合わせたハイブリッドさ。
※チャールズ・マンソン(カルト指導者)、イーシャム(デトロイトのホラーコア・ラップの先駆者でエミネムのルーツの1人)、オジー・オズボーン(コウモリを食いちぎった伝説を持つロックスター)。エミネムの異常な音楽性とキャラクターのDNAを示している。
I don't know why the fuck I'm here in the first place
そもそも、なんで俺がここにいるのかも分からねえよ。
My worst day on this Earth was my first birthday
この地球上での俺の最悪の日は、俺の最初の誕生日(生まれた日)だった。
Retarded? What did that nurse say?
知恵遅れだって? あの看護師、なんて言いやがった?
Brain damage? Fuck, I was born durin' an earthquake
脳にダメージがあるだと? クソッ、俺は地震の最中に生まれたんだよ。
[Chorus]
For all the weed that I've smoked, yo, this blunt's for you
俺が吸ってきたすべてのハッパへ、ヨォ、このブラントはお前らに捧げるぜ。
(以下コーラス繰り返しにつき省略)
