Artist: Eminem (feat. Dina Rae)
Album: The Slim Shady LP
Song Title: Cum On Everybody
概要
エミネムのメジャーデビューアルバム『The Slim Shady LP』に収録された、悪趣味極まりないアンチ・ダンス・アンセムである。タイトル「Cum On Everybody」は、定番のダンス掛け声「Come on(さあ、みんな)」と「Cum on(みんなに精液をぶちまけろ)」を掛けた下劣なダブルミーニングだ。明るくダンサブルなビートと「今夜は踊り明かそう」という陽気なコーラスに乗せ、カート・コバーンの自殺や性病、ローリン・ヒルへの根拠のないデマなど、クラブミュージックにはおよそ不釣り合いな不謹慎極まりないトピックを連発する。なお、コーラスを担当している女性シンガーのダイナ・レイ(Dina Rae)は、以降のエミネムのアルバムにおいて「必ず13曲目にゲスト参加する」という有名なジンクスを生み出した重要人物である。ポップカルチャーを無差別に攻撃し、商業的なヒップホップのクリシェ(お約束)を徹底的に茶化したスリム・シェイディのシニカルなユーモアが爆発した一曲だ。
和訳
[Intro]
(Ha-ha-ha-ha-ha) Yo, mic check
(ハハハハハ)ヨォ、マイクチェック。
(Woo, shit) Testing
(フゥー、クソッ)テスト中。
One, two, um, twelve
ワン、ツー、あー、12。
What up? What up? What up? (Outsiderz)
調子はどうだ? どうなんだ?(アウトサイダーズ)
※「Outsidaz(アウトサイダーズ)」は、ニュージャージーを拠点としてエミネムがブレイク前に所属・交流していたアンダーグラウンドのヒップホップ・グループ。
This is my dance song, can you hear me? (Outsiderz)
これは俺のダンスソングだ、聞こえるか?(アウトサイダーズ)
(Rah Digga, Young Zee, bust it, bust it)
(ラー・ディガ、ヤング・ジー、ブチかませ、ブチかませ)
※Outsidazの主要メンバーであるラッパーたちの名前をシャウトアウトしている。
Alright, ayy, turn my headphones up
よし、おい、ヘッドフォンのボリュームを上げてくれ。
[Verse 1]
My favorite color is red like the bloodshed
俺の好きな色は赤だ、血の海みたいにな。
From Kurt Cobain's head when he shot himself dead
カート・コバーンが頭を撃ち抜いて死んだ時に流れた血のようにな。
※1994年にショットガンで自殺したニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーンの凄惨な死を「好きな色」に例えるという、究極のショック・バリューを狙ったライン。
Women all grabbin' at my shish kabab
女どもはみんな俺のシシカバブ(イチモツ)に群がってくる。
Bought Lauryn Hill's tape so her kids could starve
ローリン・ヒルのテープを買ってやったぜ、あいつの子供たちが餓死するようにとな。
(“I can't stand white people”)
(「白人なんて耐えられないわ」)
※当時広まっていた「白人にアルバムを買われるくらいなら、自分の子供が飢え死にした方がマシ」というローリン・ヒルの発言(後に完全なデマであると判明)に対する皮肉なカウンター。あえて彼女のCDを買うことで飢えさせようとする捻くれた嫌がらせである。
You thought I was ill and now I'm even more so
俺がヤバい(病んでる)と思ってたんだろ、今じゃもっと酷いぜ。
Shit, I got full-blown AIDS and a sore throat
クソッ、俺は末期のAIDS(エイズ)で、おまけに喉も痛てえんだ。
I got a wardrobe with an orange robe
クローゼットにはオレンジ色のローブがある。
I'm in the fourth row, signin' autographs at your show
お前のライブじゃ、前から4列目に座って自分のサインを書いてるぜ。
I just remembered that I'm absent-minded
今思い出したけど、俺は注意欠陥(心あらず)だったわ。
Wait, I mean I've lost my mind, I can't find it
待てよ、つまり正気を失っちまって、どこにも見つからねえってことだ。
I'm freestylin' every verse that I spit
俺が吐き出すバースは全部フリースタイル(即興)だ。
'Cause I don't even remember the words to my shit (Um, one, two)
だって自分の曲の歌詞すら覚えてねえからな。(あー、ワン、ツー)
I told the doc I need a change in sickness
医者に「別の病気に変えてくれ」って頼んでやったよ。
And gave a girl herpes in exchange for syphilis
ある女にヘルペスをうつして、その代わりに梅毒をもらってきた。
Put my LP on your Christmas gift list
俺のLP(アルバム)をお前のクリスマスプレゼントのリストに入れとけよ。
You want to get high? Here, bitch, just sniff this
ハイになりたいか? ほらよビッチ、これを嗅ぎな。
[Chorus]
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
※ダンスミュージックの定番フレーズ「Come on(さあ)」と「Cum(精液)」をかけた下劣な言葉遊び。背後で歌うダイナ・レイの陽気な歌声とのギャップが極めて異常な空間を作り出している。
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
[Verse 2]
Yo, yo, yo, yo, yo
ヨォ、ヨォ、ヨォ、ヨォ、ヨォ。
I tried suicide once and I'll try it again
1回自殺しようとしたけど、もう1回やってみるつもりだ。
That's why I write songs where I die at the end
だから俺は、最後に自分が死ぬ曲ばっかり書いてるのさ。
'Cause I don't give a fuck like my middle finger was stuck
だって俺は中指を立てたまま固まっちまったみたいに、何もかも知ったこっちゃねえからな。
And I was wavin' it at everybody, screamin', "I suck" (I suck)
みんなに向かって中指を振り回しながら、「俺はクソだ」って叫んでるんだ。(俺はクソだぜ)
I go on stage in front of a sell-out crowd
超満員の観客の前にステージへ上がって、
And yell out loud, "All y'all get the hell out now"
大声で叫んでやる「お前ら全員、今すぐここから出て失せろ!」ってな。
Fuck rap, I'm givin' it up, y'all, I'm sorry
ラップなんてクソくらえだ、もう辞めてやるよ、みんな悪かったな。
(But Eminem, this is your record release party)
(でもエミネム、これはあなたのレコード発売記念パーティーよ)
I'm bored out of my gourd, so I took a hammer
正気を失うくらい退屈だったから、ハンマーを手にとって、
And nailed my foot to the floorboard of my Ford
フォード(車)の床板に自分の足を釘で打ち付けてやったぜ。
Guess I'm just a sick, sick bastard
俺はほんと、病気に病んだクソ野郎なんだろうな。
Who's one sandwich short of a picnic basket (I ain't got it all)
ピクニックのバスケットにサンドイッチが1個足りねえような奴さ。(頭のネジが飛んでんだ)
※「One sandwich short of a picnic」は「頭がおかしい、少し足りない」を意味する英語の慣用句。
One Excedrin tablet short of a full medicine cabinet
薬棚からエキセドリン(頭痛薬)の錠剤が1個足りねえような状態だ。
I feel like my head has been shredded like lettuce and cabbage (Oh)
自分の頭がレタスやキャベツみたいに千切りにされちまった気分だぜ。(オゥ)
※「Excedrin tablet」「medicine cabinet」「lettuce and cabbage」の多音節韻(マルチシラブル)。コミカルな比喩の中で超絶技巧をサラリと披露している。
And if you ever see a video for this shit
もしこのクソみたいな曲のミュージックビデオを見ることがあったら、
I'll probably be dressed up like a mummy with my wrists slit
俺はたぶん、手首を切ったミイラみたいな格好をしてるだろうよ。
[Chorus]
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
[Verse 3]
Got bitches on my jock out in East Detroit
イースト・デトロイトじゃ、ビッチどもが俺に群がってくる。
'Cause they think that I'm a motherfuckin' Beastie Boy
だってあいつら、俺のことをビースティ・ボーイズのメンバーだと思ってやがるからな。
So I told 'em I was Mike D
だから俺は「マイクDだ」って言ってやった。
They was like, "Gee, I don't know, he might be"
そしたら奴ら「あら、分かんないけど、そうかもね」って感じだ。
※「白人ラッパー=ビースティ・ボーイズ」という当時のステレオタイプな偏見を逆手に取ったギャグ。
I told 'em, "Meet me at Kid Rock's next concert" (Oh really?)
言ってやったよ「キッド・ロックの次のライブで会おうぜ」ってな。(あら本当に?)
I'll be standin' by the Loch Ness Monster" (Okay)
「ネス湖のネッシー(怪獣)の隣に立ってるからよ」(オッケー)
※デトロイト出身の白人アーティストであるキッド・ロックを引き合いに出し、ネッシーなどの荒唐無稽な嘘を信じ込む白人グルーピーの馬鹿さ加減を嘲笑している。
Peace out (Bye)
じゃあな。(バイバイ)
Then I jetted to the weed house, smoked out
それからハッパの密売所へ直行して、煙まみれになるまで吸いまくった。
'Til I started bustin' freestyles, broke out
フリースタイルをブチかまし始めるまでな。それから飛び出して、
Then I dipped quick back to the crib, put on lipstick
すぐに家(アジト)へ戻って、口紅を塗って、
Crushed up the Tylenol and ate it with a dipstick
タイレノール(鎮痛剤)を粉々にして、車のオイルレベルゲージ(ディップスティック)で舐め食ってやった。
Made a couple of crank calls collect (Brrrt)
コレクトコールでイタズラ電話を何回かかけてやったぜ。(プルルル)
"It's Ken Kaniff from Connecticut, can you accept?"
「コネチカットのケン・カニフだけど、電話受けてくれる?」
※先ほどのスキット『Ken Kaniff』の張本人がスリム・シェイディ自身であったかのように繋げるメタフィクション的な演出。
I want to make songs all the fellas dub
野郎ども全員がダビング(コピー)したくなるような曲を作りたいし、
And murder every rich rapper that I'm jealous of
俺が嫉妬するような金持ちのラッパーどもは全員殺してやりたいね。
So just remember, when I bomb your set
だから覚えとけよ、俺がお前らのステージを爆破しに行く時は、
Yo, I only cuss to make your mom upset
なあ、俺はお前の母ちゃんを怒らせるためだけに汚い言葉(カスワード)を吐いてるってことをな。
[Chorus]
Cum on everybody (Get down tonight)
みんなにぶちまけろ(今夜は踊り明かそうぜ)
(以下コーラス繰り返しにつき省略)
