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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

My Winter - Jack Harlow 【和訳・解説】

 

Artist: Jack Harlow

Album: Monica

Song Title: My Winter

概要

ジャック・ハーロウのアルバム『Monica』に収録された本楽曲は、R&Bシンガーのレイヴン・レネー(Ravyn Lenae)を客演に迎えた内省的でメロウなトラックである。二人の異なる女性を「冬」と「夏」という対照的な季節に見立てており、一方の女性と一緒にいるともう一方の女性が恋しくなるという「隣の芝生は青い(The grass is always greener syndrome)」心理を巧みなワードプレイで描写している。彼特有のレイドバックしたフロウと滑らかなビートが心地よく融合する一方で、自身の尽きない欲求やプレイボーイな気質を「呪い(curse)」と自嘲気味に表現する葛藤が印象深い。現代のミレニアル世代からZ世代が抱える恋愛の複雑さや移り気を、決して嫌味にならずチャーミングに昇華させるハーロウのソングライターとしての成熟が堪能できる一曲だ。

和訳

[Intro: Jack Harlow, Ravyn Lenae]
Say hey, hey, hey (Hey, hey, hey)
ヘイ、ヘイ、ヘイって言ってごらん(ヘイ、ヘイ、ヘイ)

I don't know if I should
どうするべきか分からないんだ。

Hey, hey, hey (Hey, hey, hey)
ヘイ、ヘイ、ヘイ(ヘイ、ヘイ、ヘイ)

You're tempting, my baby
君は本当に魅惑的だよ、ベイビー。

[Verse 1: Jack Harlow]
You're my winter, she's my summer
君は俺の「冬」で、彼女は俺の「夏」さ。
※二人の異なる女性を正反対の季節に例えた、本作のコアとなる秀逸なメタファーである。

One comes 'round, I crave the other
一方がやって来ると、もう一方が恋しくなるんだよな。

At first, there's no cause for concern
最初は何も心配するようなことじゃないんだ。

Time elapses, passions emerge
時間が経つにつれて、情熱が湧き上がってくる。

It comes on the radio
それがラジオから流れてくる。

Every time I'm on the way to see you
君に会いに行く途中、いつもさ。

I can't shake it out of mind
頭から離れないんだよ。

This enticin' melody
この誘惑するようなメロディがね。
※「メロディ」を他の女性の魅力や甘い誘惑の比喩として用いている。音楽と自身の恋愛事情を重ね合わせるスマートなリリックである。

But once I find a way to her
でも、いざ彼女(夏)の元へ辿り着くと、

Conflict finds a way to me
今度は葛藤が俺の元にやって来るんだ。

I can't help but hum along
ついつい口ずさんじゃうんだよな。

Your infectious melody
君のその、うつりやすいメロディをさ。

That's why
だからこそ、

[Chorus: Jack Harlow]
You're my winter, she's my summer
君は俺の「冬」で、彼女は俺の「夏」さ。

One comes 'round, I crave the other
一方がやって来ると、もう一方が恋しくなる。

Sometimes I can't help but wonder
時々、どうしても考えちゃうんだよ。

Layin' right next to you, thinkin' of her (Oh)
君のすぐ隣で寝そべりながら、彼女のことを思ってさ(ああ)。

What a curse (Oh, no)
なんて呪いなんだ(全くだよ)。
※自身の移り気で欲張りな性質を「curse(呪い)」と表現している。プレイボーイとしての余裕の中にも、コントロールできない本能に対する諦めと弱さが垣間見えるラインだ。

[Verse 2: Jack Harlow, Ravyn Lenae]
Can't be without you, for what it's worth
君なしじゃいられないんだ、本当の話さ。

My mind wander sometimes
時々、心がふらふらしちゃうだけでね。

In other words, I still think about her
別の言い方をすれば、まだ彼女のことを考えてるってこと。

A sudden urge drives
突然の衝動に駆られて、

Me into fantasies, but at first
妄想の世界に引きずり込まれるんだ、でも最初はさ。

Everythin' I said above in the reverse
さっき言ったことが全部逆になるんだよ。

Couldn't tell you how it happens, what a curse
どうしてこうなるのかは説明できない、ホント呪いだよな。

Suddenly, I'm strugglin' with lovin' her
突然、彼女(夏)を愛することに苦戦し始めるんだから。

(These lyrics) Alright
(この歌詞さ)まあいいや。

I— I gotta get it out my system
俺は、俺の中からこの感情を追い出さなきゃいけない。
※「get it out of my system」は「(やりたいことをやって)未練をなくす、スッキリする」というイディオム。心の迷いをどうにかして払拭したいという揺れ動く心理状態を描写している。

Conventional wisdom tells me 'bout the grass
世間の常識が、俺にあの「芝生」の話を思い起こさせる。

That I'm a fence from
俺がフェンス越しに見つめてる芝生のことさ。
※英語の有名な諺「The grass is always greener on the other side of the fence(隣の芝生は青い)」を引用したGenius的な言葉遊びである。「I'm a fence from」と続けることで、自分が二つの選択肢(夏と冬)の間を隔てる境界線にいる状況を視覚的に表現している。

We say things that you and I say
俺たちは、俺たちにしか分からない言葉を交わす。

No sense of questionin' if it meant somethin'
そこに何か意味があったのかなんて、問うだけ無駄さ。

Symptoms surfacin' on my face
症状が顔に表れてきちゃってる。

Can't hide a change in the momentum
この勢いの変化は隠しきれないよ。

Wind comes, cold and blowin' my way
風が吹いて、俺の方に冷たく吹きつけてくる。

Inhaled the breeze until I went numb
感覚がなくなるまで、その風を吸い込んだんだ。
※冷たい風(冬=現在のパートナー)に身を委ね、感覚が麻痺する(numb)まで浸ろうとする描写。「冬」というメタファーを再び強調しながらコーラスへと着地する美しいクロージングである。

[Chorus: Jack Harlow]
You're my winter, she's my summer
君は俺の「冬」で、彼女は俺の「夏」さ。

One comes 'round, I crave the other
一方がやって来ると、もう一方が恋しくなる。

What this means, I'm still so unsure
これが何を意味するのか、俺にもまだよく分からないんだ。

Who comes first provides no comfort
どっちが先に来たって、慰めにはならないよ。

What a curse
なんて呪いなんだ。

 

Monica [Explicit]

Monica [Explicit]

  • Atlantic Records
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