Artist: JAY-Z & Kanye West
Album: Watch the Throne (Deluxe Edition)
Song Title: H•A•M
概要
2011年の歴史的ジョイントアルバム『Watch the Throne』からの先行シングルとしてリリースされた、攻撃的かつ荘厳なバンガー・チューンだ。タイトルの「H.A.M.」は「Hard As a Motherfucker(最高にヤバい、マジでハードにいく)」の略語である。当時トラップ・シーンを席巻していたプロデューサーのLex LugerとKanye Westが共同でビートを手掛け、重厚なベースと後半のオペラ合唱(ラテン語)が交差する劇的な構成となっている。Kanyeが自身の奔放なライフスタイルをユーモラスに語る一方、JAY-Zは自身の莫大な資産と妻(ビヨンセ)の富を誇示しつつ、ストリートでの過酷なサバイバル体験を振り返る。王者としての揺るぎない絶対的地位をシーンに見せつけた、傲慢なまでのエネルギーに満ちた一曲である。
和訳
[Verse 1: Kanye West]
It was all good just a week ago, niggas feel theyself
つい1週間前までは全部順調だったのにな、あいつら調子に乗ってやがる。
※JAY-Zの1999年の楽曲「A Week Ago」のフレーズからの引用。
And that Watch the Throne drop, niggas kill theyself
そして『Watch the Throne』がドロップされりゃ、あいつら絶望して自殺しちまうだろうよ。
What niggas gon' do, Hov?
あいつらどうするつもりだ、Hov(ジェイ)?
This the new crack, on a new stove
こいつは新しいストーブで作った、新しいクラック(極上のヤク)だぜ。
I'm in the two-door, true that, niggas telling me, "You back!"
俺は2ドアのクーペに乗ってる、間違いない。みんな「Yeが戻ってきた!」って騒いでるぜ。
Like a nigga ever left up out this bitch, huh?
まるで俺が一度でもこのゲームから降りたことがあるかのように言うんだな、あ?
And if life's a bitch, bet she suck my dick, huh
もし「人生がビッチ」だっていうなら、そいつは俺のモノをしゃぶってるって賭けてもいいぜ、ハッ。
※「Life is a bitch (人生はクソだ/厄介だ)」という有名な決まり文句を逆手に取り、人生(ビッチ)すら自分に奉仕しているという絶対的なフレックス。
And I bet she fucked the whole clique, huh
俺のクルー(仲間)全員ともヤッてるに違いないさ。
By the way, nigga, you should fucking quit, nigga
ところでよ、お前らはマジで引退したほうがいいぜ。
Just forget it, you talk it, I live it
もう諦めな。お前らが口先だけで語ってることを、俺は「現実」として生きてるんだ。
Like Eli, I did it, joke's on you, motherfucker and I get it, haha
イーライみたいに、俺はやり遂げたんだ。お笑い草だな、クソ野郎。俺には分かるぜ、ハハッ。
※NFLニューヨーク・ジャイアンツのQBイーライ・マニング(Eli Manning)のこと。スーパーボウルで劇的な勝利を収めた彼と自身の成功を重ねている。
No paper, ho, but you can have some more of me
金(ペーパー)は渡さねえよ、女。でも俺自身をもっと味わうことはできるぜ。
Or-a-gy or are we speaking metaphorically?
乱交(オージー)か?それとも比喩的な意味で言ってんのか?
※「or of me(俺をもっと)」という言葉の響きから、「Orgy(乱交)」という言葉遊びを展開している。
Historically I'm kicking bitches out like Pam, nigga
歴史的に見ても、俺はパムみたいにビッチどもを追い出してきたんだ。
※90年代のシットコム『Martin』の主人公が、登場人物のパム(Pam)を家から頻繁に追い出すお決まりのギャグからの引用。
Going HAM, nigga, me and Jigga
最高にハードに(H.A.M.)いくぜ。俺とJigga(ジェイ・Z)でな。
And a nigga still young, wanna have no kids
俺はまだ若いし、子供なんて欲しくねえ。
But I've been practicing with some actresses as bad as shit
だけど、超絶イイ女の女優たちと「子作り」の練習はしまくってるぜ。
Had a few white girls, asses flat as shit
何人かの白人の女とも遊んだな、ケツは真っ平らだったけど。
But the head's so good, damn, a nigga glad he hit
でもフェラ(ヘッド)が最高でさ。クソッ、ヤッてよかったって思ったぜ。
Got 'em jumping out the building, watch out below
あいつらをビルから飛び降りさせるくらいの勢いだ。下(下界)に気をつけな。
A million out the door
ドアを出るだけで100万ドル(の大金が動く)のさ。
[Chorus: Kanye West]
I'm about to go HAM
俺は今から最高にハードに(H.A.M.)いくぜ。
Hard as a motherfucker, let these niggas know who I am
マジでクソヤバいレベルでな。俺が誰なのか、あいつらに思い知らせてやる。
※H.A.M = Hard As a Motherfucker の略語。
I'm about to go HAM
俺は今から最高にハードにいくぜ。
Hard as a motherfucker, let these niggas know who I am
マジでクソヤバいレベルでな。俺が誰なのか、あいつらに思い知らせてやる。
[Verse 2: Jay-Z]
Fuck y'all mad at me for?
お前ら、なんで俺にキレてんだ?
Y'all don't even know what I've been through
俺がこれまで何をくぐり抜けてきたか、知りもしねえくせによ。
I played chicken with a Mack truck
俺は大型トラック(マック・トラック)とチキンレースをしてきたんだ。
Y'all motherfuckers woulda been moved
お前らみたいなクソ野郎なら、とっくに逃げ出して(弾き飛ばされて)たろうな。
I swam waters with great whites
俺はホオジロザメ(グレート・ホワイト)が泳ぐ海を泳ぎ切った。
Y'all motherfuckers woulda been chewed
お前らなら、とっくに食いちぎられてたはずさ。
※ストリートの過酷な競争や、冷酷な音楽業界の重役(Great Whites=白人の大物たちとのダブルミーニング)の中で生き残ってきたJAY-Zのサバイバルを表現している。
I hustled with vultures late nights
深夜にハゲタカ共(同業者や悪党)に混じってハッスルしてたんだ。
Y'all motherfuckers woulda been food
お前らなら、ただの「餌」になってたところだぜ。
Fuck wrong with these dudes? Try to walk around in these shoes
こいつら一体どうしちまったんだ? 俺の靴を履いて歩いてみろよ。
※「In someone's shoes(〜の立場になってみる)」という慣用句。
See the shit I saw growing up
俺が育つ過程で見てきたクソみたいな現実を見てみろ。
Then maybe you could take a peek at these boos
そうすりゃ、俺が手に入れたこのブガッティ(boos)も少しは覗かせてやるかもな。
※boosは超高級車Bugatti(ブガッティ)の略。どん底を味わったからこそ、この車に乗る資格があるという主張。
Niggas fantasize about the shit that I do daily
俺が毎日当たり前にやってることを、あいつらは夢想(ファンタジー)してる。
Like these rappers rap about all the shit that I do really
今のラッパー共がラップしてるような事なんて、俺は「現実」にやってるのさ。
I'm like, "Really, half a billi,' nigga, really?" You got baby money
俺はこう言うね。「マジかよ、総資産5億ドル(ハーフ・ア・ビリー)だぞ?マジか?」 お前らの金なんか、赤ん坊の小遣い(ベイビー・マネー)だ。
※当時のJAY-Zの推定資産約5億ドル。また、「Baby money」はラッパーのBirdman(別名Baby)やLil Wayne(Cash Money Records)へのサブリミナルなディスだと言われている。当時BirdmanがJAY-Zの富について言及したことへの強烈なアンサー。
Keep it real with niggas, niggas ain't got my lady money
はっきり言わせてもらうぜ。お前ら全員集まっても、俺の「嫁の金(ビヨンセの資産)」にすら届かねえよ。
※ヒップホップ史上最も強烈で有名な、妻の財力を利用した究極のフレックス。
Watch the throne, don't step on our robe
王座に気をつけな。俺たちのローブ(王の衣装)を踏むんじゃねえ。
Bad enough we let you step on our globe
俺たちの地球(領土)を歩かせてやってるだけでも、十分ありがたく思えってんだ。
When my nephew died, daddy dead
俺の甥っ子が死んだ時、親父も死んだ。
Nigga took the price on my uncle's head
誰かが俺の叔父貴の首に懸賞金をかけやがった。
Nobody called the cops as my uncle bled
叔父貴が血を流して倒れてる時、誰もサツなんか呼ばなかったんだ。
※「Welcome to the Jungle」でも語られている、親族の死やストリートの非情な現実(Snitches get stitches=警察には密告しないという掟)を再び回顧している。
So I feel like I would like to know my uncle's bread
だから俺は、叔父貴のシノギ(金)の真相を知りてえんだよ。
Bow down, brother, pay homage
ひざまずけ、兄弟。敬意(オマージュ)を払え。
Don't spill hate all on my garments
俺の高級な服に、お前らのヘイト(嫉妬)をこぼすんじゃねえ。
Comme des Garçons, fuck yo' fresh
コム・デ・ギャルソンだ。お前らの言う「イケてる」なんてクソくらえさ。
Head shots, nigga, fuck your vest
ヘッドショット(頭を狙う)だぜ。お前らの防弾チョッキなんか意味ねえよ。
Fuck the pig, no pork on my fork
サツ(豚)はクソくらえだ、俺のフォークに豚肉(ポーク)は乗せねえ。
※pigは警察を指すスラング。「豚肉を食べない=イスラム教(ネイション・オブ・イスラムなど)や5% Nationの教え」と、「警察とは関わらない」という二つの意味を掛けている。
Peace, God, 'cause you know a nigga just went
ピース、神よ。だってお分かりだろ、俺はたった今……
[Chorus: Jay-Z]
HAM
最高にハードに(H.A.M.)なっちまったんだから。
Hard as a motherfucker, let these niggas know who I am
マジでクソヤバいレベルでな。俺が誰なのか、あいつらに思い知らせてやる。
Yeah, I'm 'bout to go HAM
ああ、俺は最高にハードにいくぜ。
Hard as a motherfucker, let these niggas know who I am
マジでクソヤバいレベルでな。俺が誰なのか、あいつらに思い知らせてやる。
Yeah, I'm 'bout to go HAM
ああ、俺は最高にハードにいくぜ。
[Outro]
Vivat rex in homine
人間の姿をした王万歳。
※ラテン語の聖歌のようなコーラス。「Vivat rex(王様万歳)」と「in homine(人間の中に)」を合わせ、JAY-ZとKanyeが「神の如き力を持った人間の王」であることを荘厳に賛美して曲を締めくくっている。
Vivat rex in homine
人間の姿をした王万歳。
Vivat rex in homine
人間の姿をした王万歳。
Vivat rex in homine
人間の姿をした王万歳。
