Artist: Bad Bunny
Album: YHLQMDLG
Song Title: 25/8
概要
バッド・バニーの歴史的アルバム『YHLQMDLG』(2020年)に収録された、彼の圧倒的な成功とストリートへの忠誠心を証明するハードなトラップ・アンセムである。タイトル「25/8」は、「24時間7日間(24/7)」を超えて「25時間8日間」絶え間なく働き、ストリートでサバイブし続けているというハッスル精神を表している。
自身の名声や富を誇示する一方で、プエルトリコの最低賃金(時給7.25ドル)や、ハリケーン・マリアの被災から放置されたままの「ブルーシートの家(casas con toldo)」に言及するなど、政府への痛烈なポリティカル・メッセージを突きつける。さらに、Air Jordanのレアスニーカーから、WWEプロレス、そしてレゲトン界のゴシップまで、USヒップホップの文脈とも深くリンクする緻密なネームドロップが張り巡らされており、リリシストとしてのバッド・バニーの卓越したスキルが堪能できる一曲だ。
和訳
[Intro]
Eh, ey
エ、エイ
Yo sigo siendo el mismo, yo no he cambiao' (¡No!)
俺は今も昔も俺のままだ、何も変わっちゃいねぇ(ノー!)
Tengo lo mío sin tener que aparentar (Ey)
見栄を張らなくても、俺は自分のモノ(スタイル)を持ってる(エイ)
Siempre ando con lo' mismo', arrebatao' (Ey, ey, ey, ey)
いつだって同じダチとつるんで、ハイになってるのさ(エイ、エイ、エイ、エイ)
※arrebatao'=マリファナなどでハイになっている状態。
Ahora siempre e' Louis Vuitton, pero nunca vo' a cambiar (Prr, prr, prr, prr)
今じゃ全身ルイ・ヴィトンだけど、俺の中身は絶対に変わらねぇよ(プルル、プルル)
[Coro]
A mí me gusta la calle
俺はストリートが好きなんだ
25/8 ready, no te guaye'
25時間8日間、いつでも準備はできてる。調子に乗るなよ
※25/8=24/7(四六時中)をさらに超えるハッスル精神。no te guayes=プエルトリコのスラングで「こすりつけるな」「調子に乗るな」「ミスるな」の意。
Humilde, pero nunca me voy a dejar
謙虚でいるけど、絶対に舐められはしない
'Tá caliente, pero no me vo' a alejar, eh-eh
ストリートは熱く(危険に)なってるけど、俺は逃げ出さないぜ、エ・エ
Hoy salimo' pa' la calle (Wuh)
今日はストリートに繰り出すぜ(ウォウ)
Luka Dončić, no hay manera que yo falle
ルカ・ドンチッチさ、俺がシュート(狙い)を外すわけがねぇ
※Luka Dončić=NBAダラス・マーベリックスのスーパースター。圧倒的な得点力と勝負強さを自身に重ねている。
Seguimo' a dosciento' y no vamo' a bajar
俺たちは時速200マイルでぶっ飛ばす、スピードは落とさねぇよ
Siempre estamo' en P.R., malianteo', bellaqueo', coronar (Yeh, yeh, yeh)
俺たちはいつでもプエルトリコ(P.R.)にいる。不良稼業、エロい遊び、そして頂点を獲る(イェー、イェー、イェー)
※malianteo=ギャングスタ的な生き方。bellaqueo=性的な遊び。coronar=「王冠を被る」転じて「大成功を収める」。
[Verso 1]
Yo sigo siendo el mismo, cambió mi reflejo (Je)
俺は俺のままだ、鏡に映る姿(身なり)が変わっただけさ(フッ)
Nuevo, pero me siento uno de lo' viejo' (Prr-prr)
新世代だけど、俺はレジェンド(古株)の一人だって感じてる(プルル)
Humilde, pero no me dejo, ey (Nah, nah, nah)
謙虚でいるけど、やられっぱなしにはならねぇよ、エイ(ナー、ナー、ナー)
Leal, pero no pendejo (Ey, ey, ey, ey)
義理堅いけど、マヌケじゃねぇ(エイ、エイ、エイ、エイ)
Y no apueste' en mi contra, que te va' a embrollar (Nah)
俺の負けに賭けるなよ、お前が借金まみれになるだけだぜ(ナー)
Compré las Tokyo, pa' usarla' de collar (Hu-huh)
『Tokyo』を買って、ネックレス代わりに首から下げてやるよ(フーフー)
※las Tokyo=2011年に日本限定で極少リリースされた幻のスニーカー「Air Jordan 5 Retro T23 (Tokyo)」のこと。スニーカーフリーク垂涎の超プレ値モデルを、履くのではなくアクセサリーとして見せびらかすという強烈なフレックスである。
La' 11 en blanca y en azul royal
白とロイヤルブルーの『11』もな
※La' 11=Air Jordan 11。名作スニーカーのディテールをリリックに落とし込む手法は、USヒップホップカルチャーとの深いリンクを示している。
La baby me pide que no me la quite pa' follar (Ah, ah, ah)
ベイビーが「ヤる時もそのスニーカーは脱がないで」ってねだるんだ(アー、アー、アー)
Y le doy toda la noche sin quitarme la' teni' (Nah)
だから一晩中、スニーカー(テニスシューズ)を履いたまま激しく突いてやるのさ(ナー)
Cotizao', ya yo no sé lo que es un twenty
俺の価値は跳ね上がった、20ドル札(少額紙幣)がどんなもんだったか、もう忘れちまったよ
※cotizado=「高く評価されている」「市場価値が高い」。
Traje un pasto nuevo que e' la jodienda, como Benny
ベニーみたいに「最高にヤバい(ラ・ホディエンダ)」極上の葉っぱを持ってきたぜ
※Benny / la jodienda=プエルトリコのラッパー/ソングライターであるBenny Benniのキャッチフレーズ「La Jodienda」からの引用。
Moña' verde' fluorescente', parecen bolas de teni', ey
蛍光グリーンのバッズだ、まるでテニスボールみたいだろ、エイ
Y de libra en libra, eh-eh
ポンド単位で売りさばくのさ、エ・エ
No e' que sea antisocial, e' que ustede' dan mala vibra
俺がアンチソーシャル(人間嫌い)なんじゃなくて、お前らの放つバイブスがクソなんだよ
Yo sé que verme bien los desequilibra
俺が上手くやってるのを見ると、お前らは精神を乱す(嫉妬する)んだろ
Pero normal, pero normal, pero normal
でも普通さ、そんなの普通のことだ
Sin ir a playoff gano la final (La final)
プレイオフを経由せずに、俺はいきなり決勝で勝つんだ(決勝でな)
Tú me toca' y no te vuelve' a reafinar (Prr, prr, prr)
俺に手を出したら、お前は二度とチューニング(再起)できなくなるぜ(プルル、プルル)
La guitarra te la vo'a desafinar (Hah)
お前のギターの弦を、狂わせて(ブチ壊して)やるよ(ハッ)
En R.D. me dicen: "Mi loco, tú ere' el final" (Ey, ey, ey, ey)
ドミニカ共和国(R.D.)じゃ、皆が「マイメン、お前は究極(最高)だぜ」って言ってくれる(エイ、エイ、エイ)
※Mi loco=ドミニカ共和国のスラングで「兄弟」「マイメン」。el final=「究極」「最高峰」。
Y en P.R.: "'Tá muy cabrón, sendo hijo 'e puta" (Huh)
プエルトリコじゃ「あいつはマジでヤバい、とんでもねぇクソ野郎(最高)だ」ってな(フッ)
Yo soy el mejor en esto, no discuta' (Nah)
俺がこのゲームのトップだ、議論の余地はねぇ(ナー)
Aquí cualquier ritmo siempre se ejecuta (Prr, prr)
ここではどんなビート(リズム)でも、必ず完璧に仕留めるぜ(プルル、プルル)
El blanquito bobo que estudiaba en el CUTA (Ey)
CUTA(大学)で勉強してた、ただの色白のマヌケなガキがな(エイ)
※CUTA=プエルトリコ大学アレシボ校(UPR Arecibo)の旧称。世界的スターになる前は、ごく普通の大学生であった自身のルーツを振り返っている。
[Coro]
Pero me gusta la calle
でも、俺はストリートが好きなんだ
25/8 ready, no te guaye'
25時間8日間、いつでも準備はできてる。調子に乗るなよ
Humilde, pero nunca me voy a dejar (Nunca)
謙虚でいるけど、絶対に舐められはしない(絶対にな)
'Tá caliente, pero no me vo'a alejar, eh-eh (No, no, no, no)
ストリートは熱く(危険に)なってるけど、俺は逃げ出さないぜ、エ・エ(ノー、ノー、ノー)
Hoy salimo' pa' la calle (Wuh)
今日はストリートに繰り出すぜ(ウォウ)
Luka Dončić, no hay manera que yo falle
ルカ・ドンチッチさ、俺がシュートを外すわけがねぇ
Seguimo' a dosciento' y no vamo' a bajar
俺たちは時速200マイルでぶっ飛ばす、スピードは落とさねぇよ
Siempre estamo' en P.R., malianteo', bellaqueo', coronar (Ey, ey)
俺たちはいつでもプエルトリコにいる。不良稼業、エロい遊び、そして頂点を獲る(エイ、エイ)
[Verso 2]
No me ronque' de ticket, yo también tengo un montón
俺に向かって札束(チケット)の自慢をするな、俺だって山ほど持ってるんだ
Dicen que no soy calle, que no salgo del portón
俺がストリートじゃないとか、家の門から出たことがないなんて奴らは言うけどな
Pero esto es P.R., aquí cualquiera da el vueltón
でもここはプエルトリコだ、誰だってその辺をうろついてるさ
Y "prr, prr", welcome to the calentón
そして「プルル、プルル(銃声)」、危険地帯(カレントン)へようこそ
Si me da con frontear, no me soporto
もし俺が本気でフレックス(自慢)し始めたら、自分でも手に負えないぜ
El que lo' puso a vestir de colore' y pantalone' corto' (Wuh)
お前らにカラフルな服とショートパンツを穿かせた(流行らせた)のは、この俺だからな(ウォウ)
No se hagan lo' ciego' y lo' sordo'
見て見ぬフリや、聞こえないフリをするなよ
Como el gobierno, que todavía tiene las casa' con toldo
いまだに家の屋根にブルーシート(トルト)を被せたまま放置してる、あの政府みたいにな
※ハリケーン・マリア(2017年)の壊滅的な被害から数年が経過しても、FEMA(米連邦緊急事態管理庁)から支給された青い防水シートが屋根に乗ったままの家がプエルトリコには溢れていた。無能な政府に対する痛烈な社会批判である。
[Interludio]
Nunca segui—
絶対にフォロワーには—
No, no, que siga la pista, que siga la pista
いや、待て、ビートを続けろ、トラックを止めんな
[Puente]
Nunca seguidor, yo siempre he sido un líder
俺は絶対にフォロワー(追随者)にはならない、いつだってリーダーだった
$7.25, bo, con eso no se vive
時給7.25ドルじゃ、兄弟、生きていけねぇよ
※$7.25=プエルトリコ(および米国連邦)の最低賃金。過酷な労働環境と貧困という社会問題に対する怒りの代弁である。
Pero ahora estamo' facturando como Wide receiver
でも今じゃ、ワイドレシーバーみたいにガンガン稼いでる(ファクチュラント)ぜ
※Wide receiver=アメフトの花形ポジション。巨額の契約金(ファクトゥラ=請求書)を手にするトップアスリートに自身の稼ぎを例えている。
Mis verso' son clásico' como Boca - River
俺のバースは、ボカ対リーベルみたいにクラシック(伝統的)なのさ
※Boca - River=アルゼンチンの名門サッカークラブ、ボカ・ジュニアーズとリーベル・プレートによる世界最大級のダービーマッチ「スーペルクラシコ」のこと。
Nunca seguidor, yo siempre he sido un líder
俺は絶対にフォロワーにはならない、いつだってリーダーだった
$7.25, bo, con eso no se—, dame un—
時給7.25ドルじゃ、兄弟、生きていけ—、ちょっと待て—
[Interludio]
Dame un break, vo' a tirar otra cosa, vo' a tirar otra cosa, okay
ちょっとブレイクをくれ、別のフロウをカマす、別のヤツをブチ込むぜ、オーケイ
[Verso 3]
Ey, ey, ey
エイ、エイ、エイ
Hoy sacamo' la Lambo Urus de la marquesina
今日はガレージからランボルギーニ・ウルスを引っ張り出すぜ
Ustede' la tienen en Miami, yo la tengo en Carolina
お前らはそれをマイアミで乗ってるだろうが、俺はカロリーナ(地元)で乗り回してるんだ
※Carolina=プエルトリコの都市で、レゲトンの発祥地の一つ。マイアミなどのセレブ街ではなく、あえて地元のフッドで高級車を転がすというストリート・プライド。
Le meto a to'a la' Natti callao', como Raphy Pina, ey
ナティみたいなイイ女たちに、俺はこっそりブチ込んでるぜ、ラフィー・ピナみたいにな、エイ
※Natti / Raphy Pina=世界的レゲトン歌手ナティ・ナターシャと、その敏腕マネージャーであるラフィー・ピナのこと。二人は長年関係を隠し、秘密裏に交際していた(のちに結婚)。ラテンエンタメ界の特大ゴシップを引用した衝撃的なパンチライン。
Guiando y chingando, me encanta la adrenalina
運転しながらヤるのが最高だ、このアドレナリンがたまらねぇ
Yo tengo mucho' chavo', por eso 'toy Chilindrina
俺は山ほど金(チャボ)を持ってる、だから俺は「チリンドリーナ」なのさ
※chavo=プエルトリコのスラングで「お金」。Chilindrina=メキシコの国民的コメディ番組『エル・チャボ・デル・オチョ(El Chavo del 8)』に登場し、主人公の「チャボ(Chavo)」にいつもくっついている女の子。Chavo(お金)と常に一緒にいるから自分はチリンドリーナだ、という天才的なダブルミーニング。
Lowkey, nunca me dejo ver, como John Cena
目立たず(ローキーに)、絶対に姿は見せないぜ、ジョン・シナみたいにな
※John Cena=WWEの伝説的プロレスラー。彼の有名なキャッチフレーズ「You can't see me(俺の姿は見えないぜ)」の引用。
Recuerda, los bichote' no se paran en la esquina
覚えとけ、本物のボス(ビチョテ)はストリートの角に突っ立ったりしないんだ
Soy como Boogeyman, salgo cuando hay neblina
俺はブギーマンさ、霧(スモーク)が立ち込めた時に現れるんだ
※Boogeyman=同じくWWEに登場した、煙とともに現れるホラーギミックのプロレスラー。
Cabrón, yo soy la hostia, mi mente e' una mina
クソ野郎、俺は最高(神)だ、俺の頭脳は宝の山(地雷)なんだよ
※la hostia=スペインの俗語で「最高のもの」「ヤバいもの」。
Se compraron mansión con lo que hice en la cabina, ey
俺がボーカルブース(カビナ)で作ったモノで、奴らは豪邸を買ったんだぜ、エイ
※cabina=レコーディングスタジオのボーカルブース。自身がスタジオのブース内で生み出したビートやフロウが、いかに莫大な富を業界にもたらしているかという、クリエイターとしての圧倒的な自負を示している。
Se pasan llorando como cuando el Grammy no los nomina
奴らはいつもピーピー泣いてるぜ、グラミー賞にノミネートされなかった時みたいにな
Si no paro este verso, no termina
俺がこのバースを止めなきゃ、一生終わらねぇよ
Real ha—
リアルなハ—(ハッスル)
