Artist: Bad Bunny
Album: X 100PRE
Song Title: RLNDT
概要
バッド・バニーの内省的でダークな一面が色濃く出た、アルバム『X 100PRE』(2018年)の中でも特筆すべき鬱屈とした楽曲である。タイトルの「RLNDT」は、1999年にプエルトリコで失踪し、未だに行方不明となっている当時4歳の少年「ロランディート(Rolandito)」の名前に由来する。急激な名声と成功の波に飲み込まれ、「自分自身が誰なのか分からなくなった」「迷子になってしまった」という深刻なアイデンティティ・クライシスと孤独感を、失踪事件のメタファーを用いて表現している。ポップスターとしての表面的な顔の裏にある、青年ベニート(本名)のリアルな苦悩と精神的な迷走を赤裸々に描いた、ラテン・トラップにおけるエモ・ラップの最高峰とも言える一曲だ。
和訳
[Intro]
(Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó
(やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったよ)
Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó
(やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったよ)
Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó
(やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったよ)
Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó)
(やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったよ)
Yeh-yeh
イェー、イェー
[Coro]
Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó, yeah-yeah-yeh
やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったんだ、イェー、イェー、イェー
Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó, oh-oh-oh, oh-oh, oh-oh
やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったんだ、オー、オー
[Verso 1]
Olvidé las coordenadas de mi destino
自分の目的地の座標を忘れちまった
Se me dañó el GPS a mitad de camino
道の途中でGPSがぶっ壊れたんだ
Y no sé si me raptaron o estoy perdido
誘拐されたのか、それとも迷子になったのかも分からない
※raptaron(誘拐された)=楽曲のタイトルの由来である「ロランディート失踪事件」を直接的に連想させるライン。自分が自分の意思でここにいるのか、何かに引きずり込まれたのかすら分からない精神状態を表している。
Pero ya son varios días que no hablo conmigo
でも、もう何日も自分自身と会話してないんだ
No sé navegar con esta oscuridad, siento que estoy algaro
この暗闇の中じゃナビもできない、完全に制御不能な気分だ
※algaro=algareteの省略形で、プエルトリコのスラング。「コントロールを失った」「めちゃくちゃな」状態を意味する。
No sé si dejarme llevar, no confío en los faro'
身を任せるべきかも分からない、灯台の光すら信用できねぇ
Porque confiar siempre me ha salido caro
だって、人を信じるといつも高くつく(痛い目を見る)からな
Porque confiar siempre ha sido un disparo en el corazón
信じることはいつだって、心臓を撃ち抜かれるようなもんだった
Y ahora veo que papi siempre tuvo razón
今になって、親父がいつも正しかったって気づくよ
Que en las buenas, muchos, y en las malas, pocos son, eh
調子がいい時は人が群がるけど、悪い時は少ししか残らないってな
※成功によってすり寄ってくるフェイクな人間たちと、本当に苦しい時に去っていく冷たい現実への皮肉。
Pero eso' son los que son, eh-eh-eh
でも、残った奴らこそが本物なんだよな、エ・エ・エ
[Coro]
Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó, oh-oh-oh, oh-oh-oh, oh
やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったんだ
Hola, ¿quién soy? No sé, se me olvidó, oh-oh-oh, oh-oh, oh
やあ、俺は誰だっけ? 分からない、忘れちまったんだ
[Verso 2]
Creo que confundí la brújula con el reloj
方位磁針と時計を間違えちまったみたいだ
Y caminé hacia la fecha equivocada
そして間違った日付(過去や未来)に向かって歩いちまった
Quisiera encontrarme y volver a ser yo
自分自身を見つけ出して、元の俺に戻りたいよ
Pero parece que de mí no queda nada
でも、俺の中にはもう何も残ってないみたいだ
No creo en horóscopo ni en los astros
星占いも星座も信じちゃいない
Las lágrimas no dejan huella, por eso, yo no dejo rastro
涙は足跡を残さない、だから俺も痕跡を残さないんだ
No sé si hablar con Dios o con el espaldar
神様に話しかけるべきか、ベッドの背もたれに話しかけるべきか分からない
※espaldar=椅子やベッドの背もたれ。誰もいない部屋で孤独に苦悩し、壁に向かって独り言を言っているような虚無感を描写している。
No sé si mi ángel de la guarda me quiera guardar
俺の守護天使が、本当に俺を守りたがってるのかも分からない
No sé lo que hago, no sé ni quien soy
自分が何をしてるのかも、自分が誰なのかも分からない
No sé donde estoy ni pa' donde voy
どこにいるのかも、どこに向かってるのかも分からない
No sé si es ayer o si es hoy
昨日なのか、今日なのかすら分からない
El miedo que tengo, yo mismo lo doy
俺が抱えてる恐怖は、俺自身が与えてるものなんだ
¿Será como me crié o como crecí?
俺の育ち方のせいか、それとも成長の過程のせいか?
¿Algo que escuché o algo que vi?
何かを聞いたせいか、何かを見たせいか?
Lo tanto que amo, ya no me hace feliz
あんなに愛してるものすら、もう俺を幸せにしてくれない
※音楽を作ることや成功を夢見ることなど、かつて情熱を注いでいたものが、今では何の喜びも与えてくれないという重度の抑うつ状態を示唆している。
¿Será que no lo amo o que no soy así?
実は愛してなかったのか、それとも俺がそういう人間じゃないのか?
[Puente]
No, estoy seguro que me desvié
いや、確実に道を外れちまったんだ
Que tenía un propósito, pero lo olvidé
目的があったはずなのに、それを忘れちまった
Yo mismo hice mi camino, así que diré (Yeh-yeh-yeh)
自分で作った道だ、だからこう言うよ(イェー、イェー、イェー)
Al mismo hoyo donde yo empecé, eh (Yeh-yeh-yeh)
俺が始めたのと同じ穴(どん底)に向かってな、エ(イェー、イェー、イェー)
※hoyo=穴。原点である何もない場所(ゼロ)からやり直す、あるいは自分の内面を見つめ直す覚悟を決めている。
[Coro]
Hola, ¿quién soy? Siempre he sido yo, yeah
やあ、俺は誰だっけ? ずっと俺自身のままだったよ、イェー
※曲の終盤で歌詞が「No sé, se me olvidó(分からない、忘れた)」から「Siempre he sido yo(ずっと自分のままだった)」に変化する。迷走の果てに、名声に覆われて見えなくなっていた「本当の自分」をようやく見つけ出し、アイデンティティを取り戻す感動的な結末である。
Hola, ¿quién soy? Siempre he sido yo, oh-oh-oh, oh-oh-oh, oh
やあ、俺は誰だっけ? ずっと俺自身のままだったよ
Hola, ¿quién soy? Siempre he sido yo, oh-oh, oh-oh-oh
やあ、俺は誰だっけ? ずっと俺自身のままだったよ
Hola, ¿quién soy? Siempre he sido yo, yo-yo, oh
やあ、俺は誰だっけ? ずっと俺自身のままだったよ
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